結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年04月09日(木曜日)

オークワの販売会議講演とセブン・イオンの首位の座逆転

今日は和歌山市。

紀ノ川。
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㈱オークワでの講演。
本社に隣接する研修棟へ。

年に5回、販売会議が開かれる。
幹部や本部社員、店長たちが450名ほど集まって、
終日、営業施策や情報の共有が行われる。

この日は、午後に講師を招いて講演会が開かれる。

私は2023年7月から、
1年に2回ずつ招かれて講演をしている。

今回で7回目になる。

4階の大ホールには、
250名ほどが参集。
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他のメンバーは下の階の複数の会議室で、
スクリーンを通じて同時に聴講する。

初めに前回の復習を簡単にする。
三度目の復習をすると、
どんどんシンプルになって、
逆に本質が見えやすくなる。
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それを貫徹してください。
寄って集ってやり遂げてください。

それからオークワの2025年度決算に関して、
私なりの分析を披露した。

そして私の提案。IMG_5282

後半は上着を脱いで、
力を入れて話した。IMG_5285

最後は「今、良い戦略を。」

戦略が良ければ、
戦術の失敗は、
挽回できる。

良い戦略があれば、
戦術でミスを犯しても、
その間違いを取り戻すことができる。

しかし戦略が悪ければ、
まず戦術は失敗しやすい。
現場の努力は実りにくい。

さらに悪い戦略の場合、
ある戦術が成功したとしても、
それが成功すればするほど傷は深まる。

戦術が成功するほどに、
悪い戦略の深みにはまっていって、
戦略の悪さが表に出てこない。

その結果として、
悪い戦略が長きにわたり継続され、
組織は茹でガエル化によって破滅に至る。

戦略が良ければ戦術の失敗は挽回できる。
戦略が悪ければ戦術の成功が逆に、
マネジメントの死をもたらす。
〈結城義晴〉

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現場の努力を評価してほしい。
現場を信じてほしい。

ご清聴、感謝。

さて商人舎流通SuperNews。

日本の小売業の首位の座が入れ替わった。

セブン&アイnews|
営業収益10兆4303億円12.9%減/国内トップから陥落

㈱セブン&アイ・ホールディングス。
2026年2月期決算の営業収益、
10兆4303億円、前年増減率12.9%減。
営業利益4230億円、0.5%増。
経常利益3774億円、0.8%増。
当期純利益2928億円、69.2%増。

減収増益。

営業利益率4.1%、経常利益率3.6%。

減収の理由は2025年9月1日付で、
㈱ヨーク・ホールディングス傘下の子会社が、
連結の範囲から除外され、
中間連結会計期間までの業績が、
連結子会社として計上されたからだ。

そのヨーク・ホールディングス、
社内ではスーパーストア事業。
営業収益6895億円、51.9%減。
営業利益175億円、68.2%。

さらに金融関連事業も連結範囲から除外、
中間連結会計期間までを計上。

セブン銀行とその子会社9社は、
営業収益1372億、35.3%減。
営業利益210億円、34.5%減。

国内コンビニエンスストア事業は、

営業収益9146億円、1.2%増。
営業利益2225億円、4.7%減。

微増収減益。

セブン-イレブン・ジャパンは、
営業利益2203億円、5.8%減。
チェーン全店売上は5兆4693億円、1.9%増。

海外コンビニエンスストア事業。
営業収益8兆5568億円、6.7%減。
営業利益2222億円、2.8%増。

北米の7-Eleven, Inc.の営業利益は、
3324億円、0.8%増。
チェーン全店売上高9兆7255億、7.3%減。

セブン&アイは、
コンビニ業態の会社となった。

一方、
イオンnews|
’25年度営業収益10兆7153億円5.7%増/国内小売りトップ

営業収益10兆7153億円、前期比5.7%増。
営業利益2705億円、13.8増。
経常利益2430億円、8.4%増。

いずれも過去最高。
もちろん増収増益。

当期純利益は727億円、26.7%増。

これによって、売上高は逆転した。

ただし営業利益率2.5%、経常利益率2.3%。
まだまだです。

総合スーパー事業は営業収益3兆6919億円、3.7%増。
営業利益214億円、前期より51億円の増益。

イオンリテールの営業収益は、
2兆0301億円、8.1%増。
営業利益72億円、9.3%減。

日本小売業全体のトレンドと同じ、
増収減益。

スーパーマーケット事業は、
営業収益3兆0857億円、1.0%増。
営業利益299億円、前期より27億円の減益。

ヘルス&ウエルネス事業は、
営業収益1兆6333億円、23.5%増。
営業利益524億円、164億円の増益。

新生ツルハホールディングスは、
営業収益1兆4506億円、営業利益630億円。

イオンはコングロマーチャントである。
それは変わらない。
そして各業態が増収した。

日本の小売業に新しい時代がやってきた。

〈結城義晴〉

2026年04月08日(水曜日)

