結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年04月26日(月曜日)

ゴールデンウィークとゴルファー石川遼と千葉ロッテ大谷智久投手の「お客様への感謝」

Everybody! Good Monday! [vol 17]

[商人舎オフィスの窓から見える風景]  

2010年第17週、4月第5週の始まり。
いよいよ今週からゴールデンウィークに突入。

4月30日に休暇をとれば、7日間連続。  
さらに5月6日、7日の休暇を付け加えれば11日間連続。
今日から3日間を先にとれば、12日間連続。
6日間の休暇を取って、全部つなげれば、
なんと、16日間連続となってしまう。

そして企業社会に、
それが許される空気もある。

ただし、4月30日に重要会議が開催される企業が多い。
だから、役員や幹部にとって、ゴールデンウィークは、
会社にとっての大切な稼ぎ時だったり、
あるいは夏に向けての戦略思索の時期だったりする。

ピーター・ドラッカー先生は、
「時間管理法」を提唱している。
①時間を記録する 
②時間をコントロールする
③時間をまとめる
3番目は、自由に使える時間を大きくまとめること。
それが「知識商人」にとって、
ゴールデンウィークのもう一つの意味。

ドラッカー先生は言い切る。
「時間を管理できなければ何もできない」  

だからといって私は、
自分や周辺をがんじがらめに縛り付けて、
オウム真理教の麻原彰晃のように念じるつもりはない。
「ステージを上げよ、ステージを上げよ」と。

時間を管理することによって、
ゆったりとした時を過ごすことも必要だ。

外山滋比古さんのいう「思考の発酵や熟成」は、
ゆったりとした時間の中から生まれる。

そんなゴールデンウィークにしてほしい。

ただし、私の場合、5月1日土曜日、
F&Bマーケティングの講義と結城ゼミは休みません。
念のため。

今週は、一般のサラリーマンが、
そんな休暇を謳歌する週の始まり。

しかし小売業・サービス業の現場は、
店を開ける。
まさに書き入れ時。

尊い仕事が待っている。

順番に休暇をとりつつ、
お客様を迎える。

自分たちのお客様が楽しんでいることを、
自分たちの楽しみに、
自分たちのお客様が喜んでいることを、
自分たちの喜びに。  

こう考えることができる人が、
本当の「知識商人」である。

今をときめくプロゴルファーの石川遼、18歳。  
大雨の中でのトーナメント後のメッセージ。
「雨の中、わざわざ来場してくださったお客様に、
喜んでいただけるプレーをしたかった」  

優勝した先輩ゴルファーは、
自分のプレーに関するコメントしか出せなかった。

ゴルフのお客様は、休暇の日に、
プロのプレーを楽しみに来る。
小売業・サービス業のお客様と店も同じ。

プロゴルファーは、
人々が休暇のときに、
仕事する。
小売業・サービス業も、
ゴールデンウィークに、
仕事する。

そして、やって来てくださったお客様に、
感謝し、配慮する。

これです。

さて、昨日の日曜日、
私にはとても嬉しいことがあった。

プロ野球の千葉ロッテ・マリーンズ。
今年、入団した大谷智久投手。  
パリーグの新人最初の勝利投手となった。
そのドラフト2位・大谷投手のコメント。
「千葉マリンの大声援の中で投げられるのは幸せです!
どうか、この海坊主をよろしくお願いします!」。  

「海坊主」とは丸刈りの頭を自称しての愛称。
「マリーンズの丸刈り」の意味。

大谷君も、お客様の大声援への感謝を語った。

彼が小学生のころ、
私は合同チームのコーチとして、
いつもボールを受けていた。

彼はジュニア・ソフトボールのエースだった。

あまり大柄な選手ではなかったが、
凄い速球を投げた。
チェンジアップは一瞬、
ボールが消えたかと思わせるほどの球だった。

その後、神戸に引っ越し、
高校は報徳学園。
3年生の春の甲子園選抜大会で優勝投手。
その後、早稲田大学に進み、
ここでも六大学リーグ優勝と全日本大学選手権優勝。
さらに社会人野球ではトヨタ自動車のエースとして、
全国大会優勝。

大柄な選手ではないという点で、
高校卒業の時にも、大学卒業の時にも、
プロ野球には入らなかったが、
社会人までの実績を積んで、
今年、マリーンズに新入団。

そして、4月中に初勝利。

小学生の時の監督は荏田ブランチーズの北谷弘幸さん。
北谷さんは、若い監督ながら、合同チームの総監督を務めていた。
北谷さんも感慨ひとしおだろう。
私も、本当にうれしかった。

