結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年11月13日(土曜日)

タバコ値上げ後の「コンビニの明暗」はマラソン35キロ地点の上り坂を象徴する

日本たばこ協会発表の10月の国内たばこ販売量。
大いに注目が集まった。

結果は前年同月比マイナス69.9%。
なんと7割も売上本数が減ってしまった。

本数にすると急減して61億本となった。
20本入りで換算すると3億箱。

これが3割に当たるから、
前年は200億本、10億箱だった。

タバコ市場全体の2010年度予測は、
販売数量が15%減の約2000億本、
金額ベースでは10%減の約3兆2000億円。

タバコだけで3兆円とは、考えてみると凄い。
しかし、この数年は、
年率4~5%でダウントレンドにあった。

10月1日からの大幅値上げ。
根本にはタバコ増税がある。
9月には駆け込み特需が起こり、
その大反動と、「この際禁煙派」の増大。

一番大きな痛手を受けた小売業はコンビニ。
なにしろ売上高の25%、4分の1ほどを
タバコ販売に依存してしまっていた。

サークルKサンクスがマイナス11.1%
ミニストップはマイナス10.6%、
ファミリーマートもマイナス9.9%。

この3社は二桁レベルの全体売上げダウン。

一方、ローソンはマイナス3.1%、
セブン-イレブンはマイナス2%ほど。

この格差が、実は大きいと見る。

すべてのコンビニが9月から10月と、
「タバコ値上げ対策」を打った。

新製品開発、割引キャンペーンなどなど。

しかし、ペースダウンの痛手には、格差が生じた。

日本コンビニのマラソン競争、
35キロ地点で急な上り坂を迎えた。

ここで一気に、抜け出すものが出てくる。

私は、ずっと言い続けている。
ハナから見方は決まっている。

はてさて、その通りになるものやら。
タバコ需要よりもそちらに興味は傾いてきた。

さて昨日は午前中、
横浜の商人舎オフィスを、
出版界のお二人の大先輩が、
ご訪問くださった。

㈱イースト・プレス取締役編集顧問の前原成寿さんと、
エディターズオフィスK代表の奥平恵さん。

最新の出版事情と、とてもありがたいお話。
恐縮至極。

その後、午後3時から東京・目白。
学習院大学キャンパス。
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学習院マネジメント・スクール。
この中に故田島義博先生を記念した「DSCM基礎コース」が設けられている。
その2010年度のグループワーク成果発表会が開催された。rimg0736-3.jpg
4つのチームに分かれて、共同研究が展開され、
その成果が発表された。

第1のチームは「試練の年」。
「FSPデータを活用した仮説による売場構築検討手法の
フレームワーク化に向けた提言」

第2のチームは「SCドM」。
「シニアマーケットにおけるビジネスモデル提案」

第3のチームは「HOTKY」。
テーマは「2030年未来スーパーについて」。

そして第4のチームは「モヤモヤスッキリ」。
こちらはなんと「イオン北海道の勝ち残る戦略」。

それぞれにきわめて興味深かった。
私は、㈱商業界時代から、
このスクール創始者の田島先生にはお世話になった。
さらに学習院大学経済学部長の上田隆穂先生には、
本当に懇意にしていただている。
上田先生がこのスクールの所長。

上田先生にはコーネル大学RMPジャパンの講師をお願いしている。

そんなこともあって、
私はこのマネジメント・スクールで、
「流通概論」を講義している。

だから毎回、この成果発表会には参加して、
講評をする。

さて今回は、ちょっと辛口だったか。 rimg0781-3.jpg
今回の共同研究は、全体で見ると、
高齢化社会に広がるシニアマーケットにいかに対応するか、
さらにその中でターゲティングとポジショニングをいかに確立するかに、
テーマが集約された。

とても優れた視点であり、
有益な切り口だった。

ただし、優れて有益であれば、
期待値も大きい。
その意味で、私のやや辛口コメントは、
この後、各人に課されている最終レポ―トに、
活かしていただきたいと思う。

上田先生の最後の総評。
やはり素晴らしい。
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論理性をつくりだすには、
いかに考え、いかに問題設定し、いかに分析するか。
それが良く解った。

成果発表と総括が1時間ほど延長して、
それが終了したら、7時から懇親会。

成果発表会で優秀チームの表彰。
受賞はHOTKYチーム。
未来型スーパーマーケットの考察が、
綿密な調査をもとに展開された。

受賞者には、プレゼントが贈られた。
私の著書『お客様のためにいちばん大切なこと』
私は5人の皆さんに、それぞれ異なる言葉を書いて贈った。
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私の隣から、カルビー㈱小池美帆さん、
㈱成城石井の早藤正史さん、
リーダーの花王カスタマーマーケティング山田耕司さん、
㈱サイバーリンクス高幣昌典さん、
㈱なとり大川昌俊さん。
そして講師の松川孝一さん。

皆さん、おめでとう。

懇親会の最後は、全員で記念写真。rimg0822-3.jpg

学習院マネジメント・スクールには卒業生の会がある。
「桜実会」と称し、もう既に300人を超えるネットワークとなっている。
頼もしい組織だ。

胸を張ってその一員となるためにも、
最後のレポートはより良いものを書いてほしい。
私のやや辛口コメントはそのためのもの。

プロセスは、大事だ。

しかし私は、いつも言う。
「まだ、遅くはない」

最後の作品こそ、
その人の本当の実力だ。

最後の最後まで、あきらめない。
それが、一番最後に、
自分の誇りにつながるのだと思う。

健闘を祈りたい。

<結城義晴>

2010年11月12日(金曜日)

