商人舎

林廣美の今週のお惣菜

林廣美の今週のお惣菜

【#860】ベーコン入りマカロニサラダ

2025年04月25日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

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ベーコン入りマカロニサラダ
~マヨネーズのサラダは春から初夏の売れ筋~

マヨネーズを使ったサラダは
春から6月までよく売れます

そして不思議なことに
真夏になると
ポテトサラダもマカロニサラダも
売上げが下がります

ポテトサラダの手づくりは
手がかかって大変ですが
マカロニサラダは
店でつくりやすい

自慢の味を広める
チャンスなのです

刻んだベーコンをたっぷりと
加えたマカロニサラダは
たんぱく質の補給ができ
高級感も出ます

まず茹でるマカロニを
おいしくするのがノウハウです

「本だし」や「複合調味料」
「コンソメスープ」などで
おいしい茹で汁をたっぷりつくり
これでマカロニを
くたくたになるまで
茹でまくります
最低25分から30分ですよ

とんでもないレシピです
それには大きな理由があります

料理本や家庭料理のレシピで
つくったマカロニサラダが
店で売れないのは
陳列など時間が経つと
マヨネーズが不思議と消滅して
マカロニだけになってしまい
見た目も味も変わってしまうからです

これは茹でたマカロニが
陳列時間と共に
マヨネーズを吸い込み
マカロニが伸びて味が変わり
まずくなるからです

ですからこれ以上水分を
吸い込まなくなるまで茹でるのです

単に「水」を吸い込ませても
まずいので
「おいしいスープ」を吸い込ませるのが
ノウハウです

おいしく茹でたマカロニは
茹で汁をよく切って
甘酢(業務用の寿司酢がよい)を
振りかけてバットなどに入れて
冷蔵庫で冷やします

砂糖、塩、マスタードなどで
調味したサラダ用マヨネーズと
冷やしたマカロニ
キュウリ、ベーコンを
合わせて盛付け
商品化します


★林廣美のワンポイント★

おいしい茹で汁で茹でたマカロニは、茹で汁を切って、熱いうちに甘酢を振りかけて酢の味を含ませます。甘酢は業務用の「合わせ酢」がおすすめです。マカロニを冷蔵庫でよく冷やし、マヨネーズや具の材料と合わせます。

マカロニ、具、マヨネーズなど、サラダの材料はすべて冷蔵庫で冷やして、材料すべてが同じ温度になってから混ぜ合わせ、盛り付けて商品化します。同じ温度に材料を冷やすのは、細菌など菌の繁殖を抑えるための工程です。

さらなるノウハウは、マカロニサラダを商品化する場合には、昔ながらの肉厚のマカロニを使うことです。茹で過ぎてもマカロニの歯ごたえを残るように、長時間茹でてもしっかりとした歯触りを残すためです。


●林先生の家庭料理教室●

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家庭でマカロニサラダをつくる時には、「早茹でマカロニ」を使います。チキンコンソメのスープをつくり、このスープでマカロニを茹でます。茹でたマカロニをそのまま食べても美味しく感じるように茹でます。茹で過ぎないようにメーカー指定の茹で時間を守ります。茹で上がったマカロニはさっと水洗いをして、マヨネーズと和えます。ベーコンやハムを刻み、キュウリ薄切りと、合わせるマヨネーズに練り胡麻を好みで混ぜて、茹でマカロニと合わせるとご飯にもよく合う、「おかずのマカロニサラダ」ができます。つくり置きはできませんので、早めに召し上がってください。レストランのつくり方です。


<By 林廣美>

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【#859】手づくり「カキフライ」

2025年04月18日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

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手づくり「カキフライ」
~今だからこそ本物の手づくり惣菜を強化せよ~