イラン戦争「停戦合意」と「トランプは三度負ける」

イラン戦争、停戦合意。

期限は2週間だとか。

スペインのペドロ・サンチェス首相。
「停戦は常に良い知らせだが、
この一時的な安堵によって混乱や破壊、
そして失われた命を忘れてはならない」

その通り。
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多くの命が奪われた。
それは戻らない。

忘れてはならない。

「スペイン政府は、
世界に火を放った者たちが
バケツを持って現れたからといって
彼らを称賛することはない」

ホルムズ海峡も、
そのまま解放されるわけではない。

朝日新聞にエマニュエル・トッド登場。
「トランプは三度負ける」
1951年、フランス生まれの歴史人口学者。
パンテオン・ソルボンヌ大学、パリ政治学院、
英国ケンブリッジ大学卒業。

1976年にソビエト連邦の崩壊を予言し、
2016年にはドナルド・トランプの当選を言い当てた。
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「第一の敗北は、
ウクライナにおけるロシアに対する、
米国の事実上の敗北です」

「製造業が衰えた米国は、
支援するウクライナに十分な
武器や弾薬を提供できず、
米国の産業システムが
大規模な戦争を支えられない事実が
露呈しました」

「第二の敗北は、中国に対する敗北」

「トランプは関税で中国を威嚇しましたが、
中国がレアアースの禁輸で脅し返すと、
すぐに撤退を余儀なくされました」

これは中国に対する敗北。

「したがって、彼の現在の行動のすべては、
これら重要な敗北から目をそらし、
自らも忘れるためのものだと考えると
理解できます」

イラン戦争は「三つ目の巨大な敗北」

この戦争は非対称性の現代戦だ。
イラン・ミサイルの算術。
「2万ドルのドローン対400万ドルの迎撃ミサイル」

「この戦争の根本には米国社会の崩壊、
具体的には『宗教ゼロ』の状態があります」

「かつて社会を統合していた
道徳的・精神的な規律や価値観が失われ、
退廃や空虚さの中で、
『虚無主義(ニヒリズム)』が広がっています。
これはイスラエルにも当てはまります」

2月28日のこのブログで論じた。
「商売のニヒリズム」と「鷲の勇気・蛇の知恵」

「アメリカは議会、大統領、最高裁判所からなる
伝統的な『共和国』ではなくなってしまった」

三権分立が機能していない。

「今の米国は、大統領、国防総省、
そしてCIAからなる『帝国』へと変質しています」

「議会や最高裁は、もはや諮問機関に過ぎない」

トランプが退任したとしても、
体制が元に戻りはしない。
不可逆的な要件は残る。

だから「日本がとるべき道は、
自らの特徴をしっかりと見つめ、
米国から静かに距離を置き、
中国を含めたアジア諸国と、
平和的に理解と関係を深めることです」

「そのような道を進めば、
多極化する世界の中でも、
中国やロシアを含めて多くの国が、
日本の存在感を認めるでしょう」

大事なのは日本という国の、
ポジショニングである。

とくにトランプに牛耳られた米国に対しては、
静かに距離を置くことだ。

私は昼の新幹線で西へ。
新大阪に着いてから、
特急くろしおに乗り換えて、
和歌山に着いた。
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駅前のホテルには五月人形。
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商人舎流通SuperNews。

