結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年01月06日(水曜日)

長谷部恭男・杉田敦両教授の多元性理論と伊藤元重教授の三つの生き残り法

今朝の新聞各紙は充実している。
正月休みが、完全に明けたことを証明している。

全紙一面トップの藤井裕久財務大臣の辞意表明は、
鳩山内閣の波乱万丈を予感させるが、
それ以外のニュースやインタビュー、
対談、コラムなどに、見逃せない記事が並んだ。
2010年の今を読み取って、
時代を考えるのに好適の教材がそろった。

朝日新聞では二人の学者が対談している。
長谷部恭男東京大学法学部教授は憲法学者。
杉田敦法政大学法学部教授は政治学者。
「政治主導と民主主義の行方」がタイトル。  

杉田さんが言う。
「今の主流は、一元的な権力観です」  
民主党や鳩山・小沢のことを示している。

「権力一元化の論理は歴史的に見ても危険がある。
権力が偏在して政治が硬直化する恐れがあるからです」

「自由民主主義体制は、
権力一元化の論理と、
それを制約する論理の合わせ技で、
なんとか維持されてきました」  

「私は人々の多様な意見を代表するために、
権力は常に多元性を持ち続けるべきだと思っています」

その通りだ。

長谷部さんも続ける。
「憲法に権力一元化の直接の手掛かりはありません。
憲法が定めているのは多元的な統治システムです」  

「議会が制定した法律について裁判所が憲法違反だという。
それが長期的には国民の利益になるという考え方」

両者そろって、結論付ける。
「政治改革以来の民主主義のとらえ方は問題を残している」
「日本の民主主義は、まだ過渡期にある」

私は議論を、いつも企業経営にスライドさせる癖がある。
企業経営にとって、権力一元化は果たして有益なのか。
企業経営にとって、民主主義は果たして有効なのか。  

この論議の中で交わされたこと。
「権力一元化の論理」と、
それを「制約する論理」の「合わせ技」。  

これで「なんとかやってきた」政治体制の、
「なんとか」のリアリティこそ、
企業経営なのだと思う。

企業内における経営者と労働組合の「合わせ技」など、
その好例だろう。

ただし、優れた経営者が必要であると同時に、
賢い労働組合が不可欠だ。

権力一元化の論理も、
それを制約する論理も、
どちらも論理的でなければいけない。

そしてその合わせ技で、
「なんとか」やっていくのが、
2010年だとも思う。

ただし、経営者と労働組合の企業経営のメカニズムが、
政治体制とダブる時代は終わった。

つまり、資本家と労働者との「対立構造」では、
問題の根本解決は図れないことが判明した。

それでも、「権力一元化の論理」と「制約を与える論理」、
あるいはさらに進めて多元的なシステムや組織の多元性は、
もっともっと検討されるべきだろう。

ルネッサンスの政治学者マキアベッリなど、
「良いカリスマ」の存在こそ、
もっとも優れた統治システムだと断言する。
チェーザレ・ボルジアを指している。

マキアベッリも企業経営にこそ、
当てはめてとらえるべき教材だろう。

中小企業においては、
マキアベッリの『君主論』は有益だからだ。

しかし現代国家や巨大企業では、
統治システムの多元性は、必須のものだと思う。

今朝の新聞からもう一つ。
日経MJが、よい。
その中で、伊藤元重東京大学大学院教授の連載コラム。
「ニュースな見方」  
伊藤さんの持論がわかりやすく展開される。

企業存続の三つの条件。
①もっとがんばる
②他の企業とちがうことをする
③競争相手が消滅するように仕組む  

わかりやす過ぎて、疑いたくなるくらいだが、
これは一つの重要な考え方。
伊藤さんは、言う。
「すべての企業がこのどれかに当てはまる」

①の「もっとがんばる」は、
「日本経済が右肩上がりの時」の常とう手段。
そして中国などアジア市場では、
現在もこのパターンが生きる。、

③のパターンは、今年、国内で先行する。
「過剰供給、過剰企業の状況」の多くの分野では、
「いかに早く競争相手に退出してもらうのか、
あるいは戦略的に合併・吸収・リストラなどを断行して、
産業全体として適正規模を実現するかが鍵だ」
伊藤さんは極めてクールだ。

