結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年08月14日(金曜日)

谷川俊太郎「誰ひとり傷つけない」と佐野デザイナーの著作権問題

夏のさかりのあの数日の、
汗まみれ泥まみれの、
不思議なさわやかさ。

……力いっぱい戦うことが、
誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない。
〈谷川俊太郎〉

朝日新聞『天声人語』が引用した。
もちろん夏の甲子園大会のこと。

「誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない」
ここが特にいい。

第97回全国高校野球選手権大会。
今日、2回戦が終り、ベスト16が揃う。

明日、明後日の土日が3回戦で、
そこでベスト8が決まる。

それから準々決勝、準決勝、
そして決勝。

誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない、
そんな戦いの中で、
夏が過ぎていく。
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さて例の「盗用の疑い」の話。
デザイナーの佐野研二郎氏。

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業、
博報堂入社。
2008年MR_DESIGNを設立して独立。
2014年、多摩美術大学教授就任。

日米欧のデザイン賞を受賞し、
数多の作品を創作してきて、
実績は申し分ない。

しかしここへきて「盗作の疑い」。
まずは2020年東京五輪の公式エンブレム。
ベルギー・リエージュ劇場のロゴに「酷似」、
と、作者のオリビエ・ドビ氏が指摘。

むこうで法的手段に訴えている。

佐野氏は8月5日に日本で記者会見して、
「事実無根」と否定。

しかしテレビでの映像では、
目が泳いでいた。

一方、「他の作品にも盗用の疑いがある」と、
インターネットなどで指摘されていた。

それを受けて、サントリービール。
「オールフリー」のトートバッグも、
佐野氏のデザインだが、
30品のうち8品を取り下げ、
発送を中止する。
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〈SUNTORYホームページより〉

これも様々な他のデザインに似ていた。

しかしここまで出て来ると、
こういったアーティスティックな仕事は、
酷なようだが、もうおしまいだと思う。

日本の著作権法は、
知的財産権の一つである著作権の、
範囲と内容について定める。

著作物の創作者である著作者に、
著作財産権や著作者人格権という権利を付与し、
その利益を保護している。

その著作物とは、
「思想又は感情を創作的に表現したものであって、
文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

流通やチェーンストアの理論や情報も、
この「著作物」に該当する。

私の考え方をこのブログに掲載するが、
もちろんそれも「著作物」に該当する。

著作権が侵害された場合には、
救済手段として差止請求権が認められている。

損害賠償請求は「民法」の規定によるが、
損害額の算定に関しては、
特別の規定が設けられている。

さらに権利侵害に対しては、
刑事罰も規定されている。

ただし著作権侵害は、
「親告罪」とされている。

親告罪(しんこくざい)とは、
告訴がなければ公訴できない犯罪。
しかし著作者は常に、
この著作権侵害をチェックしている。

私も㈱商業界社長時代に、
あるライターの商業界刊の単行本が、
著作権侵害に当たるとされて、
問題解決したことがある。

商業界の顧問弁護士・男澤才樹さんが、
著作権を専門としていて、
ずいぶんと助けてもらった。

私たちは問題の本の文面と、
訴えを起こした原著者の本の文章を、
一字一句、丁寧に、引き比べて、
結果として、著作権侵害を認めた。

そして全国の書店から、
当該書籍を回収した。

佐野デザイナーの一連の作品が、
著作権法違反に該当するかどうかは別にして、
仕事は手を抜いたり、楽をしたり、
他人に任せきりにしたりしてはならない。

その教訓はいつの時代にも変わらない。

「盗人猛々しい」

それだけは、やってはならない。

力いっぱい戦って、なおかつ、
誰ひとり傷つけてはいけない。
誰ひとり不幸にしてはいけない。

〈結城義晴〉

2015年08月13日(木曜日)

岩隈久志No-hitterの自分らしさと「出版流通返品4割」の重荷

盆の入り。
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空だけ見ていると、
秋の気配を感じさせられる。DSCN0119-5

