結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月03日(木曜日)

「バターはどこへ消えた?」と顧客が求める「経路の純化」

昨日から今日にかけて、
月刊『商人舎』12月号の巻頭論文。
1万5612字。

1本の原稿としては、
これまでのところ最高字数。

いまや立教大学のビジネスデザイン研究科では、
修士論文が2万字だというから、
それに近い量だ。

月曜日には『食品商業』に1万1000字。
量を書けばいいというわけではないけれど、
必要ならば「量」も書く。

村上春樹さんは、
長編小説を執筆するとき、
きっちり1日に10枚書く。
つまり400字×10枚で4000字。

私もそのくらいのスピードで、
ゆっくりと書きたいものだとも思うが。

今日は雨の中、
午前中に千葉の海浜幕張に向かった。

イオンタワーに。
イオンリテール㈱の広報グループに、
お世話になった。

大塚聡さんと来間祐也さん。
写真はないけれど。

お会いしたのは、
上山政道さん。DSCN9984-5

電子マネー推進本部本部長。DSCN9986-5
たっぷり2時間近く話し合って、
固い握手。

上山さんは、
イオンクレジットサービス㈱常務取締役から、
2013年5月に現職に。

専門家の話を聞くのは、
本当に勉強になる。

私も「商業の現代化」の話をして、
結構、満足した。

ありがとうございました。

さて、日経新聞経済欄。
「バターはどこへ消えた?」

政府の規制改革会議議長は、
住友商事相談役の岡素之さん。

大手乳業メーカー幹部から、
バター需給の現状を聞き取り調査。

雪印メグミルクの小板橋正人さんは、
「特約店にはまんべんなく
バターを供給している。
それなのに末端の店頭にないのは、
乳業メーカーからすると不思議だ」
取締役執行役員酪農部長の発言。

さらに明治の木島俊行さん。
こちらは執行役員酪農部長。
「足元は一昨年並みの在庫が積んであり、
この冬は潤沢に供給できる」

農林水産省の主張。
「緊急輸入でバターの供給は十分だ」

農水省は「国内の生乳需給の調整弁として、
バターを国家貿易で輸入する立場。

しかし一方で、
全日本洋菓子工業会は、
「毎年、緊急輸入したバターの数量と
市場に出回る量はかけ離れており、
一体どこにあるのだろうというのが
業界の疑問だ」
この工業会はバターを使う「川下」

そこで日経は疑問を呈する。
「バターはどこにあるのか」

農水省の第1の疑問。
「高値を狙って流通段階で
在庫をためている業者がいるのでは」

第2は構造問題。
「原料である生乳をつくる酪農家の減少や、
複雑な流通制度によって
生産が一部メーカーに偏っている」

岡議長の規制改革会議は、
「流通経路や供給体制をさらに点検し、
来年6月をメドに解決策をまとめる」

1962年に林周二先生が、
『流通革命』を発刊。

ここで問いただしたのは、
「問屋無用論」よりも、
「流通経路の純化」である。

その意味では、
現在でもまだまだ
『流通革命』が必要な領域がある。

故中内功さんや、
故渥美俊一先生に、
復活してもらって、
活を入れなければいけないのだろうか。

「バターはどこへ消えた?」

このフレーズは当然ながら、
2000年11月発刊の本のパクリ。
『チーズはどこへ消えた?』
スペンサー・ジョンソン執筆のベストセラー。
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買って読み始めた記憶があるし、
読みやすく書かれた本だったとは思う。
タイトルはよく覚えているが、
途中でやめてしまったはず。

なんだか説教臭かった。

しかし「バターはどこへ消えた?」は、
しっかりと解明してもらいたい。

林著『流通革命』は、
スペンサー・ジョンソンの平易さはなけれど、
こう言い切る。

「顧客は明らかに
経路の純化を求めているのである」

〈結城義晴〉

2015年12月02日(水曜日)

