商人舎

林廣美の今週のお惣菜

林廣美の今週のお惣菜

【#857】手づくり「鮭おにぎり」

2025年04月04日(金曜日)
カテゴリー:
  • 弁当・おにぎり・丼
  
10:00 AM

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手づくり「鮭おにぎり」
 ~ポイントは米の「浸漬」時間~

最近のお惣菜は
揚物をはじめとして
メーカー品が多くなって
惣菜って手づくりじゃあないの?と
疑問を持つ客が多いのです

そこでメーカー品ではなく
簡単に手づくりできる
店自慢のおにぎりで
人気回復を図ります

見た目が素人っぽくて
明らかに手づくりとわかる
商品が人気なのです
それがこの「おにぎり」です

失敗しない方法は
ただ一つ
まずは「おいしいご飯を炊くこと」

お米が注目されている今こそ
「ご飯炊き」が大切なのです

おいしいご飯の秘伝は
お米を水にしっかりと長時間
漬け込む面倒な「浸漬」です
「朝が早く、ご飯炊きの時間が無い…
無洗米で何とかなりませんか?」
残念ながらなりません
無洗米では競合店には勝てません

夏は1時間「以上」
冬は2時間「以上」
洗った米を水に漬けます
これが秘策です

「以上」という表現でわかるように
お米は水に長く漬けても
溶けたりはしません
余計には水を吸わないのです
ですから前の日から長々と
冷蔵庫保管で「浸漬」すれば
朝が早くても楽々ご飯炊き

おいしく炊けたご飯で
おにぎりを握る

鮭はフレークではなく
手切りで同じ大きさにカットし
スチコンで焼き上げて
ふわりと握った
白おにぎりに焼鮭を乗せ
おにぎりに仕上げます

海苔を巻いてラップで巻き
手づくり感とおいしさを強調
人気を出します


★林廣美のワンポイント★

「浸漬」の基本とは、米にしっかりと水を吸わせること。水の中で長く「浸漬」させるのです。午後など仕事が空いている時間に、次の日の用意をします。ガス釜など炊く時の決まっている分量(1釜分)の米を洗って、大きなポリ袋に入れて、袋の中の米よりもすこし多めの水を加え、空気を抜いて縛って冷蔵庫に保管します。翌日炊く回数に合わせて1釜分ごとに袋を分けておくと便利です。

生米は1.29倍まで水を吸収し、それ以上は水を吸いません。なので、長時間水に漬けても構わないのです。これで面倒なご飯炊きの作業システムを楽作業に変えることができます。

次の朝、浸漬させた米をザルにあけて水を切り、決められている分量の水を加えて、いつもの炊飯器でご飯を炊きます。たったそれだけでおいしいご飯が炊き上がります。とは握るだけで人気の商品ができます。


●林先生の家庭料理教室●

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便利な無洗米ですが、食べて「おいしくない」という人に一言です。無洗米は面倒でも前日に水に漬けて冷蔵庫に入れましょう。普通の米よりも浸漬時間を長くする必要があるからです。洗わずに使える便利な無洗米ですが、水に漬けておく時間は必要なのです。便利だからといって、無洗米に水を加えてスイッチオンではおいしく炊けません。ですから前日から水に漬けておきましょう。

炊飯器に合わせて無洗米を計ったらポリ袋に入れ、米より少し上まで水を入れて、空気を抜いて、口を閉じて、冷蔵庫に入れます。次の日はザルにあけて水を切り、決められた水(炊くための分量の水)を加えて炊飯器で炊き上げます。

冷蔵庫で保管すれば2~3日は使えます。ロスはありません。今まで無洗米は「おいしくない」と思っていた人も見直すはずです。「浸漬」でおいしくなります。


<By 林廣美>

 

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【#856】ビーフメンチカツ

2025年03月28日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

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ビーフメンチカツ 
 ~揚物は安さと「ビーフ」が決め手~

昔から惣菜売場では
フライや唐揚げなどは
春と夏に売れて
冬は煮物や中華などと
言われています

しかし最近は
気候変動のせいか
冬なのに売場には
メーカーの冷凍原料の
揚げ物がずらり

揚物惣菜が花盛りの
最近の惣菜売場ですが
不思議とよく売れます
日本人の「揚げ物好き」が
季節感を無くしたようです

売れるのでメーカーが
さまざまな冷凍原料の
揚物惣菜を持って
商談にやってきます

本当に売れるの?
百発百中の商品を見抜く
眼力が要求されます
そのコツとなる「鍵」が
「ビーフ」の文字です

数ある揚物商品の中で
間違いなく大量に売れるのは
価格の安い「ビーフコロッケ」と
「ビーフメンチ」です

色々なメーカー品があり
値段も手ごろな量販価格
これに目を付けて
売りまくります

「ビーフ」と名が付けば
昔からの「肉屋さん」のイメージ
今の惣菜コロッケより
高級感を連想させる
人気商品です

食べたいのは
鶏肉より 豚肉より
牛肉の「ビーフ」なのです
値段の安い「ビーフ」なのです

「ビーフ」の揚物に注目です


★林廣美のワンポイント★

ビーフだからと言って、値段が高ければ売れません。食べたい肉は、鶏肉も良いけれど、それより豚肉、それよりも牛肉のほうが、高級、おいしいという意識が働くのかもしれません。これは理屈ではなく、昔からの感覚です。特に関西など西日本は、肉といえば牛肉というイメージが働きます。