「尖閣映像流出」に関する4人のオピニオンとヤオコー川野清巳社長の「まねする文化」批判

「尖閣映像流出問題」
新聞・テレビが連日の報道合戦。
それが終わると週刊誌が暴露合戦。
その週刊誌暴露ネタをもとに、
またテレビが大放流。

かくて「You Tube」の「オリジナル?」投稿映像は、
繰り返しの繰り返しの大放出で、
守秘すべき秘密でも何でもなくなってしまう。
タイトルも、そのたびに短くなり、
通称化し、「尖閣映像」にまで縮まった。

今朝の朝日新聞「オピニオン」欄の「耕論」。
4人のオピニオン・リーダーがこの問題に丁寧なコメント。
朝日新聞はこういった企画がいい。

まずはジャーナリストの西山太吉さん
「沖縄返還時の日米密約」をすっぱ抜いた元毎日新聞記者。
彼自身の「西山事件」は、最高裁まで上がって裁定された。
自身の体験に照らして、「罰則強化は民主主義の後退」と主張。
しかし、自民党や民主党の権力に対して、
この人は相当に怨念を持っている。

対して、元外務省主任分析官の佐藤優さん
「同情にも称賛にも値しない」と、海上保安官に手厳しい。

「犯行に至る経緯を徹底的に究明し、
形式にのっとって厳正に処分すべきだ」

「『国民の知る権利』に応えようとする者であるならば、
まず、上司に公表を求め、
受け入れられないなら、辞表を提出し、
一私人となってからデータを流す手順が不可欠だった」

あとの二人は学者。
東京大学教授で憲法学者の長谷部恭男さん。
「犯罪捜査の資料が勝手に公開されたわけで、
全面肯定はしにくい」

「ビデオを表に出すかどうかは、
事態に照らして具体的に考えるべきで、
知る権利を振りかざすべきではない」

最後に関西学院大学准教授・鈴木健介さん。
理論社会学専攻で、ネット、サブカルチャーなどの論者。

「一言でいえば、政府のガバナンスの失敗」
しかし「政府の情報管理の甘さだけを批判するのはやや的外れ」

「情報をどこまで出せば国民が納得するか、
それを判断する能力を政府が欠いていたことが本質的な問題です」

組織人としてのあり方からすれば、佐藤優さんの指摘通り。
法的に考えれば、長谷部先生が筋が通っている。
そして「政府のガバナンス喪失」という鈴木さんの見解も妥当。

このあたりで、大放出大会は打ち止めにして、
国際世論が日本を見直すような論議に持って行きたい。
APECも、明日から首脳会議だ。

さて、日経新聞・企業総合欄「人こと」。
ヤオコー社長の川野清巳さんが登場して発言。
「米国にはまねする文化がない」
米国視察で50店舗もスーパーマーケットなどを巡って、
帰国したばかりの感想。

「日本のスーパーマーケットは、
品揃えがどこも似通って商品力がない」

こう、断じる。

アメリカやヨーロッパに比べて、
日本は「真似文化」が行き過ぎている。
もちろん、「模倣」が悪いわけではない。

私は自著『メッセージ』に「模倣と創造」という文章を書いている。

「ベストプラクティス」とは、
最良の実践成功例を意味します。

だからベストプラクティスは常に、必ず、
その手法を、さまざまな他者から学びとられてしまいます。

学ぶ側は、最良の実例と同じ手順を踏むことで、
同じような結果を享受することができます。

このノウハウの学習と蓄積によって、
時間短縮と経費削減の成果が生まれます。

しかし、成果獲得の結果主義に頼りきってしまうと、
今度は停滞と後退が訪れます。
突き詰めればそれは、模倣だからです。

模倣には、失敗の経験がありません。
創造の苦しみもありません。
百を目指している限り、
決して千にも一万にもならないのです。

それでは私たちはなぜ、
歴史が好きなのでしょう。
なぜ歴史を学ぶのでしょう。

そこには経験的法則と進化の軌跡が存在するからです。

そうです。
まず、現状を否定してかかる。
現状を肯定的に支えている成功要素を拒否してみる。
同時に、身近な事例の歴史に学び、
小さな経験法則を探る。

すべては現状を客観化するために、
過剰に現実を評価するところから始まる。

そのうえで、模倣によって、
スピードアップとコストダウンの改善を果たす。
創造によって、市場の拡大と技術の革新を図る。

模倣と創造。
イミテーションとイノベーション。
経営のスピードと運営のコスト。
成功体験と経験法則。

進化とは、階段をひとつ登っては、
しばらく停滞することの繰り返しによって、
成し遂げられるものです。

そのために私たちは、
模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをことさらに尊ぶこともないのです。
<第6章 「イノベーション」より>

倉本長治は『商売十訓』において、
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」と諭した。
ただし、「真似」の比重が高すぎると、
「今度は停滞と後退が訪れる」

