結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年01月04日(月曜日)

「七草」と「節目」と「前近代的で同時に現代的なもの」

Everybody! Good Monday! (Vol1)

2010年最初の月曜日です。
今年から、Good Monday!に通し番号を付けることにしました。

Good MorningやGood Nightがあるのだから、
Good Mondayがあってもよい。
そう考えて、毎週月曜日の朝、
ご挨拶代わりにこの言葉を使い始めて、
116回目となります。

Good Mondayには、この1週間、
よりよく生きてください、
よりよく仕事してください、
そんな意味があります。

年の初めのGood Monday。
よい1週間を。  

初めにお礼。
横浜市西区北幸の商人舎オフィスにも、
横浜市港北区の私の自宅にも、
たくさんの年賀状を頂きました。
心から感謝いたします。

この場をお借りして、
お礼申し上げます。

皆様の近況や今年にかける意気込みなど、
ひしひしと伝わってきました。

元気をいただきました。
ありがとうございました。

さて、もう1月の商戦は、
まずまずだった、「初荷・初売り」が終わり、
正月気分の中、
7日(木曜日)の七草(ななくさ)。  
そして今週末からの成人の日3連休に向かっています。

私は、七草の風習が大好きです。
大きな祭りの後始末のような小粋な習慣とでもいったらよいか。

七草は、「人日の節句」すなわち1月7日の風習です。
この日の朝、7種の野菜が入ったかゆを食べる。

「せり なずな
ごぎょう はこべら
ほとけのざ
すずな すずしろ
これぞ 七草」  

五七五七七で、こう歌われて、
現在も普及しています。

せりは、「芹」、セリ科
なずなは「薺」で、 ぺんぺん草のこと。 アブラナ科。
ごぎょうは「御形」と表し、 母子草(ははこぐさ)、キク科。
はこべらは「繁縷」と表記し、はこべのことで、これはナデシコ科。
ほとけのざは「仏の座」と書き、こおにたびらこ。キク科。
そして、すずなは「菘」と記し、これは蕪(かぶ)のこと、アブラナ科。
最後にすずしろは「蘿蔔」と綴り、大根(だいこん)。アブラナ科。
(Wikipedia参照)  

スーパーマーケットの定番商品としては、
カブ、ダイコン、セリといったもの。
これらは欠かせません。

お正月の料理に飽きて、
こういったさっぱりしたものを、
朝食に採ってから、
仕事に向かう。

日本人に生まれてよかった!  

そんな感じ。

これこそ小さな喜び、
ささやかな幸せ。

七草が終わると、成人の日。

よくできています。

さらに月末に向けて、
盛り上がりに欠けつつ、
2月3日の節分へとつながる。

まだ真冬なのに、「新春」と称する如く、
「春を待つ」の気分。

昨年末から言い続けています。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。  

今年の1月はまさに、そんな31日間です。

1月は、年末年始の出費の反動で、
顧客の支出もきわめて低くなる。

だから売り手側も、
経費をしっかりコントロールして、
無駄を省いていきます。

2月末決算、3月末決算の会社が多いでしょうから、
年度決算や実地棚卸の準備もしなくてはいけない。

きちんきちんと仕事しましょう。
今月の商人舎標語。
“Practice comes first!”  
実践躬行・実行第一  
リーダーは、率先して、実践・実行。

さて、1月元旦の午前8時に、
足利屋の松崎靖さんから、
メールをいただきました。  

松崎さんは、私と同年で、商人舎発足の会発起人のお一人。

イオンの岡田元也さんやファーストリテイリングの柳井正さんと並んで、
私たちの会社の恩人です。

私は、「商業の現代化」を掲げていますが、
それは会社が大きくなることや、
すごい成長をすることだけで、
達成されるものではありません。

松崎さんのような商人、
足利屋のような店があってはじめて、
「現代化」は成し遂げられるのだと、
私は考えています。

松崎さんのメールは、こう始まります。
「大晦日、1年の仕事が無事に終わって、ホッとしたところで、
「結城義晴の[毎日更新宣言]Review《2009年12月》を拝読いたしました」
私は商人舎発起人の皆さんに、
毎月、このブログのダイジェスト版の冊子をお送りしています。
それが「結城義晴の[毎日更新宣言]Review」です。