そんな旧盆のとき、
嬉しいニュースが、
アメリカ・シアトルから届いた。

岩隈久志投手がNo-hitterを達成。
メジャーリーグのシアトル・マリナーズ所属。

No-hitterは、
日本ではノーヒット・ノーランという。
ヒットも打たれなかったし、
点も取られなかった。
つまり、無安打無得点試合。

凄い記録です。

岩隈は日本の楽天イーグルスから、
2012年にマリナーズに入団。

日本人投手のNo-hitterは、
野茂英雄投手以来、
史上2人目の快挙。

そのトルネード野茂は、二度、
ノーヒット・ノーランを成し遂げている。

ドジャース時代の1996年と、
レッドソックス時代の2001年。

岩隈のコメントがいい。
「先頭打者を打ち取っていこう、
自分らしさを出そうと思った」

自分らしさを出す。
まさにポジショニング。

大リーグのような個性豊かな競争社会では、
この自分らしいポジショニングがなければ、
生きぬいていけない。

岩隈は2004年シーズンオフに、
所属していた大阪近鉄バファローズと、
オリックス・ブルーウェーブの、
球団合併を経験している。

パリーグのチーム数が減るため、
楽天イーグルスが新規参入。
大阪近鉄とオリックスの選手たちは、
合併球団と楽天とに分配されることになった。
選手を分配するなど、
ちょっと違和感があるが、
企業が合併で人材を振り分けるようなもの。

岩隈は合併球団に分配された。
しかし労使「申し合わせ」を盾にとって、
これを拒否して、結局、楽天に入団。

岩隈は意志を通した。

意志を通して、
自分らしさを追求する。

その岩隈が自分らしいNo-hitter達成。
すばらしい。

おめでとう。

さて、昨日の日経新聞の『真相深層』は、
「出版、返品4割の重荷」

出版流通業界はかつてない苦境。

昨年秋に取次三番手の大阪屋が経営危機。
楽天や講談社など6社が救済に入って、
総額37億円の第三者割当増資を引き受け、
法的整理だけは逃れた。

そして今年6月、
四番手の栗田出版販売が倒産。
ほとんどの出版社が巻き添えを食った。

出版流通の首位は日本出版販売、
二位はトーハン。

私のいう「複占」状態。
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャーの闘い。

そうなると、どちらも減収基調となる。

そしてマーケットフォロワーが脱落するが、
それが大坂屋と栗田。

出版科学研究所の2014年調査。
出版物の推定販売額は1兆6000億円、
ピークの1996年から約1兆円も減った。

ちょうどこのピークのころ、私は、
取締役『食品商業』編集長だった。
そしてこのメディアがこのとき、
商業界の歴史上、最高部数を誇った。

以後、部数は落ちるばかり。

日本全体の期待は、
電子出版市場にかかるが、
こちらはまだ1400億円程度。

㈱商人舎は取次流通を使っていない。

私が社長を務めた㈱商業界はもちろん、
取次から書店へと、
雑誌や書籍を流通させている。

この出版流通が制度疲労を起こしている。
その原因の一つが「返品制度」。

「原則として書店は
一定期間売れなかった本を
取次経由で出版社へ返品できる。
この仕組みによって書店は
在庫リスクを減らし、
多彩な書籍や雑誌を店頭に置ける」

しかし返品の際には、
梱包や物流の費用を、
書店と取次が負担する。

そして返品は増え続けている。

2014年には、
日本全体の雑誌の返品率が、
初めて40%に達した。

チェーンストアの人々からすると、
この返品率は「社会悪」とすら思われるだろうが、
しかしこの4割は一般誌を含めての返品率で、
ビジネス誌や専門誌はもっともっと高い。