ヤオコーも一時期、ヨークベニマルを、
徹底的にベンチマークした。

そのうえで、ヤオコー・スタイルを生みだした。
さらに今、〈イノベーション〉にチャレンジしている。

だからこそ川野さんの発言は、
小気味いいし、時宜を得ている。
「販売不振はもう景気の問題ではない」
イノベーションという「脱マネリング」を川野さんは訴える。

さて昨日は、午後1時から東京・銀座。
パチンコチェーンストア協会。
第81回拡大人事問題研究部会で講義。
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テーマは「やり甲斐とやる気をいかに高めるか?」
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マネジメントの系譜を分かりやすく体系化し、
そのうえで、「モチベーション論」のセオリーをちょっと詳細に。
2時間講義して、1時間ほど質疑応答。
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昨日はスーパーマーケットの戦略論。
今日はサービス業のモチベーション論。

あっちこっちテーマは飛びまくっているが、
結城義晴が中核に座っているから、
何とか持っている。

あっちこっちのテーマを求められる。
これにも感謝しなければならない。

今月の標語を思い出しつつ。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

<結城義晴>

2010年11月11日(木曜日)

首都圏店舗クリニック埼玉・千葉編は「レイクタウンvsららぽーと」にヤオコー・サミット・オーケー

中国漁船衝突映像流出事件に新展開。
第五管区海上本部の神戸海上保安部海上保安官が、
「投稿は自分だ」と上司に告白。

「鼠小僧次郎吉」の正体が明らかになって、世論騒然。

国家公務員法守秘義務違反容疑が確定されれば、
逮捕される見込み。

保安官が次郎吉だった。
この事件自体はシンプルだが、
投稿したのが中国との国際問題をはらんだ例のビデオ。
これが守秘義務違反の情報だったか否かで、
識者が駆り出されて論議が展開される。

国会でも、菅直人首相が、
「最終的責任は私自身にもある」と発言。

義賊であろうが無かろうが、
日本の行政府のマネジメントレベルの低下を、
つくづくと感じさせられる。

公僕だけでなく、
様々な民間企業にも、
この症状が出ているのではないか。

私は、そんなことの方を強く思う。

日本人のもつ誠実さ、真摯さ。
それが失われていくことは、
私自身の問題として我慢がならない。

さて、昨日は、首都圏店舗クリニック2日目。
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私たちの乗り込んだバス。
ドライバーはツノダさん。

良いドライビングをしてくれた。
まずは感謝。
日本はいい。
欧米と比べて、
この面のマネジメントレベルは一級だ。

大宮のホテルを出発して、
朝一番で向かったのは、
越谷のイオンレイクタウン。
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今回のパートナーの浅香健一先生とツーショット。
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まだショッピングセンター全体は朝のオープンをしていないが、
核店舗のジャスコは開店している。
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朝一番の売場づくり。
良い状態。

総合スーパー・ジャスコのオペレーションレベル、
私は今回、ちょっと見直した。
現場の地道な努力が、
少しずつ少しずつ実ってきた。

この店はセルフレジを設けている。
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早朝のこの時間、セルフレジの方が顧客が多い。
不思議。

午前10時きっかり。
モールゾーンがオープン。
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全テナントで、店員さんが店の前に立って、
お出迎えタイム。
顧客が店の前を通過すると、
丁寧なお辞儀をする。
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この世紀のショッピングセンターは、
2008年10月2日オープン。
敷地面積26万1633㎡、
延床面積36万4843㎡、
店舗面積21万8483㎡。

モール総延長、なんと1,090m。
端から端まで1㎞を超える。
建物は地上3階建、
駐車場約8,200台、
駐輪場約6,200台。

この世紀のショッピングタウンは二つに分かれる。
イオンモール㈱が経営する[kaze]。店舗面積8万0736㎡。
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イオンリテール㈱が運営する[mori]。店舗面積13万7747㎡。
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核店舗は、ジャスコレイクタウン店。
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ジャスコの店舗面積12万1918㎡。

越谷レイクタウンビブレ。3527㎡。
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それにマルエツ越谷レイクタウン店。
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マルエツの店舗面積2069㎡。

さらに食品では成城石井が入っている。
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車30分のアクセス範囲を一次商圏とすると、
約330万人、140万世帯の巨大商業集積。

オープン以降、丸2年が経過するも、
客足は衰えず。
11月第2週水曜日の午前中というのに、
来店客は多い。
もちろん、どれだけ買っているかは分からないが。

今回はメーカー・問屋の若手・中堅の研修会。
視察中でも質問が出ると、
できる限り現場で答える。
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私にはとても良い勉強になる。
ある概念やある経営体系、ある技術を説明するときに、
これでいいのかといつも自問している。

亡き渥美俊一先生も、「説明の仕方」をいつも考えられていた。
商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生は、
年齢が渥美先生のひとつ下の同世代コンサルタントだが、
同じように「いかに説明するか」をいつも意識している。
その説明の仕方を私に教えて下さったり、
失敗談を話して下さる。

訳のわからない言葉や言い回し、
論理的でない説明の仕方で、
煙に巻いているコンサルタントも多いが、
渥美先生・杉山先生の姿勢には、
私は感心させられることばかりだった。
だから私も、努力する。

さて、11時に越谷レイクタウンを去り、
私たちはららぽーと新三郷に向かった。
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2009年(平成21年)9月17日、
レイクタウンから遅れること約1年。
こちらはイトーヨーカ堂食品館を核店舗として開業。
地上2階建て(一部地上4階、地下1階)は、
越谷レイクタウンの3層構造よりシンプル。
敷地面積約8万5,200m²、
店舗面積4万6,822m²、
店舗数178店舗。
駐車台数は3,262台、駐輪台数1,235台。