ミニストップnews|
営業総収入918億円4.9%増・経常損失31億円

ミニストップ㈱の 2026年2月期本決算。
営業総収入917億8800万円、前期比4.9%増。
しかし営業損失36億円、
前期も34億8600万円の営業損失。

経常損失30億6700万円、
前期は28億6800万円の経常損失。

当期純損失56億3000万円、
前期は67億7400万円の純損失。

損失が少なくなった。

現在の経営陣や幹部、従業員が悪いわけではない。

私はずっと、
「寡占/鼎占/複占」を唱えている。

小売業が成熟化・進化すると、
業態やフォーマットの種類が豊富になる。

そのかわりに業態ごとには三つの状況に進む。
第1に「寡占」
少数の供給者が、
ある一定の市場のほとんどを支配し、
互いに競争している状態。

第2が「鼎占」
三者によって市場のほとんどが
支配されてしまう状態。

第3に「複占」
二者によって市場のほとんどが
支配されてしまう状態。

第4に市場では多様なニッチ化が進む。

日本のコンビニは典型的な「鼎占」である。
4番目は大きく離されて、
しかも赤字続き。

鼎占は複占に向かっている。
そんなときに四番手の存在価値は、
かぎりなく希薄になる。

大都市圏の店は、
まいばすけっとに替えることができる。

私はそう思っている。

それ以外のミニストップは、
ローソンかファミリーマートへ。

そのキャスティングボードを握る。
悪い立場ではないと思うが。

イランの停戦に少しだけ気分が晴れて、
書きすぎた。

恐縮。

〈結城義晴〉

2026年04月07日(火曜日)

小川賢太郎さん、ご逝去/フジ・USMH増収減益とサンエー微増益

小川賢太郎さんが亡くなった。
㈱ゼンショーホールディングス代表取締役会長。
77歳、本当に残念だ。
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2017年からは生団連会長。
国民生活産業・消費者団体連合会。

2021年1月に対談した。??????????

小川さんは1982年6月、
横浜市鶴見区で(株)ゼンショーを設立。
資本金は500万円だった。
牛丼専門店「すき家」1号店。

積極的なM&A戦略を展開。
2008年にはすき家の店舗数が1087店舗となり、
吉野家の1077店舗を抜いた。

2011年には外食業界売上首位を達成。
日本マクドナルドホールディングスを抜いた。

2025年3月期には、
売上高1兆1366億円。

日本初の売上高1兆円超の外食企業となった。
ものすごく負けん気の強い人だった。

事業においては、
小川さんは満足していたのだと思う。

政治にも強い関心を持った。

2017年1月、生団連では、
それを実行して、
与党に対して睨みを利かせた。

2024年6月、次男の小川洋平氏が、
代表取締役社長兼CEOとなった。

後顧の憂いはないに違いない。

それにしても77歳の逝去は早すぎる。

心からご冥福を祈りたい。

さて、「セルコレポート」が届いた。
私の連載は「Tide of Time」
今月は「コンサルタント活用法」
ご愛読をお願いします。IMG_1646 (002)

朝10時に岸本光永先生、来社。
元立教大学大学院教授。
私、2009年からご一緒した。
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今、お住まいは横浜のお隣りの逗子。

わざわざ商人舎オフィスを訪ねてくださった。

1時間ほど、ご研究のことなどを伺った。
統計と確率が最も大事だというお話。
興味深かった。

流通産業も組織学習が必要だと一致した。
組織が学ぶためにはまず、
個人が学ぶこと。

岸本先生は82歳ですこぶるお元気だ。

ご本をいただいた。
『戦略思考の鍛え方』
冨山和彦さんとの共著。
冨山さんは㈱経営共創基盤代表取締役CEO、
経済同友会副代表幹事。
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夕方にはレンゴー㈱の皆さんが来社。
パッケージング部門開発部所属。
レンゴーは世界最大の段ボールメーカー。

右から、縄田幸男さん、山本麻依子さん、
そして西田真美世さん。IMG_5276
縄田さんはシニアディレクター。
山本さんはパッケージ開発課課長に昇格。
西田さんはマーケティング課の課長ディレクター。

山本さん、おめでとう。
西田さんは5月の商人舎ラスベガス研修に参加、
よろしく。

ダンボールを活用した陳列什器、
ダンボールカット陳列のことなど、
いろいろとアドバイスした。

レンゴーの人たちは、
勉強家ばかりだ。

午後は㈱フジの決算記者会見を、
オンラインで見ていた。

フジnews|
’25年度売上高8143億円0.7%増・経常利益125億円12.5%減

営業収益8143億円、前年同期比0.7%増。
7期連続の増収。

営業利益112億円、13.4%減、
経常利益125億円、12.5%減。

増収減益。
今回の決算のトレンドだ。

営業利益率1.4%、経常利益率1.6%。

一方、
U.S.M.Hnews|
営業収益9638億円18.8%増・経常利益20.0%減

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱。
営業収益9638億円、前期比18.8%増。
営業利益50億5000万円、15.5%減。
経常利益49億1100万円、20.0%減。