もっとも期待されるのが②のパターン。
「新たな分野で新規需要を切り開く企業」
その登場を、伊藤さんは希求する。

最後に伊藤さんが強調すること。
「個々の企業が3つのどれかを徹底して行う必要がある」

まあ、大抵の企業は、
①と②を徹底して実践・実行することである。

すなわち、
もっと頑張れ、
他と違いを出せ。  

私の言葉にすれば、
「徹底する」
すなわち「詳細に、厳密に、継続する」  
そして「差異が価値を生む」  

この時、同時に組織の多元性を、
是非とも体内化してほしいものだ。

<結城義晴>  

2010年01月05日(火曜日)

「カンブリア宮殿」の小沢一郎と「虹の架橋」の鍵山秀三郎

朝日新聞と日経新聞。
その経済欄のコラム。
「経済気象台」と「大機小機」。  
どちらも私の好きな、よい観点の記事が多い。
その本日版。

経済気象台のコラムニスト深呼吸氏は言う。
「景気回復なんて訪れない、
今後も不況が続く」という視点。  

だから経済対策だけでなく、
「不況を前提とした現実的で抜本的な取り組み」が必要。
例えば、ワークシェアリングの一般化など。

一方、大機小機のコラムニスト三角氏。
「このまま緩慢な衰退を続けるか、
再成長へカジを切るか、勝負どころだ」
そのために「新成長戦略の行動計画がポイント」と力説。  
これは民主党が7月の参議院選前に策定するもの。
「参院選の最大の焦点は成長戦略」とコラムニストは、
民主党にプレッシャーをかける。

果たして、
どちらが正しいのか、
どちらが必要なのか。

昨日、カンブリア宮殿というテレビ番組に、
小沢一郎民主党幹事長が出ていた。
「田中角栄、竹下登、金丸信の三人の先輩を、
尊敬はしているが、パラダイムが変わった」  

そんなことを、最後に言った。

司会の村上龍は、まとめた。
「口下手、演説下手、シャイな政治家。
しかし論理的で、筋を通し、頭のよい『最後の政治家』」

私もこの評価に賛成だし、
小沢流のモノの見方にも賛同する。

先の経済気象台と大機小機の立脚点と理論の対立は認めよう。
しかし二者択一で、コトが済む時代は終焉した。  
トレードオフも必要な局面がある。
しかしオクシモロンの問題解決こそ、
ここぞという時には要求される。

絡み合った糸を、
丁寧に、丹念に、機敏に、
常に優先順位を入れかえながら、
小さなイノベーションの連続展開を図りつつ、
解きほぐす。  

それが、2010年の現在である。
この時に必要なのは全体最適である。
そのための「無私」である。

小沢一郎は最後の最後に言った。
「政治家は、みんなのために仕組みを作る仕事」  
私は小沢一郎のファンではないし、
特別の政党の支持者でもない。
念のために。

さて、昨日のこのブログでも登場していただいた松崎靖さん。
群馬県大間々の足利屋洋品店社長。

その松崎さんは、毎月一回、地域新聞を発行している。
名称は「虹の架橋」、発行部数1万部超。  
折り込みチラシのように新聞にはさんで届けられる。

元旦の上毛新聞、読売新聞にも虹の架橋は挟まっていた。
元旦の松崎さんのメールにある。
「どちらの新聞もチラシの1番前面に虹の架橋がありました。
お願いしているわけではないのですが朝日、日経も含めて、
ここ数年、虹の架橋がいつも1番前です」
ありがたいことに、多くのチラシが挟まってくる元旦の新聞の、
一番上に、足利屋の「虹の架橋」が挟まっていた。

「折込業者経由ではなく、
私が現金を持って新聞店に毎月届けているお陰だと思っています。
新聞店のご夫婦やパートの人たちも大切なお客様であり、友人です。
小さなことでも続けていると感動をいただくことばかりです」

松崎さんのコメントは、感謝と感動に終始する。

その2010年1月版に「虹の架橋」の中の、
「小耳にはさんだいい話」というコラム。  
松崎さん自身で執筆している。
鍵山秀三郎先生の著書「人生の作法」からの引用。
「賞味期限の短い商品から買う」という話。
そのまま再度、引用させていただく。
「例えば食料品を買う場合、大抵の人が賞味期限の長いほうを選びます。
今晩口にする食べ物であるにもかかわらず、です。
その結果、賞味期限の短い商品は売れ残り、廃棄されます」