12月商人舎標語「自ら軛を断て。」と2015ヒット商品番付

今月の商人舎標語。
月刊『商人舎』12月号の巻頭言と連動。

タイトルは、
自ら軛を断て。

あなたは縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。

牛が曳かれてゆく。
首の上に木製の棒がつけられている。
(くびき)である。

牛は何も言わない。
ただひたすら下を向いて、
のろのろと歩いてゆく。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

商人はもともと自由である。
一人の顧客と対面するとき、
一人の商人は奔放である。

ところがその自由な商人のなかに、
いつのころからか軛につながれる者が出てきた。
社畜と堕す者が生まれた。

ひたすら命令に従う者、
顧客や市場よりも体制に迎合する者、
権力や理論に従属する者。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

2015年が終わろうとする今、
そんな軛を、自ら断ちたい。
正々堂々、顧客や市場と向き合いたい。

組織人でありつつ、
独立自営商人の気概をもちたい。
自分で考えぬく脱グライダー商人でありたい。

あなたは今も縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。
〈結城義晴〉

今年最後のメッセージ。
ハードパンチを繰り出してみた。

12月10日発行号、
ぜひご期待いただきたい。

さて、自分の雑誌の締め切りで忙しい中、
古巣の㈱商業界『食品商業』に、
600号記念の原稿を寄稿した。

1万0147字。
長編、力作。

発刊されたら読んでください。

私も、そのメディアの通巻600号の中で、
1989年2月号(通巻215号)から、
2000年10月号(通巻390号)まで、
編集長を務めた。

11年9カ月、都合176号。

歴代の編集長の中で一番長い。
感慨は深い。

私の次に長かったのは、
初代編集長の故今西武さん。
創刊号から167号まで。

私はこの雑誌編集部で、
今西編集長の部下として、
1982年から4年間、仕事をした。

自分で編集長を辞した後も、
編集局長や社長としてかかわったから、
1982年から2007年まで、
25年間、このメディアに関係した。

人一倍、愛着はある。

そんなこともあったので、
古巣商業界の雑誌の最新号を、
ちょろちょろっと覗いて見た。

月刊『販売革新』12月号は、
【総力特集】
2016年に生かす「好調企業の勝ちパターン」

ん~っ、「勝ちパターン」か。

パターンで勝てれば苦労はしない。
なんだか、ひどく安易。

そのパターンをこそ、
タイトルにしてほしい。

野球で言えば、
「先行逃げ切り」だとか、
「粘って粘って大逆転」だとか。

しかしこの野球のパターンでも、
結構、類型的だ。

「勝ちパターン」はつまらない。

月刊『商業界』は、
【総力特集】
あなたの商いを強くする
「編集力と伝える力」

語感の問題だが、
「編集力」なら「伝達力」か、
「伝える力」なら「編む力」か。

「勝つ」とか「強くする」とか、
結局は売上げ至上主義?!

それこそ、編集部の編集力が問われるね。

月刊『食品商業』の12月号は、
【特集】本当に学ぶべきアメリカSM

タイトル「本当に学ぶべき」は、
おもしろくない。

それに、前にも書いたけれど、
学ぶべきと教えているマリアーノスは、
赤字を出してクローガーに買収された。
セーフウェイはサーベラスに買収されて、
店は閑散としている。

反面教師なら学べるけど、
そうは書かれていない。

ただし、島田陽介先生の主張には、
いつもながら同感だ。

ついでにダイヤモンドフリードマン社。
『ダイヤモンド・チェーンストア』
12月1日号特集は、
「いざ切り拓け、数兆円!
ナチュラル・オーガニック市場」

このメディアは、
こういうの、得意です。

広告も集めているんだろう。

さらについでに、
月刊『マーチャンダイジング』
【総力特集】
30社 150店舗顧客満足度調査2015
「エクセレントストア」の新条件

これ、『食品商業』や『販売革新』でも、
やってた。

こちらはドラッグストアなんだろうけど。
ほんとうに新条件がみえてきたの?