こちらも堂々たるリージョナル・ショッピングセンター。
しかも越谷から車で10分の距離。

越谷レイクタウンの1次商圏が30分だから、
完全に競合ショッピングセンター。

このららぽーと新三郷を挟んで、
イケアがデンと構える。
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正反対の位置にはコストコ。
その意味で、このららぽーと新三郷は、
アメリカのパワーセンターの要素も持ち合わせている。

核店舗のイトーヨーカ堂は、「食品館」として、
スーパーマーケット出店。
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スーパーマーケットとして、良くできている。
欧米ではハイパーマーケットという業態でくくられる日本の総合スーパー。
その食品売場だけ切り取っても、
スーパーマーケットにはならない。
スーパーマーケットとしての完成度が不足してしまう。
イトーヨーカ堂は、さすがにそれをこなした。
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もちろん、私の目で見ると、足りない部分も散見される。
しかし、「良くできました」のハンコは押せる。
特に青果・鮮魚部門は、今、
日本のスーパーマーケットに欠けている要素に果敢にチャレンジ。

コモディティ・グッズのマーチャンダイジングを、
いま一段、検討すると、もっと良くなると思うが、いかが?

隣にはマツモトキヨシ。
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さらにユニクロと無印良品。
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ニトリも入り口はせまいが、
奥の広い売場で、
これは安定した力を発揮している。
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こうなると、今や「曖昧総合」と化したイトーヨーカ堂のハイパーマーケットを、
このショッピングセンターに持ってくる意味は薄い。
セブン&アイ・ホールディングスの意図は明確だ。

テナントにはH&Mもあるし、ZARAもある。dscn4507-3.jpg

ロフト、アカチャンホンポ、ライトオン、石丸電気といったテナント構成も、
越谷レイクタウンに対抗していて、顧客にとっては選択肢が違っていて良い。

ただし、こうなるとイトーヨーカ堂は今後、どうするのだろう。
日本の商業全体にとっても重要な課題が見えている。

さて私たちは、ここ埼玉県から、
1時間かけて千葉県を目指す。

最後に、新浦安のスーパーマーケット競合を視察するため。
今回は意図を持って、視察店舗の設定をした。
年商2000億円級のスーパーマーケットをコンパリゾンの中心においた。
それも「ポジショニング」の鮮明な3社。

私は「ポジショニング競争」の時代であることを、
強く主張している。

それを実証したいがためである。
ただし、APEC開催中ということもあって、
予定通りにはバスが動かない。
ご迷惑をおかけした。
まず、ヤオコー浦安東野店。
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一昨日、訪れた相模原下九沢店は最新の店だった。
しかし、最新店ばかり訪れても、
その企業の実力は測れない。

ヤオコーにおけるその典型がこの店。
さすがにヤオコー。
良い売場づくりだった。

次に訪れたのが、サミットストアライフガーデン浦安富岡店。
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この店はこの9月に「リブレ京成」跡地へ出店した最新店。
年商目標26億1000万円という凄い数字を掲げている。
この数字が掛け声だけでないことは、
良好なオペレーションと店内の活気が物語っていた。
千葉周郎店長のもと、モチベーションの高さがうかがわれた。

従業員数87.0人(正社員33.0人、パートタイム・アルバイト社員54.0人)
1次商圏内世帯数は3520世帯で人口9230人、
2次商圏は1万2824世帯、3万1208人。
3次商圏2万8722世帯、6万6608人。

部門別取扱品目は青果329、鮮魚310、精肉380、
さらに惣菜200、日配1495、加工4687、菓子967、
そしてベーカリー70、家庭用品5616の合計1万4054品目。

サミットの現時点の最高水準の店舗だった。

このクリニック最後の店は、オーケー新浦安店。
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2008年11月28日オープンで、
もう2年経過している。
売場面積は2874m²(869坪)。
駐車場355台。

オーケーとしては清水の舞台から飛び降りるほどの大型店。
従って、その大型売場面積をややもてあまし気味。
しかし「高品質・Everyday Low Price」を標榜する店づくりは健在で、
オーケーの新しいフォーマットへの意気込みがぷんぷんにおう店ではある。

この日も、完全に予定通りの店舗を巡り、
私たちは大きな収穫を得て、東京・日本橋へ戻る。

午後4時、日本スーパーマーケット協会会議室を借りて、
最後の総括セミナー。
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まず浅香先生から、立地を始めとする根本的な競争力に関するレクチャー。
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そして私のまとめ。
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2日がかりの視察を終えてのセミナー。
どうしても力が入る。
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Doing things betterとDoing better things。
どちらも重要だが、日本もアメリカも、
小売業は前者に傾きがちとなる。

両者の間に最大のパフォーマンスを導き出す。
それが「知識商人」の仕事である。

ご清聴を感謝したい。

セミナーが全部終わって、解散。
残った協会に大塚明専務理事。
2日間、店を巡り、語り、
至福の時を過ごして結城義晴。
大塚さんがいれば、喉をうるおしたくなるのは、当然の成り行き。
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呉服橋龍名館。

大塚さんとの議論。
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これも至福の時だった。
ありがとうございました。

それにしても最後に再び思った。
「亡き父よ、店見るたびに見るたびに」
合掌。
< 結城義晴>

2010年11月10日(水曜日)