私の『食品商業』編集長時代は、
平均20%台前半の返品率で、
ときどき10%台になると、
乾杯した。

いまは、そんな奇跡が起こることもない。

そこで一部出版社は、
「責任販売制」に取り組む。
いわゆる「買い取り制度」。

記事は一石を投じる動きを紹介する。
第一は、角川とアマゾンジャパンの、
取次を介さない直接取引。

最短1日でアマゾンに商品を届ける。

角川は反アマゾンの急先鋒だったが、
それだけに両社の連携は衝撃を与えた。

セブン&アイとファーストリテイリングの、
あの提携に似ている。

角川は、2018年、最大155億円を投じて、
大型物流・製造拠点を設ける。
出版社として異例の規模だ。

対して、第二は、
楽天と講談社の共同改革。
こちらは大阪屋と栗田をバックアップし、
2016年中に経営統合させる。
そしてITに強い取次へと再生させて、
アマゾンに対抗する。

この15年間、国内の書店は8000店以上減少。
今、セブン-イレブンが、最大の書店となった。

出版流通が激変する。

マーケットニッチャーは、
ユニークなポジショニングが必須だ。

私の作戦は「網と紙の融合」。
それも無借金経営の自前主義。

ニッチャーだからこそ、
セグメントを絞り込んで、
ターゲティングし、ポジショニングできる。

思い切ったユニークなことができる。

いわゆる普通の出版社はすべて、
フォロワーにならざるを得ない。

現代らしい競争状況である。

〈結城義晴〉

2015年08月12日(水曜日)

成城石井のワインバーLe Bar a Vin 52横浜ベイクォーター訪問

㈱商人舎は明日から夏季休業です。
来週月曜日の17日まで。

よろしくお願いします。

そこでお知らせを二つ。
①月刊『商人舎』8月号、バラ販売。
今号の特集は、
「2015アメリカ小売業テキスト」。

月刊『商人舎』は年間購読が基本ですが、
今月号のみ、1冊1500円(税別)にて販売。
米国視察のテキストとして使ってください。

申込み要領はこちら。

②秋のアメリカ研修会スペシャルコース。
10月6日~13日。
テキサスとニューヨーク。
これは本当に素晴らしいコース。

「ナポリを見て死ね」
イタリア語では「Vedi Napoli e poi mori」
英語訳は「See Naples and then die!」

ナポリの風光を見ずに死んでは、
生きていた甲斐がない。

知識商人ならば、絶対に、
「テキサスを見て死ね」
そして現代人ならば、
「ニューヨークを見て死ね」

結城義晴が案内し、解説します。

このコースの特徴ですが、
メリッサ・フレミングさんの必聴講義もあります。

さて今日は、午前中、
第一屋製パンの取締役会。
好調です。

夕方には、横浜ベイクォーターへ。
Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO。
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㈱成城石井が展開するワインバー。
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52とは52週MDの考え方と同じ。
週ごとにメニューを変えて、
年間に52の提案をする店という意味。

麻布十番店、関内店につづく3号店。

ワインに親しんでもらうために、
リーズナブルな価格で提供し、
ワインを楽しんでもらうのがコンセプト。
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ワイン通なら垂涎の的のオーパスワン。
グラス2990円。
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「今宵一杯の味わいを、
あなたは一生語るでしょう」

うまい!!

店内は、夕方6時半で、
ごらんの通り大繁盛。
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夕方のアイドルタイムに、
3種類の切りたてハムが、
1500円で食べ放題のプロモーション実施中。DSCN0142-5

コストパフォーマンス意識の高い、
女性客が圧倒的に多い。DSCN0134-5

入口のクーラーには、
5大シャトーのワイン。
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2万円台から10万円のヴィンテージものまで。
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誘ってくれたのは、
原昭彦さんと早藤正史さん。DSCN0146-5
原さんはご存知、成城石井社長、
早藤さんは執行役員店舗運営本部長。
店舗運営部・店舗開発部、
さらに物流戦略部を担当する。

早藤さんはこの店の開発のために
何度もニューヨークに赴き、
コンセプトを作った。

そのお二人との会話を楽しみつつ、
スパークリングワインから始まり、
白ワイン、赤ワインと
お勧めのワインをいただく。DSCN0149-5
もちろん、オーパス・ワンもいただいた。
一生語り続けるために。

店舗スタッフは全員が、
スーパーマーケット成城石井の社員。

副店長の水野翔太さんは、
元精肉担当。
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生のトリュフも提供する。DSCN0154-5

