柔らかな手詰め稲荷寿司
行楽シーズンに大活躍の寿司
この寿司は手がかかるので
ほとんどが機械でつくられます
安くて良いのですが皮が硬めで
人気はイマイチです
そこで稲荷寿司の勉強です
まず稲荷の皮です
機械でつくる稲荷寿司の皮は
柔らかいとシャリを詰めるとき
機械なので皮が破れやすく
どうしても硬い皮を使います
食べるとゴワゴワな感じです
せっかくの行楽商品なので
皮のメーカーを選んで
柔らかい稲荷の皮で
シャリを詰めて売り込みます
柔らかい稲荷の皮は
原料の豆乳を重曹で固めて
豆腐をつくってから
稲荷の皮をつくり
甘く仕上げてあります
少しコストが掛かります
シャリにかやく(椎茸など具)を
混ぜて稲荷シャリをつくり
柔らかめに手で詰めます
形よく大きさを揃えて
見栄え良くつくってください
＜By 林廣美＞
旨酢と蛸とワカメの酢の物
温暖化はお惣菜にも影響します
本来なら酢の物はもっと先の
4月下旬なのに
もう売れ始めています
気温が18度を越えたら
酢の物の出番です
酢の物といえば
蛸とワカメの酢の物が
定番中の定番です
とはいえ蛸の原料は高騰
そこで蛸はできるだけ
薄く切ってトッピング
また頭(胴体)や嘴肉は安いので
ここも上手に刻んで
混ぜて使いましょう
あまり酸っぱいのは売れません
食べてみて柔らかな甘酢が人気
少々値段が高くても
食べてむせない甘酢を選んで
酢の物はつくります
ワカメは色も大切ですが
酢の味を効かせるために
一晩旨酢に漬け込みます
タコはおいしそうにトッピング
キュウリは薄切りにして
多めに入れるのがコツ
爽やかさを活かして
売り込みます
＜By 林廣美＞
春の冷やし中華麺
今年はなんという暖かな春です
桜も早々と咲き始めています
季節の惣菜前線も番狂わせ
煮物やサラダの季節商品を
飛び越えて一気に冷麺です
今年最初の冷麺は
シンプルなスタンダードの
冷麺がおすすめです
なぜなら今日は暑いとしても
次の日は寒くて冷麺なんか
売れない等ハズレも多い
だからまずは安くておいしい商品から
スタートします
シンプルだけれど美味
そこに狙いを付けます
麺は麺メーカーから
時間が経っても伸びにくいもの
タレは甘めの柔らかい酸味で
スープの味のストレートタイプ
スープの量が多めのもの
麺とキュウリはボリュームを
付けて盛り付けます
キュウリの原価に気をつけて
相場が高い時は
レタスを多めに使ってカバーします
ハムまたは焼豚の千切りや
レタスの刻んだものなど
コストを考えてつくります
辛子マヨネーズの小袋
刻み紅生姜などシンプルに
決めては錦糸玉子です
できれば手づくりのおいしい
薄焼卵を刻んで
たっぷり盛りつけたいもの
つくるときには衛生管理に
気をつけてください
卵は滅菌液卵がおすすめ
焼いた手づくり錦糸卵は
刻んでしっかりと冷してから
盛り付けてください
参考売価は
298円から350円
でいかがでしょう
＜By 林廣美＞
＜林 廣美＞
日本フードサービス専門学院 学院長
週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。
【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』（商業界）の常連執筆者。
＜山中 典子＞
東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株）にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。
【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰
【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定（食農検定）、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。
＜大塚 長務＞
株式会社明治屋 代表取締役
1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。
【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師
【趣味】
食べ歩き
