【#884】鯖の炙り塩焼き

鯖の炙り塩焼き
~柔らか焼魚で季節感を売り込む~
秋になり涼しくなると
なぜかサンマやサバなどの
魚が食べたくなる
日本人だからでしょうか
秋の惣菜の季節です
ですが惣菜の焼き魚は
あまり売れず
なぜ不人気?
それは焼いた魚が堅いから!
魚に脂がのっていないから!
骨があって食べにくいから!
などなど理由がありますが
本当においしい焼き魚を
売り込むとガチの固定客が
増えることを知っていますか!
デパ地下の惣菜売場は
午前中は閑散としていますが
午後3時を過ぎると
たくさんの客が集まって賑やかになる
そんな不思議な売場があります
それは
「焼魚」と「焼き鳥」の売場です
しかし惣菜では
「焼魚」「焼鳥」が苦手
なぜ売れないのか分からない
デパ地下の惣菜だから売れると
思う人が多いのですが
それは違うようです
すべて指名買いの客なのです
焼き魚が食べたくて
焼き鳥が欲しくて買いに来る
グルメな客なのです
デパ地下の「焼き魚」「焼き鳥」は
専門店ですから品質は本物?
どこが違うのですか?
「焼き魚」と「焼き鳥」は
ただ焼くだけなのに
惣菜が一番苦手な商品なのです
でも理由が分かれば一発解決
それは「焼き過ぎ」だからです
焼き過ぎて身が堅いからです
ゆで卵は半熟卵がおいしい
肉も魚も卵も
たんぱく質は半熟加熱がおいしいのです
半熟は身がふわふわなのです
おいしい半熟加熱は
スチコンがあれば
誰でもつくれます
「焼魚」も「焼鳥」も
スチコンのオーブンモードで
半熟に焼き上げましょう
仕上げはバーナーで炙り焼き
焦げ目を付けてふわふわ食感
職人の味が簡単につくれます
惣菜で柔らかな焼き魚を
食べた魚好き客は感激して
ひと月経てば30人の固定客
他店と差別化する「焼き魚」の
コツのコツをマスターします
★林廣美のワンポイント★
「焼き魚」はこれからの惣菜商品として売り込みたい商品です。売れないのは魚のたんぱく質を上手に調理できていないからです。おいしく焼くには、魚のたんぱく質を知ることです。おいしいたんぱく質は、卵と同じ「半熟」です。
魚や肉をおいしく半熟調理する温度は70℃前後。これが分かればもう簡単。スチコンの温度管理を利用します。スチコンの中心温度計を魚に刺し込んで、魚の焼き上がり温度を70℃、オーブン温度を180℃に設定して焼き上げます。スチコンは自動的に調理終了しますが、扉を開けずに5分ほど余熱で火を通します。全体の加熱のバラツキをなくすためです(焼く魚の大きさをそろえることも必要です)。
魚や肉は70℃を超えると急激に身が固くなります。専門の職人は長年の勘でそれを認知していますが、スチコンを使えば素人でも難なくできるのです。焦げ目は後からバーナーで焼き付けて「炙り焼き魚」で焦げ目を付けます。これで新しいおいしい「炙り焼き魚」の誕生です。ふわふわ食感の「焼き魚」、これが固定人気になるのです。
●林先生の家庭料理教室●
家で焼き魚を焼く時のテクニックを公開。鉄のフライパンがあればこれを使います。テフロンのフライパンはテフロンがだめになるので使えません。ただしテフロンが剥がれた古いフライパンがあれば、焼き魚用として使えます。
焼く時にアルミホイルを使います。アルミホイルを大きく切って、荒く、くしゃくしゃにして、フライパンの底にでこぼこの状態のまま広げてその上に魚を乗せます。蓋をして中火で焼き上げます。焦げ目はつきませんが、必要ならば魚の皮に本味醂を塗って、オーブントースターで皮目を焼き、焦げ目を付けます。本味醂で綺麗な焦げ目が簡単に付きます。バーナーがあればあぶって焦げ目を付けます。魚の干物も焼けます。干物は焦げ目を付けません。

<By 林廣美>










