服部真也日本アクセス社長との対談の「産業財Marketing」

今日は横浜商人舎オフィス。
ランチをしてから東京・大崎に向かった。
㈱日本アクセス本社を訪問。
JR大崎駅から徒歩10分の大崎ガーデンタワー。

2023年4月に代表取締役社長に就任。
雪印アクセス時代から数えて六代目の社長。

日本アクセスの2024年度売上高は2兆4188億円。
2022年3月期に三菱食品㈱を抜いて、
食品卸でトップになった。
かつて日本の食品卸は、
[日本橋・京橋・平和島]と呼ばれた。
日本橋の国分、京橋の明治屋、
そして平和島の菱食(現三菱食品)。
今はさしずめ「大崎」か。
その大崎の日本アクセスが首位となった。
もともとは雪印乳業系の卸売会社だった。
1993年に卸売業5社が経営統合して、
雪印アクセスとなった。
しかし2000年に雪印集団食中毒事件が起こった。
その試練を乗り越えて2004年、
社名は㈱日本アクセスと変わった。
当時の社長は三代目の吉野芳夫さん。
今でもお元気で、ときどきお会いする。
2006年に伊藤忠商事㈱が親会社となった。
2015年に四代目社長の田中茂治さんと対談した。
あれから10年か。
2016年に佐々木淳一さんが、
第五代社長に就任した。
佐々木さんとも一度、対談したかった。
互いに「やろう、やろう」と話し合っていた。
それが出来なかった。
申し訳ありません。
そして一昨年、服部さんが第六代社長に就任。
服部さんは1982年、伊藤忠商事に入社。
ずっと産業用繊維資材を専門としてきた。
「産業財マーケティング・マネジメント」という本がある。
700ページに及ぶ分厚い専門書だ。
マイケル・ハットとトーマス・スペイの共著。
立教大学大学院教授だった笠原英一さんが、
翻訳し解説している。

笠原さんは私の元同僚で、
優れたマーケティング学者である。
服部さんは、
産業財マーケティングの実務に携わって、
それをずっとやっていたんだ。
私は話を聞きながら、
この本を思い浮かべ、そう思った。

2019年2月に日本アクセスの執行役員になると、
それがすぐに活かされた。
チルドの流通、常温流通、冷凍流通、
そこに次世代型の新しい領域が加わっていく。
服部真也さんは、
マーケティングの人である。
フルラインの卸であるから、
強味の要冷蔵商品に限らず、
さまざまなカテゴリーに対して、
多様な施策が構想され、実行されている。
服部社長は今の消費をこう、表現した。
「二極化ではなく多極化」
その通り! 同感‼
次々に持論が展開され、
スリリングなインタビューだった。
第9次中期経営計画のキーワードの一つは、
「ソリューションプロバイダー」

その意味や取り組みは1月号で語ってもらう。
楽しみにしてください。
さて朝日新聞「折々のことば」
第3541回、12月12日版。
What do you bring to the table?
〈熊谷アントニオ〉
2006年生まれの社会活動家・熊谷沙羅さん。
『私と家族と「川の図書館」』。

ベネズエラ出身の父アントニオさんが、
よく口にするのが、
“What do you bring to the table?”
「家族の食卓に何を持ってくる?」
それで食事時には話題を持ち寄るのが、
熊谷家の習慣となった。
「じっと聞いてもらえるなら、
発言にも責任を持たなくちゃと、
先に下調べもする」
「そんな習慣が幼い頃についた」
と、娘の沙羅さんは言う。
編著者の鷲田誠一さん。
「家族生活に
デモクラシーの原点があった」
いいなあ。
服部真也さんのマーケティングに、
これは通じるものがある。
私はそう思った。
〈結城義晴〉


