このメディアは商業界のOBたちがやっているし、
私、応援している。

と、まあ、業界の雑誌を垣間見たけど、
活字離れが激しい中、
ネットに押されないように、
頑張ってほしい。

全体にいえる印象は、
ピーター・ドラッカー先生も言ってるが、
自分の目で見て、
自分の耳で聞いて、
自分で考えて、
自分で書くこと。

わが身を顧みず、ちょっとだけ、
先輩風を吹かしてみました。

みんな、かわいい後輩たち。
許してください。

最後に、日経MJ12月2日号。
もう恒例の『2015年ヒット商品番付』

東の横綱は「北陸新幹線」
西の横綱は「ラグビー桜ジャパン」

東西横綱はどちらも顧客が買えないモノ。
つまり「商品」ではない。

大関は東の「火花」
西の「定額配信」

張出大関は、
東の「ハローウィン・フィーバー」
西の「肉食ブーム」
フィーバーとブームか。

これでは「2015年ヒットしたコト番付」だ。

時代は変わった。
その変化に対応しなければ、
メディアも生き残れない。

古い観念、
古い慣習、
古い理論。
その軛を断たねば、
生き残れない。

〈結城義晴〉

2015年12月01日(火曜日)

12月1日の流行語大賞・水木しげるの訃報と「革命しよう」

2015年の終わりの始まり。
12月1日、火曜日。

いい天気。
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初冬にしては、
まぶしい日差しが差し込む。
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「2015新語・流行語大賞」が発表された。
1984年から続く、暮れの風物詩。

今年は二つ。
「爆買い」と「トリプルスリー」

前者はインバウンド消費を表現した。
後者はプロ野球の3割・30本塁打・30盗塁。
ホークスの柳田悠岐と、
スワローズの山田哲人が達成した。

2004年から㈱ユーキャンの提供となった。

審査委員は7人。
姜尚中(作家・聖学院大学学長)
俵万智(歌人)
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
室井滋(女優・エッセイスト)
やくみつる(漫画家)
箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)
清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)

もちろん事務局がある程度選考して、
最終審査と決定をこの7人がやる。

ことしはまあ、妥当な線だった。

では、去年は、どうだったか。
覚えているだろうか。

2014年もふたつ。
「集団的自衛権」
「ダメよ〜ダメダメ」

こう並べてはいけない、という意見もある。

一昨年の2013年は、多かった。
「今でしょ!」
「お・も・て・な・し」
「じぇじぇじぇ」
「倍返し」

なるほど、豊作の年だった。

2012年は、ひとつ。
「ワイルドだろぉ」

お笑い芸人のギャグは、
長続きはしない。

東日本大震災の2011年は、
「なでしこジャパン」

明るい話題を拾った。

そして2010年は、
「ゲゲゲの~」
朝ドラの『ゲゲゲの女房』のタイトル。

そのゲゲゲの女房の亭主、
漫画家の水木しげるさんが亡くなった。
享年93。

各紙が評伝を書き、
巻頭コラムで追悼した。

朝日新聞『天声人語』
「ネコのように生きるのが理想だったという。
自由に寝て、起きて、あくびをする」

「飄々とした味わいの中には、
戦争で散った仲間を悼む
涙があふれていたと思う」

日経新聞『春秋』
「束縛を嫌って自由気ままに生きることを
『水木サンのルール』と呼び、実践した。
強制や締め付けを嫌う気持ちは
生死の境をさまよった軍隊経験で
いっそう強く なっただろう」

毎日新聞『余禄』
「人は死後どうなるか。
水木さんは想像した。
人は生者の目に見えない形に変化する。
天国も地獄もなく、みんな
ふわふわしたものになる。
何と気分いいことか」

