結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年10月10日(金曜日)

商人舎10月号「自前のRetail-DX」とDallasのWalmart⇒HEB

月刊商人舎10月号、本日発刊。202510_coverpage

特集は、
自前のRetail-DX
両輪の「技術と人」をインソーシングする道筋

[Cover Message]
「2025年の崖問題」はこれから5年で深刻化する。いかにクラウドコンピューティングが普及しようと、さまざまな「レガシーシステム」が残存する。既存システムはいわばデジタルの「遺物」である。俯瞰すると、打ち揃って崖の縁に立っている様子が頭に浮かぶ。そのためにこそ本気の「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)が求められている。不思議なことにそんな喧騒のなかで、多くの企業に危機感が希薄である。ペーパーレスだとか、汎用型自動発注システムの導入レベルでは、「崖の縁」から逃れることはできない。しかも「技術と人」を両輪とするRetail-DXは一朝一夕に構築できるものではない。「後進の先進性」や「後発の優位性」を逆手にとりつつ、スピード感に優れた新興企業に一気に抜き去られてしまう可能性もある。長い目で見たインソーシング(内製化)はポジショニング戦略実現のためにも必須である。何から始め、どんな道筋を構想するか。先を行く企業はすでに「自前のRetail-DX」に挑戦して成果を上げているのである。

目次。
202510_contents

イオンリテールの西垣幸則常務に、
独白という形で登場してもらった。
202510_aeon

それからアクシアルリテイリングには、
山本恭広編集長がインタビューして記事を書いた。

渾身の特集です。

特別企画は、
新生イトーヨーカ堂本格始動!!
ヨークフーズMARK IS葛飾金町店の全容
202510_yorkfoods_part1-2

これも徹底取材の特別企画。
あのイトーヨーカ堂の現在が、
よくわかります。

最後に結城義晴の辛口の一言。

10月号もご愛読をお願いします。

さて私は10時55分に搭乗。
台風の影響もあって30分ほど遅れたが、
羽田空港を発った。
IMG_6515 (002)

東京の街が見える。
IMG_6529 (002)

11時間後、地平線に朝日が昇る。IMG_6535 (002)

北アメリカ大陸。
眼下の雲海。
IMG_6553 (002)

日差しが降り注いで、
テキサス州ダラスの大地と湖が見えてきた。
IMG_6556 (002)

フォートワースのフリーウェイ。
そしてダラス・フォートワース国際空港へ到着。IMG_6558 (002)

空港でサンフランシスコ先乗りのチームと合流。
予定より入国審査に時間がかかった。
全員が揃うとすぐに専用バスで視察を開始。

最初に訪れるのは必ず、
ウォルマート。
最強のフォーマット「スーパーセンター」。IMG_6590 (002)

ダラス・フォートワース都市圏では、
170店舗を配して34.3%のシェアをもつ。
もちろんマーケットリーダー。

導入部の広い広い青果部門。
島型の平台を配して主要品目を単品量販。
古い店だが8月にリニューアルした、
フューチャーストアだ。
床はピカピカ。
IMG_6585 (002).jpg2

デアリー売場。
壁面のリーチインと主通路の平ケース。
ここも床はウェットルック。
濡れたように見えるほどのクレンリネス。
IMG_6564 (002)

衣料品売場の中央に、
マネキンのコーディネートディスプレー。
この数年、ウォルマートは、
マネキンを多用してアパレルを強化する。IMG_6575 (002)

スーパーターゲット。
ディスカウントストアのターゲットが、
ウォルマート対策として食品を強化したフォーマット。
この都市圏では4番手。
49店舗で、7.2%のシェア。IMG_9553

食品ゾーンの床はタイルを敷いてピカピカ。
天井には木を配している。

腰高の白木什器を多用した青果売場。IMG_9541

ワインとビールも充実させる。IMG_9547

精肉売場で見つけた「インポッシブル」。
大豆ミートのひき肉。
IMG_9544

大豆ミートのソーセージ。
IMG_9545

㈱OICグループの福島道夫さんが購入。
「大豆だから大丈夫」と言いながら、
購入してバスの中で生のまま試食。
焼いたらおいしいだろうな。

ハロウィンのプロモーションは、
シーゾナルコーナーで大展開。
コスチュームに力を入れる。IMG_9549

そして、
クローガー。
全米ナンバー1のスーパーマーケット。
95店舗で18.5%のシェア。

視察したのはクローガーマーケットプレース。
非食品強化型フォーマット。IMG_9592

花売場はバルーンを使って
華やかに演出する。
IMG_9560

段ボールケースのまま陳列する、
市場感のある青果売場。
IMG_9561

左翼のデリゾーン。
先頭の寿司売場。
IMG_9557

ボアーズヘッドの対面売場。
デリのコンセッショナリー。
ハムやチーズを切り立てで提供する。IMG_9563

チーズ専門店マレーズ。
ニューヨーク発祥のショップを導入していたが、
会社そのものを買収して、傘下に入れた。IMG_9564

シーフード&ミートの対面売場。
IMG_9568

ハロウィンのプレゼンテーション。IMG_9571

ワインのプロモーションにも。IMG_9570

非食品はキッチンウェアを充実させた。
IMG_9573

右翼の主動線に
「フレッシュ・ファインズ・10ドル」。
10ドル商品を集積させたプロモーション。IMG_9580

レジの上部にあるQビジョン。
レジに3人目を並ばせないための仕組み。IMG_9587

ウォルマート、ターゲット、
クローガーの大型店が、
隣接して競争している激戦地。
午前中ということもあって、
客は少なかった。

それだけでなく、トランプ政権の
行政職員の解雇などが影響している。
「ガバメント・シャットダウン」
給料が払われていない人も多いので、
顧客たちは全体に節約ムードになっている。