12月14日の『仕事の種類と年中無休の仕事』は、
当日ブログを拝読したときも昨日も深く考えさせられました」

「さくらもーるは今年も1月1日を休ませてもらいました。
さくらもーるは、オーナーだけで営業している店、
オーナー夫婦とパートさんだけの店、
パートさん2人だけで営業している店、なども多いです」

松崎さんの足利屋洋品店は、
大間々の商店街の本店と、
さくらもーるというショッピングセンターとの2店舗を経営しています。
さくらもーるは地域主導型商業施設で、
地元の商業者が共同で運営しています。

正月元旦から営業する大型店が増える中で、
さくらもーるは1月1日を休みました。
松崎さんは言い続けています。
『364日は営業しても1月1日だけは休もうよ』  

その理由は、「節目を大切にすること」
さらに「1月1日はオーナーもパートさんも家族そろって迎えてほしい」から。

私は、この考え方に大賛成です。
七草も成人の日も、「節目」です。
家族や親しい人たちと、
ともに迎える大切な日です。

とりわけ元旦は、家族にとって最も大切な節目。
だから「私たちは店を休む」
この主張は、とてもきっぱりとしていて、
よいと思います。

元旦に営業する店あり。
それもよし。
元旦に休業する店あり。
それもよし。  

顧客満足と従業員満足のバランスをいかに取るか。
この「あちらを立てればこちらが立たず」のオクシモロンの課題に、
きっぱりと解答を出していかねばならないのが、
現代です。
それをするのが現代化です。

だから松崎さんの考え方は、
まさしく商業の現代化そのものです。

私は「商業の現代化」を掲げてきました。
現代化とは英語で言うところの「ポスト・モダン」。

外山滋比古さんが『思考の整理学』(筑摩書房)の中で述べています。
「第一次的現実の思考の結晶したもっとも通俗なものが、
先にものべたことわざである。
これは本の中から生まれたものでない点、
前近代的であって、同時に現代的である」  

商売もまさしく、
前近代的なものと現代的なものをあわせもっています。
そして現代化の地平を見ようと、
必死で近代化を果たしてきた。

近代化の中で、前近代の重要なものを落としてきた。

「前近代的であり、同時に現代的なもの」  
ここに、「商業の現代化」の鍵が隠されています。
そして商売には、そんなことがたくさんあります。

私は、正月早々、「現代化」のヒントを一つ見つけて、
爽快な気分です。

さあ、1月4日。
三が日が明けて、
「商業現代化」に向けた2010年の始まりです。

Everybody! Good Monday! (Vol1)

<結城義晴>  

[追伸とお知らせ]
既報のように今年度から、
商人舎のアメリカ視察研修会が新装開店しました。
三つのコンセプトに分けることになりました。

①Basic
②Hot
③Special  

①Hotは、最新潮流・最新情報編。  
こちらは3月16日から22日の7日間。
42万6000円。
最もホットなエリアで、
新実験店・最注目企業を学びます。
アリゾナ州フェニックス・スコッツデールと、
カリフォルニア州サクラメントとサンフランシスコ。

ウォルマートのマーケットサイド、スーパーメルカド、
ハーフサイズスーパーセンター、環境対策最新型など、
さらにテスコのフレッシュ&イージー、
セーフウェイの最新ライフスタイル店舗とザ・マーケット最新型。
さらに働きたい企業ランキング第10位に入ってきた「ナゲットマーケット」。
それにホールフーズ、トレーダージョーズ、アルディ。

ローカルチェーンの生き残り策を学び、
アメリカ小売業全体のベクトルを明示します。

②Basicは、もちろん原理原則・基礎基本編。  
5月23日から28日の6日間。
価格は、29万8000円。

アメリカ小売業の一から十まで、
全体像や体系を網羅的に勉強する研修会。
理念・ロマン・ビジョンから、業態・フォーマット・バナー、
店づくり、売り場づくり、プロモーション、商品づくり、その見方。
そしてショッピングセンター開発の在り方など。
現在、その最適エリアのラスベガスに居座って、
じっくり学びます。