2015年の暮れを迎えようというとき、
水木さんは、
ネコのように生き、

ふわふわしたものになった。

ご冥福を祈ろう。

さて、12月の野菜卸値見通し。
農林水産省の調査。

主要野菜14品目で、
高値が見込まれる品目は、
12月の前半・後半ともないようだ。

顧客は喜ぶ。
商売は難しい。

大ニュースは、
「日経・FTグループ」誕生。
私も7月24日の毎日更新宣言ブログで、
取り上げて、コメントした。

今日は日本経済新聞社社長の岡田直敏さんが、
新聞の一面に、自慢気に書きつける。

「英フィナンシャル・タイムズ買収手続きが
30日に完了、『日経・FTグループ』が
世界へ産声を上げた」

買収額はキャッシュで、
8億4400万ポンド、約1600億円。
証券市場評価による企業価値の3倍。

フィナンシャルタイムズも、
よほど現金にひっ迫していたのだろう。

紺屋の白袴、医者の不養生。

しかしデジタル版の有料読者は、
単純合計で93万人。

米国ニューヨーク・タイムズは91万人、
それを抜いて、世界第一位。

新聞発行部数は、
ウォール・ストリート・ジャーナルの、
146万部の2倍強。

メディアの影響力は規模と量と金かもしれない。
しかしメディアこそ質が問われる機能であり、存在だ。

果たして日経・FTは量を質に変えられるのか。

もちろん買収されたFTが日経に対して、
決定的に変質を迫ってくるだろう。

水は高きより低きに流れる。
覆水盆に返らず。

そこで岡田さんが強調するグループの旗印は、
「質の高い最強の経済ジャーナリズム」

「新しいメディアが次々に誕生するなかで、
新聞の生き残る道は、
『クオリティー』の一点にある」

そのQuality Journalismとしては、
「人材とインフラへの終わりなき投資」。

ただし社長としてのコメント。
もうちょっと期待していたが、
優等生的でつまらない。

ドキドキワクワクがない。

21世紀、ドキドキワクワクも、
大切な「質」の要件の一つだ。

まあ、それを、
期待してはいけないか。

私は熱心な有料購読者の一人だから、
言わせてもらっておこう。

さてさて、最後に、
月刊『商人舎』12月号の巻頭言を、
今、思案していたら、
違うものができた。
それを披露。

タイトルは「革命」。

革命しよう。
君は言う。

そうかい。
僕は答える。

でも僕らはみんな、
世界を変えようと思ってる。


それは進化だ。

君は言う。

ああ、そうかい。
僕は答える。

僕らはみんな、
世界を変えようとは思ってる。


でも君が何かを壊そうとしたら、
僕はそれには加わらないよ。

知らないのかい。
破壊などしなくてもいいってこと。

うまくいくさ。
うまくいくんだよ。
〈Beatles「Revolution」〉

もちろんジョン・レノンの考え方。

念のため、歌詞。
You say you want a revolution
Well, you know
We all want to change the world
You tell me that it’s evolution
Well, you know
We all want to change the world
But when you talk about destruction
Don’t you know that you can count me out
Don’t you know it’s gonna be alright
Alright,alright
[J.LENNON/P.McCARTNEY ]

パリ同時多発テロに対して、
「破壊」で臨んではならない。
それではうまくいかない。

日経&FTは、
どんな姿勢で臨んでいるんだろう。
よく読んでみよう。

では、12月もよろしく。

〈結城義晴〉

2015年11月30日(月曜日)

米国感謝祭商戦「店舗売上げは減りネット売上げが増えた」

Everybody! Good Monday!
[2015vol48]

2015年第49週。
今年もあと4週。

そして今日は11月最終日。

Weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。

公務員のボーナス支給は、
12月10日木曜日。

月刊『商人舎』12月号発刊日。

民間企業も、
それに準じて10日前後が多い。

2015年冬のボーナス見通しは、
民間でマイナス2.1%、
平均36万7458円。

減少か~。

詳細は読んでください。

ちょっと、少ないような気もするけれど。

でも、それぞれに暖かい気持ちで、
ボーナスを手にする。

それが、いい。

さて、この土日曜は、
本当によく眠った。

帰国してちょうど1週間。

体調も戻ってきて、
これから年末に向けて、
全力疾走。

それでもアメリカ流通業のことは、
大いに気になる。

このサンクスギビング・ウィークが終わって、
今日はサイバーマンデー。

Eコマース販売が、ピークを迎える日。

その結果は?