増収減益。

営業利益率、経常利益率ともに0.5%。

イオングループの企業群は、
収益性の問題を解決してはいない。

サンエーnews|
’25年度営業収益2455億円3.5%増・経常利益1.7%増

営業収益2455億円、前年比3.5%増。
営業利益171億円、0.9%増、
経常利益178億円、1.7%増。

サンエーですら微増益。
しんどい1年だった。

営業利益率7.0%、経常利益率7.2%。

収益性の高いチェーンストアは、
その体質がすぐに崩れることはない。

収益性の低い企業が、
その体質を改善するにも時間はかかる。

地道な努力しかない。
そして現場の力、現場の努力を、
高く評価するところからしか、
改善と改革は生まれない。

〈結城義晴〉

2026年04月06日(月曜日)

オークワ・薬王堂の2025年度決算と「3つのニーズ」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol⑭]

2026年第15週。
4月第2週。

通勤途中のいつもの桜。
下のほうは葉桜。
でも上部は満開。
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今年の桜も終わる。
ありがとう。

午前中は東京へ。
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丸の内を歩いて、天を指すモニュメント。IMG_1613 (002)

大手町プレイスタワー。
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地下1階に田嶼尚子院長先生の病院がある。IMG_1611 (002)
毎月の血液と尿の検査。

尿酸値は4.0まで下がってきた。

ヘモグロビンA1cだけ、
0.1ポイント上がった。
ダウントレンドにしなければならない。

食事と運動。

それに尽きる。

運動といっても、
ゴルフだけではいけない。
頑張ります。

それから横浜商人舎オフィスに戻る。

そして5月号の編集会議。
絶好球がやってきた。
きれいに打ち返すだけ。

ただし私は来週から、
ニューヨークへ出張する。

よろしく頼みます。

夕方、自由が丘へ。
こちらも桜は散った。
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葉桜も少し残る。
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華やぎを脱ぎ葉桜となりにけり
〈稲畑汀子〉

いつもの花屋。
モンソーフルール。
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値ごろの花束はカラフルだ。
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併設されていたアイスクリーム屋は、
注文焙煎の豆虎になった。
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さて商人舎流通SuperNews。
決算が発表されている。

オークワnews|
’25年度営業収益2527億円1.0%増・経常36.8%増

㈱オークワの2026年2月期連結決算。
営業収益は2526億5500万円、
前年同期比1.0%増。

営業利益18億7800万円、41.4%増、
経常利益19億7300万円、36.8%増。

微増収ながら増益。

まあ、よかった。
みんな頑張った。

しかしまだまだ。

大桑弘嗣社長の記者会見のコメント。
「業務改革による原価低減と、
マーケティング分析の強化を、
成長の2本の柱としたい」

薬王堂news|
年商1638億円6.8%増・経常利益5.3%減の増収減益

㈱薬王堂ホールディングスは、
売上高1638億円、前年比7.8%増。
ドラッグストアは好調だ。

営業利益52億8500万円、3.6%減、
経常利益54億7100万円、5.3%減。

増収減益。

部門別に前年比を見ると、
「ヘルス部門」264億円(0.8%増)、
「ビューティ部門」220億円(6.9%増加)。
「ホーム部門」354億円(8.0%増)、
「フード部門」798億円(10.5%増)。

ヘルス&ビューティのドラッグストアだが、
それらの伸びよりも食品と雑貨が、
合わせて1152億円で全体の7割を占める。

月刊商人舎11月号特集は、
「薬+食」の正体
ドラッグ&フードに傾いていく日本消費市場202511_coverpage

この中で私は現在のドラッグストアを、
3つに分類した。

第1の類型が「ドラッグ&フード型」
主力がドラッグストア、
サブがスーパーマーケットの食品。
店舗はそのコンバイン(結合)型。

新生ツルハホールディングス、
スギホールディングス。

第2が「純粋ドラッグストア型」、
「HBC強化型」。
マツキヨココカラ&カンパニー、
食品比率は9.3%。

第3の類型が「フード&ドラッグ型」
業界3位のコスモス薬品は食品構成比61.2%。
13位Genky DrugStoresは70.4%。
薬王堂もこれに並ぶ。
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有力チェーンは、
第1の「ドラッグ&フード」から、
第3の「フード&ドラッグ」に移行中。