生は香りも強く、
しかも美味しい。
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こちらの逆井さん。
成城石井でパートタイマーとして勤務していたが、
この店で働きたいと志願。DSCN0160-5

店長の市川理美さん。
元情報システム部勤務。DSCN0163-5

ダイレクトにお客さまに接する喜びと醍醐味、
それを全員が口にした。
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スーパーマーケットとの人事交流も進むだろう。

原さんも早藤さんも
Le Bar a Vin 52のスタッフも、
みな若い。
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コーネル・ジャパン「奇跡の第2期生」の原さん。
現在47歳。
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本当に熱のある、いい社長になった。

月刊『商人舎』5月号。
特集「阪急オアシスと成城石井」

名言を吐いた。
「会社は売られても、
魂は売らない」

その魂が込められたワインバー。
成城石井のポジショニングが、
鮮明に描かれていて、
実にいい。

商人舎夏季休暇前夜ということもあって、
したたか飲んで、こころから楽しんだ。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2015年08月11日(火曜日)

ヤオコー社長・川野澄人さんとHarvardBR「稲盛和夫の経営論」

今日は朝から、
埼玉県の川越へ。

㈱ヤオコー本社を訪問。
今年3月期決算で、
営業収益3073億5300万円、前年比12.1%増。
経常利益133億4200万円、12.7%増。
関東7都県に142店舗を展開する。

日本小売業ランキングでは42位。
スーパーマーケットでは、
堂々の第6位に躍進してきた。

代表取締役社長の川野澄人さんと懇談。
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39歳の若き経営者。DSCN0013ー5

こんなにじっくりと対面で話し合うのは、
初めてだったが、大いに感心した。
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私は今朝、起きるとすぐに、
自分で話し過ぎないように、
と決意してきた。

しかしそれでもやはり、
話し過ぎてしまったかもしれない。
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川野さんもときどきメモしたりして、
先輩の言うことを熱心に聞いてくれた。
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その態度、姿勢が、素晴らしくて、
私はいっぺんでファンになってしまった。

前にも書いたけれど、
亡くなった将棋棋士の元名人・米長邦雄が、
ずっと年下の羽生善治らを、
「先生」と呼んで敬意を払っていた。

私もライフコーポレーションの岩崎高治さんや
この川野さんらを、そんなふうに見ている。
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日本の小売業の未来は明るい。

アメリカのホールフーズやウェグマンズ、
トレーダー・ジョーにも、
クローガーやテスコにも、
負けない、いい企業をつくってほしい。

午後からは、小澤(こざわ)三夫さんと懇談。
現在、取締役販売部長で、
ヤオコーの現場のキーマン。
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小澤さんは、2008年10月、
第1回日本スーパーマーケット店長大賞を受賞。
その時、私も審査に加わっていて、
小澤さんほどこの第1回の大賞に、
ふさわしい人材はいないと確信した。

久しぶりに話して、
小澤さんの成長ぶりに驚いたし、
これまた意気投合して、固い握手。
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小澤さんは1989年にヤオコーに入社したが、
その時、「いい会社」だと直感した。

今日はそのヤオコーの良さと強さを、
あらためて認識して、
実に有意義な一日だった。

本部を辞して、川越西口店へ。DSCN0111-5
今年3月13日にオープンした512坪の新店。
ウニクス川越というショッピングセンターの、
核テナントとして入っている。

関西の北野エースが、
テナントとして入居している。
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川越の空は、少しだけ、
夏の終盤を感じさせてくれた。
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HarvardBusinessReview9月号は、
特集「稲盛和夫の経営論」
三部に分かれている。
第一部は稲盛和夫経営講演選集。

第二部は「稲盛経営に学ぶ」として、
5人の論者が語っている。

そして第三部が、
稲盛さんへの直接インタビュー。

この中で稲盛さんは語る。
「人の心は、はかなくて頼りないものです。
でもひとたび素晴らしい心の結びつきができれば、
これほど頼りになるものもありません。
私はそのことを信じて、
人の心と心の結びつきをベースにおいて
経営を行ってきたのです」