この喜びを、みなさんにおすそ分け。

野球はチームプレーのスポーツ。
今月の商人舎標語。
「知恵・力」合わせて動け!  
ゴールデンウィークに、店を思った通りに動かすには、
全員のチームプレーが、いつも以上に必要だ。

代わり番こに休みをとりつつ、
密な連絡を取りながら、
売り場の水準を維持する。

店長やリーダーは、大変だ。
けれど誰かがその代役をして、
全体の基準が保たれる。

まさに、「知恵・力」が結集されねばならない。

いよいよ始まる黄金週間。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2010年04月25日(日曜日)

ジジとマーガレット[2010日曜版⑰]

ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマにすんでいます。
ユウキヨシハルさんのカゾクです。

うしろむきでキョーシュク。

でも、よのなかは、
さむかったり、
あつかったり。

真夏のようにあつい日のつぎに、
真冬のようにさむい日がくる。

ふしぎなことです。
だんだんあたたかくなるのが、
春です。

でも、ことしは、
あつくなったり、
さむくなったり。

そんなテンキのなかで、
ナノ花はしっかり、
さいています。

ボクはいえネコなので、
そとにはでません。

それがフマンでは、ありません。
フヘイにも、おもいません。

ときどき、マドをあけてもらって、
そとのクウキをすいます。

それでマンゾクです。

さむかったり、
あつかったりするのに、
ベランダでは花がひらきました。

それをみるのが、
たのしみです。

なんだか、
ニンゲンの老人みたいですが、
それでも、マンゾク。

アメリカンブルー。

そしてマーガレット。

マーガレット♪
マーガレット♪
あの子の髪に
マーガレット さいた♪
  

おとうさんがつくった歌。

だからボクも、
マーガレットだいすき。

そんなマーガレットをみて、
そとのクウキをすって、
ボクはしあわせです。

「ねえ、おとうさん。
ボク、シアワセですよね」

「……うん」

そとのセカイをながめながら、
よのなかをかんじる。

さむかったり、
あつかったり。

それをかんじる。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年04月24日(土曜日)

上場小売業の投下資本利益率平均8%と叔父さんに金を借りて事業をする話

日経新聞の企業面に、見出しあり。
「小売業の経営効率悪化」。  
2月期決算の上場小売業の投下資本利益率の独自調査。

2010年度2月期は8.0%(前期比1.1ポイントマイナス)。
3年連続の低下。
これは8年ぶりの低水準。

投下資本利益率とは、
「分子に営業利益、
分母には運転資金と固定資産の合計額」  

これを入れて計算した指標。

資本を投下して、その資本に対して、
いくら儲けたかを指標化したもの。

叔父さんから1000万円を借りて、
事業を始めるとする。
1年後の儲けが営業利益。
その営業利益の額を、
投下資本で割り算したもの。
儲けが30万円なら、3%。
100万円なら、10%。

だから上場小売業平均は、
1年の儲けが80万円だったということ。

これでは胸が張れない。

さて叔父さんに報告する時、
いくらくらいなら胸を張れるか。
少なくとも100万円は超えたい。

そして毎年、この儲けが少しずつでも、
増えていることを報告したい。

さてこの数値、業態別にみて最も低かったのは、
百貨店で2.8%、これは前年比2.4ポイント低下。
過去10年で最低の数値。

長期国債の利回り1.3%に近づいていて、
「百貨店事業を行うのも、国債を買うのも大差がない」と、
日経は報じている。

総合小売2強も苦戦。
セブン&アイ・ホールディングスは9.4%で、
1.5ポイントマイナス。
イオンは6.2%だが、これはほぼ横ばい。

一方、専門店とコンビニは13.4と、
業態別で最も高い数字。  

ランキング上位企は、
ポイント 50.4%(前期比9.2マイナス)
あさひ 35.9%(6.1プラス)
エービーシーマート 30.8%(1.9マイナス)
ニトリ 28.8%(7.1プラス)
ローソン 26.2%(1.2プラス)  