「果たして自宅の冷蔵庫を開けた時、
賞味期限が長いほうから手にする人はいるでしょうか。
だれもが例外なく賞味期限の短いほうを選んで食べるはずです」

「ところが一歩『自分』を離れると、
不必要なまでに賞味期限の長いほうを選ぶのは、
私たち人間の身勝手な行動だと思います」

「せめて自宅の冷蔵庫から取り出すときのように、
お店でもできるだけ賞味期限の短いほうを選ぶ。  

そういう買い方をする人が一人でも多くなれば、
どんなに食料の無駄がなくなるでしょう」

私も、この鍵山先生の言葉に感動した。
「自分の行動に、自分をはさまない」  

混迷の時代に必須なのは、
「あちらを立ててこちらも立てる」オクシモロンの問題対応と、
そのために両者から信頼を得る「無私と利他」である。

<結城義晴>  

2010年01月04日(月曜日)

「七草」と「節目」と「前近代的で同時に現代的なもの」

Everybody! Good Monday! (Vol1)

2010年最初の月曜日です。
今年から、Good Monday!に通し番号を付けることにしました。

Good MorningやGood Nightがあるのだから、
Good Mondayがあってもよい。
そう考えて、毎週月曜日の朝、
ご挨拶代わりにこの言葉を使い始めて、
116回目となります。

Good Mondayには、この1週間、
よりよく生きてください、
よりよく仕事してください、
そんな意味があります。

年の初めのGood Monday。
よい1週間を。  

初めにお礼。
横浜市西区北幸の商人舎オフィスにも、
横浜市港北区の私の自宅にも、
たくさんの年賀状を頂きました。
心から感謝いたします。

この場をお借りして、
お礼申し上げます。

皆様の近況や今年にかける意気込みなど、
ひしひしと伝わってきました。

元気をいただきました。
ありがとうございました。

さて、もう1月の商戦は、
まずまずだった、「初荷・初売り」が終わり、
正月気分の中、
7日(木曜日)の七草(ななくさ)。  
そして今週末からの成人の日3連休に向かっています。

私は、七草の風習が大好きです。
大きな祭りの後始末のような小粋な習慣とでもいったらよいか。

七草は、「人日の節句」すなわち1月7日の風習です。
この日の朝、7種の野菜が入ったかゆを食べる。

「せり なずな
ごぎょう はこべら
ほとけのざ
すずな すずしろ
これぞ 七草」  

五七五七七で、こう歌われて、
現在も普及しています。

せりは、「芹」、セリ科
なずなは「薺」で、 ぺんぺん草のこと。 アブラナ科。
ごぎょうは「御形」と表し、 母子草(ははこぐさ)、キク科。
はこべらは「繁縷」と表記し、はこべのことで、これはナデシコ科。
ほとけのざは「仏の座」と書き、こおにたびらこ。キク科。
そして、すずなは「菘」と記し、これは蕪(かぶ)のこと、アブラナ科。
最後にすずしろは「蘿蔔」と綴り、大根(だいこん)。アブラナ科。
(Wikipedia参照)  

スーパーマーケットの定番商品としては、
カブ、ダイコン、セリといったもの。
これらは欠かせません。

お正月の料理に飽きて、
こういったさっぱりしたものを、
朝食に採ってから、
仕事に向かう。

日本人に生まれてよかった!  

そんな感じ。

これこそ小さな喜び、
ささやかな幸せ。

七草が終わると、成人の日。

よくできています。

さらに月末に向けて、
盛り上がりに欠けつつ、
2月3日の節分へとつながる。

まだ真冬なのに、「新春」と称する如く、
「春を待つ」の気分。

昨年末から言い続けています。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。  

今年の1月はまさに、そんな31日間です。

1月は、年末年始の出費の反動で、
顧客の支出もきわめて低くなる。

だから売り手側も、
経費をしっかりコントロールして、
無駄を省いていきます。

2月末決算、3月末決算の会社が多いでしょうから、
年度決算や実地棚卸の準備もしなくてはいけない。

きちんきちんと仕事しましょう。
今月の商人舎標語。
“Practice comes first!”  
実践躬行・実行第一  
リーダーは、率先して、実践・実行。