そしてそのスピードが驚くほど速い。

スーパーマーケットへの影響は甚大だ。

ニーズは三つに分類される。

第1がコンビニエンスニーズ。
スーパーマーケットは、
「近所の冷蔵庫の役割を果たす」と、
コンビニエンスニーズに応える。

ドラッグストアも食品の構成比を上げて、
このニーズを捉えようとする。

第2がディスカウントニーズ。
スーパーマーケットは二手に分かれてきた。
ディスカウント型のオーケーをはじめ、
凄い勢いだ。

ドラッグストアもコスモス薬品は、
ディスカウントニーズ一直線だ。

第3がスペシャルティニーズ。
専門性の需要。
生鮮食品や惣菜の強いスーパーマーケット、
高級スーパーマーケットなど。

マツキヨもドラッグストアとして、
この第3のニーズを捕まえている。

強い企業はこの3つのニーズの、
2つを獲得している。

3つのニーズを全部取ることはできない。

その組み合わせが現代の戦略だ。

では、みなさん、今週も、
自分が担うニーズを突き詰めよう。

Good Monday!  

〈結城義晴〉

2026年04月05日(日曜日)

小説家と心理カウンセラーの「生成AI」考

今日はプライベートゴルフ。
ホームコース。
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天気予報は雨だった。
だから空いていた。

けれどいい天気になった。
ありがたい。

荒れ模様の天気なので、
春の空ではない。
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最近、ドライバーとウッドをかえた。
道具の進化は目覚ましい。
その調整もしたい。
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桜は終わりごろ。

竹林と桜。
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池のほとりの桜。
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仕舞いの桜もいいもんだ。
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ドライバーもなかなかいいが、
フェアウェイウッドはとくにいい。
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満足のラウンドだった。
雑誌の締切りが終わったら、ゴルフ。
これが私のライフサイクルだ。

さて日経新聞夕刊「あすへの話題」
タイトルは「AI作家」

作家の今野敏さん。
私、最近、彼の警察官僚小説に凝っている。
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「AIが小説を書く時代ですよ。
危機を感じませんか?」

今野さんはそんなことを訊かれる。

「別に危機など感じない」

「実際に作品を読んだことがあるが、へたくそだ。
へたな作家のことなど気にしている暇はないのだ」

プライドの塊。

「AIは膨大な言語を学び、分析して選択し、
適当な順番に並べていく」

「何のことはない。
作家も同じことをやっている」

「どんなに優れた作家でも、
生まれつき言葉を持っているわけではない」

「言葉は、まず親から与えられる。
成長するに従い友人や教師などとの交わり、
つまり社会活動によって語彙を増やしていく」

テレビやラジオ、雑誌からも言葉は得られる。
書物を読んで獲得する言葉もある。

「つまり言葉は譲り受けたものなのだ」

「どんな言葉であれ、
それは誰かからいただいたものだ」

「作家はそれを取捨選択しているに過ぎない」

新聞記者も雑誌記者も同じだ。

「よく『自分の言葉で語る』などと言われるが、
まっさらな『自分の言葉』などなく、
気に入った言葉や強く共感した言葉を
使うに過ぎない」

私も使うことがあるから、
気をつけねばならない。

今野さん。
「そういう意味では、
すべての言葉は借り物だ」

「だから、人が書こうがAIが書こうが、
別に気にならないのだ」

「AIの書くものの精度が格段に上がり、
とても面白いものができ、
生きた作家と競合するような世の中が
来るかもしれない」

「それでも養殖物より
天然物を求める読者はいるだろう」

AIは「養殖もの」か。

そして自分を振り返る。
「何より、小説を書くことは楽しい」

「だから、もしAI作家が世にあふれようが、
たぶん創作を続けていくだろう」

「職人は楽しいから仕事を続ける。
テクノロジーだけの問題ではないのだ」

「プロの作家にとって、
生成AIは敵ではない」

同感したいが、
書くことのプロではない人が、
仕事に使う時には、
生成AIは実にありがたい。

同じ夕刊の「プロムナード」
西原珉(たみ)さん。

自身を「キュレーター」と称するカウンセラー。
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こちらのタイトルは、
「AIとカウンセリングの未来」