このあたりの企業は叔父さんも喜んで、
「もっと貸そう」と言ってくれるに違いない。

企業規模が大きいことが、
企業価値が高いことと、
イコールであった時代は終わった。

上場企業が必ずしも、
企業価値が高いわけでもない。

総資本経常利益率(ROA)や投下資本利益率で、
会社を見ることは重要な尺度である。

小売業の小売店には、戦前から、ずっと、
人が育たなかった。
百貨店を除いて。

それは、こういった収益性が低かったからだ。

小売店は、店員を雇っても、
若いうちは安い賃金でこき使い、
年齢が高くなると、一握りの番頭だけ残して、
あとは辞めさせた。  

しかし労働力は若い店員の高回転で補った。
だから会社や店は存続したが、
人は育たなかった。

低年齢企業、すぐに店員が辞める企業。
それが小売業だった。

現在も、人がすぐに辞める企業には、
未来はない。

しかし、投下資本回収率や投下資本利益率が高く、
その利益を「サービス残業撲滅」や一定以上の待遇、
そして教育・訓練、職場環境の整備に充て、
なおかつトップが裏表のない言行一致であれば、
小売業は成長産業となれる。

戦後スタートした新興小売業は、
みな、長期的なビジョンと人材育成計画を立て、
それが成長の原動力となった。

今月の商人舎標語は、
「知恵・力」合わせて動け!  

それが本当に実行されると、
投下資本利益率は向上し、
人材も育ってくる。

このことは小売業に限らない。
サービス業も製造業も、
規模ではない。

一定以上の投下資本利益率をあげること。
叔父さんに喜んでもらえること。

さて最後に、日経のコラム「人こと」。
マツモトキヨシホールディングスの松本南海雄会長のコメント。  
松本さんも商人舎発足の会の発起人。

家電量販店の大衆薬販売について語る。
「家電量販店が安く薬を売っても、
わざわざ電車で会に行く人はいないだろう」  

病気や怪我など必要性があって購入される大衆薬は、
値引きでは集客しにくいとの指摘。

優れた経営者は、常に業態の差異を考え、
それを言葉に表現する。

自分の業界、自分の企業のスポークスマン。
「雄弁は金」を示した。

投下資本利益率など明確な数字を示しつつのスポークスは、
「鬼に金棒」となる。

ものごとを見つめ、
ものごとを考えつつ、
週末へ。

今日は立教大学池袋キャンパス。
大学院のF&Bマーケティングの講義も、
結城ゼミも、充実していた。
ご清聴とご協力を感謝したい。

院生たちは、よく学び、よく考え、
自分のエンジンを回していた。

皆さんも、良いウィークエンドを。

「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  

<結城義晴>  

 

2010年04月23日(金曜日)

日本チェーンストア協会2009年度売上高4.4%減・ダイエー1兆円割れと「不況は商人を鍛える」

気象庁が発表した5・6・7月の天気予報。  
5月は北海道・東北を除いて「ほぼ平年並み」というから、一安心。

しかし、北日本は5月も例年より寒い。
冷夏を迎える可能性もある。
気象庁は「農作物の管理に注意」を喚起している。

梅雨は、沖縄・奄美地方が6月から、
西日本と東日本は、7月から。

先月から寒暖の差が大きい。

寒気と暖気が日本列島のうえでぶつかっている。
だから雨が降り、日照が少なくなる。

昨日から、ゴールデンウィークまで、
全国的に気温が低くなってくる。

昔から、漁師や猟師、農民の中に、
天候の変化を読み取ることに長けた人がいた。

今年は商人も、
天候の読みに長けた人が活躍するに違いない。

空模様や気温の変化を読み取る能力、
自然・天然の変化を感じ取る感性が、
小売業・サービス業に従事する人に必要な能力となる。  

さて、日本チェーンストア協会の加盟企業の実績発表。
二つある。
第一は昨2009年度の1年間の実績。
既存店ベースで、前年度比4.4%マイナスだった。  

これは13年連続ダウン。

年商12兆6959億円で、
売上高13兆円割れは1988年度以来というから、
バブル崩壊前までさかのぼる21年ぶりのこと。

商品別に見ると、予想通り衣料品が9.5%マイナス。
住居関連商品も4.5%マイナス。
食料品まで、3.4%マイナスで、
これも3年ぶりに減少。

第二の発表は、3月の実績。
既存店ベース売上高は前年同月比6.6%マイナス。
16カ月連続ダウン。

小笠原荘一日本チェーンストア協会常務理事の発言。
「消費者の生活防衛意識は強く、厳しい状況が続く」

同協会は主に総合スーパーを中心としている。
この業態そのものの盛衰が、この数字に表れている。
商業統計を時系列にたどると、

平成3年 7,033,787(百万円)
平成6年 8,069,330
平成9年  8,986,997
平成11年 8,264,234
平成14年 8,061,796
平成16年 7,949,605
平成19年 6,959,181
総合スーパーはすでに、平成9年(1997年)にピークを迎えていた。