さて、1月元旦の午前8時に、
足利屋の松崎靖さんから、
メールをいただきました。  

松崎さんは、私と同年で、商人舎発足の会発起人のお一人。

イオンの岡田元也さんやファーストリテイリングの柳井正さんと並んで、
私たちの会社の恩人です。

私は、「商業の現代化」を掲げていますが、
それは会社が大きくなることや、
すごい成長をすることだけで、
達成されるものではありません。

松崎さんのような商人、
足利屋のような店があってはじめて、
「現代化」は成し遂げられるのだと、
私は考えています。

松崎さんのメールは、こう始まります。
「大晦日、1年の仕事が無事に終わって、ホッとしたところで、
「結城義晴の[毎日更新宣言]Review《2009年12月》を拝読いたしました」
私は商人舎発起人の皆さんに、
毎月、このブログのダイジェスト版の冊子をお送りしています。
それが「結城義晴の[毎日更新宣言]Review」です。

12月14日の『仕事の種類と年中無休の仕事』は、
当日ブログを拝読したときも昨日も深く考えさせられました」

「さくらもーるは今年も1月1日を休ませてもらいました。
さくらもーるは、オーナーだけで営業している店、
オーナー夫婦とパートさんだけの店、
パートさん2人だけで営業している店、なども多いです」

松崎さんの足利屋洋品店は、
大間々の商店街の本店と、
さくらもーるというショッピングセンターとの2店舗を経営しています。
さくらもーるは地域主導型商業施設で、
地元の商業者が共同で運営しています。

正月元旦から営業する大型店が増える中で、
さくらもーるは1月1日を休みました。
松崎さんは言い続けています。
『364日は営業しても1月1日だけは休もうよ』  

その理由は、「節目を大切にすること」
さらに「1月1日はオーナーもパートさんも家族そろって迎えてほしい」から。

私は、この考え方に大賛成です。
七草も成人の日も、「節目」です。
家族や親しい人たちと、
ともに迎える大切な日です。

とりわけ元旦は、家族にとって最も大切な節目。
だから「私たちは店を休む」
この主張は、とてもきっぱりとしていて、
よいと思います。

元旦に営業する店あり。
それもよし。
元旦に休業する店あり。
それもよし。  

顧客満足と従業員満足のバランスをいかに取るか。
この「あちらを立てればこちらが立たず」のオクシモロンの課題に、
きっぱりと解答を出していかねばならないのが、
現代です。
それをするのが現代化です。

だから松崎さんの考え方は、
まさしく商業の現代化そのものです。

私は「商業の現代化」を掲げてきました。
現代化とは英語で言うところの「ポスト・モダン」。

外山滋比古さんが『思考の整理学』(筑摩書房)の中で述べています。
「第一次的現実の思考の結晶したもっとも通俗なものが、
先にものべたことわざである。
これは本の中から生まれたものでない点、
前近代的であって、同時に現代的である」  

商売もまさしく、
前近代的なものと現代的なものをあわせもっています。
そして現代化の地平を見ようと、
必死で近代化を果たしてきた。

近代化の中で、前近代の重要なものを落としてきた。

「前近代的であり、同時に現代的なもの」  
ここに、「商業の現代化」の鍵が隠されています。
そして商売には、そんなことがたくさんあります。

私は、正月早々、「現代化」のヒントを一つ見つけて、
爽快な気分です。

さあ、1月4日。
三が日が明けて、
「商業現代化」に向けた2010年の始まりです。

Everybody! Good Monday! (Vol1)

<結城義晴>  

[追伸とお知らせ]
既報のように今年度から、
商人舎のアメリカ視察研修会が新装開店しました。
三つのコンセプトに分けることになりました。

①Basic
②Hot
③Special  

①Hotは、最新潮流・最新情報編。  
こちらは3月16日から22日の7日間。
42万6000円。
最もホットなエリアで、
新実験店・最注目企業を学びます。
アリゾナ州フェニックス・スコッツデールと、
カリフォルニア州サクラメントとサンフランシスコ。

ウォルマートのマーケットサイド、スーパーメルカド、
ハーフサイズスーパーセンター、環境対策最新型など、
さらにテスコのフレッシュ&イージー、
セーフウェイの最新ライフスタイル店舗とザ・マーケット最新型。
さらに働きたい企業ランキング第10位に入ってきた「ナゲットマーケット」。
それにホールフーズ、トレーダージョーズ、アルディ。