首都圏店舗クリニック東京・神奈川編は隣接競合「三和vsオーケー」&「イトーヨーカ堂vsジャスコ」そしてサミット、ヤオコー、オオゼキ

一昨日のニュース。
10月の景気ウオッチャー調査。
「足もとの景気実感を示す現状判断指数」。
9月から1.0ポイントの3カ月連続ダウン。

エコカー補助金終了、たばこ増税など、
個人消費の落ち込みが大きい。

この指数を構成している3大項目は、
①家計、②企業、③雇用。
10月にはすべての数値が低下してしまった。

2~3カ月先の先行き判断指数も出しているが、
それは9月段階から0.3ポイントのダウン。
これは2カ月ぶりの悪化。

しかし2カ月先となると、12月、
3カ月先となると1月。

すなわち年末年始の先読み指数は、
良くはない。

心してかかるべきだ。

さて、昨日から今日にかけて、
首都圏店舗クリニック。

メーカー・卸売業の中堅・若手社員41名とともに、
スーパーマーケット、総合スーパーの優良店をウォッチング。

昨日は、首都圏の外環状線国道16号の西側を探索。
朝11時に新横浜集合。
Apec警備厳重な横浜。

まずは、サミットストア町田旭町店。
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1階にダイクマ、2階にヤマダ電機、
地階にサミットストアのスーパーマーケット。
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21世紀に入る前から、サミットはこの地区で、
ディスカウントストアのダイクマと、
コラボレーションで出店してきた。
サミットが開発した物件にダイクマが参加する。
ダイクマが手当てした物件にサミットが乗る。

そのダイクマは、イトーヨーカ堂の傘下にあったが、
ヤマダ電機に売却されてしまった。

しかしサミットと組んで出店した店は残っている。
それがこの町田旭町店。

古い店だが、良くメンテナンスされ、
なおかつ最新型にリニューアルされて、
状態はすこぶる良い。

店舗クリニックの場合、
日本でもアメリカ、ヨーロッパでも、
その日の最初に訪れる店は重要。

後の店の基準になるからだ。

サミットストア町田旭町店は、その意味で、
最良の店ではあった。

次に訪れたのが、
三和とオーケーの激戦地。
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「オセロ主義」を出店戦略の核とする三和は、
4つのフォーマットを持っている。
そのうちのディスカウントタイプ「フード・ワン」。
もともとレギュラー型のスーパーマーケットだったが、
隣接地にオーケーが進出してくるというので、
対抗型のフード・ワンにフォーマット転換した。

オセロ主義とは、出店エリアを2㎞の升目に区切り、
オセロのようにその升目すべてに自社店舗を埋めていく作戦。
オセロ主義をとると、必然的にマルチ・フォーマットとなる。
4平方㎞ごとに標準化した物件が確保できるはずもないからだ。
隣は、オーケー。
「高品質  エブリデー・ロー・プライス」を標榜する
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2008年にオープンしたディスカウント・スーパーマーケット。
この隣接競合、日本有数のケーススタディ。

ディスカウント型2店舗の競争は、
近隣同業に強いインパクトを与える。
この2店舗から、少なからず影響を受けているサミットが、
いかに対抗し、対応しているかも、知ることができる。

この3店舗は、必見の競争を繰り広げている。
その後、国道16号線を北上して、
JR横浜線の古淵駅近隣の総合スーパー隣接競合地区へ。
イトーヨーカ堂古淵店。
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そしてジャスコ相模原店。
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前にも書いたが、私が『販売革新』編集長の頃、
「イイ戦争・古淵の闘い」という特集を組んだ。

どちらも箱型の「日本型GMS」と呼んだりする一時代前の総合スーパー。
オペレーション力はイトーヨーカ堂が優れているはずだが、
隣り合わせで毎日毎日、競争していると、
追いかける者が少しずつ追いついてくる。

今や、それほどの遜色のない売場となっているから不思議。

イトーヨーカ堂が旧来タイプの箱型GMSであるのに対して、
ジャスコはちょっとだけショッピングセンタ―志向で、
それが総合力となって、互角の戦いを見せている。

一方、イトーヨーカ堂もテナント揃えの重要さをジャスコから学んで、
その後、ショッピングセンターのアリオ開発につなげた。

競争は、競争する者たちを進化させる。
そのことが、良く分かるケーススタディとなっている。

バスの中で、ずっと解説。
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私はもう、アメリカ視察モード。
メーカー・問屋の中堅・若手対象ということもあって、
説明はいつも以上に懇切丁寧になる。
国道16号をさらに進むと、
相模原のアイワールドへ。
ロヂャース、ダイクマ、アイワールド。
1990年代に関東の非食品ディスカウンター御三家だった。

ロヂャースは太田順康副社長が、
スーパーマーケット店舗に転換させた。
ダイクマはヤマダ電機に売却された。

そしてアイワールドは、
1階にオオゼキを誘致し、
上階にはダイソーを導入して、
何とか生き延びている。
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この多層階商業施設は、
いまやオオゼキによって持っている。

結局、バッタ仕入れの非食品ディスカウンターは、
長続きはしなかった。

私の言う「ディスカウンター1000億円限界説」を、
この3社は証明することとなった。

アメリカのウォルマートやターゲット、Kマートのように、
仕組みでディスカウントできる企業体をつくり上げるしかない。

オオゼキの店舗入り口で展開されていた「号外セール!」レタス98円。
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昨日の最後は、ヤオコー相模原下九沢店。
dscn4416-11.jpg
「ザ・マーケットプレイス」と名づけられている。