小売業は人間産業だ。
だからこそ、製造業以上に、
「人の心を大切にする経営」が求められる。

「私は物事を判断する際には、
『人間として何が正しいのか』ということを
真っ先に考えます」

倉本長治の『商売十訓』の第一訓。
「損得より先に善悪を考えよう」

「経営に当たってはルールとか慣行とか、
いろいろなものが存在しますが、
それらを超えて人間として正しい生き方、
考え方をしていくことが大切だと思っています」

「そしてそれが結果的に
利益をもたらしてくれるのです」

稲盛さんは30代前半に、
石田梅岩を知って、
「これだ」と思った。

倉本長治は石田梅岩研究の、
第一人者だった。

そこで、稲盛、語る。
「売る側も買う側も、
お互いが利益を得られる商売こそが、
正しい商売だと思っています」

これはまさに近江商人の「三方良し」
売り手良し、買い手良し、世間良し。

稲盛さんの座右の銘。
「謙虚にして驕らず」

そして言う。
「事業の場合も欲ではないですね――。
欲ではなく、好奇心です。
事業に関する好奇心は
尽きることがありません」

欲ではなく、好奇心。

素晴らしい。

ヤオコー会長の川野幸夫さんにも、
考えてみれば稲盛経営に通じるものがある。

「人の心を大切にする経営」

川野澄人さんにも、小澤三夫さんにも、
そのDNAは受け継がれている。

〈結城義晴〉

2015年08月10日(月曜日)

月刊『商人舎』8月号本日発売!! 「食を制する者、流通を制す」

Everybody! Good Monday!
[2015vol32]

月刊『商人舎』8月号
本日発刊!!

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うれしいもんです。

特集は、
2015アメリカ小売業テキスト
世界最大消費大国の「食を制する者、流通を制す!」

[Cover Message]
ウォルマートは、創業者サム・ウォルトンが、
1980年にエブリデーロープライスを始めた。
非食品分野でそれが完成した10年後の1990年度、
同社はシ アーズ・ローバックを抜いて
全米ナンバー1の小売企業になった。
それは世界最大のチェーンストアであることを
意味していた。
一方、ウォルマートは1988 年から
本格的に食品分野に参入していた。
スーパーセンターと呼ぶ
最強フォーマットの開発と展開であった。
その食品分野で
エブリデーロープライスを完成させるには
7年の年月を要した。
しかし食品の新参者が
自社のユニークな戦略を完成させ、
食品分野でも全米ナンバー1になったとき、
ウォルマートはエクソンモー ビルを追い抜いて、
世界最大の企業となっていた。
食が石油を制した瞬間であった。
2015年の今も、アメリカ小売流通業は
「食品」を中心に競争が展開され ている。
ドラッグストアはコンビニもどきの売場をつくり、
ダラーストアも生鮮食品を強化する。
アマゾン・ドット・コムも
生鮮宅配「アマゾン・フレッ シュ」に力を入れる。
「食を制する者、流通を制す!」。
それがアメリカ小売産業の競争の本質であり、
それを証明することが
このテキストブックの目的であ る。
・・・・・・・・・・・・・・・・

その目次。

[Message of August]
「食を制する者、流通を制す!」

〈Prologue〉鳥の目で見るデータ分析
Ⅰ2015米国チェーンストア100の4大特徴
Ⅱ米国主要小売業の最新経営数値総括分析
4桁チェーンストアと成長率2桁企業/
粗利益率30%以上と経費率20%以下のチェーン/
「総資本回転率2.5回」×「経常利益率5.0%」

Walmart+Target & Costco Wholesale…
「食を制する競争」第3フェーズの勝者は誰か?