③Specialは、10月予定。  
こちらは中長期経営戦略を追求するための特別編。
テキサス州とニューヨーク。

このほかにSpecial編は、ご要望にお応えして、
新しい企画も検討中。

HotとBasicは、すでに募集中。
是非のご参加を。
お申込みはこちら

(㈱商人舎)  

2010年01月03日(日曜日)

ジジの日曜宣言[2010日曜版①]

2010年がはじまりました。

あけましておめでとうございます。
1

あたらしい年も、
よろしくおねがいします。
2

今年のユウキヨシハルのお父さんの年賀状です。
商人舎の年賀状。

おとうさんのことも、
よろしくおねがいします。

ボクたちは、
仲よく、いっしょに、
いきていきます。
3

ことしは、トラ年。

ボクの仲間。

まことに残念なことですが、
ボクの年はありません。
かわりに、トラの年がある。

だからことしは、ボクの年。

ボクもことし3月で、
5才になります。

でもボクは、マイペース。
そしてシンプル・ライフ。
スロー・ライフ。
4
おとうさんも、マイペース。
だけど、いろいろな仕事がある。
そしてスピード・スピード。

正反対のボクたちですが、
どうかことしも、
よろしくおねがいします。
5
ボクは、かならず、
日曜日に、このブログにでます。

これは、ジジの[日曜宣言」とよんでください。
よろしくおねがいします。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年01月02日(土曜日)

「自らの強み」を知り、実行するための「フィードバック分析」

東京・横浜、大荒れの三が日。
気象庁からそう予測されたにもかかわらず、
穏やかな正月です。

新年おめでとうございます。
三が日は、今年の商人舎の年賀状を、
冒頭に掲げさせていただきます。

写真は、昨年7月のニューヨーク州の北イサカでの、
ウィリアム・ドレイク教授邸でのショット。
コーネル大学ジャパンの卒業旅行で訪れた。
左がそのドレイク先生。
右はエドワード・マクラフリン教授。
コーネル大学食品産業学部長でコーネル・ジャパン学長。
私もコーネルのパーカーを着てスリーショット。

ドレイク先生の家は、農村にあります。
大きな農場があって、
森の中ではメイプルシロップをつくっています。
池があって、馬や犬、猫がいて、
もちろんプールがあって、
ゆったりとした生活があります。

今年も7月に訪問します。

コーネル・ジャパンを日本の産業内大学にしたい。
それが私の願いですが、
そのとき米国コーネル大学との提携は、
何よりも心強いものとなります。

この写真は、
コーネルの先生方と私との、
同志としての証。  

彼らも、食品産業を愛し、商業を愛し、
その研究に一生をささげている。
昨年うれしかったことのひとつ。
それを年賀状に使わせてもらいました。
撮影は、大高愛一郎さん。

今年2010年1年間のスローガンは、
“Practice comes first!”  
(実践躬行・実行第一)  

私自身この1年、
そう考え、そう生きていきたいと思います。

昨年12月30日、包みが届けられました。
関西スーパーマーケット井上保社長から。

開けてみると、見事なお節。
冷凍されています。
2

これを二日間、冬の常温で自然解凍する。
3

すると元旦に、ちょうどよい具合になって、
ご覧のような正月メニューになった。
4

おかげさまで、満足できるお節となった。
心から、感謝。

さて、ピーター・ドラッカー教授は、
自ら「フィードバック分析」を50年以上続けました。

先生は、「自らの強みを知る」ことの重要さを説きます。

第一に、「何かをすることに決めたら、
何を期待するかを書きとめておく」。  

正月のこの時、「自分の目標を書きとめておく」ことは実に有益です。
私も、12月31日の大晦日から年が明けるころ、
今年の10の目標を考えて、書きました。

第二に、ドラッカー先生はこう言います。
「6カ月後、9カ月後、1年後に期待と実際の結果を照合する」  
こうすると、すべての人が必ず、驚かされるそうです。
誰もが同じように驚かされます。