店舗売上高が減った。
だが、オンライン売上高は増えた。

アメリカの動向は日本の商業にとって、
「すでに起こった未来」

やがて日本にも、
この波は押し寄せてくる。

店舗売上げは減り、
ネット売上げが増える。

そのことを、冷静に判断し、
いまから対処しておかねばならない。

もちろんネット販売が増えても、
リアル店舗はなくならない。
そんなに減ることもない。

ブルーオーシャンの重要性が叫ばれても、
レッドオーシャンがなくならないのと同じ。

長き夜や感情論のはてしなく
〈朝日俳壇より オランダ・モーレンカンプふゆこ〉

感情論はいけない。

ピーター・ドラッカー先生は断じている。
「すでに起こった未来」は、
モニタリングすることで、
体系的に見つけることができる。

いま、脅しに近い「予測的言説」が、
盛んに流布されている。

しかし、それも「感情論」の一つ。

脅しには屈してはいけない。
気をつけよう。

不覚にも枯野の風に躓きぬ
〈同 小樽市・伊藤玉枝〉

今日は朝から、
横浜商人舎オフィス。

『AJSネットワーク』が届きました。
オール日本スーパーマーケット協会機関誌。 DSCN7659-5

私の連載第96回のタイトルは、
「変わり者の戦略」
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ご愛読、お願いします。

それから、購入しました!
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iPhone6s。
指紋認証式です。

パソコンは人並みのブラインドタッチ、
iPhoneは、まだまだ。

それでも最新モデルに、
いつでも触れていたい。

ミーハーでしょうか、
それとも好奇心でしょうか。

さて、日経新聞『私の履歴書』
洋画家の絹谷幸二さんが、
1カ月間、語ってくれた。

最後の今日は、
「アルス・ヴィタ・エスタ ヴィタ・アルス・エスタ」
ars vita estavita ars esta

フランス文学者の市原豊太さんが、
絹谷さんに贈った色紙の言葉。

ラテン語だが、意味は、
「芸術こそ人生、人生こそ芸術」

「アルス・ヴィタ・エスタ」は、
「生活も家族も自分の健康も犠牲にして、
芸術に没頭する生き方 」

つまり芸術至上主義。

対して「ヴィタ・アルス・エスタ」は、
「人としてより良く生きること」

こちらは人生至上主義か。

そのどちらをも大切にし、
どちらをも精一杯実行する。

芸術と人生がハーモニーとなる。

絹谷さんはこの言葉を、
「詔(みことのり)」のように大事にしている。

私たちで言えば、
仕事は人生、
人生は仕事。

商売は人生、
人生は商売。

倉本長治流に言えば、
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

明日からの12月。
その一瞬の積み重ねが、
私たちの全生涯。

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年11月29日(日曜日)

ジジとおとうさんの休養日[日曜版2015vol48]

ジジです。
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秋のおわり。
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いい天気です。
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おとうさんも、
かえってきたし。
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アメリカのおシゴト、
ながかった。
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でも、いちどだけ、
ゴルフをした。
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パブリック・コース。
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ゴールデンゲートブリッジがみえる。
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おおきな建物もある。
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サンフランシスコの市街もみえる。
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その街並みはうつくしい。
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そして海も光ってる。
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おとうさん、たのしんだ、
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マエダさんと。
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スウィング。
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リンカーン・パーク・ゴルフクラブ。
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かえってきてからも、
ずっと、いそがしい。
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でも、きょうは、
おうちにいます。
「休養日」。
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秋の光。
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それから、おサンポ。
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紅葉。
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きれいです。
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これも。
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おとうさんは、どこか、
おちついているみたい。
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お花もきれい。
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散歩道もおちついているし。
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ねぇ、おとうさん。
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もう、ことしは、
でかけないんですよね。
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ボクもいっしょに、
いたいです。
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ことしも、あと、1カ月です。
よい年だったでしょうか。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年11月28日(土曜日)