この10月26日にオープンしたばかりで、
現在、ヤオコーの実験店との位置づけ。
何を実験しているかというと、
従来のライフスタイルアソートメントのヤオコーに、
「エブリデー・ロー・プライス」の要素を組み入れる趣旨。

21世紀に入って、アメリカのウェグマンズは、
「コンシステンシー・ロープライス」を採用した。

すなわちこれは、
ウォルマートの「エブリデー・ロー・プライス政策」の取り込み。
どうやらヤオコーも、その域に入ってきたということ。

実に良い店で、視察者一同、満足。

その後、中央高速道路を走り抜け、
埼玉県大宮市のホテルへ。

そして、夕方の6時半からセミナー。
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8時40分までのレクチャー。
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ゲスト講師は、リテイル・マーケティング研究所社長の浅香健一先生。dscn4445-1.jpg
浅香先生は立地論の専門家。
「集める立地・集まる立地・近寄る立地」の持論と、
業態・フォーマットとポジショニング論。

松嶋奈々子型企業、大竹しのぶ型企業など、
たとえ話がとても面白くて、勉強になった。
私の話は、業態・フォーマット論と「店舗・商品論」。
メーカー・問屋の中堅・若手に「商品構成グラフ」の考え方を、
これまた丁寧に解説。
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かくて、首都圏店舗視察初日、順調に終わった。
浅香先生とホテルの中華料理で乾杯。
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お疲れ様でした。

しかし店を回るのは楽しい。
アメリカでもヨーロッパでも、
日本でも。

今回も、思い出した。
「亡き父よ、店見るたびに見るたびに」

合掌。

<結城義晴>

2010年11月09日(火曜日)

商人舎Special Memberとミンツバーグの「マネジャーの仕事」

商人舎ホームページ右段に新しいコーナー。
「商人舎Special Member」

2008年2月1日に発足し、
その年の4月17日に「発足の会」が開催され、
それから2年半。
お陰様で、商人舎はすこしずつ、
社会からも認知され、
小売商業・サービス業、製造・卸売業からも、
行政やマスコミやアカデミズムからも、
「商業の現代化」や「知識商人の養成」というスローガンとともに、
一定の評価をいただくことができるようになってきました。

心より感謝いたしたいと思います。

しかし、商人舎は私、結城義晴ひとりの会社。
そんイメージが確立されています。
実際にここまでのところ、
そうでもありました。

それにもかかわらず、
多くの方々から、
様々なご要望をお受けし、
それにお応えできないこともしばしば。

そこで、従来から、商人舎の趣旨にご賛同いただき、
あるいは商人舎のコンセプトをご一緒につくっていただいてきた皆様に、
「商人舎Special Member」となっていただいて、
正式に活動にご参画いただくことになりました。

そのご紹介ページが、
ホームページ「商人舎Special Member」です。

最高顧問に、流通仙人の杉山昭次郎先生
特別顧問に、元西友商品本部長・物流本部長の萩原政利さん、
海外特別顧問に、私のアメリカのパートナー浅野秀二先生
エグゼクティブ・プロデューサーに、
私の㈱商業界時代からの「相棒」松井康彦さん、
エグゼクティブ・ディレクターに、
これまた最も信頼する川勝利一さん、
そしてチーフ・ツアー・コーディネーターに、
商人舎USA研修会を一手に仕切る鈴木敏さん。

商人舎Special Memberの輪はこれからも、
どんどん広がっていきます。

そして、「商業の現代化」を果たす商人舎の機能は、
強化されていきます。

ご期待ください。

さて、雑誌「danchu」が創刊20周年を迎えた。
現在の編集長・町田成一さんは、
創刊時からのメンバーで、
㈱商業界の『食品商業』に属していた。
私の最初の部下で、私は編集長。

ある日突然、退職願を出してきて、
私は大ショック。
業務上は大きな痛手となったし、
次の編集長の有力候補でもあったのだが、
町田さんがプレジデント社の「danchu」に移って20年。

今では、良かったと思っているし、
祝福したい気持ちでいっぱいだ。

その「創刊20周年の結論。」と題された記念特集。
「いま本当に
食べたいもの、
行きたい店」

これはそのまま小売りサービス業に当てはまる。
あなたの店は、
「いま本当に行きたい店」になっているか。
「いま本当に食べたいもの」を売っているか。

さて、日経新聞スポーツ欄のコラム「スポートピア」。
作家の加藤廣さんが「反管理野球のすすめ」を書いている。

私は、本来、日経というメディアに似合わないはずだが、
この新聞のスポーツ欄のコラムが大好きだ。
豊田泰光の「チェンジアップ」は愛読している。

日本経済は1973年のオイルショックの後あたりから、
厳しい経営管理体制を敷くようになる。

経済界が「管理経営」を進めると、
不思議なもので、野球界でも「管理野球」が大隆盛。
「管理野球」は巨人軍の川上哲治監督が始め、
ヤクルトスワローズ、西武ライオンズの広岡達郎・森昌彦と受け継がれた。