ローカルチェーンの生き残り策を学び、
アメリカ小売業全体のベクトルを明示します。

②Basicは、もちろん原理原則・基礎基本編。  
5月23日から28日の6日間。
価格は、29万8000円。

アメリカ小売業の一から十まで、
全体像や体系を網羅的に勉強する研修会。
理念・ロマン・ビジョンから、業態・フォーマット・バナー、
店づくり、売り場づくり、プロモーション、商品づくり、その見方。
そしてショッピングセンター開発の在り方など。
現在、その最適エリアのラスベガスに居座って、
じっくり学びます。

③Specialは、10月予定。  
こちらは中長期経営戦略を追求するための特別編。
テキサス州とニューヨーク。

このほかにSpecial編は、ご要望にお応えして、
新しい企画も検討中。

HotとBasicは、すでに募集中。
是非のご参加を。
お申込みはこちら

(㈱商人舎)  

2010年01月03日(日曜日)

ジジの日曜宣言[2010日曜版①]

2010年がはじまりました。

あけましておめでとうございます。
1

あたらしい年も、
よろしくおねがいします。
2

今年のユウキヨシハルのお父さんの年賀状です。
商人舎の年賀状。

おとうさんのことも、
よろしくおねがいします。

ボクたちは、
仲よく、いっしょに、
いきていきます。
3

ことしは、トラ年。

ボクの仲間。

まことに残念なことですが、
ボクの年はありません。
かわりに、トラの年がある。

だからことしは、ボクの年。

ボクもことし3月で、
5才になります。

でもボクは、マイペース。
そしてシンプル・ライフ。
スロー・ライフ。
4
おとうさんも、マイペース。
だけど、いろいろな仕事がある。
そしてスピード・スピード。

正反対のボクたちですが、
どうかことしも、
よろしくおねがいします。
5
ボクは、かならず、
日曜日に、このブログにでます。

これは、ジジの[日曜宣言」とよんでください。
よろしくおねがいします。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年01月02日(土曜日)

「自らの強み」を知り、実行するための「フィードバック分析」

東京・横浜、大荒れの三が日。
気象庁からそう予測されたにもかかわらず、
穏やかな正月です。

新年おめでとうございます。
三が日は、今年の商人舎の年賀状を、
冒頭に掲げさせていただきます。

写真は、昨年7月のニューヨーク州の北イサカでの、
ウィリアム・ドレイク教授邸でのショット。
コーネル大学ジャパンの卒業旅行で訪れた。
左がそのドレイク先生。
右はエドワード・マクラフリン教授。
コーネル大学食品産業学部長でコーネル・ジャパン学長。
私もコーネルのパーカーを着てスリーショット。

ドレイク先生の家は、農村にあります。
大きな農場があって、
森の中ではメイプルシロップをつくっています。
池があって、馬や犬、猫がいて、
もちろんプールがあって、
ゆったりとした生活があります。

今年も7月に訪問します。

コーネル・ジャパンを日本の産業内大学にしたい。
それが私の願いですが、
そのとき米国コーネル大学との提携は、
何よりも心強いものとなります。

この写真は、
コーネルの先生方と私との、
同志としての証。  

彼らも、食品産業を愛し、商業を愛し、
その研究に一生をささげている。
昨年うれしかったことのひとつ。
それを年賀状に使わせてもらいました。
撮影は、大高愛一郎さん。

今年2010年1年間のスローガンは、
“Practice comes first!”  
(実践躬行・実行第一)  

私自身この1年、
そう考え、そう生きていきたいと思います。

昨年12月30日、包みが届けられました。
関西スーパーマーケット井上保社長から。

開けてみると、見事なお節。
冷凍されています。
2

これを二日間、冬の常温で自然解凍する。
3

すると元旦に、ちょうどよい具合になって、
ご覧のような正月メニューになった。
4

おかげさまで、満足できるお節となった。
心から、感謝。

さて、ピーター・ドラッカー教授は、
自ら「フィードバック分析」を50年以上続けました。

先生は、「自らの強みを知る」ことの重要さを説きます。

第一に、「何かをすることに決めたら、
何を期待するかを書きとめておく」。  

正月のこの時、「自分の目標を書きとめておく」ことは実に有益です。
私も、12月31日の大晦日から年が明けるころ、
今年の10の目標を考えて、書きました。

第二に、ドラッカー先生はこう言います。
「6カ月後、9カ月後、1年後に期待と実際の結果を照合する」  
こうすると、すべての人が必ず、驚かされるそうです。
誰もが同じように驚かされます。