その結果、第三に「自らの強みが明らかになる」  
書きとめておいた目標に対して、
どんなことが実現され、
どんなことが実行されなかったかがわかります。

先生は書いています。
「自らについて知りうることの中で、この強みこそ最も大切だ」  

その後の行動は、7つ。
①明らかになった強みに、集中する。  
半年、1年のうちに実践・実行されたことが自分の強み。
その強みに、まず集中します。

②強みを、さらに伸ばす。  
自分が実践・実行しやすいことのための能力を高める、伸ばす。

③無知の元凶ともいえる知的傲慢を正す。  
一つのことに優れた人は他の分野をバカにする傾向があります。
ところがフィードバック分析は二つのことを明らかにします。
まず、知っているべきことを知らなかった。
つぎに、専門以外の知識を軽視していた。
これによって、人は知的傲慢に気付くのです。
そしてそれらを自ら正す。

④自らの悪癖を改める。  
フィードバック分析は、自分の悪い癖を明らかにします。
だからそれを改めることに役立ちます。

⑤人への対し方を改める。  
フィードバック分析は、人との対応の仕方を教えてくれます。

⑥行っても成果があげられないことは行わない。  
そのものズバリ。
ドラッカー先生でさえ、成果が上がらないことはありました。
それには手を出さないこと。

⑦努力しても並みにしかなれない分野には無駄な時間を使わない。  
「ドラッカーの時間管理」にも出てきますが、
自分にとって無駄な時間をいかに減らすかが、
「強み」を活かすことに最も重要になります。

今年1年の商人舎標語。
“Practice comes first!”  
(実践躬行・実行第一)  

ポイントは「フィードバック分析」にあります。
「自らの強み」を知り、その強みを活かす。  
1年間、何を実践し、実行するかの回答は、
ここにあります。

ちなみに私の10項目は、内緒。

<結城義晴>  

2010年01月01日(金曜日)

2010年の標語は“Practice comes First!”「実践躬行・実行第一」

2010nenga
あけましておめでとうございます。  

2010年元旦です。

あらためて、
結城義晴のblog[毎日更新]を宣言します。
2010年12月31日まで。

長い道のりですが、
全身全霊を込めて、
毎日書き続けます。

ご愛読、ご愛顧を、
お願いいたします。

昨年12月大晦日には、
ちょっと元気のない気分になっていました。
といっても、昨日のことですが。

なぜだろうと自問しても、
よくはわからない。

それが時代の気分なのでしょう。

「小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望」  

すべての人が生きるための原動力です。

目の前の小さな喜び。
現実のささやかな幸せ。
そして明日への希望。

私は世界中の人々に、公平に、
それが与えられることを祈念します。

商業やサービス業の社会的役割も、
ここにあります。

商品やサービスを購買し、消費する。
しかしそのプロセスから、
明日への希望がわいてくる。

商品とサービスに「希望」が、
塗り込められていなければならない。

さて、商人舎恒例の「今年の標語」。

一昨昨年、2007年の標語は、
「心は燃やせ、頭は冷やせ」。  
偶然なのか、これは、
アルフレッド・マーシャルの言葉と一致していました。
ション・メイナード・ケインズの師マーシャルが残した言葉。
“Warm heart, but cool head”  
「温かい心、冷たい頭」。

私の「心は燃やせ、頭は冷やせ」は、
自身の「蛻変」のときに、
ものすごい支えになってくれました。

一昨年の2008年の標語は、
「志定まれば、気盛んなり」。  
これは、吉田松陰の言葉。
商人舎を立ち上げるときの心境そのものだったので、
この年の標語にしました。

さらに、昨2009年は、
「無茶はせず、無理をする」。  
商業界全国女性同友会名誉会長の西端春枝先生から、
「結城さん、無理はエエけど、無茶はアカン」と言われた。

「無茶はアカン」には、裏返しの意味がありました。
限りなくギリギリのところまで「無理をする」。
無茶の一歩手前までやりとげる。

私はこれらの標語そのままに生きてきました。

そして今年は英語です。
“Practice comes first!”  
ピーター・ドラッカー教授『The new realities』という本の中の言葉です。

