結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年10月13日(火曜日)

販売革新「Tide of Time」とイオン中間決算最高益の「大反省」

連休前に「セルコレポート」が届いていた。IMG_5575 (002)

私の連載は「Tide of Time」
和訳すれば「時代の潮流」

1963年の「販売革新」創刊のときには、
「流通革命」が声高く謳われていた。

その巻頭コラムのタイトルが、
「Tide of Time」だった。
それを使わせてもらっている。

以前の連載タイトルは、
結城義晴の「艱難は商人を鍛える」
第44回をもって終わった。

「Tide of Time」はもう10回を迎えた。
ご愛読をお願いしたい。

さて今回は、
「≠全能店長」のすすめ

「≠」は「ノット・イコール」と読んで、
「等しくない関係」を意味するものです。
この記号を「全能店長」につけてみました。

「≠全能店長」
「ノット・イコールぜんのうてんちょう」

「店長は必ずしも
オールラウンドマネジャーで
ある必要はない」

会社も全員に、
「全能店長」であることを
求める時代ではありません。

これが私の言いたいことです。

私は最後に書いた。
――今、「全能店長」でありたいという
店長がいることは、
私たちの産業の誇りであります。

そして「≠全能店長」の「強み」を活かす在り方も
大いに求められるものだと思います。

両者の振幅の広がりこそ、
私たちの産業の進化なのです――。

さて今日は、
イオンの第2四半期決算説明会。

会場は東京の大手町サンケイプラザ4階ホール。
ジャーナリスト、アナリストが集まった。

山本恭広流通スーパーニュース編集長が行った。

壇上に三人の幹部が並ぶ。aeon-hall
江川敬明執行役財経担当(左)、
吉田昭夫代表執行役社長(中)、
四方基之執行役副社長(右)。

冒頭、吉田社長が立ち上がって、
熊本地震のイオンモールの事故をお詫びした。aeon-yoshida-01

四方さんが決算概要を説明した。aeon-shikata

商人舎流通SuperNews。

イオンnews|
第2Q営業収益5兆9042億円・経常利益1083億円/過去最高収益

営業収益5兆9041億5700万円、13.8%増。
営業利益1307億4300万円、10.7%増。
経常利益1082億9200万円、1.7%増。
中間純利益は133億4800万円、229.1%増。

増収増益。
営業収益と営業利益は過去最高。

セグメント別に見ると、
2つの中核業態が営業損失を出した。
スーパーマーケットと総合スーパー。

一方、好調だったのが、
ディベロッパー・エンターテインメント事業。

吉田社長が総括した。aeon-yoshida2

「二極化した決算」

「日常の支出は慎重な一方、
ウエルネスや価値を感じる消費は活発」

ディベロッパー・エンターテインメント。
「低投資で開発した既存アセット活用の効果が出た。
これは一時的な追い風ではない」

総合スーパーとスーパーマーケットは、
踏み込んでコメントした。

「スタンドアローンの箱型店舗が不振」

店舗ごとに売場面積を見直し、
テナント導入を進める。

総合スーパーという業態が衰退したのか。
箱型多層階店舗が顧客から忌避されたのか。

アメリカでは「ハイパーマーケット」と呼ぶ。
ウォルマートとターゲットは好調だ。

業態は好調ということ。
とにかく「総合」は便利なのだ。

そして米国ハイパーマーケットは、
ほとんど例外なく平屋だ。
つまりワンフロア。

大都市中心部の店舗や、
リージョナルショッピングセンターの店は、
それでも2層までである。

悪い条件。
⑴スタンドアローン
⑵箱型

それに⑶多層階
この条件を強く意識して、
改革しなければならない。

それからドン・キホーテが好調であることを、
もっともっと学習しなければならない。

つまり「イオンのGMS」はいまだ、
「アンダーポジショニング」なのだ。

きれいに店をまとめようとし過ぎる。
どぎついほどまでにポジショニングを、
昇華させねばならないと思う。

一度、実験をしてみては?

スーパーマーケットは、
先のU.S.M.Hの決算発表で、
井出武美社長が店舗閉鎖を宣言した。

こちらは実用衣料供給の活用法を挙げた。

イオンのスーパーマーケットは、
成長ではなく膨張だった。

その反省から始めるのがいいだろう。

「欠損は社会のためにも不善と悟れ」 

2009年3月18日。
岡田元也社長(当時)が記者会見で、
「大反省」を宣言した。

あれを思い出す。

「今日はイオンの反省会でございます。
お客様第一といいながら、
我々が出遅れていました」

そして翌19日には主要紙の朝刊に、
「イオンの反省」と題した全面広告を出した。

「イオンの価格は、他店にくらべて、
決して安くはありませんでした」

「イオンの売り場には、
欲しいと思える商品が並んでいませんでした」

「イオンは、お客さまへのサービスを、
怠っていました」

「もう一度、お客さまが求める
本当の低価格、売場、サービスを
取り戻すことに全力を尽くしていきます」

「今日のイオンは、
時代の経過や、組織の巨大化に伴い、
創業以来綿々と受け継がれてきた
『お客さま第一で行動する』という
企業文化の発露が不十分な状況にあります」

「結果として、お客さまのご期待に
添えない状況が発生していることを真摯に反省し、
もう一度創業の精神に立ち戻り、
『お客さま満足』の実現に向けて
行動してまいります」

この中間期、
イオン全体では最高の増収増益だ。
だから全体では今、反省は必要ない。

しかし祖業のGMSと、
中核のスーパーマーケットには、
「大反省」があってしかるべきだろう。

時代の経過と組織の巨大化が、
今回も根本原因だ。

〈結城義晴〉


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