外山滋比古「忙しい老人」と絹谷幸二「自分だけの色」

2015年11月も残すところ3日。

久しぶりに商人舎オフィスに来ると、
蘭の花が送られてきた。
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マルトの安島祐司会長、浩司社長から。
ありがたい。

木々はもう、晩秋の風情。
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それでも不思議に、
気分は落ち着いている。
何かをやり遂げたという心持ち。DSCN7600-5

それにしても忙しかった。

11月1日に渡米。
テキサス州ダラス市から、
ニューヨーク州ニューヨーク市へ。
さらにテキサス州サンアントニオ市、
オースティン市から、
またニューヨーク市。
そしてカリフォルニア州サンフランシスコ市へ。
そのあとまたダラス市・フォートワース市から、
サンフランシスコ市。

慌ただしかった。

しかし、りっしん偏に亡くすと書いて、「忙」。
それで、私は心を亡くしたか。

外山滋比古さんが、
日経新聞夕刊で、
「独創老人をめざす」と語る。

92歳の英文学者・エッセイスト、
お茶の水女子大学名誉教授。

膨大な著作を生み出し、
いまも現役で旺盛な執筆活動を続ける。
私も外山さんのファンの一人。

「脱グライダー商人」
「セレンディピティ」などなど、
ずいぶん外山さんの考え方に影響を受けた。

「若い頃から体が弱く、
とても長生きはできないと思っていた」

しかし92歳までお元気。

「30代でしたか、頭が働かない、
考えがまとまらないときに、
外を歩くと、すらすら
原稿が書けることもあるのに気がついた。
それで、早朝、地下鉄で通って
皇居一周の散歩を続けた」

「そのうち体の調子も良くなった。
80歳ぐらいまで続けましたか。
最近は、やや体力が衰えたので
1日5000歩ぐらいに減らしています」

「体の動く部分は全部動かそうと考えた。
足に加えて手を動かし口も動かす。
80代で必要に迫られて始めた炊事も
手と頭の運動になりました。
そういう“五体の散歩”を続けると、
体にも心にも健康面で
非常にプラスになることが分かった」

五体の散歩の極意。
「基本的に忙しくしなきゃだめです。
暇なのがいちばんいけない」

私の11月もそうだった。
いや、私の人生、ずっとそうだった。

「とにかく、することをたくさんこしらえる」

同感。

「一日には、とても収まりきらないので、
優先順位を決める。
いわば編集作業です。
その日の目玉、大事なことを3つ書きだして、
まず難しい課題から取り組む。
それができると、楽になるので次に進む。
できなかったことは先送りしますが、
充実した一日になると思います」

反対の考え方もあろう。
それもいい。

しかし、私は外山派。

「忙しくしていれば、
新しい関心事が次々に出てくる。
ストレスもたまらない」

「若い人にはあまりいいことではないが、
年を取ったら、忙しいのは、
すばらしいことなんです。
努力しなくても、我を忘れて、
年も忘れますからね。
そうなれば、年は取れども、
年は取らない」