私は、サム・ウォルトンの“Retail is detail”と並んで、
この言葉が大好きで、昨年の「5月の商人舎標語」にしました。
その時には「現場第一」というサブタイトル。

しかし今度は、2010年全体のスローガンにして、
サブタイトルは、日本語で
「実践躬行、実行第一」  

「躬行」は「きゅうこう」と読みます。
広辞苑に「口で言う通りを、自ら実際に行うこと」とあります。

2010年こそは、実践、実行の年だと思います。
私にとっても、日本の商業・サービス業にとっても。

故倉本長治商業界主幹の口癖。
「知ったことはやったことにはならぬ」  

長治先生はこうも言いました。
「艱難が人を磨くように、不況は商人をきたえる」  

そのために、2010年を通して貫きたいこと。
“Practice comes First!”  
「実践躬行、実行第一」  

この2010年の標語は、恒例のことですが、
1月の標語ともなります。

2010年も、よろしくお願いします。
一緒に、実践・実行しましょう。

<結城義晴>  

2009年12月31日(木曜日)

「清貧の精神」ある限り、秩序は保たれ、自由は享受される

2009年の大晦日。
2009年最後の日。  


1年を振り返ってみるが、
なぜか今年は、
1年が終わるという感慨が薄い。

宿題をやり残したまま、
夏休みの最後の日の夜が更けてゆく。
子供のころの、あの感じに似ている。

やり残したことが、多い。
私自身に、日本社会全体に。

しかし、やらねばならない。
年明け早々から。

それが今日の心境か。
私の、そして日本の。

「米国の変化で明け、日本の変化で暮れた」  
日本経済新聞のコラム「大機小機」で、
コラムニスト渾沌氏が言う。

「供給者の論理から生活者の論理へ、
中央集権から地方分権への転換は、
成熟した市民社会のありようとして、
間違ってはいない」  

私も、そう思う。

「『コンクリートから人』への所得再配分政策の転換は、
時宜にかなった実験といえる」  

これには、大賛成。

昨日発表された成長戦略基本方針。
昨日のブログで先行して評価したが、
小売商業・サービス業が、
主軸の一つになることは確かだ。

「金融主導のマネーゲーム的要素を強めるのか、
金融は実体経済のしもべに徹するのか」
私は、当然ながら後者を、推す。

「経済危機は去っておらず、
パラダイムの転換に伴う混乱が収まるには、
時間がかかる」

それが、今日大晦日の、
宿題をやり残した、この感覚につながっている。

昨年の大晦日のこのブログでも書いた。
「最悪を覚悟して、
最善を尽くす」  

故中部銀次郎さんの言葉。

来年も、同じようになりそうだ。

「国家が秩序を保ち、
国民一人一人が自由を享受するには、
清貧が最も有効だ」  

<『マキアベッリ語録』(塩野七生)より>  

バブルとは、この清貧から、
遠く離れた世界のことを言う。
だからバブルの崩壊とは、
正常への回帰を意味する。

マキアベッリは続ける。
「清貧を尊ぶ気風が、
国家や都市やすべての人間共同体に栄誉を与えたのに対し、
富追求の暴走は、
それらの衰退に役立っただけなのであった」  

マキアベッリの語る「国家」を、
「企業」に置き換えて考えよ、と、
塩野さんは、語る。

今日時点では、文字通り「国家」と考えてもよいし、
「企業」に置き換えてもよい。

それが今日の私の、この気分である。

12月の標語を「厳しさに学べ」とした。

いかがだったろうか。

さらなる厳しさは、来年に持ち越されるのだろうか。
 
「変革というものは、ひとつ起こると、
必ず次の変革を呼ぶようにできているものである」  

これもマキアベッリの言葉だが、
この12月、「厳しさ」に学んで生まれた小さな変革が、
必ず次の変革を呼ぶ。

そう考えると、元気も湧いてくる。
勇気も芽生えてくる。

2010年という区切りの年を、
小さな変革の連続する1年にしたいものだ。

会社や企業、
国家や家庭の根底に、
「清貧の精神」がある限り、
秩序は保たれ、
自由は享受される。  

それが2010年だと思う。

 