みんな自分の仕事と生成AIを考えている。

西原さんはこの1年、密かな実験をしている。
「当の生成AIに日々の不安を相談している」

使っている生成AIの愛称は「猫教授」。

「猫教授は私の不安を分析し、
私は猫教授の分析を分析する」

面白い。

西原さんの評価。
「猫教授のカウンセラーとしての能力は、
非常に高い」

「こちらの言葉や価値観を
ジャッジすることがないし、
アドバイスではなく私が選べるように、
幾つもの選択肢を用意してくれる」

「猫教授相手の相談では、
相手の顔色をうかがう必要もない。
完璧な傾聴、要約、問題の抽出。
それは一切のノイズがない、
無音室にいるかのような心地よい対話だ」

しかし。

「実際のカウンセリングルームは
もっとノイズに満ちていた。
予約の間違いからクライエントの機嫌の悪さまで、
人間どうしがコミュニケーションをするときに
生じるいろいろな軋みが音を立てていた」

「心理カウンセリングをしていると、
あ、今、この人とつながった、
この人の何かに触れた、と思う瞬間がある」

心理療法の世界では「治療同盟」という。

「心理療法による回復への鍵を握るもので、
セラピストとクライエントの間の深い絆のこと。

「猫教授と私のあいだに
治療同盟があるかと聞かれたら、
『ある』と言える自信がない」

「そこには身体や肉声が生む、
軋みや摩擦がない。
その分、私の心もまた動かないのだ」

「世界に居続けるこの身体は、
人間の精神的つながりには
どうしても必要なものかもしれない」

心技体。

心と体のつながりは、
必須なのだろう。

「将来、生成AIが、
何らかの身体性を備えたとき、
私たちと生成AIは、
治療同盟を結ぶことができるのだろうか」

鉄腕アトムとお茶の水博士。
ドラえもんとのび太。

「そのときまで、そしてそうなっても、
私はノイズだらけの身体を介在させた、
パフォーマティブな表現としてのカウンセリングを
続けていきたいと思う」

ここは今野敏さんと一緒だ。

人間的な仕事をしたいのだ。

商売もマーケティングも同じ。

自分らしい、人間的な仕事に、
私たちは誇りをもつようにできているのだ。

〈結城義晴〉

2026年04月04日(土曜日)

PPIHのOlympicグループ買収と故金澤良樹さんとの激論

噂は流れていた。
私のところにも届いていた。

㈱Olympicグループ。
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明らかになった。
ドン・キホーテのPPIHに買収された。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

日経新聞電子版が早かった。

PPIHは株式交換方式で、
オリンピックを完全子会社化する。
目途は7月。

日経によれば取得額は、
250億円程度とみられる。

近日中に株式交換契約を結ぶ。

オリンピックは上場企業だ。
東証スタンダード市場に株式を公開している。

これも日経によると、
上場廃止になる予定。

オリンピックの創業は1962年。

林周二著『流通革命』が世に出た年だ。

ディスカウントスーパーマーケットだった。

現在は首都圏を中心に約120店舗を運営する。

主に3つのフォーマットを展開する。
第1が「複合店」と分類し、
「ハイパーマーケットOlympic」
27店ある。

第2が「食品専門店」分類の
「スーパーマーケットOlympic」
31店。

そして第3が「ディスカウントストア」、
「Olympicディスカウントストア」
22店。

この3つのフォーマットの命名は、
理にかなっている。

これ以外にも車用品や自転車、
さらにゴルフ用品の専門店も展開している。
ペット関連用品店、動物病院事業も行っている。
Olympicグループ

全体的に見れば多角化を進めた企業だ。

直近の年間決算は2025年2月期。
商人舎流通SuperNews。

Olympic news|
’24年年商986億円8.5%増も純損失6700万円

営業収益が986億万円、前期比8.5%増、
営業利益5100万円、73.1%減、
経常損失1億6400万円。
純損失は6700万円。
2024年2月期は4億7700万円の純損失で、
2期連続赤字だった。