市場チャレンジャー戦略に徹するKroger

[食を制するコンテスト型企業スタディ集]
Publix Super Markets   
H-E-B Grocery              
Whole Foods Market           
Wegmans Food Market            
Trader Joe’s&Aldi            
WinCo Foods                
Sprouts Farmers Market    

商人舎magazine掲載の記事は、
Walgreen
CVS Health
そして、
企業別フォーマット&バナー総覧
米国チェーンストアPB全集

[特別寄稿]
英国オンライン食品市場と
「テスコ・ダークストアの秘密」
The UK Online Grocery Market and Tesco’s Darkstores
by ニック・マイルズ〈IGDアジア-太平洋地域マネジャー〉

今月号はすべて商人舎編集部の書き下ろし。
我が編集部、凄いパワーです。

それから巻末にイギリスからの〈特別寄稿〉。
寄稿者はニック・マイルズさん。
今年6月にロンドンを訪れた際に、
講演をしてもらって、
その内容を寄稿してもらった。
編集部の鈴木綾子が素晴らしい翻訳をした。

専門誌らしい内容。
絶品です!!

私は今号で、
アメリカのチェーンストアが、
「食を制する者、流通を制す」の闘いにあることを、
再発見しました。

そしてその第1フェーズ、第2フェーズ、
さらに第3フェーズの闘いを整理しました。

我ながら、
なかなかいい発見だった、
と考えています。

私が書いたのは、
Cover MessageとMessage of July、
それから〈鳥の目で見るデータ分析〉、
そしてWalmartとKroger。
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米国チェーンストアの経営数値は、
やはり鈴木綾子が中心となって、
編集部総出で調査集計。

秋のアメリカ視察研修などの際、
必須のテキストとなっています。

網の商人舎magazine掲載、
フォーマット&バナーと、
プライベートブランドの資料集は、
これまたほかにないもの。

必須の情報集です。

さて今日から2015年第33週。
8月に入って旧盆の週。

今週と来週の「2週間販促企画」は、
Weekly商人舎の日替り連載。

お盆商戦を迎えていますが、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」について、
あらためて書いてあります。

ご一読を。

さて広島と長崎の原爆の日が過ぎ、
日本中があらためて、
参議院で審議中の安保関連法案に関心を強めた。
内閣支持率も急減。

その関心が最高潮になるのが、
土曜日15日の終戦記念日です。

さらに九州電力は明日午前10時半に、
川内原子力発電所1号機を再稼働させる。

商売繁盛を願いながら、
仕事に明け暮れつつ、
社会的な問題には絶対に、
関心を失いたくないものです。

それが知識商人の在り方です。
ポリティカル・マーチャントでなければいけない。

どうにか平和がたがた平和秋刀魚焼く
〈日経俳壇より 池田市・鈴木みのり〉

サンマを売る側であっても、
平和を願い、平和を考え、
平和のために働かねばならない。

雲一つなき広島に水を打つ
〈朝日俳壇より 高松市・島田章平〉

これも、いい。
門火焚くアメリカより来る汝がために
〈朝日俳壇より 直方市・清水次男〉

国際交流はこんなところから。
それが平和のために働くということ。

商人舎周辺の緑が、濃い。
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プラタナスも青々としている。
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新田間川は満々と水を湛える。
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木陰は涼しい。
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お盆シーズン直前。
日本でも「食を制する者、流通を制す!」

セブン&アイ・ホールディングスと、
ファーストリテイリングの提携は、
柳井正さんが日本の食の王者セブン-イレブンを、
高く評価していることの証だ。

このお盆商戦も地域地域で、
「食を制する競争」が展開されている。

そのことを実感しつつ、
今週も、Good Monday!
〈結城義晴〉

2015年08月09日(日曜日)

ジジと8月9日[日曜版2015vol32]

ジジです。DSCN9907ー5

あついですねぇ。DSCN9908ー5
だから、ねてます。

目がさめても、しっぽだけ。
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きょうは、8月9日。DSCN9928-5

「なんでもない日」ではありません。DSCN9931-5

長崎原爆の日。20150809k0000e040176000p_size8

黙祷。DSCN9911ー5

甲子園ではベースボール。DSCN9918ー5

あついけれど、
元気です。
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イチョウは、あつさにも、まけない。
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すごいですね。
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でも、ちょっとだけ、
季節はかわった。
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夕焼け空。
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ちょっとだけ、
夏がうごいた。
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そうですよね、おとうさん。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年08月08日(土曜日)

