商業界九州ゼミナール福岡の「人を遺(のこ)すを上とす」

福岡アイランドシティ。
ホテルはThe 358UMI。
目覚めると、埋め立て地の流通団地。
遠くに博多湾が見える。
第59回商業界九州ゼミナール福岡。
株式会社商業界はなくなってしまったが、
商業界ゼミナールは同友の手によって残っている。
有難いことだし、すごいことだ。
開会式で米澤房朝さんが、
商業界精神について語った。
商業界九州連合同友会会長。
㈱ヨネザワ会長、ヨネザワグループ代表。
最初に令和8年熊本地震をお見舞いし、
損得より先に命を守ろう、と訴えた。
それから宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」
これが商人の心構えであると私は考えている。
そして「店は客のためにある」
さらに倉本長治の「商売十訓」の解釈。
私独特の見方だが、それを披露した。
そしてピーター・ドラッカーの思想と、
いかに酷似しているかを示した。
それから新保民八の言葉。
「正きによりて滅ぶる店あらば、
滅びてもよし。断じて滅びず」
この「滅びてもよし」と「断じて滅びす」の間に、
一節が隠されている。
「自ら、変われ」だ。
自己変革を遂げ続ければ、
断じて滅びない。
最後はいつもの講義の締めくくり。
アメリカ研修の締めくくりでもある。
マザー・テレサの言葉から、
コーネル大学の人間の四要素へ。
まずbehaviorを変えよう。
「行動・態度」を変えよう。
誰でも、今すぐにでも、できる。
講演が終わると昼食休憩。
その間に私は販売書籍のサイン会。
『チェーンストア』と、
『店長のためのやさしいドラッカー講座』
お一人ずつ言葉を添えたうえで名前をサインした。
乱筆にて恐縮。

昼食は「むんでひらいて弁当」。
10分ほどで慌てていただいたが、美味かった。
私はモデレーター。
パネリストは三人の同友。
勝山敦さん。
株式会社勝山電気工事代表取締役会長。
山下浩希さん。
染野屋グループ㈱山下ミツ商店取締役会長。
それぞれに商売十訓との出会い、
どの言葉に影響を受けたか。
それを語ってもらった。
奇しくも勝山さんは今日の朝日新聞に登場した。
半ページほどの「ツギノジダイ」
タイトルは「起死回生『元請け』への転換」
勝山さんは新聞記事以上のことを語ってくれた。
とくに「愛と真実で適正利潤を確保せよ」は、
勝山さんのイノベーションを鮮明に表していた。
山下さんはお豆腐屋さんを継いだ話、
商業界の多くの先輩から教えられた話。
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」と、
「お互いに知恵と力を合わせて働け」。
この二つに力づけられた。
山下さんの人柄が出た語りだった。
そして最後は原田さん。
「正しく生きる商人に誇りを持て」
原田さんの「誇り」をもてる商人になり、
誇りを持てる会社、店になろう、の呼びかけは、
すべての同友に響いた。
ありがとうございました。
最終講座は梶谷晋弘さん。
株式会社芝寿し相談役。
「二度とない人生」
繁栄と衰退の帰路はどこか!
上着を脱いで腕まくりして、
淡々と語り始めたが、
実に説得力のある講演だった。
私、正直、驚いた。
梶谷さんが経営に覚醒した二つの考え方。
「縁ある人々の物心両面の幸福実現」
そして「永続的社会貢献」
この二つを貫徹すれば、
必ず「いい人生」を送ることができる。
いい講演だった。
どこかで再現したいものだ。
最終講演が終わると、
「引継ぎ式」
こうして商業界ゼミナールは、
引き継がれ続いていく。
ありがとうございます。
心から感謝したい。
全体を通じて私は、
後藤新平の言葉を思っていた。
明治から大正時代にかけて活躍した政治家。
医師でもあった後藤新平。
「財を遺(のこ)すは下、
仕事を遺すは中、
人を遺すを上とす」
倉本長治のつくった会社はなくなった。
けれど同友という人々は残った。
勝山さんも山下さんも、
原田さんも梶谷さんも。
人を残す。
それが長治先生の遺志である。
ドラッカーの願いである。
ありがとうございます。
〈結城義晴〉








