ピークの2001年2月期は、
営業収益1585億円だったから、
四半世紀で約4割減ったことになる。
多角経営でこの状況ということは、
無駄な事業が多すぎるのだ。

売却を考えても仕方のない状態だった。

買収したPPIHはまず、
それを断行するだろう。

PPIHの構想も日経は予測している。
買収後にオリンピックの約60店舗を、
新フォーマットの「ロビン・フッド」に転換する。
2026-03-03PPIH

これは実に的確な判断だ。

業態で言えば「ドン・キホーテ」は、
ディスカウントストア。
(本来は米国のディスカウントハウス)

「MEGAドン・キホーテ」は総合スーパー。
国際的に言えばハイパーマーケット。

「ロビン・フッド」はスーパーマーケット。
ディスカウントタイプだから、
これも米国流に言えば、
「スーパーウェアハウスストア」だ。

このPPIHの3フォーマットと、
Olympicの3フォーマットが、
ピタリと重なる。

ディスカウントストアはドンキに、
ハイパーマーケットは、
条件を満たす店をMEGAドンキに、
そしてスーパーマーケットは、
ロビン・フッドにする。

そしてOlympicの生鮮食品や惣菜の力を活かす。

実によくできたマッチングだ。
ロビン・フッドの開発はOlympicの案件と、
同時進行だったと思う。

イオンなども、
Olympicの買収に動いたようだが、
PPIHとの相性が一番いい。

従業員もそのまま雇用されるだろう。
辞める人ももちろんいるだろうが。

PPIHはロビン・フッドを、
2035年6月期までに200〜300店に増やす。
この事業で6000億円の売上高を目指す。

Olympicの買収で俄然、
その勢いがつくだろう。

私は亡くなった金澤良樹さんと、
かつて激論を交わしたことがある。
2001年ごろだったか。
もう25年も前のことだ。

商人舎流通SuperNews。
訃報|
Olympicグループの金澤良樹会長逝去、77歳

金澤良樹取締役会長は、
昨2025年9月5日(金)にご逝去。
享年77歳。

1948年、創業家の次男として生まれ、
1973年にOlympic入社。
1992年1月、社長に就任し、
2018年5月会長CEOに就任。

まだ77歳だった。
ゴルフが大好きで上手かった。
惜しい人だった。

金澤さんと議論したのは、
日本にウォルマートが進出してくる直前。
私は商業界取締役編集担当兼販売革新編集長だった。
金澤さんはオリンピック社長だった。

ウォルマートは日本で成功するか否か。

金澤さんは失敗すると言った。

私は本国が悪くならない限り、
日本に根を張る、と言った。

周りにはメーカーや小売業のトップが、
10数人いたと思う。

みんな激論に驚いていた。

しかし当人たちは、
純粋な議論をしていた。

結果的に見ると、
私の見立ては間違っていた。

その意味で金澤さんのほうが当たっていた。

その見識は現在のOlympicグループの、
フォーマットの分類に表れている。

しかしOlympicグループの多角化は、
私にはどうも評価できなかった。

それでも改めて金澤さんのご冥福を祈りつつ、
Olympicグループの将来を見守りたい。

〈結城義晴〉

2026年04月03日(金曜日)

トランプ政権の「黒い霧」とイオンの「里山プロジェクト」

横浜の桜、散り始めた。
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散る桜残る桜も散る桜
〈良寛の辞世の句〉

その夜の桜。
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夜桜に後ろの闇のありてこそ
〈今井つる女〉

