結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年10月02日(金曜日)

PPIHによる日本トイザらス獲得の「成果」を先読みする

月刊商人舎10月号、
責了しました。
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最後の最後にみんなでゲラを読んだ。
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この連載もとてもいい。
「≠全能店長」
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お陰様で今回もいい雑誌となりました。
両編集長揃って写真。
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それから夜食は、
いきなりステーキ。

駅まで歩いていたら、出店に人だかり。
吉寅の「お江戸かすてら」
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キッチンカーで移動販売をする。
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ドン・キホーテの前で写真。
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そのドン・キホーテを運営する㈱PPIH。

商人舎流通SuperNewsで、
山本恭広編集長が2本続けて報告。

PPIHnews|
日本トイザらスの事業取得/玩具市場の取り込み目指す

日経新聞一面トップのスクープを裏付ける形で、
10月1日に㈱PPIHと日本トイザらス㈱は、
事業譲渡契約を締結した。

日本トイザらスは完全に経営が行き詰まっていた。
10月1日付けで東京地方裁判所に対して、
民事再生手続開始の申立てを行った。

PPIHはスポンサー契約としての事業譲渡契約を締結。
譲渡実行日は2026年10月30日(金)。

東京商工リサーチによれば、
日本トイザらスの負債総額は132億2600万円。

ピーク時の2007年1月期売上高は1944億円。
2025年12月期は約752億円にまで落ち込んだ。

2026年6月末時点で158店舗。

PPIHnews|
「玩具といえばドンキ」を目指す/森屋CEOがコメント

森屋秀樹CEOと鈴木康介COOが、
コメントを発表した。

トイザらスが持つファミリー顧客基盤を受け継ぐ。

さらにマーチャンダイジング力を獲得する。
つまり「玩具といえばPPIH」を目指す。

PPIHのマグネットカテゴリー戦略の強化だ。

ドンキとトイザらスの専門性との融合によって、
玩具業界シェアNo.1規模が実現可能だ。

両社を合わせた玩具売上規模は約1500億円。
国内最大級の玩具小売り規模となる。

このスケールメリットを活かして、
商品調達力を強化する。

⑴新商品・人気商品の確保。
仕入条件改善による価格競争力向上を推進。
⑵玩具メーカーとの戦略的パートナーシップ強化。
⑶限定商品・先行販売商品・オリジナル商品の拡充。
⑷「スモールマス」のニーズを深掘りする。

具体的な展開は、
まずアピタにおけるトイザらス導入を進める。
当然、MEGAドン・キホーテへの展開も推進する。

PPIHは実のところ、
独自のMD力を持つ企業ではない。
経営統合した企業のMDを活かす。

ポジショニングに長けた店舗展開だから、
その傘下企業のMD活用の効果が出る。

2017年に東京大森のダイシン百貨店を買収した。
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その仏壇売場には度肝を抜かれた。
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PPIHはどんな商品群も体内化して、
ドン・キホーテに包含していく。

トイザらスはその対象として最適だ。

PPIHの初代社長は、
創業者の安田隆夫氏。
1980年から2011年まで。
私は㈱商業界時代に付き合いがあった。
「渥美(俊一)さんの言うことの、
反対をやればうまくいく」
そんなことを言っていた。

第2代社長は大原孝治氏。
番頭型の経営者だった。
2012から2017年。
退任してからすぐ、食事をした。
その直後に事件が起こった。

第3代が吉田直樹氏で、
2018年から2024年まで。
マッキンゼーやINSEADを経て2007年に入社。
コンサルタント型社長。
海外事業本部長などを経て社長就任。

そして現在が第4代の森屋秀樹氏。
2025年からCEOを担っている。
2000年に中央大学商学部を卒業して入社。
プロパーとして営業をはじめ、
物流、販促、経営戦略などを横断的に経験。
内部昇格型社長だ。

いい塩梅で7年ごとに、
社長を交代させてきた。

そして77歳の安田さんはいまだに、
絶大な意思決定の力をもつ。
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マネジメント原理の「源流」も生きている。

チャールズ・ラザラスの遺志は、
アメリカよりも日本で花開くかもしれない。

〈結城義晴〉

2026年10月01日(木曜日)

トレーダー・ジョー「Fearless Flyer」と嶋津輝の「人の真似」

10月に入った。

久しぶりに快晴。
いい天気。

空狭き都に住むや神無月
〈夏目漱石〉

漱石は1900年(明治33年)9月、
横浜港から出港し、
パリを経て、ロンドンに着いた。
10月28日だった。

最初に感じたことがある。
ロンドンの空は狭い。

当時の東京に比べて、
建物が高く、多かった。

空が狭く、区切られていた。

ロンドン大学へ通って、
講義を聴講し、
シェイクスピアを学んだ。
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しかしロンドンでの生活は、
「最も苦しい時間」だった。