今は大きなカキフライが旬
冬に大きく育ったカキは
加工業務用のカキ原料として
冷凍されて出荷されます

その原料を使います
カキフライは惣菜の揚物の中では
トップクラスの人気の商品です

ですが冷凍で流通している
パン粉衣付きの商品は
揚げるだけで調理が楽ですが
本物の味とは言いかねます

さらに大きなカキフライは
原料が割高で高額です
カキの産地が近くて
安く手に入るのなら
売り場の人気を独占です

大きなカキ原料は高価ですが
小さな安いカキでも
手づくりだとひと味もふた味も違います

手に入るのなら大小関係なく
手づくりの「カキフライ」に挑戦

そうは言っても
生原料のカキや冷凍解凍の
カキの身は柔らかく扱いにくい
パン粉を付けるだけでも大仕事

そこで特別な秘策
カキの外は固く中は柔らか
そんなカキを最初につくります

カキの身をしゃぶしゃぶ感覚で
さっと茹でると
カキの外は固く
中は半生になる
このカキを水で冷やせば
扱いやすいカキフライの原料になります

このカキに塩コショウを振り
フライ専用のバッターを付けて
荒目パン粉をしっかり付けます
これが人気のフライの原料
180℃の油でカラリと揚げます

大きなカキフライはご馳走
小さいカキフライも豪華おかず
これが他店より安ければ
注目商品になります

余談ですが
日本のカキフライが
フランスで人気です
手づくりカキフライは絶品の旬味
冷凍衣付きより旨さ10倍
食べてみればあかります


★林廣美のワンポイント★

さっと茹でたカキに付ける、バッター液は濃いめにつくります。粗目のパン粉をしっかりと付けるためです。粗目の生パン粉だとフライも大きく見えます。

手づくりカキフライは、パン粉付き冷凍カキフライより短時間で揚がるので、揚げ過ぎないように気を付けましょう。ただし中身が半熟だと、揚げ足りないといわれることもあるので、テストを行い、揚げ時間の確認をしてください。


●林先生の家庭料理教室●

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この季節になると、スーパーの鮮魚売場にカキの剥き身(冷凍解凍)が陳列されます。これを買い求め、塩コショウをして卵液(生卵を溶きほぐしたもの)をよくまぶしてから、パン粉をしっかりと付けます。パン粉を付けたら上から軽く押して平たくします。

フライパンにオリーブ油を大さじ3杯ほど入れて熱してから、パン粉を付けたカキを入れて中火で薄いきつね色に揚げ焼きし、ひっくり返して同じようにきつね色になるまで揚げます。

器に盛り付けて、ソースマヨネーズ(マヨネーズに中濃ソースを混ぜる)とマスタードを添えていただきます。付け合わせはブロッコリーを焼いて添えるのはいかがでしょうか。


<By 林廣美>

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【#858】春の「アサリご飯」

2025年04月11日(金曜日)
カテゴリー:
  • 弁当・おにぎり・丼
  
10:00 AM

20250410_hayashi

春の「アサリご飯」
 ~おいしい旬の味を演出する~

海の幸 晩春の味
海辺の「アサリ」の旬です
潮の香りのする
「アサリご飯」は初夏の味

炊き込みご飯は
女性客が最も好む商品です

旬の味の売り込みは
惣菜売場を注目させる
必須の品揃えです

アサリは剥き身の
冷凍原料の素を
使ってつくります

冷凍アサリは身が固いので
煮物ダシで1時間ほど
コトコト弱火で煮ると
柔らかくおいしくなります
残った煮汁で野菜を煮ます
アサリの味を含ませます

ご飯に混ぜる野菜の具材は
ニンジン千切り
ヒジキ
牛蒡ささがき
シイタケ薄切り など

炊いたご飯が熱いうちに
「麺つゆ」をかけまわして
ご飯に薄く下味を付けてから
トレーに盛り付けて
煮上げて野菜と
柔らかく煮たアサリを
盛り付けます


★林廣美のワンポイント★

「アサリご飯はつくるのが大変」という場合には、業務用の「アサリ炊き込みご飯の素」があります。これは炊き上げた熱いご飯に、混ぜ合わせるだけでつくれますが、安い価格で販売することは難しくなります。

年間で売れる旬の味の「炊き込みご飯」は「アサリご飯」「鯛めし」「竹の子ご飯」「キノコご飯」「栗ご飯」「鶏めし」などです。人手の関係で最近では炊き上がった白ご飯に混ぜ合わせる、業務用の「炊き込みご飯セット」の原料が出回っており使われていますが、できれば手づくりの味で売り込みたいものです。


●林先生の家庭料理教室●

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晩御飯でいろいろなおかずを作るのは大変!という時につくっているのが、「混ぜご飯」です。スーパーの惣菜売場で「ひじきの煮物」を買い求めて置き、家で白ご飯を炊き上げたら、下味として「麺つゆ」を炊いたご飯に振りかけて混ぜ合わせ、薄味の味ご飯をつくります。これに買い求めていた「ひじきの煮物」を加えて混ぜ合わせてれば「ヒジキご飯」になります。これに「アサリ佃煮」を好みの分量をトッピングします。

「麺つゆ」は少なめにしておくことがおいしくつくるコツです。なぜなら惣菜の「ひじきの煮物」は味の濃いことが多いからです。

仕上げに絹さやなど緑の野菜をトッピングします。佃煮のアサリはアサリの身が柔らかく炊きあがっていることが多いので、炊き込みご飯風には最適です。

 


<By 林廣美>

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プロフィール

<林 廣美>

日本フードサービス専門学院 学院長

週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。

【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』(商業界)の常連執筆者。

<山中 典子>

フードプランナー・日本フードサービス専門学院 講師

東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株)にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。

【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰

【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定(食農検定)、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。

<大塚 長務>

株式会社明治屋 代表取締役

1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。

【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師

【趣味】
食べ歩き

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