それが根本の問題だと思う。

その象徴として、ダイエーが苦境にある。
2009年度の年商はとうとう1兆円を切った。
昭和54年に「1兆吉兆」と日本初の一兆円を超えたあの時から、
30年超。

私も、西宮のフォルクスで一兆円達成の瞬間を同時体験したが、
感慨深いものがある。

「中内功さんが生きていたら、泣くね」
飯能の流通仙人・杉山昭次郎先生が、
いま、後ろの席でつぶやいた。

ダイエーの2009年度連結決算は、
売上高が9768億円で前期比6%マイナス。
営業損益は11億円の赤字、
経常損益も47億円の赤字。
最終損益は、なんと118億円の赤字。
これは不採算店の減損損失による。

既存店の売上高は5%のマイナス。
粗利益率も0.4%ダウン。

桑原道夫次期社長は前丸紅副社長だが、
そのもとで「将来ビジョンを考えるタスクフォース」が発足したというが、
総合スーパーからの完全脱皮が最大の課題となる。

ただし、総合スーパの投資は巨大なものがあって、
そうそう簡単に転換できない。

それが最大の悩みの種となっている。

倉本長治の言葉。
「不況は商人をきたえる」

「売れないことを不況のせいにするのは、
よく売れる時代を自分の成果にする権利を放棄したことになる」  

「不況期にこそ、消費者に得をさせ、
この店こそ私たちの店と信じられるようにする好機である」

「悩まなければ人間の魂は成長しない。
不況に遭わない店には、永遠に大成はない」
「艱難が人を磨くように、不況は商人をきたえる」
(倉本長治『商業界20年』より)

こちらは『新約聖書・ローマ人への手紙5章』
「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」  

[注]「練達」とは練られた品性のこと。  

「この希望は失望に変わることはない」
私は、ここ大が好きだ。

ダイエーにもお恵みがありますように。

<結城義晴>  

2010年04月22日(木曜日)

野菜規格外品販売と百貨店・コンビニの3月実績の「雄弁は金」

今日も全国的に雨。

野菜の値段は高止まり。

ゴールデンウィーク明けまでは、
この状態が続くという予想がある。

一般顧客は、困っている。
外食産業も、深刻になってきた。

小売業は、その分、いい商売だ。

今、書店に並んでいる私の本。
『小売業界大研究』  
「小売業は、いい仕事」
「小売業は、素晴らしいビジネス」
こんなことを根本の主張にするだけでなく、
できる限り、各章に散りばめた。

小売業に若い人が入ってきてほしいし、
小売業に入ってきた若い人を励ましたかったから。

さて、その小売り各社。
規格外野菜を積極的に売り始めた。  

農林水産省の緊急調査。  
4月12日~4月16日の主要野菜の小売価格。
都道府県別に10店舗の総合スーパー、スーパーマーケット、
都合470店舗において、7品目の定番店頭価格を調べた。
だから、特売品、規格外品は除かれている。
1キロ換算の価格。
キャベツ232円(平年比20%高)、
ネギ737円(21%高)、
レタス569円(44%高)、
キュウリ519円(17%高)、
ナス649円(22%高)、
トマト725円(15%高)、
馬鈴薯348円(20%高)。  

平均2割は高い。
レタスなど4割以上の高騰。

だから規格外を積極的に集荷し、
販売合戦が繰り広げられる。

しかし、テレビや一般紙には、
イオンやセブン&アイばかり取り上げられる。

今朝のテレビでも、赤松農林水産大臣が、
イオンのジャスコ品川シーサイド店を訪問している映像を流した。
岡田元也社長もしっかりと映っていた。

かつてこんな報道のときは、
決まってダイエー碑文谷店だった。

一番であること、
そして国会やテレビ局から近いこと。

その条件を満たしている総合スーパーが、
現在は、品川のジャスコということになる。

しかし、イオンやセブン&アイばかりが、
野菜の低価格販売をしているのではない。

全国のスーパーマーケットや生協でも、
地域ごとの協力態勢で、「規格外」を提供している。

それが、もっと注目されてよい。
それをもっともっと発信すべきだ。

各団体・各協会の仕事だと思う。

さらに日常的に、規格外ではあっても、
鮮度・品質に問題のない野菜の流通は、
考えられてしかるべきだろう。

さて、百貨店とコンビニの3月実績。  

日本百貨店協会の発表では、
86社・268店舗の売上総額は前年同月比3.5%減。  

約5436億円。25カ月連続マイナス。

「店頭には活気が出てきた」という評価がある。
だから伸びた分野もある。
商品券が前年同月比で11.4%プラス。
家庭用品は3.2%プラス、
家電は3.5%プラス。