ランチはインナウトバーガー。
ダラスでも大人気。
IMG_6641 (002)

一人ひとり、注文してもらう。
IMG_9594

オペレーションが素晴らしい。
それを見てもらうために、
必ず立ち寄る。
IMG_6642 (002)

私はプロテインバーガー。
バンズの代わりに、
レタスで巻く裏メニュー。
IMG_9595

 

フォートワース市の南のバールソンまで南下する。

HEBプラス
HEBはテキサス州出身のスーパーマーケット企業。
その非食品強化型のフォーマットが、
このHEBプラス。

ダラス・フォートワース都市圏では、
このフォーマットはたった1店舗しかない。IMG_9597

天井がスケルトンのローコスト店舗。
テキサスの農産物を豊富に品揃えする。IMG_9600

青果部門の奥壁面に、
大々的に「ローカル&オーガニック」。IMG_6644 (002)

オーガニックはアメリカ農務省が認証。
その新ブランド「HEBオーガニックス」。
IMG_6645 (002).jpg3

フィッシュマーケットの対面売場。
年々、品ぞろえと鮮度が充実していく。IMG_6653 (004)

ミートの対面売場。
プライムのグレードのアイテムが並ぶ。
さらに「WAGYU(和牛)」も。

アメリカンからジャパニーズまで、
ステーキのカッティングもバラエティがある。IMG_6654 (002)

クッキングコネクションの対面コーナー。
料理を作って試食を提案する。
新製品やおすすめ商品を集合させた売場を併設する。IMG_6652 (002).jpg2

「ミール・シンプル」と題された
即食・簡便なミールキットコーナー。
金色のトレイを使ったアイテムは、
ウェグマンズとの協業から登場した。IMG_6651 (002).jpg2

インストアベーカリーはいい香りを出している。
作業場がオープンになっている。IMG_9607

ミート売場で試食試飲販売。
万代の女性二人と一緒に試食。
ワインも試飲した。IMG_9611

奥主動線のミートからデアリーの売場は、
壁で上部を仕切らないスタイル。
この奥に積まれた在庫が見える。IMG_9616

最終コーナーの主動線上には、
お買い得品の島型陳列がズラリ。
ウォルマートは、
EDLPにアクションアレーを加える。
HEBもEDLPを導入して、
ウォルマートに対抗し、
同じように島陳列のポップアップセールを展開する。IMG_9624

HEBもオンライン販売に力を入れる。
このカートを引いてピッキングする。IMG_9619

ウォルマートからHEBまで。
ダラス・フォートワース都市圏の
有力企業の大型店を巡った。

最後は、
クイックトリップ。
ダラス出身のローカルコンビニ。

現在中西部への拡大戦略をとり、
21の州・地域に1169店舗を展開。IMG_9628

ホスピタリティ溢れる接客が売り物。

米国セブン-イレブンも、
クイック・トリップをベンチマークしている。

QTキッチンと呼ばれるオーダーメイドの、
ファストフードコーナーが特徴。

ホットドッグは自分でつくる。IMG_9630

温かいバンズを引き出しから取り、
グリルで焼き上げられたソーセージをはさみ、
フレッシュなオニオンやカットトマトなどをのせ、
最後にケチャップなどで仕上げる。IMG_9632
みんな楽しそうだった。

視察を終えてホテルにチェックイン。
すぐに、懇親会会場へ。

「Texas de Brazil(テキサス・デ・ブラジル)」
IMG_6665 (002)

乾杯のあいさつは大久保恒夫さん。
㈱リテイルサイエンス会長。
前㈱西友社長。
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私たちもメキシカンビールで乾杯!IMG_9635

ダラス出身のシュラスカリア レストランチェーン。
その本店。

シュラスコ料理を提供する。
IMG_9640

ビーフ、ラム、ポーク、チキンの
さまざまな部位と調理されたものを、
好きな量だけカットして提供してくれる。IMG_9638

おいしいサラダとスープとお肉、
ビールとワインで満足。

最後に㈱万代の女子2人、
左から夏山由香さんと利重まりさん。IMG_9647

夏山さんは第5運営部エリアマネージャー、
利重さんは丹波橋店店長。

日本を経ってからの長い長い一日だった。
しかしこれ以上ないくらい充実していた。

ありがとうございます。

〈結城義晴〉

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