「人間は日々新しいことを考え、
新しいことに挑戦すれば、
日々新しくなっていく。
そういう生き方ができると思っています」

私も、できる限り、
忙しくしよう。

92歳まで、100歳まで。

11月中、そんなことを考えていた。

一方、日経新聞最終面『私の履歴書』
今月は洋画家の絹谷幸二さん。
その第23回の先週火曜日。
タイトルは「子供への授業」

絹谷さんも若いころから、
一心に画家を目指して、
忙しく創作に打ち込む。

そして画家として一定の評価を得たある日、
ニューヨークの下町の小学校を訪問。
約30人の高学年の子供を相手に授業。

「絵画は人間の根源的な表現だと思う。
ところが『うまい絵』あるいは『正解』
描こうとするから挫折して、
絵が嫌いになる」

子供たちにそれを教えつつ、
そのことに確信を持つ。

「正解」は一つではない。
仕事でも商売でも、
事業でも経営でも。、
商品づくりでも店づくりでも、
フォーマット開発でも販促でも。

その後、絹谷さんは2005年には、
日本で「子供 夢・アート・アカデミー」創設。

このアカデミーの授業で、子供に伝える。
「絵の具はそのまま使ってはダメだよ」

「チューブから出したままの『赤』では、
全員が同じ色になる。
『緑やほかの色をほんの少し、混ぜてごらん。
料理の時に甘いお汁粉に塩、
辛いカレーに蜂蜜を入れるように、
かくし味を入れてみよう」

すると100人100色の「赤」ができる。

自分だけにしか作れない絵であることが、
重要なのだ。

正解は一つ。
それはレース型競争の時代。

いま、正解は一つではない。
自分だけしか作れない作品であること。
これがコンテスト型競争の時代。

「ヨーロッパに行くと、ネクタイでも車でも
シックで落ちついた色彩に驚かされるが、
それは補色に近い色をほんの少し、
スパイスとして混ぜているから」

やはり専門家の目は鋭い。

「反対の色や意見を取り入れながら
個性をはぐくみ、調和を尊重する。
それは人間の文明の力であり、
知恵である」

仕事や商売が、
事業や経営が。
そして商品づくりや店づくり、
フォーマット開発や販促が、
反対意見を取り込みつつ、
個性をはぐくみ、調和を生み出す。

それが組織文化となるし、
知識商人の知恵となる。

2015年11月も、
残すところ3日である。

〈結城義晴〉

2015年11月27日(金曜日)

日経調査・総合企業ランキング2015のセブンとファストリ

今日は朝から、
休みなく東京・御成門。

東京タワーが美しい。
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秋の日や影を濃くせし人も木も
〈朝日俳壇より 西宮市・竹田賢治〉

右手には愛宕ヒルズ。
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しかし、もうすっかり冬です。

芝大門センタービル。
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その4階にTRUE DATAのロゴ。
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Customer Communications, Ltd.
DSCN7586-5
略してCCL。

ID-POSのビッグデータを活用した、
日本最高のマーケティング機能をもつ。

小売業向けとメーカー向けの分析ツールを、
それぞれ三つずつ開発している。

小売業向けは、
Shopping Scan
商品ごと、店舗ごとの購買行動がわかる。
Map Scan
購買行動が地図上で見える。
Customer Scan
購買者の全ての行動がわかる。

メーカー向け分析ツールは、
Eagle Eye
より深く顧客を知りたいユーザーに。
Dolphin Eye
「いま、何が売れているのか」を簡単に把握。
Ure Compass、通称ウレコン
より安く、気軽に使いたいユーザーに。

ウレコンは現在も、
無料公開情報だ。

世界に羽ばたこう。
DSCN7587-5

外は秋の光にあふれている。
DSCN7588-5

その快適なオフィス。
DSCN7589-5

みんな、淡々と仕事にまい進。
DSCN7590-5

今日は恒例の取締役会。

私はもう8年も非常勤取締役を務め、
考えてみると一番古株。

ていねいな報告と活発な議論。

その後、これも恒例のランチミーティング。
DSCN7592-5
右からCCL特別顧問の川崎清さん、
CCL相談役で㈱プラネット会長の玉生弘昌さん、
CCL取締役でプラネット常務の松本俊男さん。