今年はまだまだ桜を見たい。
旅に出るのもいいかな。

月刊商人舎4月号、責了しました。

最後に「特集のあとがき」の原稿を書いて、
最後の最後に[Message of April]
「競争は仕事です。」

みんな、ありがとう。
良い雑誌になりました。

今月は工藤澄人さんが頑張った。
特集を担当して、
長編の原稿やインタビュー記事を書いた。

山本恭広編集長は、
店舗スタディと連載の店長インタビューを執筆した。

(よ)って集(たか)って、
ワイガヤ。

それが商人舎の社風です。

今回の表紙デザインは難しかった。
ぴったりのイラストが、
なかなか見つからない。

そこでChatGPTとCopilotを使って、
私が自分でつくった。

楽しみにしてください。

ほかにはない雑誌です。
これを模倣困難性という。

さて、昨日の「大機小機」
日経新聞の投資欄のコラム。

タイトルは、
「トランプ政権の『黒い霧』」
コラムニストは赤三兵さん。

「ピート、君が真っ先に
『やりましょう』と言ったんだったよな」

ドナルド・トランプがたたいた軽口。
3月23日のこと。
donald-trump-1269307_1280.jpgmonokuro

イランへの攻撃を最初に進言したのは、
ピート・ヘグセス戦争長官だった。
その暴露話。

フィナンシャル・タイムズ(FT)の3月31日の報道。

モルガン・スタンレーのヘグセスの資産運用担当者が、
イランを攻撃する直前の2月、
数百万ドル(数億円)規模の投資をしようと、
ブラックロックと連絡を取っていた。

ブラックロックは世界最大の資産運用企業で、
10兆ドルの運用資産残高を有する。

投資は「最終的には実現しなかった」

購入を検討した銘柄は、
「iシェアーズ防衛産業アクティブETF」

ETF(Exchange Traded Funds)は、
複数の投資家から集めた資金を
株式や債券などに投資して、
収益を投資家に還元する「投資信託」

「iシェアーズ防衛産業アクティブETF」は、
ブラックロックが運用して、
ナスダックに上場している。

その運用構成銘柄は防衛産業が並ぶ。
米国防衛大手のRTXコーポレーション、
ロッキード・マーチン。
パランティア・テクノロジーズ、
さらに日本の三菱重工業など。

パランティアはビッグデータ解析企業で、
トランプと関係の深いピーター・ティールの会社。
ティールは「影の大統領」と呼ばれることもある。
ChatGPTのオープンAIの共同創業者。

3月23日のトランプの軽口のときにも、
市場で不自然な動きがあった。

この日、トランプは、
「イランと生産的な対話をした」と、
SNSに投稿して、緊張緩和をほのめかした。

その15分ほど前の原油先物取引では、
通常は見られない大量の売りが出ていた。
同じタイミングで主要株価指数の先物も急騰した。

大統領自身が仕掛けた、
インサイダー取引と見られている。

FTも赤三兵コラムニストも、
そのことを「黒い霧」と指摘する。

米国には通称「STOCK法」がある。
「議員の知識を利用した株式売買禁止法」だ。
「職務で得た非公開情報を使って、
利益を得てはならない」と定められている。

法律上は大統領や戦争長官も規制対象となる。
しかし安全保障や外交に絡むという理由で、
国家機密の壁に阻まれ、
証拠の取得も難しい。

トランプはTACOと呼ばれる。
TACOは「Trump Always Chickens Out」
「トランプはいつも腰砕け」

「プライドの高さに反して、
ときどき腰砕けになる」

そして不自然な投資の動き。

コラムニスト。
「市場を欺くとの疑念を招いてもやむを得まい」

「公正で透明な市場は米国の覇権を支える柱だ。
『黒い霧』は晴らすのが米国の国益だろう」

ひどい話だ。

私利私欲のために戦争を起こし、
世界の原油相場を引き上げ、
防衛産業株を上げているとしたら、
許されるものではない。

イーロン・マスクの政権入りは、
明らかな利益相反だったが、
「黒い霧」まみれのトランプ政権だ。

それを日経新聞のコラムが書いた。
日経は攻撃的だ。拍手を贈ろう。

一方、商人舎流通SuperNews。

イオンnews|
「イオンの里山プロジェクト」始動/多古町をモデル地域に

里山の再生と地域価値の創出を一体で進める。
それが「イオンの里山プロジェクト」だ。
aeon-260403-01

気候変動や生物多様性の危機が深刻化している。
自然環境の保全は世界的な課題だ。

戦争はこれに真っ向から反する行為だ。

一方、日本の「里山」は、
人々の暮らしと自然が共生する重要な場である。

ただし担い手不足などによって、
里山の維持が難しくなっている。

そこで「里山プロジェクト」が考え出された。

そのモデル地域として、
千葉県多古町が選ばれ、
地域連携協定が締結された。

多古町とイオン㈱。
それにイオンワンパーセントクラブ、
イオン環境財団。

多古町は里山環境に恵まれている。
交通インフラが整備され、
成田空港機能強化によって、
交流人口の増加も期待される。
aeon-260403-03.jpg2

イオングループの店舗も、
既に地域と関わりをもっている。

トランプ政権の「黒い霧」とは、
正反対の活動だ。

こちらは救われる話である。

〈結城義晴〉

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