【#881】おいしさたっぷり「揚げ煮びたし」
おいしさたっぷり「揚げ煮びたし」
~手づくりのでき立て新おかず~
材料費総値上げで
人気惣菜が苦戦中!
売上げの頭打ちに加えて
人件費も上昇
そのせいか
冷凍食品原料を揚げるだけの
揚げ物売場がどんどん広がって
味の変化が無くなって
客の評判も微妙に
昔から惣菜には
「揚げびたし」という
商品があります
鶏肉や魚、野菜を
油で素揚げしてから
おいしいダシに浸す
ただそれだけで
十分に客料理になりました
惣菜といえば昔は煮物でした
そして天ぷらでした
その天ぷらを手間をかけずに
グレードアップさせて
新しい煮物に仕立てます
これが「煮びたし」です
高級感も加わって
食事にふさわしいおかずとなり
人気の惣菜商品となりました
鶏肉
カボチャ
ナス
ベビーコーン
オクラ
厚揚げ など
天ぷらにする材料を
利用すれば手がかからず
つくれます
材料に薄く小麦粉をまぶして
低温の油で素揚げをします
熱いうちに「ダシ汁」に
漬け込んで味を含ませ
トレーに盛り付けて
大根おろしを
トッピングします
この商品のキモは
漬け込む濃い目のダシ汁のおいしさです
手軽でおいしいダシを
つくるのが基本
手軽につくるには
ダシ醤油を薄めて
鰹節を多めに加えてひと煮立ち
加工用デンプンの粉で
薄いトロミを付けます
鰹ダシの効いた煮びたしのダシが
客を惹き付けます
素揚げをした材料を熱いうちに
つくったダシに浸して冷まし
ダシを少し加えてパックします
秋の新商品としての販売です
できるだけ安く販売します
★林廣美のワンポイント★
ダシのおいしさが重要なポイントになります。味付けに注意します。惣菜は家庭用のオカズなので、少し濃い目の味付けにします。ダシの好みや塩味の強さは地域によって違うので、それぞれのエリアに合わせて加減します。ダシの味が売上げを左右します。
つくってから4~5時間置いて、試食して味を決め、商品化します。長時間のパック陳列販売の場合には加工用デンプン(惣菜加工用)でダシに弱めのトロミを付けて漬け込みます。普通の片栗粉だとトロミを長時間保持できず、水っぽくなってしまいます。こうした細やかな技術が惣菜には必要なのです。
●林先生の家庭料理教室●
惣菜で販売されている「天ぷら」を利用して「煮びたし」にします。麺つゆをベースに鰹節パックを加えて、レンジで加熱。鰹風味を加えることで、ワンランク上の味に仕上がります。
買ってきた天ぷらをレンジで加熱して、熱いうちにダシに浸して5分ほど冷まし、盛り付け、ダシ汁をかけてでき上がり。時間の無い時に助かります。チューブのワサビを添えると、新しい味に変化します。
注意点として、この料理は冷蔵庫での保存ができません。天ぷらの衣がふやけてまずくなるからです。つくり立てを食べましょう。時間があれば買ってきた天ぷらは電子レンジではなく、オーブントースターで温め直してつくると、衣がパリッとします。
<By 林廣美>