お盆商戦・書き入れ時の「強さはコントロール力だ」

今日は立秋。
秋が立つ日。

しかし毎日毎日、書いている。
「今日は今年一番の猛暑」

そして今年のほんとうの猛暑は、
今日の立秋の日らしい。

気分だけでも、
立秋を味わいたい。

そして今日から、
大方のサラリーマンの夏休み。
最長は16日の日曜日までの9日間。

ゆっくり休んでください。

一方、小売業、サービス業は、
書き入れ時。

FIFA世界水泳選手権大会。
ロシアのカザニで開催中。
競泳ばかり目立つが、
シンクロナイズドスイミング、飛込、
ハイダイビング、水球、
そしてオープンウォータースイミング。
6競技75種目。

世界177の国と地域から、
オリンピックを超える規模で参加がある。
オリンピックは4年に1度、
こちらは2年に1度。

その世界水泳で、
金メダル二つ。

女子200メートルバタフライで、
星奈津美が金メダル。
そして女子200メートル平泳ぎで、
渡部香生子が優勝。

二人は来年のオリンピック代表も決めた。

おめでとう。

こうして世界一になる。
なみたいていの努力ではない。

われわれの店や売場は、
このお盆商戦の期間中にも、
世界一を目指したい。

世界一買い物したい店、
世界一働きたい店。

それを目指したい。

さて商人舎Magazineの、
Weekly商人舎に、
「週刊特別企画」を執筆。
セブン&アイとファストリ提携の
「神は現場にあり」

やはり結論はここに来る。

糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」

糸井は大の野球ファン。
「一般的にファンが
ホームランやら、ヒットやらを
望むような場面で、ぼくはよく、
『フォアボールがほしいなぁ』と
願ったりしている」

通の見方だ。

ホームランを願わない
ということではない。

「フォアボールというのは、
コントロールの乱れである。
ぼくは、投手の強さを表すものが、
コントロール、つまり制球力だと思っている」

これは実は私も同感。

「意図したところに、
意図した速度や意図した変化で、
ボールを投げられること」
それがコントロール。

「そのためには、
ボールに力を伝えるときに、
自身の神経と筋肉を
制御できていることが必要である」

「どのように危機的な状況であっても、
じぶんを正確にコントロールできるということ、
これを強さと言わずして、
なにが強さだろうか」

この猛暑の中、
甲子園大会が始まって、
どんどん盛り上がっている。

投手がテレビに映っている。

それをちらっと見て、いつも、
私はこの投手の「強さ」を感じとろうとしている。

「弱くなっている投手には、勝ちやすい。
原因が精神的なものであるか、
肉体的なものであるか、どちらでも同じだ。
制御できていない相手は
与しやすいというわけだ」

もちろん自分の見方の投手も同じ。

そして糸井の結論。
「強さとは制球力だ」

「たった、それだけのことであるが、
けっこう野球観戦における
大事な視点だと思うのだ」

プロ野球観戦だけでなく、
高校野球も世界水泳も、
そして店を見るときにも、
まったく同じ視点が役に立つ。

「強さとは制球力だ」

「強さとはコントロール力だ」

「意図したところに、
意図した速度や意図した変化で、
ボールを投げられること」

「意図したところに、
意図した鮮度や価格で、
商品を提供できること」

「そのためには、
自身の神経と筋肉を
制御できていることが必要である」

この猛暑の中、
お盆商戦の書き入れ時に入っている。

「コントロールが弱くなっている店には、
勝ちやすい」

「制御できていない相手は
与しやすい」

「強さとはコントロールだ」

速い球もいらない。
大きな変化球もいらない。

自分らしい球を、
自分らしく投げることのできる、
コントロール。

それが書き入れ時の店のあり方だ。

「強さとはコントロールだ」

まったくその通りだ。
「神は現場にあり」

〈結城義晴〉

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