逆にずっと伸びていた「サービス」がマイナス10.5%。
衣料品はマイナス5.0%で、食品も2.1%のマイナス。

まだまだ本格的な回復には至っていない。

一方、日本フランチャイズチェーン協会の発表。
コンビニエンスストア10社。
既存店ベースの売上高は前年同月比4.9%マイナス。  

これは10カ月連続。

全店売上高は前年同月比2.6%マイナス。
9カ月連続。
総売上高は6453億5000万円。
店舗数は4万2815店と1.9%増えたが、
客数は0.4%プラス。

日本のコンビニ10社に来店する1カ月の顧客は、
11億2555万人。

凄いことです。

商品構成別の売上げで伸びているのはなぜか、
非食品で1.2%のプラス。

百貨店でもコンビニでも、
伸びる商品カテゴリーが、
少しずつ変わってきている。  

小さな変化が大きな変貌の予兆となる。

そんな予感がする。

この後、日本チェーンストア協会の3月実績が発表されるが、
来月からは、日本の食品スーパーマーケットの3協会合同で、
その月次実績数値が集計され、発表される。

大いに期待したいものだ。

野菜高騰に対応する小売業のニュース。
月間の実績数値。

1社2社で実施されることよりも、
全体で実行されることのほうが、
社会的な影響は大きい。

その全体でのアクションをまとめて、
世論に訴える。

それが「産業」としての地位を向上させることになる。

ヘンリー・ミンツバーグの『マネジャーの仕事』という本の中に、
マネジャーの役割が10、出てくる。

そのひとつが、
「スポークスマンとしてのマネジャー」。  
ミンツバーグは、マネジャーの中に、
社長やトップマネジメントを含めて論じているが、
自社のスポークスマンであると同時に、
業界のスポークスマンであり、産業全体のスポークスマンである人。

そんな人々がどんどん登場してもらいたいものだと思う。

コーネル大学ジャパンの卒業生は、
そんなトップマネジメントになってほしいものだ。

「沈黙は金、雄弁は銀」などといわれたが、
現代の知識商人は「雄弁は金」でなければならない。  

協会も団体も、
その長もその事務方も、
「雄弁は金」の時代が来たことを、
強く自覚しなければならない。

<結城義晴>  

2010年04月21日(水曜日)

イオン岡田元也社長「PBなくしては立ち行かなくなる」発言の真意

サクラの季節が過ぎ、
ツツジのシーズンに入った。
しかし、今、この花もいい。

菜の花。 

多摩川の菜の花。

菜の花畑に入日薄れ
見渡す山の端霞深し

「朧月夜」

いい季節です。

私は、とても、充実しています。
原稿やレジュメ、テキストづくりに、
毎日毎日、追われてはいても、
朝一番でブログを書いて、
それからその日の仕事に勤しむ。

仕事は私を待っている。
仕事は私をせきたてる。
そして仕事は向こうからやってくる。  

そして、
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。  

まだまだ勉強しなければならないこと、
調べねばならないこと、
整理しなければならないこと、
行かねばならないところ、
見なければならないものなどが、
列をなしている。
山積している。

それは、気持ちが外に向かって、
解放されているからだ。

皆さんも、どうぞ。
自分の気持ちを解放する。
外に向かって。

しかしそのためには、
内なる問題を解決しておかねばならない。

外に向かって、解放する。
内なる問題を、解決する。  

両立させなければならないわけですね。

それが実はストレスをためないことになる。

「内憂外患」の正反対の環境をつくる。  
自ら意志をもって。

これは地位の高い人や偉い人に限ったことではない。
みんな、それなりに、「内憂外患」の種をもっている。

それを、内なる問題を解決して、
自分を外に向かって解放する。

それが「幸せ」というものです。

さて、今日の日経MJのコラム。
「消費見所カン所」  
イオンの岡田元也社長がコメントしている。

イオンの決算会見で、岡田さんは、
プライベートブランドの推移グラフを示した。

2009年度のPB売上高は4400億円。  
これまでの経緯は、以下。
2003年度 1,632億円 前年比124.70%
2004年度 2,037億円 124.80%
2005年度 2,040億円 100.10%
2006年度 2,201億円 107.90%
2007年度 2,647億円 120.30%
2008年度 3,687億円 139.30%  