最後に、今年1年のご愛読、
心から感謝したい。

365回のブログ更新。
今年も達成できたことに、
感謝したい。

一昨年8月12日から数えて、
連続873回。

1月元旦に、
「毎日更新」を宣言し、
12月大晦日に、
「毎日更新」を閉じる。

今回も同様に、
ここでいったん「結城義晴の毎日更新宣言」は、
終了することとなる。

 

右、左、上、下。
どっちを向いても感謝
(水口健次)

<結城義晴>  

2009年12月30日(水曜日)

「アメ横は不況に強い」と「ティファニーで朝食を」の関係

年末年始の天気予報。  
気象庁の発表では、
明日31日から明後日1月元旦、
そして2日まで、
冬型気圧配置で、
日本列島上空に寒気が入り込み、
急激な寒さとなる。

北日本・東日本は大荒れ、
日本海側は大雪、
太平洋側も暴風

箱根駅伝もニューイヤー駅伝も選手は大変。
ラグビーやサッカーも、大荒れとなる。

事故には気をつけたいが、
商売は、天候が荒れたほうが、
繁盛する。

それは商業が本来、
お客の難題解決のお役立ちをする機能だからだ。

今日30日の朝日新聞一面に写真付きで紹介されているアメ横。
「アメ横 不況に強いんです」  
このタイトル通り、昨日29日は44万人の人出。
これは昨年よりも6万人も多い。

ピークは、今日30日で、
27日から31日の年末際の商戦は過去最高の人出になる。

ただし、売上額はどうかわからない。

しかし、多くのお客様に来ていただくことを、
喜びとしたい。

サトカメ専務・佐藤勝人流に言えば、
「商売は祭りだ」  
祭りに欠かせないものは、動員。
すなわち人出。

困った時、人は、
人が集まるところに出ていく。
面白いところ、楽しいところに出ていく。

商売は、面白いこと、楽しいことを、
お客に提供するものだ。

だから客数が多いことは、
それだけで目的を達したともいえる。  

買わなくとも、顧客は、
良い商品のある店、
楽しいサービスのある店に、
足を向ける。

「ティファニーで朝食を」  
オードリー・ヘップバーン演じるホリーは、
良い商品とサービスがある店の前に立った。
そこは食べるものを供する店ではなかった。
夢を与えてくれる店だった。
買いはしなかった。
しかし、ホリーはティファニーへ足を向けた。

「アメ横は不景気に強いんです」
アメ横連合会担当者の弁。

「わが社は不景気に強いんです」
そう言える店や会社は、日頃から、
いざという時のお役立ちをしている。

アメリカのハリケーン「カトリーナ」の来襲の時、
ウォルマートは、政府よりも信頼された。

今、政府よりも信頼される商業になりたい。
そんな店が増えてほしい。
私の心からの願い。

そして今日のピークの日は、
そんな店であることを、
証明する日。
しかも楽しみながら。

さあ、「商売は祭りだ」。  

さて、商業と信頼感を争う日本政府。
鳩山由紀夫首相が議長となった成長戦略策定会議は、
今日30日、新たな経済成長戦略を決定する。

その2020年の目標数値。
名目国内総生産(GDP)を650兆円程度とする。
名目成長率で平均3%、実質成長率で2%を想定。
(ここで名目成長率は税収・年金支給額の基礎となる数値で、重要)  

その重点分野は、
①環境
②健康
③アジア
④観光・地域活性化
⑤科学技術
⑥雇用・人材  

この6項目のうち、
商業・サービス業がかかわるのは、
環境・健康・地域活性化、雇用・人材。
そして商品の調達先を考慮に入れるとアジアも。
さらにエコストアを始めとする店舗やエコ商品などを視野に入れると、
6項目全部に強く関係性を持つ。

すなわち商業は、
2020年までの日本産業の主軸の一つとなる。

日本の成長戦略策定会議が、それを今日、
高らかに宣言する。

そしてそのために毎年、実質成長率3%を果たす。
これはなかなか大変な目標だが、
2010年に向けて、商業・サービス業にとって、
大いに意気上がる成長戦略策定会議からの発表である。