今、惣菜売場を広げるブームが起きています。「ビーフ」イメージの揚物商品の売場を広げるのも売り方の一つです。まずはメーカー品で自信を付けてから、手づくりで自店自慢のロング人気の「ビーフメンチ」や「ビーフコロッケ」を開発してください。


 

●林先生の家庭料理教室●

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いくら人気の「ビーフ」でも、食卓に揚物だけというのは味気ないものです。そんな時には惣菜で買い求めた「ビーフメンチ」をレンジで温めて器に盛り、洋風トマトソースをたっぷりかけると、立派な一品になります。トマトや玉ネギなど、野菜を炒めて食品メーカーの「ハッシュドビーフの素」を加えて、トロリと煮込んでルーをつくり、惣菜で買い求めた「ビーフメンチ」などにかけて仕上げます。

時間が無い時にはレトルトパックの「ハヤシライス」などを、加熱して使えば手間も時間もかかりません。


<By 林廣美>

 

 

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【#855】おいしい「冷凍枝豆」

2025年03月21日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

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おいしい「冷凍枝豆」
 ~季節外れの今だからこそ!~

季節外れに枝豆の売り込み?
もちろん冷凍枝豆です
生の枝豆の「はしり」は5月
その前が冷凍枝豆の売り時

今の時期はお酒を飲む機会が多い
だから冷凍枝豆が売れるのです

でも冷凍枝豆は
おいしくないと
思っていませんか?

それをおいしくしたら
人気商品として売れます

その秘訣は
もう一度茹でるのです
さらに枝豆を解凍しながら
枝豆のおいしさを
プラスしてあげるのです

冷凍枝豆がおいしくないのは
枝豆の緑の色が
悪くならないように
最低限の加熱をしかしません
つまり加熱が足りない
半生の味なのです

もう少し茹でてくれれば
おいしいのですが
色が悪くなるので
メーカーは茹でる時間を
ぎりぎりにしているのです
味より見栄えを優先しています

そこで売れる枝豆レシピ
面倒ですが
「もう一度茹でる」のです
これが売れる基本

まず大きなボウルに多めの氷と
氷より少なめの水を
入れて用意します
これは冷やすためのものです

鍋に3リットルの湯を沸かし
冷凍枝豆500gを
2分~2分30秒弱、茹でます
茹でたらすぐザルに取り
用意した氷水に入れて5分冷やす

冷やしたら水をきって
冷蔵庫でさらに5分以上冷やします
芯まで冷さないと変色するのです

冷した500gの枝豆に
塩10g・砂糖15gを
混ぜ合わせて味を付け
トレーに盛って販売します

陳列して売れたらまたつくります
大量につくったらいけないの?
大量につくると陳列中に
枝豆の色が変わって
売れなくなります

「売れたらつくる」
これを繰り返して
ロスが出るのを防ぎます


★林廣美のワンポイント★

冷凍枝豆は茹で足りません。固くて青臭いのはそのせいなのです。そこで「茹で」を加えておいしくします。しかし茹で過ぎると、枝豆の緑色が悪くなり売れ方が鈍くなります。それを防ぐために一度に大量製造しません。面倒でも売れたらつくり、売れたらつくりを繰り返します。氷水は冷蔵庫で保管して氷が解けるのを防ぐなど、工夫します。

また枝豆の緑色は冷蔵ケースの蛍光灯の光でも変色するので、長時間陳列するのには向きません。そのためにも売れたらつくる、を勧めます。

おいしい枝豆は甘みがあります。そこで仕上げに砂糖を加えます。冷凍で失われた甘さを補充するためのテクニックです。


 

●林先生の家庭料理教室●

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家庭で冷凍枝豆を食べる時には、枝豆のサヤの色を気にする必要がありませんので、フライパンで加熱します。200gの冷凍枝豆をフライパンに入れ、70cc(大さじ5杯弱)の水と小さじ1/3の砂糖を入れて、蓋をして2分間ほどゆすりながら蒸すように加熱します。これでOKです。砂糖を入れるのは本来おいしい枝豆は甘みがあるため。この甘さは砂糖と同じ蔗糖(しょとう)の味です。冷凍すると味が失われるので、元の味に戻すために砂糖を加えるのです。


<By 林廣美>

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プロフィール

<林 廣美>

日本フードサービス専門学院 学院長

週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。

【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』(商業界)の常連執筆者。

<山中 典子>

フードプランナー・日本フードサービス専門学院 講師

東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株)にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。

【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰

【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定(食農検定)、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。

<大塚 長務>

株式会社明治屋 代表取締役

1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。

【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師

【趣味】
食べ歩き

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