その結果、第三に「自らの強みが明らかになる」  
書きとめておいた目標に対して、
どんなことが実現され、
どんなことが実行されなかったかがわかります。

先生は書いています。
「自らについて知りうることの中で、この強みこそ最も大切だ」  

その後の行動は、7つ。
①明らかになった強みに、集中する。  
半年、1年のうちに実践・実行されたことが自分の強み。
その強みに、まず集中します。

②強みを、さらに伸ばす。  
自分が実践・実行しやすいことのための能力を高める、伸ばす。

③無知の元凶ともいえる知的傲慢を正す。  
一つのことに優れた人は他の分野をバカにする傾向があります。
ところがフィードバック分析は二つのことを明らかにします。
まず、知っているべきことを知らなかった。
つぎに、専門以外の知識を軽視していた。
これによって、人は知的傲慢に気付くのです。
そしてそれらを自ら正す。

④自らの悪癖を改める。  
フィードバック分析は、自分の悪い癖を明らかにします。
だからそれを改めることに役立ちます。

⑤人への対し方を改める。  
フィードバック分析は、人との対応の仕方を教えてくれます。

⑥行っても成果があげられないことは行わない。  
そのものズバリ。
ドラッカー先生でさえ、成果が上がらないことはありました。
それには手を出さないこと。

⑦努力しても並みにしかなれない分野には無駄な時間を使わない。  
「ドラッカーの時間管理」にも出てきますが、
自分にとって無駄な時間をいかに減らすかが、
「強み」を活かすことに最も重要になります。

今年1年の商人舎標語。
“Practice comes first!”  
(実践躬行・実行第一)  

ポイントは「フィードバック分析」にあります。
「自らの強み」を知り、その強みを活かす。  
1年間、何を実践し、実行するかの回答は、
ここにあります。

ちなみに私の10項目は、内緒。

<結城義晴>  

2010年01月01日(金曜日)

2010年の標語は“Practice comes First!”「実践躬行・実行第一」

2010nenga
あけましておめでとうございます。  

2010年元旦です。

あらためて、
結城義晴のblog[毎日更新]を宣言します。
2010年12月31日まで。

長い道のりですが、
全身全霊を込めて、
毎日書き続けます。

ご愛読、ご愛顧を、
お願いいたします。

昨年12月大晦日には、
ちょっと元気のない気分になっていました。
といっても、昨日のことですが。

なぜだろうと自問しても、
よくはわからない。

それが時代の気分なのでしょう。

「小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望」  

すべての人が生きるための原動力です。

目の前の小さな喜び。
現実のささやかな幸せ。
そして明日への希望。

私は世界中の人々に、公平に、
それが与えられることを祈念します。

商業やサービス業の社会的役割も、
ここにあります。

商品やサービスを購買し、消費する。
しかしそのプロセスから、
明日への希望がわいてくる。

商品とサービスに「希望」が、
塗り込められていなければならない。

さて、商人舎恒例の「今年の標語」。

一昨昨年、2007年の標語は、
「心は燃やせ、頭は冷やせ」。  
偶然なのか、これは、
アルフレッド・マーシャルの言葉と一致していました。
ション・メイナード・ケインズの師マーシャルが残した言葉。
“Warm heart, but cool head”  
「温かい心、冷たい頭」。

私の「心は燃やせ、頭は冷やせ」は、
自身の「蛻変」のときに、
ものすごい支えになってくれました。

一昨年の2008年の標語は、
「志定まれば、気盛んなり」。  
これは、吉田松陰の言葉。
商人舎を立ち上げるときの心境そのものだったので、
この年の標語にしました。

さらに、昨2009年は、
「無茶はせず、無理をする」。  
商業界全国女性同友会名誉会長の西端春枝先生から、
「結城さん、無理はエエけど、無茶はアカン」と言われた。

「無茶はアカン」には、裏返しの意味がありました。
限りなくギリギリのところまで「無理をする」。
無茶の一歩手前までやりとげる。

私はこれらの標語そのままに生きてきました。

そして今年は英語です。
“Practice comes first!”  
ピーター・ドラッカー教授『The new realities』という本の中の言葉です。

私は、サム・ウォルトンの“Retail is detail”と並んで、
この言葉が大好きで、昨年の「5月の商人舎標語」にしました。
その時には「現場第一」というサブタイトル。

