セブン&アイ第1四半期決算の「努力は夢中に勝てへん」

平原に赤い扉。
キリンがそれを潜り抜けると、
象に変わる。
野暮な説明だけれど、
これを「居抜き」出店と見立てた。
いかがでしょうか。
商人舎の表紙はいつも、
一捻りしたイラストを使います。
6月号の特集は、
「’25ニッポン小売業番付」
そのイラスト。
これも面白い。
気に入っている。
編集部とデザイナーが、
楽しみつつイラストを探しまくり、
デザインに工夫を凝らしてつくります。
表紙も楽しんでください。
今日は1日、横浜オフィス。
毎月書いている「セルコレポート」が届いた。
連載「艱難は商人を鍛える」
第39回。
午後に入って来客。
㈱寺岡精工リテイル事業部の皆さん。
私の左が取締役事業部長の齋藤文克さん、
営業グループ部長の甲斐圭一郎さん、
右が開発グループ部長の佐々木和哉さん。
いくつかの質問に答えて、
いくつかのアドバイスをした。
それから夕方、スクワット。
今日はノーマルスクワット50回。
さて第1四半期決算が次々に発表されている。
商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
第1Q営業収益2兆7738億円1.6%増・純利益129%増
昨日の夕方に記者会見が開かれた。
私はオフィスでオンラインで見た。
画面には決算説明資料が移される。
しかし語り手の映像はない。
セブン&アイはずっと顔を出さない。
スティーブン・デイカス社長に変わったから、
これも変わると思ったが、
そうでもないらしい。
2026年2月期第1四半期の営業収益は、
2兆7738億円、前年増減率1.6%増。
営業利益650億7600万円、9.7%増。
営業段階では増収増益。
しかし経常利益は533億円で3.1%減。
四半期純利益は490億円、129.2%増。
有価証券の評価益の減少で経常減益。
だがイトーヨーカ堂の店舗売却益によって、
純利益が大幅増加。
固定資産売却益は372億円。
あれだけの店舗を開発した、
時間と知恵と経費を想像すると、
悲しい372億円だ。
結果として営業利益率2.3%、
経常利益率1.9%。
厳しく言えばセブン&アイは現在、
並み以下の収益性の企業である。
国内コンビニエンスストア事業は、
営業収益2235億円、0.7%減。
営業利益545億円、11.0%減。
チェーン全店売上高は1兆3461億円で1.4%増。
海外コンビニエンスストア事業は、
営業収益2兆0936億円、3.2%増。
営業利益86億8700万円、94.2%増。
スーパーストア事業の営業収益は、
3395億円、5.5%減。
営業利益84億9600万円、294.8%増。
イトーヨーカ堂は営業利益53億7500万円、
前年同期は6億6200万円の営業損失。
ヨークベニマルは営業利益34億9200万円、
20.3%の減少。
まだ過渡期のセブン&アイ。
営業収益は米国セブン-イレブン、
営業利益は国内セブン-イレブン。
その国内コンビニが減収減益。
全体を俯瞰するとまだまだ厳しい。
全社一丸となって、
頑張ってほしい。
それが見えないところが辛い。
朝日新聞「折々のことば」
第3441回。
好之者不如楽之者
〈孔子〉
「これを好む者は
これを楽しむ者に如(し)かず」
「好むというのは楽しむのには及ばない」
ある対象に執着する人は、
それと一体になれる人に、
所詮(しょせん)敵(かな)わない。
『論語』(金谷治訳注)雍也(ようや)第六から。
編著者の鷲田誠一さん。
なじみの理髪店主がふと呟(つぶや)いた。
「努力は夢中に勝てへんて、よう言いますね」
夢中でいると何と競うこともない、
だから無敵だ。
セブン-イレブンも、
イトーヨーカ堂もヨークベニマルも、
かつてはみんな仕事に夢中だった。
いまは、利益を上げることに努力している。
かつての自分たちに、
今の自分たちがかなわない。
夢中でいると、
競う必要がない。
努力は夢中に勝てへん、のだ。
〈結城義晴〉