川上・広岡・森の合計監督歴29年のうち優勝回数23回。
なんと79%の成功率だった。

しかし、加藤さんは断ずる。
「この種の教育は間違っていた」

「仕事は一般人の場合、
人生の手段にすぎないのに、
人生を仕事に埋没させ、
その奴隷になることを
上から強要したからである」

経営者たちは「管理野球」を歓迎した。
だが、「働く側(選手)の評判はすこぶる悪い」

もちろんこのころの巨人軍には、
「管理」という概念とはほど遠い存在もあることにはあった。
長嶋茂雄に王貞治。
本当のところ、長嶋・王がいたからこそ、
全体では「管理管理」と称したのかもしれない。
しかしその川上・広岡・森に対してアンチテーゼを掲げるのが、
西鉄ライオンズを率いた三原脩監督。

私は生れが福岡ということもあって、
チームがなくなってしまったいまでも、
西鉄ライオンズ・ファンを自負している。

三原はもとより、中西太、豊田泰光、仰木彬、稲尾和久、
みんな大好きだった。

東京の巨人軍に対して、
田舎の福岡のライオンズ。

その三原の「反管理野球宣言」とも言える名言。
「選手は惑星である。
それぞれが軌道を持ち、
その上を走っていく」

「この惑星、気ままで、
時には軌道を踏み外そうとする。
その時発散するエネルギーは強大だ」

三原は彼ら惑星の力を結集する方法を、
「遠心力野球」と称した。
「遠心力野球とは、それを利用して、
力を極限まで発揮させるものである」

「この結論を得た時に私は、
豊かな気分にどっぷりと浸かることができた」

三原の「遠心力野球」とその時の心境。
三原は述懐する。
「手綱は解放すことだ」

ただし「反管理」と「無管理」はまったく異なる。

「無管理」ではない「反管理」。

これが現代の経営にも通ずる。
いやデフレ時代の閉塞感の中で、
ふたたび「管理野球」にもどる危険性を持つ現在、
忘れられては困るのが三原流。

ドラッカーの後を継ぐとも目されている経営学者
ヘンリー・ミンツバーグ
が、
名著『マネジャーの仕事』の中で、
5つの「仕事の特徴」を整理している。

①マネジャーの仕事は、
ルーチン的であらかじめ設定された仕事と、
予定外に発生する仕事とが入り混じっている。

②マネジャーはゼネラリストでもありスペシャリストでもある。

③マネジャーはあらゆる筋からの情報に頼っているが、
口頭で伝達された情報を好む傾向にある。

④マネジャーの仕事は、瞬間的で、雑多で、
断片的という特徴を持つ活動で構成されている。

⑤マネジャーの仕事はサイエンスというよりもアートであり、
直感的プロセスや何が正しいかの「感覚」に依存している。

「ルーチンの仕事と予定外の仕事」
「ゼネラリストでありスペシャリスト」
「瞬間的で、雑多で、断片的な仕事」
「サイエンスというよりもアート」

それがマネジャーの仕事。
小売りサービス業にするならば、
店長の仕事。

それがどんどん複雑になってきている。
しかもマネジャーは「口頭で伝達された情報を好む」。

どうだろう。
三原脩とヘンリー・ミンツバーグ。
両者を繋ぐ一本の糸が、見えてはこないだろうか。

働く者が、解き放たれる。

これとは別の次元で、小売りサービス業には、
解き放たれたように見えて、実は乗せられて、
「ぎゅうぎゅう」とサービス残業を強いられるケースが散見される。

これは、いけない。

三原の反管理野球は、
独立自営者の野球選手をまとめるための考え方だ。
ミンツバーグのマネジャーも同じこと。
従業員・サラリーマンを、
「反管理野球」のごとく称してサービス残業させるのは、
マクドナルド店長裁判を持ち出すまでもなく、
法律違反である。

この時、経営者と管理者は、犯罪者となる。

万が一にも、そんなことが常態化しているとしたら、
これは「商業の現代化」など、
夢のまた夢となってしまう。

「以って自戒とすべし」である。

<結城義晴>

[追伸]
惣菜コンサルタント林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー
「儲かる惣菜マーチャンダイジング」
いよいよ一週間後の開催となりました。
こちらからインターネットで簡単に申し込みできます。
皆さまのご参加をお待ちしております。

2010年11月08日(月曜日)

「立冬」を過ぎ「冬至」まで、ああ「今日も一日、慌てず急げ」

Everybody! Good Monday!
[vol45]

2010年第45週。
11月の第2週です。

このホームページ巻頭
「常盤勝美の2週間天気予報」
好調です。

商売に役立つ2週間の天気予報は、他に存在しません。
ちょっとのぞいて、ざっと頭に入れて、
仕事に役立ててください。

それから来週火曜日のセミナーが迫ってきました。
「儲かる惣菜マーチャンダイジング」
今年最後の商人舎研修会。
惣菜コンサルタント林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー。
申し込みはまだ、間に合います。
申し込みは、こちらをクリックしてください。

林先生ともども、全力を挙げて、準備しております。

それから商人舎ホームページと提携している流通ニュース。
新しい目玉ブログが9月からスタートしています。
「最新店舗レポート」

これまでに7店舗のレポートがアップされています。
ライフ/南千住店
マルエツ/成増南口店
ヨークベニマル/栃木祝町店
ベイシア/古河総和店
東急ストア/武蔵小山駅ビル店
サミット/ライフガーデン浦安富岡店
ベルク/行田城西店