今年最後のこの時期の合言葉。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。  

まずは1年最大のピーク12月30日。
「商売は祭りだ」を実践しよう。

全国の商業者よ、立ち上がれ。
アメ横に負けるな。
政府よりも強い顧客からの信頼を、勝ち取ろう。
「商売は祭りだ」  

<結城義晴>  

2009年12月29日(火曜日)

大阪高裁・成田裁判長の「違憲判決」の勇気に元気づけられ、さあ「祭りの本番」へ

大阪高等裁判所の成田喜達(きたる)裁判長。  
国政選挙の1票の格差が地域によって2倍強に開く事実を、
「憲法違反」と判決。

過去の最高裁では、
「衆院選で3倍未満、参院選で6倍未満の格差」ならば、
「合憲」とされてきた。

この最高裁判例を覆した判決。

全く妥当な決断。

1票の重さを平準化すべきことは、
民主主義の根本。

法の下に国民は平等である。
憲法はそれを定めている。

ところが、最高裁まで、
参議院での6倍格差をも、
当たり前としてきた。

勇気ある判断に拍手を送りたいし、
こういった勇気が、
来年こそ重要になってくる。

商人もビジネスマンも、
勇気が要求される時代となった。
その勇気の「差異」が「価値」を生む。  

さて11月の商業販売統計速報。  
この年末際の時期に11月の数字を聞いても、
「それどころではない」といった気分だろうが、
経済産業省の28日の発表。

小売業販売額は前年同月比でマイナス1%。  

ただし、この小売りには自動車も含まれる。
その車の売れ行きは前年同月比プラス21.1%。
こちらはトヨタのプリウスをはじめとした環境対応車が貢献。

ちなみに飲食料品は4.1%マイナス。

卸売業の販売額はマイナス18.7%。  
小売業に比べて、ひどく落ち込んだ。

全業種中伸びたのは、医薬品・化粧品で3.4%のプラス。
抗インフルエンザ薬やマスクが売れた。

さて、もう年始商戦に手が打たれた。
先鞭をつけたのはイトーヨーカ堂。  
1月1日からの三が日。
「お年玉増額セール」と称して、
キャッシュバックセールを実施。  

衣料品と住関連用品ほぼ全品に関して、
購入金額の5%から30%を現金で還元。
現金を、特設レジで返金する。
主婦にとっては「自分へのお年玉」なのだろうし、
それがイトーヨーカ堂得意の「心理学」だろうが、
私は、はっきりいって、感心しない。

なんというか、あまり上品ではない。

担当者や責任者は、もう必死で、
なんとか会社のために実績を上げようとしているのだろうし、
それはそれで、商人としての一つの手立てだろう。

しかし、このキャッシュバックの常態化。
私なら、避けたい。

顧客に返金するならば、
最初から商品を、ギリギリの価格で提供する。

それが「真の商人」のやり方だと思う。

いかがだろう。

倉本長治は言った。
「不況は商人をきたえる」  

不況によってきたえられる商人とはどんな存在か。
不況によってきたえられる商売とはどんなものか。
それを常に自問しつつ、仕事に励みたい。

ひたすら顧客のことを考えて、
自分の商品やサービスに、
すべてを込める。  

商品やサービスがコモディティ化しているから、
キャッシュバック・セールが繰り返される。
わからないことではないが、
ここに商人としての「意志」が表れる。

私なら、正論を、商売で表現する。
それが不況にきたえてもらう商人の生き方だと思う。

昨日、㈱成城石井・大久保恒夫社長と話したら、
顧客が少しずつ戻ってきたという。  

正しく判断し、
正しく計画し、
正しく実行すれば、
「際」には顧客は、
年始のための集団購買行動をとる。

地方商業は、もっと厳しい。

これまでの「じっと我慢」が、
ここで生きてくる。

今年大ブームとなった芸人の世界にたとえるならば、
これまでの「本当の芸」が、
拍手喝さいを浴びるときが、今だ。

今日から最後の歳末商戦「際の3日間」。
明日、明後日が、本番。
「商売は祭りだ」  

いよいよ「祭りの本番」だ。

楽しもう、楽しませよう。

<結城義晴>  

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