玉生さんには、
月刊『商人舎』12月号で、
原稿を執筆していただいた。

すごく、いい。

楽しみにしておいてください。

さて日経新聞の調査NICES。
総合企業ランキング2015年度版、
一面で報告された。

その第1位が目出度く、
セブン&アイ・ホールディングス。

「独自の製品やサービスで高シェアを確保し、
成長を続ける企業が高評価を得た」

この調査は4項目で点数がつけられる。
①時価総額の増減など「投資家」
②認知度など「消費者・社会」
③多様な人材活用など「従業員」
④成長性をみる「潜在力」

セブン&アイは2年ぶりの首位返り咲きだが、
小売業がトップというのは実にいい。

「プライベートブランド商品で消費者の支持を得て、
積極的な出店で収益を伸ばしている」
とはいってもこれはセブン-イレブンのこと。

他のグループ企業にも頑張ってもらって、
この評価を続けてほしい。

日本社会に、
士農工商の序列意識は、
まだまだ、ある。

それを払しょくして、
正しい社会的評価をもらう。

これは商業の現代化の目的の一つでもある。

第2位は味の素、
第3位は村田製作所、
第4位が東レ、
そして第5位にファーストリテイリング。

トップ5に小売業が2社、
消費産業は、
食品の味の素と繊維の東レを入れて4社。

素晴らしい。

ちょっと古いけれど、
重厚長大産業時代から、
軽薄短小産業時代へ。

第6位はNTTドコモ、
第7位、KDDI。
そして第8位が花王、
第9位TOTO、
第10位に三菱商事。

CCLもいつのことか、
このあたりに入る会社に、
変貌を遂げてもらいたいものだ。

小売業ではこの後に、
第34位ローソン、
第35位イオン。

第80位に良品計画、
第94位にニトリホールディングス。

スーパーマーケットもドラッグストアも、
100位に入ってきてほしいものだ。

一方、このNICES調査の4項目の中で、
従業員ランキングと消費者・社会ランキングは重要。

前者の「従業員ランキング」は、
米国Fortuneの「働きがいのある企業100」と似ている。

有給休暇の消化率や育児介護の取得状況、
人材活用などをもとに、従業員にとって、
働きやすい企業かどうかを評価。

1位  NTTドコモ
2 位 ソニー
3 位 日産自動車
4位  NTT
5 位 三菱商事
6 位 住友化学
7 位 武田薬品工業
8 位 日立製作所
9 位 セブン&アイ・ホールディングス
9 位 リコー
9 位 SCSK

セブン&アイが第9位にランクされているが、
こちらになると製造業の評価が高い。

これは商業現代化の最大課題の一つ。

小売業、サービス業は、
15位に三越伊勢丹ホールディングス、
30位にオリエンタルランド、
42位に丸井グループ、
76位にイオン、
そして97位に高島屋。

もう一つ、「消費者・社会ランキング」。

1位 セブン&アイ・ホールディングス
2位 ファーストリテイリング

小売業がワンツー・フィニッシュ。

3位 三井住友フィナンシャルグループ
4 位 国際石油開発帝石
5位  NTTドコモ
6 位 東日本旅客鉄道
7 位 トヨタ自動車
8 位 花王
8 位 ヤフー
8 位 東海旅客鉄道

やはり小売業関連は、
16位 イオン
17位 ローソン
21位 イオンモール
44位 ニトリホールディングス
66位 ファミリーマート
88位 イオンフィナンシャルサービス

ただし、この評価は、4項目のうち、
「投資家」「消費者・社会」「従業員」の3側面については、
日本経済新聞社の編集委員ら58人が、
各指標の重要度について評価し、
その結果をもとに、ウエートを決定。
「潜在力」については3指標を均等に評価。

つまり日経的視点が極めて強いということ。

その意味では、
Fortuneの客観性には、
まったくかなわないけれど、
小売業・サービス業の地位が、
正当に評価されつつ上がっていくことは、
喜ばしい。

もちろん、最大の評価は、
日本国民という物言わぬ顧客たちが、
下してくれるのだけれど。

コスモスの白は無口に生まれけり
〈朝日俳壇 熊本市・坂崎善門〉

〈結城義晴〉

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