これは絶対に見逃せない記事です。

さて、昨日の日曜日は、「立冬」でした。
だから土曜日の7日は「節分」

各季節の始まりの日を「立〇」といいます。
「立冬・立春・立夏・立秋」
日本語では「冬が立つ」と表現します。
いいですね。

この「立つ日」の前の日を「節分」といいます。
「節分」とは読んで字のごとく、「季節を分ける日」のこと。

江戸時代から、特別にうれしい春が立つ日の前日を、
通称して「節分」と呼ぶようになりました。

先週の水曜日・木曜日と、
関西スーパーマーケット社長の井上保さんとご一緒しましたが、
「今週土曜は節分です」とうれしそうでした。

関西では、立冬の前の節分も、イベントに組み込んで、
顧客とともに楽しむ。

いいことです。

その井上さんからブドウが贈られてきました。
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「猛暑・酷暑・炎夏」だったせいで、
すごく甘くておいしいブドウとなった。
ありがとうございました。

話はながくなりましたが、
昨日がその立冬。

立冬は秋分と冬至の真ん中で、
これから特に、急に夕方が短くなります。
その意味では、
ひどく「時間」が短く感じられるようになります。
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働いていると、夕方の短さなど気づかないかもしれませんが、
しかし私たちのお客様の中には、
そういった気分を満喫して生活している人がいます。

私は、小売商業やサービス業は、
そんな季節の移り変わりを、
商品やサービスを通じて、
自分の顧客に伝え、味わってもらうのが、
役目の一つだと思っています。

私たちは「暮らし」を売っているのだから。
私たちは「生活」を提供しているのだから。

その意味で、今週から、
目いっぱい「冬が立つ」気分。

やっぱりおでんが食べたくなるし、
鍋物を囲みたくなる。

久しぶりのセーターなども懐かしいし、
ちょっと寒ければコートも着たい。

冬への気持ちの切り替えは新鮮で、
生きる活力となります。

それが店にあふれていなければならない。

さて、昨日の夜は、
プロ野球日本シリーズの第7戦が行われて、
千葉ロッテマリーンズが優勝。
人気のないシリーズだとか言われていましたが、
私は、とてもよかったと思う。

小売流通業に限らず、
「ポジショニング」が最も重要なことだと、
最近は考え、言い続けていますが、
中日ドラゴンズもマリーンズも、
地元密着でポジショニングを確立した球団。

だから、日本シリーズに進出できたのだと思う。

そしてその両者のポジショニングのぶつかり合い。
見ごたえがありました。

昨日から横浜では、
APEC2010がスタート。
アジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation)は、
環太平洋地域における多国間経済協力を進めるためのフォーラム。

7日、8日、9日に事務局レベルの調整が行われ、
10日、11日の閣僚会議、
13日、14日の首脳会議で、
「横浜宣言」が発せられる。

横浜は厳戒態勢で、
全国から警察官が動員され、
その意味では現在、
横浜みなとみらい地区の街頭は、
制服警官の方言のるつぼ。
そのこと自体、なんだか、
いい雰囲気です。

今回の主要テーマは、
「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想。
きっかけは「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」

日本がまとめている計画原案が了承される見込みのようですが、
私もワンアジア財団評議員の一人として、
ひとつのアジアに向けて、
歴史的な議論をお願いしたいものです。

行きつ戻りつではあるけれど、
試行錯誤の連続ではあるけれど、
時には時代錯誤もあるけれど、
経済三流・政治五流と揶揄されてはいるけれど、
私たちはすこしずつ、進歩しています。

少なくとも、自分の周辺には、
その実感を確認したい。
今週も、時間が短く感じられるけれど、
「今日も一日、慌てず急げ」
「今日も一日、優しく強く」

そして今月の標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年11月07日(日曜日)

ジジと立冬[2010日曜版vol45]

ヨコハマのジジです。
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ひざしが、すこしずつ、
かわってきました。
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ボクは、「家猫」ですが、
ひざしのちがい、
わかります。
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うつくしくて、
しかもするどくなった。
けれど、ひざしは、
たしかによわくなった。
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きょうは、「立冬」です。
冬が立つ日。
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ベランダの花も、
よわよわしく、
さいています。
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それでも、こんな日を、
「小春日和」といいます。

そんな日には、
そとの空気を、
すうのがいい。
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赤い花は、センニチコウ。
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おうちのなかも、
立冬らしくなってきた。
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ブドウがおくられてきました。
秋からのおくりもの。
dscn3559-31.jpg
ありがとうございます。

ゆったりと、
時間がながれていきます。
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ジャスミンティも、
いいかおり。
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こんなときには、
だれだって、
ものをかんがえます。
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ユウキヨシハルのおとうさんも、
ちょっとおちついてきて、
いろいろな本をよんでいます。

たのしむのは、これ。
シオノ・ナナミさん。
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冬がくるからなのか、
ボクは食欲旺盛で、
ちょっとふとりました。

それが悩みのタネなんです。
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おとうさんにも、
からだには気をつけてほしいけれど、
ボクもすこしだけ、
じぶんのことを、
かんがえてみようとおもいます。
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冬が立つと、
やがて年の瀬がやってきて、
そして来年。
dscn3529-3.jpg

なんというか、
時のながれが、
はやくかんじられます。

立冬から立春までの時間も、
これまでよりもはやく、
すぎてゆくのでしょうか。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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