しかし今度は、2010年全体のスローガンにして、
サブタイトルは、日本語で
「実践躬行、実行第一」  

「躬行」は「きゅうこう」と読みます。
広辞苑に「口で言う通りを、自ら実際に行うこと」とあります。

2010年こそは、実践、実行の年だと思います。
私にとっても、日本の商業・サービス業にとっても。

故倉本長治商業界主幹の口癖。
「知ったことはやったことにはならぬ」  

長治先生はこうも言いました。
「艱難が人を磨くように、不況は商人をきたえる」  

そのために、2010年を通して貫きたいこと。
“Practice comes First!”  
「実践躬行、実行第一」  

この2010年の標語は、恒例のことですが、
1月の標語ともなります。

2010年も、よろしくお願いします。
一緒に、実践・実行しましょう。

<結城義晴>  

2009年12月31日(木曜日)

「清貧の精神」ある限り、秩序は保たれ、自由は享受される

2009年の大晦日。
2009年最後の日。  


1年を振り返ってみるが、
なぜか今年は、
1年が終わるという感慨が薄い。

宿題をやり残したまま、
夏休みの最後の日の夜が更けてゆく。
子供のころの、あの感じに似ている。

やり残したことが、多い。
私自身に、日本社会全体に。

しかし、やらねばならない。
年明け早々から。

それが今日の心境か。
私の、そして日本の。

「米国の変化で明け、日本の変化で暮れた」  
日本経済新聞のコラム「大機小機」で、
コラムニスト渾沌氏が言う。

「供給者の論理から生活者の論理へ、
中央集権から地方分権への転換は、
成熟した市民社会のありようとして、
間違ってはいない」  

私も、そう思う。

「『コンクリートから人』への所得再配分政策の転換は、
時宜にかなった実験といえる」  

これには、大賛成。

昨日発表された成長戦略基本方針。
昨日のブログで先行して評価したが、
小売商業・サービス業が、
主軸の一つになることは確かだ。

「金融主導のマネーゲーム的要素を強めるのか、
金融は実体経済のしもべに徹するのか」
私は、当然ながら後者を、推す。

「経済危機は去っておらず、
パラダイムの転換に伴う混乱が収まるには、
時間がかかる」

それが、今日大晦日の、
宿題をやり残した、この感覚につながっている。

昨年の大晦日のこのブログでも書いた。
「最悪を覚悟して、
最善を尽くす」  

故中部銀次郎さんの言葉。

来年も、同じようになりそうだ。

「国家が秩序を保ち、
国民一人一人が自由を享受するには、
清貧が最も有効だ」  

<『マキアベッリ語録』(塩野七生)より>  

バブルとは、この清貧から、
遠く離れた世界のことを言う。
だからバブルの崩壊とは、
正常への回帰を意味する。

マキアベッリは続ける。
「清貧を尊ぶ気風が、
国家や都市やすべての人間共同体に栄誉を与えたのに対し、
富追求の暴走は、
それらの衰退に役立っただけなのであった」  

マキアベッリの語る「国家」を、
「企業」に置き換えて考えよ、と、
塩野さんは、語る。

今日時点では、文字通り「国家」と考えてもよいし、
「企業」に置き換えてもよい。

それが今日の私の、この気分である。

12月の標語を「厳しさに学べ」とした。

いかがだったろうか。

さらなる厳しさは、来年に持ち越されるのだろうか。
 
「変革というものは、ひとつ起こると、
必ず次の変革を呼ぶようにできているものである」  

これもマキアベッリの言葉だが、
この12月、「厳しさ」に学んで生まれた小さな変革が、
必ず次の変革を呼ぶ。

そう考えると、元気も湧いてくる。
勇気も芽生えてくる。

2010年という区切りの年を、
小さな変革の連続する1年にしたいものだ。

会社や企業、
国家や家庭の根底に、
「清貧の精神」がある限り、
秩序は保たれ、
自由は享受される。  

それが2010年だと思う。

 

最後に、今年1年のご愛読、
心から感謝したい。

365回のブログ更新。
今年も達成できたことに、
感謝したい。

一昨年8月12日から数えて、
連続873回。

1月元旦に、
「毎日更新」を宣言し、
12月大晦日に、
「毎日更新」を閉じる。

今回も同様に、
ここでいったん「結城義晴の毎日更新宣言」は、
終了することとなる。

 

右、左、上、下。
どっちを向いても感謝
(水口健次)

<結城義晴>  

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