そんなときの句だ。

10月のロンドンは晴れる日が少ない。
雲に覆われ続けるし、雨も降る。

だからさらに「空は狭い」

そんなロンドンの空を見ながら、
「神無月」であることを思う。

夏目漱石、33歳だった。

今、私の娘はロンドンに赴任している。
狭い空なのだろうと想像する。

だが日本の10月は晴れる。
9月が雨、雨、雨だったから、
希望がもてる、期待できる。

10月は急に楽なスケジュールとなった。

第2週の7日・8日・9日。
アジア小売業大会が開催される。
7日は18時から東京會舘で、
レセプションが開かれる。
参加するつもりだ。

第3週は「商人舎チラシ研修会」の予定だった。
すぐにお申し込みくださった会社もある。
しかし全体に関心が薄いのか、
参加者数が足りない。

そこで残念ながら中止にした。
申し訳ありません。

お申込みいただいた企業のみなさんには、
講師の佐藤勝人さんには、
その会社だけの「チラシ分析」をお願いして、
それをお届けしようと考えている。

よろしくお願いします。

しかし「チラシ」をやめる会社もある。
大幅に減らすことで利益を出した企業もある。
だから「チラシ」にはタッチしたくない。

そんな思惑があったのかもしれない。。

研修会では私の講義時間もあった。
そのこともしっかり論じるつもりだった。

アメリカのトレーダー・ジョーは、
「フィアレス・フライヤー」と名づけられた、
特別のチラシを発行している。
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「Flyer」は英語の「チラシ」である。
「Fearless」は「不安を取り除く」と言う意味。

それがとてもいいし、大人気である。

そして売場づくりやエンド展開において、
中核を担っている。
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この分析や作り方の注意点も、
講義するつもりだった。

残念だった。

また機会を見つけて、
この主題で研修会を開催しようと思う。

その時にはご参加ください。

さて一昨日の日経新聞夕刊「プロムナード」
作家の嶋津輝(しまづてる)さん。

「まずはモノから」

実に正直で、それが面白い。
本質をついている。
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いきなり告白する。
「物を買うのが好きだ」

有難いお客さまだ。

「その『物』の種類は
ときと状況によって変わる」

そして言う。
「物を選ぶさいの基準は、

恥を承知で書くと、
主に人の真似(まね)である」

いいいいいいねぇ。

買うことは人真似である。
商品を選ぶとき、
誰かの真似をする。

「自分の選択眼に自信がないから、
他人のそれに頼る」

「いや、むしろ人の真似をするのが第一義で、
物を買うのはそのおまけなのかもしれない」

「真似をするにあたって、
物から入るのは容易(たやす)い。
何せ、買うだけなのだから」

こんなに正直に書いてくれて、
ありがとう。

「特に30代後半の買い物は、
現実逃避の意味合いが濃かったように思う」

「まだインスタグラムなどはない時代で、
雑誌やブログなどを参考にした」

「スタイリストやデザイナーといった
職種の人はもちろん、
ライフスタイル雑誌に登場する
料理研究家や飲食店経営者にも
センスのよい人が多く、
身に着けるものや台所道具などを
気軽に真似した」

「振り返るとなかなか危険な
恍惚(こうこつ)感が得られる行為だった」

オピニオンリーダー、
「能動的消費者」、
「プロシューマー」、
あるいはインフルエンサー。

ママ友の中のセンスのいい人。
買物好きの友だち。
あるいはスターやタレント。

嶋津輝さん。
「今も相変わらず人真似が好きだが、
だいぶ健全になったと思う」

「買うのはもっぱら安価な文房具だからだ」

文筆家の嶋津さんにとって、
文房具はいわば仕事道具である。
「よって真似をする対象も同業の人が多い。
文筆家や漫画家といった人々である」

「パソコンやプリンターについては、
自分の好みが確固としてあるので
真似はしない」

「今使っているメーカーのものを
これからも追い続けていくつもりだ」

カテゴリーによって、
真似するものとそうでないものがある。

どうやら「消耗品」や「日用品」は、
真似で買うようだ。

これ、大事なこと。

「最近のヒット商品は書見台。
ゲラ刷りをチェックするときに使う大きめのものと、
本を開いたまま固定できる小さなサイズを買った」

私も探してみよう。

「どちらの品にも満足しているが、
探す過程が楽しかった。
画像検索などをしていると
半日ぐらいはあっという間に過ぎ、
肝心の原稿はなかなか進まない」

「物を買うのはやはり、
私にとって現実逃避なのだろうか」

現実逃避ではない。
それは喜びなのだ。

真似から始まる喜び。

売り手側はいかに、
それを演出し提案するかだ。

「Fearless Flyer」にも、
しっかりとその要素が込められている。

〈結城義晴〉

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