大久保恒夫さんのロピア社長就任と「商業現代化の新しい森」

大久保恒夫さんは、
親しい友だ。
学年にすると3つ下。
生まれた年は4つ下。
最初にお会いしたのは1991年。
金田正裕さんや奥田則明さんが、
㈱流通総合研究所を設立した時だ。
大久保さんもそのお祝いの会に参加していて、
金田さんから紹介されたのだと思う。
大久保さんはイトーヨーカ堂で、
有名な「業革」会議の事務局をして、
鈴木敏文さんから薫陶を受けた。
しかし10年間務めたイトーヨーカ堂を退社。
1989年にコンサルタントになった。
プライスウォーターハウスコンサルティングと、
財団法人流通経済研究所に属した。
さらに1990年、㈱リテイルサイエンスを設立して、
代表取締役社長の立場にあった。
私は1989年に食品商業編集長になっていた。
その後、90年代は、
商業界の販売革新などに執筆をしてもらった。
大久保さんは2003年に、
㈱ドラッグイレブン代表取締役社長、
2007年、㈱成城石井代表取締役社長に就任して、
まさに二つの「V字」改革を成し遂げた。
このころにはインタビューをしたり、
一緒にアメリカに行ったりして、
いつのまにか親しくなっていた。
コーネル大学RMPジャパンでは、
大久保さんは伝説の第一期生になってくれた。
修了すると第二期では、
すぐに講師になってもらった。
2011年12月には、
「二人のビッグショー」をやった。

大久保さんはMartinを、
私はGibsonをもって、
デュエットした。
その2011年、大久保さんは、
伊藤雅俊さんと鈴木さんから乞われて、
㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長になった。
さらに2013年には、
セブン&アイ・ホールディングス常務執行役員。
8年が経過して、2021年、
合同会社西友社長兼最高経営責任者(CEO)に転身。
業界では大きな話題となり、
噂も飛び交っている。
結城義晴が大久保恒夫を、
OICグループに紹介したのではないか。
仲介したのではないか。
日経新聞の編集員からも
直接、私にメッセンジャーで質問が来た。
一方のOICグループでは、
CEOの高木勇輔さんと親しい。
高木秀雄名誉会長とは、
それ以上に長い付き合いだ。
OIC取締役の福島道夫さんとも親しい。
福島さんは㈱ロピアの社長と、
㈱関西ロピア社長を歴任した。
だからずいぶん前のことになるが、
大久保さんと高木さんや福島さんを、
引き合わせた。
多分、商人舎主催のUS視察研修会だったか。
国内のセミナーの会場だったか。
しかし今回、私はまったく、
仲介の労をとったりしていない。
OICグループが、
西友CEOを退任した大久保さんに、
独自にアプローチして、
両者の合意がなされた。
私はそれを聞いて、祝福した。
親しい友人同士が力を合わせて、
良い会社をつくっていく。
それは嬉しいことだ。
次の月刊商人舎2月号の特集は、
「ザ・コンサルタント」である。
実に面白い。
私自身は広い意味では、
コンサルタントかもしれない。
しかし本業はパブリシャーだと思っている。
出版人であり、ジャーナリストだ。
MBAの特任教授もやったから、
学者の端くれでもある。
私はコンサルタント契約はしない。
年間顧問契約などというのもしない。
非常勤取締役の仕事は受ける。
これはコンサルタントではない。
その都度、案件ごとに、
依頼を受けて、了解すれば、
私のできることで協力する。
講義・講演、研修、執筆。
海外研修もその会社にカスタマイズして行う。
企業内大学をつくって、
学長の役目も果たす。
会社の理念やクレドをつくることも、
お手伝いする。
経営の相談にも乗る。
何度も書いているが、
結城義晴と商人舎は、
「商業の現代化」に貢献する。
だから現代化のための理念や理論を構築して、
それを雑誌や単行本で発表する。
近代化の次に現代化がやってくる。
しかしその足は遅い。
それを推進するような、
主張をし、牽引する。
そして商業現代化のために、
知識商人を養成する。
それが私のライフワークだ。
企業から研修を依頼される場合にも、
知識商人の養成の一助だと考えて、
全力を挙げる。
大きな会社も小さな会社も、
それは変わりない。
結城は大手チェーンの味方をしていると、
そんなことを言われることは心外だ。
商業界も商人舎も、
大きい会社、小さい会社、
大きな店、小さな店、
変わりなく応援する。
来る者拒まず、去る者追わず。
倉本長治がその考え方を貫いた。
小さな店であることを、
恥じることはないよ。
その小さなあなたのお店に、
人の心の美しさを
いっぱいに満たそうよ。
岡田徹のこの言葉は、
私の原点である。
商業現代化のイメージは、
人間の頭と手でよく手入れされた、
「新しい森」のようなものである。
亡くなったC・W・ニコルさんからヒントをいただいて、
私は「新しい森」と表現している。

その新しい森には、
大木もあれば、
中小の木々も生息している。
草花も息づいている。
「近代化」は大木をつくることを目指した。
しかしそこに矛盾が生まれた。
「現代化」の新しい森には、
大木もあれば雑草も生えている。
どちらもいい会社、いい店である。
そしてどちらも社会にとって必要な存在だ。
だからアメリカに行くと、
世界最大企業のウォルマートを見せる。
ウェグマンズにもHEBにも、
トレーダー・ジョーとホールフーズにも、
みんなを連れていく。
ニュージャージーでは、
ボランタリーチェーンのショップライトを訪れる。
8店舗のスチューレオナードで話を聞く。
サンフランシスコでは、
たった2店のバークレーボウルにも行く。
ロピアと大久保恒夫は、
商業の現代化に貢献してくれるだろう。
結果としてそれは良かったと思う。
ただし結城義晴は仲介などしていない。
そこんとこ、誤解のないように。
さて商人舎オフィスに、
片山隆さんが来てくださった。
㈱寺岡精工前社長。
いまは㈱ライフコーポレーション非常勤取締役。
片山さんとは長い付き合いだ。
ヨーロッパを始め、
世界の小売業の情勢に詳しい。
今日は英国のマークス&スペンサーについて、
極めて興味深い話を聞いた。
それ以外にも面白い話題ばかり。
ヨーロッパにも行ってみよう。
彼の地にはアメリカとは異なる、
「現代化の森」がある。
それも日本の商業には、
大いに役に立つ内容に違いない。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉























