結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年07月28日(木曜日)

「2022JCSI」オーケー1位の意味と「徒然草」の「物と争はざる」

横浜商人舎オフィスに出社して、
ZOOMによるミーティングを二つ。

ひとつはTrue Dataの面々。

この3年間の購買データをもとに、
商品動向を子細に分析した。

いい内容だった。
月刊商人舎8月号に掲載する。

もうひとつは、
食品メーカーの担当者へのインタビュー。

山本恭広商人舎編集長が話を聞くのを、
オンラインで傍聴していて、
最後にカメラをオンにして、
ミュートを解除して、
顔を出して、あいさつした。

ありがとうございました。

それ以外は、
1日中、リテール・マーケティングを考えた。
小売業のマーケティングの本質。

倉本長治の「商売十訓」。
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これを精神論と批判する人がいる。

しかし第一訓。
「損得より先に善悪を考えよう」
これはドラッカーの言うインテグリティである。

精神論ではなくて、哲学である。

第二訓。
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
これがイノベーションである。

イノベーションは精神論では生み出せない。

第三訓。
「お客に有利な商いを毎日続けよ」

「有利な」というところは、
かつては経済性を意味した。
つまり生活マネジメントを支えるもの。

現在は生活エンターテインメントを含む、
「お客に有利」でなければならない。

それが小売業マーケティングの本質だ。

この点においては、
断じて揺るぎはない。

小売業や流通業における、
著名なコンサルタント諸氏の論を引いて、
もちろん具体的な名前を出して、
このあたりを説明すると、
実にわかりやすいものになる。

それも必要なのだと考えた。

この夏、単行本の第一稿に取り掛かる。

大筋はできているが、
その私だけの登頂ルートが、
ちょっとだけ見えてきた。

ありがたい。

どんな本も原点にもどって始める。
それが正しい道だ。

さて流通SuperNews。
オーケーnews|
JCSIの2022年度第1回調査スーパーマーケットで1位獲得

恒例のリサーチだ。
公益財団法人日本生産性本部の、
サービス産業生産性協議会の調査。

JCSIと称する。
「日本版顧客満足度指数」
その2022年度第1回調査。
スーパーマーケット業種において、
オーケーが顧客満足度第1位を獲得した。

「スーパーマーケット”業種”」というのが、
まず変だがそれはさておいて、
この調査の6指標すべてで、
オーケーは1位。
⑴顧客期待
⑵知覚品質
⑶知覚価値
⑷顧客満足
⑸推奨意向
⑹ロイヤルティ

素晴らしい。

しかし今回の2位は業務スーパー、
3位はドン・キホーテ、
4位はイオン。
顧客満足度調査2022
失礼ながら、
2位に業務スーパーが入ってくると、
「?」の気持ちが湧いてくる。

調査は必ず調査対象と調査母数を、
確認しなければならない。

その調査対象が今回は、
たった7企業・ブランド。

これではほとんど意味がない。

来年もこの程度ならば、
流通SuperNewsでは取り上げない。

ちなみに2019年は対象が22企業だった。
そして結果は1位オーケーだったものの、
2位コストコ、3位万代、
4位は同スコアでヤオコーとトライアルだった。

対象企業がどんどん参加を止めていって、
7企業・ブランドとなった。

調査期間は2022年5月18日~5月27日、
回答者数は2万5167人、
(順位に含む64企業・ブランドの回答者は2万0986人)
調査方法は、
インターネットモニターを活用した2段階調査。
設問数は約110問。

オーケーの指標は変わらないようだが、
それ以外に伸びた企業があるかもしれない。

オーケーの総合スコアが77.1で、
業務スーパーが71.5。

回答者の設定や設問そのものにも、
どこか問題があるかもしれない。

ちなみにコンビニエンスストアは、
1位セイコーマート77.3、
2位セブン-イレブン71.2、
3位ミニストップ67.6。
顧客満足度調査2022コンビニ
調査対象は6企業・ブランドで、
日本フランチャイズチェーン協会の、
毎月の販売調査の7チェーンから、
ポプラが欠けただけ。

これならばスーパーマーケットよりも、
断然、信頼性が高いし、
妥当だと思える。

だからセイコーマートの評価は素晴らしい。
赤尾洋昭さん、おめでとう。

日本生産性本部は知る人もいたし、
一緒に仕事をしたこともあるけれど、
このスーパーマーケット調査は、
再考したほうがいいだろう。

朝日新聞「折々のことば」
第2450回。

人としては善にほこらず
物と争はざるを徳とす。
他にまさることのあるは
大きなる失なり。
〈兼好法師『徒然草』(小川剛生訳注)から〉
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法師は説く。
「自分の長所を誇ったり
人と徒(いたずら)に競ったりしないこと。
人より優れてあるのはむしろ大きな欠点だ」

「格式の高さや才能の豊かさなどを
意識する姿はなんとも見苦しい」

「真に優れた人は
おのれが欠くところを知っているので、
慢心することがない」

「比較ということが
嫉妬や羨望(せんぼう)を促し、
自意識を煽(あお)って、
人としての品位を落とす」

現代の小売業の競争では、
ここまでは意識できない。

物と争はざるを徳とす」

しかし「他にまさること」を、
誇示ばかりしているのは、
日本的ではないのだろう。
少なくとも吉田兼好的ではない。

自分からは誇示しないけれど、
自分の顧客からは、
断然、支持されている。

その奥ゆかしさも、
小売業やサービス業では、
いいもんだと思う。

そんな店を好む顧客は、
多いはずだ。

「私の店」と思えるからである。

〈結城義晴〉

2022年07月27日(水曜日)

大久保恒夫西友CEOインタビューと上野光平の「最高で無比」

全国の新型コロナ感染陽性判明者数。
20万9694人。
1日の陽性者数過去最高。

NHKがまとめた時系列グラフ。
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東京都が2万9036人。
3万人に手が届く。

大阪府も2万1860人。

2万人以上は1都1府。

1万人以上は5県。
神奈川県1万6554人、
愛知県1万4801人、
埼玉県1万2892人、
福岡県1万1188人、
兵庫県1万0152人。

オミクロン株のBA.5の威力。

感染すれば軽症と判断されても、
10日間の自宅隔離生活を指示される。

「オミクロンはただのインフルエンザだ」
などとは言っていられない。

横浜商人舎オフィスで、
抗原検査をした。
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これを両方の鼻の穴に突っ込む。  IMG_44802

そしてこの液体と揉む。IMG_44822

それをキットの検査器に3滴垂らす。IMG_44742

陰性の[C]となった。
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そこで横浜から横須賀線に乗り込んで、
赤羽へ。

1本でつながっていて、
便利だ。

大暑を過ぎて、
空はちょっと秋めいてきた。
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それでも東京の最高気温は、
33.6℃。

横浜が32.2℃だから、
東京のほうが暑い。

㈱西友の本部を訪れて、
大久保恒夫さんのインタビュー。IMG_44942
いつも笑顔で、
「わが社はおかげさまで、
絶好調です」

1時間ちょっと、
話をして、
大いに満足。

ありがとうございました。

そのあと、赤羽店を視察し、
写真撮影。

絶好調の理由は歴然。

店が蘇っている。

掛谷愛さんにご案内いただいて、
一緒に写真。
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掛谷(かけたに)さんは、
経営企画本部広報部ディレクター。
プロパーで西友一筋。
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渡邊紀征さんが社長の時代に入社した。

私はそのころ㈱商業界の取締役で、
販売革新の編集長だった。

その後、社長に就任して、
販売革新2004年6月号巻頭言に、
「リー・スコットへの手紙」を書いた。

今でも残っている。

それを渡邊さんが読んで、
翻訳して米国のスコットさんに送ってくれた。

読み直してみると、
我ながらちょっといい。

掛谷さんにそんなことを話した。

西友の看板の前で、
写真を撮らせてもらった。IMG_43042
1977年に西友の取材を始めてから、
もう45年が経過する。

最初のころの本部は、
池袋西武百貨店の隣の雑然とした建物にあった。

その後、サンシャインビルができると、
その四十数階に本部は移った。

高層ビルから東京の街を見下ろして、
小売業の商売ができるのか。

そんなことを思った。

当時、シアーズ・ローバックが、
シカゴのシアーズタワーを本社にしていた。

西友セゾンもそれに倣ったのか。

その後、ウォルマートに買収されると、
本部費を下げるために、
赤羽店の2階に移動して今に至る。

今のほうが西友らしい。

上野光平先生を思い出す。
上野光平
上野先生は大正13年(1924年)生まれで、
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんと、
同年だった。

小売業界の誰からも尊敬されていた。
ダイエーの中内功さんから、
スカウトされかかったが、
西友に留まった。

しかし63歳で逝去された。

オーナーの堤清二さんは、
昭和2年(1927年)生まれ。

大学と政治活動の後輩の堤さんに請われて、
西武百貨店に入社した。
その後、西友ストアーを創業して、
支配人や副社長を歴任し、
最後は流通産業研究所理事長・所長。

人柄はすこぶる穏やか。
業界随一の読書家、勉強家で、
高くて広い視野をもっていた。

日経流通新聞の最終面全面に、
1カ月に1回、「流通論壇」を書いていた。

その月に発刊された最新刊を、
何冊も何冊も丁寧に読み込んで、
的確なで鋭い分析をしていた。

私はその上野光平の「社外の弟子」だった。

今でも雑誌や本を出すたびに、
上野先生の眼鏡にかなうか、と考える。

今年の商人舎1月号の特集のまえがきに、
その上野光平さんの文章を引いた。

私の手元にある西友ストアーの社内報、
1967年6月の「今月のことば」からの引用だ。

「私たちに課せられた
課題の大きさに比べて、
私たちの仕事の質の低さに
いらだたざるを得ないのも
事実であります」

「私たちの課題は、
“最高で比べるものもない”
ということであります。
私たちの規模と社会的責任とは、
私たちに最高かつ無比の
仕事のレベルを要求しております。
私たちはこの要求に
応えなければなりません」

「商品部の諸君、
あなた方は戦略商品群について、
“最高で無比の”戦略体制を
実現しているのでしょうか」

「管理部の諸君、
あなた方は経営管理の精度と
合理化と管理コストにおいて、
“最高で無比の”業績を
達成しているのでしょうか」

「店舗の皆さん、
あなた方は高い労働生産性と
低い店舗コストによる運営によって、
“最高で無比の”店舗運営を
しているでしょうか」

「課題への挑戦には、
自己満足のひとかけらも
許されないのです」(上野光平)

大久保さんの話から、
上野さんの言葉を思い出した。
「課題への挑戦には、
自己満足のひとかけらも許されない」

今日、日経MJから、
第55回小売業調査が発表された。

セブン&アイとイオンが、
10年ぶりに逆転した。

それは、
商人舎5月号[特別企画]
セブンとイオン「逆転のダイナミズム」

しかし日経MJでは、
どういうわけか西友が、
ランキングに載っていない。

月刊商人舎6月号特集は、
2022決算を俯瞰する
ポストコロナの小売業、どこへ向かうのか?!

この特集では、西友もランキングした。
第15位で営業収益7373億円。
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今も大久保西友は、
「高い労働生産性」と
「低い店舗コストによる運営」によって、
“最高で無比の”店舗運営を、
目指している。

〈結城義晴〉

2022年07月26日(火曜日)

「衣食住通」の改革と値上げ・物価上昇時の「1万円ベースアップ」

今日は1日中、
横浜商人舎オフィス。

全員が揃って、
声を掛け合いながら仕事した。

いいもんです。

全員揃って、
ランチは楓のラーメン。

これも、いいもんです。

商人舎流通SuperNews。
イトーヨーカ堂news|
「COMPANY」で約3万7000人の人事データベース構築

アウトソーシングによって、
人事総合システムを構築する。
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一方、
イオンリテールnews |
勤務管理の「AIワーク」と情報共有の「MaIボード」活用

こちらもアウトソーシングで、
勤務管理システムと、
情報共有用のデジタルサイネージを展開する。
AEONRETAIL-DX

DXには3つの側面がある。
⑴攻めのDX
⑵守りのDX
⑶プラットフォームのDX 202103_cover
イトーヨーカ堂もイオンリテールも、
守りのDXを外注化によって進める。

スピードとコストパフォーマンス。

ヒューマンリソースマネジメントに、
DXを活用する方向性がまず出てきた。

山陽新聞の巻頭コラム、
「滴一滴」

「衣食住は
生活の三大要素とされてきた。
だが今は通信を加えて、
“衣食住“ではないか」

なるほど。

岡山市の公益財団法人「橋本財団」。
生活困窮者支援の活動として、
無料で使えるスマートフォンを、
貸し出している。

「家を借りようにも、
自分の電話番号がなければ
信用してもらえずにはじかれる」

「就職活動や生活保護、
給付金の申請が難しくなる」

仕事を失って1年以上の路上生活する男性。
スマホを手にして1カ月足らずで、
アパートの契約ができた。

スマホなど携帯端末の個人保有率は、
全国で8割を超えた。

現代社会では携帯電話は、
身分証明の一つでもある。

コラム。
「デジタル化の中にある”通信の貧困”も、
私たちが目を向けるべき
時代の課題に違いない」

小売業もサービス業も今後、
「衣食住」でお役立ちしたいものだ。

同時にイトーヨーカ堂とイオンリテールも、
「衣食住」をサポートする業態が、
いわば自ら「通」の改革を進める。

スピードとコストとパフォーマンス。

重要な点は押さえておかねばならない。

日経新聞経済コラム「大機小機」
「企業の価格転嫁、着々と」

日銀の黒田東彦総裁の6月初めの発言。
「家計の値上げ許容度が高まっている」

厳しく批判されたが、
「発言の是非はともかく、
データを冷静に眺めれば、
企業の価格転嫁は
比較的順調に進んでいる」

第1に物価上昇のスピードは予想を上回る。
スピードだった。

4~6月の消費者物価の前年比伸び率は、
4月調査の1.78%から7月調査では2.10%に上昇。

第2は価格判断DIの動き。

DIは「Diffusion Index」。
変化の方向性を示す指標のこと。

DIは0%~100%の間で変動し、
50%を継続的に超えれば「上向き」、
50%を下回れば「下向き」と判断される。

物価上昇率は2008年夏以降、
2%を超えていない。
その時点では、
製造業大企業の仕入れ価格DIは59、
販売価格DIは11だった。

現在の仕入れ価格DIは65、
販売価格DIは34。

仕入れ価格DIは6ポイント上がっているが、
販売価格DIは23ポイントも上がっている。
だから価格転嫁は順調に進んでいる。

第3はGDPデフレーターの動きだ。
国内総生産統計の需要項目ごとの物価上昇率を、
GDPデフレーターという。

足元のGDPデフレーターの前年比は、
21年10~12月の1.3%の下落から、
22年1~3月には0.5%の下落になった。
前期比では0.3%の上昇となり、
価格転嫁が進んだことを示す。

コラムニストの結論。
「賃金上昇が伴わない日本で、
2%超の物価上昇が続くとは思えないが、
今年のインフレ率は
予想外に高いかもしれない」

価格転嫁が進み、
物価が上昇すれば、
企業の売上げは上がる。
そして経済は回転する。

しかし顧客は、
賃金が上がらねば、
生活が苦しくなる。

それを支えるのが、
小売流通業である。

ヨークベニマル元社長の故大高善二郎さん。
かつて私に教えてくれた。
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値上げのときも物価が上がる時も、
ムダやムラ、ムリを省いて、
必死でコストを下げる。

「去年の今月と今年の今月、
同じ商品を同じ量、買っていただくとする。
それらの商品で1カ月に1万円分、
われわれがコストダウンできて、
それをお客様に還元できたとしたら、
この地域のお客様全員に、
1万円のベースアップをしたことになる」

値上げと物価上昇のときこそ、
この小売業の努力は光を放ってくる。

〈結城義晴〉

2022年07月25日(月曜日)

小嶋千鶴子さんを「偲ぶ会」の「不正には峻・失敗には寛」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉚]

2022年も30週を数える。
今週は7月最終週、
来週月曜日から8月。

暑中、お見舞い申し上げる。

今日は9時半の新幹線に乗って、
新横浜から名古屋へ。
それから近鉄に乗り換えて、
近鉄四日市。

四日市の近鉄百貨店は、
駅に直結している。

なかなか、いい。

それから徒歩3分で、
アピタ四日市店。
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その隣に都ホテル四日市。IMG_41502

小嶋千鶴子さんを偲ぶ会。IMG_E41532
イオン㈱名誉顧問。

5月20日に、永眠された。

1916年3月3日生まれ。
106歳だった。

四日市の呉服屋・岡田屋に生まれ、
1939年5月、23歳のときに、
㈱岡田屋呉服店の代表取締役就任。

1946年に岡田卓也さんが、
あとを継いで代表取締役社長に就任。

1969年2月に3社合併で、
ジャスコ㈱設立。
小嶋さんは取締役に就任。

1972年6月には常務取締役となって、
人事を担当した。

1977年5月、
自ら60歳定年制を貫いて、
監査役に退く。

1981年5月、相談役、
1988年8月、名誉顧問。

ホテルの3階に上がって、
献花する。
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単行本に載っている遺影。IMG_41612

笑顔。IMG_E41592

小嶋さんの人生が写真で綴られている。

その17歳の写真。
美しい。
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1946年、戦後復興を遂げた岡田屋。IMG_4167q

小嶋さんはジャスコ大学をつくった。
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その後、企業内大学院も創設した。

政策発表会では壇上から演説をした。
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1997年には著書を発刊した。
名著『あしあと』
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晩年は私財を投じて、
バラミタミュージアムを創設し、
同時に自ら陶芸に取り組んだ。
その作品「宇宙 金銀彩」
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岡田屋時代の 店規則が陳列されていた。IMG_42022

講演録は商業界中部ゼミナールのもの。IMG_41892
あとから入れられた傍線がとてもいい。

ノートもたくさん残っていて、
メモ魔の小嶋さんを垣間見ることができる。

それから愛読書。
右上はレブハーの『チェーンストア』
私も愛読して、講義に使う。IMG_42092

下は「ドラッカー経営学説の研究」。IMG_42082

出口には、この言葉。
『あしあと』の最後のフレーズ。IMG_42112

その小嶋千鶴子さんの像の横で記念写真。IMG_E41622

去りがたかった。
ほんとうにずっとここにいたかった。

帰りの新幹線から見た富士は、
ことのほか美しかった。IMG_4213w

小嶋さんとのお別れを実感した。
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帰りの近鉄電車を待つ間、
『あしあと』を読んだ。
何度も読んでいるけれど、
また読みたくなって、読んだ。

引き込まれていって、
特急のチケットを持っていたが、
その特急を乗り過ごした。

『あしあと』の中にある。
不正には峻、
失敗には寛。

「峻」は厳格であること。
「寛」は寛容であること。

つまりは、
不正に対しては厳しく、
失敗に対しては優しい。

「この言葉は、
小嶋の人事政策の背骨になっている思想」
と岡田卓也さんも偲ぶ会の冊子に書いている。

厳しさと同時に人に対する愛情を示している。
岡田さんは記す。
「現在のイオンにも引き継がれている、
重要なDNAであります」

不正には峻、
失敗には寛。

どんな会社、どんな組織にも、
これは必須のことだ。

小嶋千鶴子さん、
ありがとうございました。

では、みなさん、
今週も、厳しく、優しく。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年07月24日(日曜日)

「幸福は素手で持ってくる!」の「暑中、お見舞い申し上げる」

二十四節気の大暑を過ぎて、
次はもう立秋。

今年の大暑は7月23日、
立秋は8月7日。

大暑は「快晴が続き、気温が上がり続けるころ」

今年の小暑は7月7日、
大暑が終わるのが8月6日。

暑中見舞いはこの時期に出す。
8月7日からは残暑見舞いとなる。

それでも温暖化が激しい昨今は、
8月いっぱい、暑さが続く。

暑中、お見舞い申し上げる。

新型コロナウイルス感染。
昨日の7月23日、
陽性判定者は初めて全国で1日20万人を超えた。
20万975人。

それも4日連続で過去最多を更新。

東京3万2698人、
大阪2万2501人。
愛知1万4348人、
神奈川1万3716人、
福岡1万2619人、
埼玉1万2424人。

17道府県が最多だった。

第6波のピークは今年2月で、
政府は1月9日から3月21日まで、
「まん延防止等重点措置」を適用した。

その2月のピークの2倍に達した。

今、BA.5は9割を超えている。

このBA.5はオミクロン株の一種で、
今年2月に南アフリカで見つかった。
5月以降ヨーロッパを中心に広がって、
6月以降は世界で検出される新型コロナの5割を占めた。
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日本国内では4月ごろ、
BA.2からBA.5への置き換わりが進んだ。
BA.5の感染力はBA.2の35.1%増だとか。

8月はじめには全国で、
ほぼ100%になる。

感染力が高まると、
属性は弱くなる。

感染症のセオリーだ。

毒性が弱まっているとは言っても、
感染すると倦怠感、熱、咳などの症状が出る。

現在の療養期間の解除基準は、
発症日から10日間経過し、
「症状軽快」から72時間経過すると解除となる。

「症状軽快」とは、
解熱剤を使用せずに解熱し、
なおかつ呼吸器症状が改善傾向にあること。

つまり毒性が弱いと言っても、
感染すれば体調は崩れ、
療養しなければならない。

高齢者や疾患のある人は、
避けねばならない。

手洗い、マスク、ディスタンス。

暑中、お見舞い申し上げる。

朝日新聞「折々のことば」
第2447回。

幸福を買いにゆくのに 
買物籠なんかいりませんよ
幸福は 
素手で持ってくるにかぎる!
(寺山修司『愛さないの、愛せないの』から)
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「幸福にイメージの籠など要りません。
これくらいのサイズだったら入るかな、
などとあらかじめ思い描いたりすれば、
幸福は逃げていきます」

あらかじめ籠の大きさを決めてはいけない。

「幸福は、
自分のこれまでの体験の意味づけといった、
イメージの上張りではありません」

だから鈴木敏文氏ではないけれど、
幸福のためには、
「過去の成功体験を捨てよ」。

寺山。
「じかに掴(つか)むか掴めないか、
それだけの問題です」

スーパーマーケットが提供するものは、
ちいさな喜び
ささやかな幸せ
あすへの希望

しかしそれが、
ショッピングカートにも、
ショッピングバッグにも、
とても入らないくらい、
大きな幸福になることがある。

お客さまが、
自分で掴みとってくだされば。

私たちは、
その掴みとっていただくものの、
ほんの一部を提供する。
ほんのきっかけを用意する。

じかに掴むことができるように。

2021年2月の商人舎標語。

「あすへの希望」

新型コロナのおでましだ。
新型コロナのおとおりだ。
そうして一年、すぎました。
そうして一年、ゆきました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして一年、ゆきました。

雨が、あがって、風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
そうして一年、すぎました。
そうして一年、ゆきました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして今日が、おわります。

それが私のしごとです。
それが私のやくめです。
そうして今日が、はじまって、
そうして今日が、おわります。

新型コロナの行く手には、
まだまだ、深い、ため息が、
なんだかはるかな、幻想が、
湧くけど、それは、つかめない。

だれにも、それは、語れない
ことだけれども、それこそが、
いのちだろうぢゃないですか。
けれども、それは、示(あ)かせない……

新型コロナのおでましだ。
新型コロナのおとおりだ。
そうして一年、ゆきました。
そうして一年、すぎました。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。
そうして今日も、おわります。??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

暑中、お見舞い申し上げる。

〈結城義晴〉

2022年07月23日(土曜日)

「土用一の丑」の土曜日の「商品前線異常あり?!」

今日は土用の丑。

今年は二度ある。
その土用一の丑。
しかも土曜日。

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」が、
うなぎをテーマにした。

テイクアウトという方式。
新型コロナで盛んになった。

日本ではその起源は、
江戸時代のうなぎらしい。

儒学者海保青陵(かいほせいりょう)の随筆集。
『東贐(あずまのはなむけ)』に、
うなぎの蒲焼きを持ち帰る方法が書かれている。

冨岡一成氏の著書『江戸前魚食大全』から。
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おもしろい。

おからを煎り、
軽く醤油で味付けして熱くする。
これを重箱に詰めてうなぎ屋に持って行く。
そして蒲焼きを入れてもらって持ち帰る。

そうすれば家で熱々のうなぎが食べられる。

江戸文化は当時、
世界最高峰のレベルだった。
ヨーロッパよりも高い文化度だった。

今年は事前予約も増えた。

コラムでは「ある大手スーパー」とある。
中日新聞だから多分、イオンだろう。

その「事前予約件数は昨年より多い」。
そして担当者の弁。

「日々の買い物は節約志向でも、
特別な日にはぜいたくを楽しむのでは」

これは「禁欲円」と「享楽円」を意味している。
商人舎2022年1月号。
「禁欲円」と「享楽円」のコストパフォーマンスを高めよ!??????????????????????????????????????????????????????
もしかしたらそのイオンの担当者、
月刊商人舎の読者かもしれない。

自分勝手にそんなことを思う。

うなぎ人気は、
「疫病流行下でも衰えない」とコラム。

うなぎを食べられない人、
嫌いな人もいるだろうけれど、
私はこの暑さの中で、
鰻を食べると幸せになる。

ありがたい。

今日は2日間の8時間講義で、
疲れた体を癒すために、
よく寝た。

疲れる、休む。
元気になる。

その循環。

これも幸せだ。

そして午後3時から、
ZOOM会議。

商人舎と、
常盤勝美さんとのディスカッション。

常盤さんはウェザーMDの第一人者。
現在、㈱True Data所属の、
流通気象コンサルタント。

商人舎2016年8月号。
特集は、
商品前線異常なし!
ウェザー・マーチャンダイジングの決定的新機軸
201608_coverpage-448x632
このとき、ウェザーMDの考え方に、
全国パネルのPOSデータを組み合わせて、
「商品前線」という新コンセプトを構築した。
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今、読んでも、
まったく古くはない。

重要度は高まっている。

常盤さんとのミーティングで、
次号、現在の「複合危機」に対して、
提言をしてもらうことが決まった。

ご期待いただきたい。

最後に2016年8月の[Message of August]
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良きウェザー・マーチャントたれ!

良き漁師は天候を予測する。
良き農夫も日々の気候の綾を知る。
良き水夫はその変化を事前に察知する。

そして良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
すなわち天候条件で顧客心理を読み取る。

しかし昨今の日本の商業は、
ああ、お天気産業よ。
いつもいつも、私を嘆かせる。

お天気次第の売上げ・利益。
天候に決定的な影響を受け、
それに従属したような産業。

そのくせ、天候不順を乗り越えられない。
企業や店の商品力が、天候の変化に勝てない。
オペレーションは天候変化の後追いしかできない。

だからウェザー・マーチャンダイジングが叫ばれる。
しかしそのお天気販促は表層的だ。
季節プロモーションは画一的だ。

平和産業、
人間産業、
地域産業。

そして、
ああ、
お天気産業よ。

顧客の生活は環境とともに変わる。
何が食べたいか、何を着たいか、どう住まいたいか。
暮らしは、時々刻々、天変地異の中にある。

天候変化が生活心理をつくり、
購買行動を変え、
新しい消費を生み出す。

良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
天候に応じて顧客心理の変化を読み取る。

〈結城義晴〉

2022年07月22日(金曜日)

ロピア・チーフ研修会の「肉体を拒絶するなにか」

ジョー・バイデン米国大統領。
COVID-19に感染した。

21日朝の検査で陽性が判明した。

37.4度の発熱があったが、
解熱薬服用で平熱に戻った。

それでも引き続いて、
鼻水、倦怠感、せきの症状が残る。

脈拍、血圧、呼吸数、血中酸素濃度に異常はない。

ホワイトハウス内に隔離されて、
執務は続けている。

用心に用心を重ねても、
感染はする。

そして79歳の高齢者でも、
重症にはなりにくい。

それがオミクロン株の特質だ。

日本では第七波を迎えて、
だからといって、
油断してはならない。

私のところには、
4回目の接種券が届けられた。
接種券
有難いことだ。

今日も昨日に引き続いて、
JR船橋駅の研修会場。

㈱ロピアの千葉・埼玉営業本部の
チーフ研修会。
部門チーフと全店長約150名を、
3つに分けて研修する。

その第2回。
IMG_4454.-1

朝9時から夕方18時までの
結城義晴ワンマン講義。

講義前に、
相川博史取締役営業本部長のあいさつ。
千葉・埼玉エリアを管轄する。

ロピアの変わらぬ戦略と今後の方針、
そして研修の趣旨を丁寧に話してくれた。
IMG_4451-1
なかでも、
ブロッコリーの特売の話はよかった。
インテグリティこそ、
ロピアの商売の本質である。

9時半から私の講義。

講義ごとに、全員が起立して、
講師に向かって、挨拶する。
「よろしくお願いいたします」
講義が終わったらまた起立して、
「ありがとうございます」
IMG_4457-1

講義内容は昨日と変わらない。
しかしエピソードはどんどん、
移り変わっていく。

その日によって皆が、
前のめりになってくる話がある。
そうするとどんどん脱線して、
そのエピソードを掘り下げる。

ロピアの高木秀雄会長、高木勇輔社長、
福島道夫取締役とのエピソード。
岡田卓也イオン名誉会長相談役や、
伊藤雅俊セブン&アイ名誉会長の、
創業時の苦労話。

さらに、欧米のスーパーマーケット、
日本のトップマネジメントたちの話、
業界のM&Aの裏側の事情などなど。

この脱線話が結構、面白い。
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ロピアは年に20%を超える成長を続けている。
したがってチーフも店長も、
技術に長けた、キャリアのある、
中途採用者が増えている。

だからこそ、
ロピアという会社の本質を正しく理解し、
同じ目標に向かってもらう必要がある。IMG_4458-1

そこで高木勇輔さんや福島道夫さん、
相川博史さんたちトップや幹部が、
商人舎で学んできたことの基本を、
チーフたちに講義する。

業種・業態・フォーマット、
STPマーケティングとポジショニング。
ロピアを知るうえで肝となる、
結城義晴の持論。
IMG_4461-1

昼食後にはパワーポイントを使って、
海外の店舗事例を見せながら解説する。
IMG_4460-1

夕方5時半まで講義を行い、
最後は30分間の理解度判定テスト。

テストが終わってから、
解答を補足説明しながら、
最終講義をする。
IMG_4471-1

ロピア研修では毎回、テストを行う。
講義の後にテストがあると、
みな講義に集中するからだ。

会社が人財育成に投資する。
その投資に見合った学びをしてほしい。
それが狙いだ。
IMG_4470.-1
昨日、今日のワンマン講義。
渾身の2日間だった。

8時間、立ち続けた。
8時間、語り続けた。
声は枯れてきた。
IMG_44722

肉体は疲労の極致に達した。

朝日新聞「折々のことば」
今日の第2446回。

魂とは肉体を拒絶する
なにかである。
(アラン『定義集』より)
アラン定義集
「体が震えても逃げない、
体が苛(いら)ついても他に殴りかからない、
渇いてもあえて飲まない……。
おのれの自然に屈服することを
肯(うけが)わぬこの”拒絶する力”が魂だ」

アランはフランスの哲学者。
定義集はその代表作。

商人舎誌上で展開する、
「結城義晴の定義集」は、
アランをモデルにしている。

「人が魂としてあるのは、
“自己が自己に対立することによってのみ”だ」

編著者の鷲田清一さん。
「人は自身にあてがわれた生存の条件に
抗(あらが)うことで人になるのか。
道徳心も恋情も」

肉体の疲労困憊に抗って、
それでも語るべきことを語る。

ここには何かがある。

私はそう思っている。
それが私の役割である。

〈結城義晴〉

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