それが4400億円に、前年比119.34%。  

岡田さんは、言う。
「ナショナルブランドの攻勢が始まる」  

まあ、当たり前。

記事には、
「メーカーの技術革新などでNBの品質が高まり、
価格も小売業のPBに近づいてきた」とある。  

これは、明らかに、
コモディティ化現象の発生を示している。  

品質が安定し、向上しているのに、
価格が下がる。

そうなると、商品の同質化が進み、
コモディティ・アイテムが増える。

だからイオンは、
「本物のPBをつくらねばいけない」となる。  

本物のPBは、大きく4つに分類できる。
これは私の分類。

(1)[エコノミー・ブランド]  
トレードオフによって、
ナショナルブランドに比較して低価格を狙う。
イオンでは「トップバリュ」  
     
(2)[クオリティ・ブランド]  
品質の向上を狙う。
イオンには「トップバリュセレクト」がある。

(3)[ライフスタイル・ブランド]   
新しいライフスタイルを提案するもので、
これは多様化する。
イオンには、数種類あって、今後も増えていく。
「トップバリュレディミール」
「トップバリュ共環宣言」
「トップバリュグリーンアイ」
「トップバリュヘルシーアイ」

(4)[コンペティティブ・ブランド]  
「ファイター・ブランド」とも呼ばれる。
すべてのブランドに対して競争的低価格を狙う。
イオンの場合、「ベストプライスbyTOPVALU」

岡田さんの言う「本物のPB」とは、
このラインアップのそれぞれを充実させることだ。

このコラムで最後に語っている。
「NBを安売りする消耗戦を避けるには、
PBが切り札となる」  

これもNBのほとんどがコモディティ化してくると、
そのNBの「安売り大会」や「消耗戦」となることを示している。

コモディティ化した品種分野では、
①ブランド価値は下がる。
②代替品でもよくなる。
③価格にこそ価値が生まれる。

そこにエコノミー・ブランドが入り込み、
さらに消耗戦が進むと、
ファイター・ブランドが投入される。

イオンの「ベストプライスbyTOPVALU」に対して、
セブン&アイ・ホールディングスには「ザ・プライス」ブランドがある。

もちろん、クオリティ・ブランドもライフスタイル・ブランドも、
「本物のPB」のラインナップの中で、
重要な役目を果たす。

だから岡田さんは言う。
「PBがなければビジネスが立ち行かなくなる」  

これはあくまで、イオンのポリシー。
だから他者がイオンのポリシーを云々する意味はない。

「わが社にはPBは必要ない」という会社や経営者がいても、
もちろんよろしい。

しかし、規模における日本の双璧のイオンのトップが、
PB無しには「立ち行かなくなる」と発言している。

これは、重い。

アメリカやヨーロッパを見ていると、
この岡田さんの実感はよく理解できる。

だがここは日本。

日本のメーカーや産地、卸売業が、
PBの問題をいかに整理し、
自らのポリシーとするか。

「内憂外患」と捉えるか。

「内なる問題を解決し、
外に向かって解放する」  

それができるか。

ポリシーは長期にわたって変えてはならない。

すなわち長期的な展望のもとに組み立てられる。

岡田元也は、信念をもってPBに取り組み、
信念のもとにPB問題に対して発言している。

他者にも、やはり、
「信念」は不可欠である。

正念場に辿り着きつつあることは、
確かなようだ。

<結城義晴>  

[追伸]
二宮護氏の「物流業界の基礎知識」ブログ
アップされています。
今週は「物流の機能」についてを考察。
ぜひ、読んでください。

さらに、杉山先生の「流通仙人日記」にも、
today!と新着ブログがあります。
人気連載も40回を超え、いよいよ佳境。
SMの競争力強化の視点 vol.41

「商人舎 商品探偵団」ブログにも、
書き込みが入ってきています。
これからも面白い商品が続々と登場します。
新しい発見があるかもしれません。
乞うご期待!

2010年04月20日(火曜日)

草刈民代全裸写真の朝日新聞広告とtargeting・positioning

今朝の朝日新聞。
全面ぶち抜き広告。

草刈民代さんの全身ヌード写真。  
「幻冬舎が、またやった」といった感じ。
いや「幻冬舎にまた、してやられた」か。

一般には「Shall we ダンス?」で有名なバレリーナ。
昨年引退した44歳。
明日発売の写真集「バレリーヌ」(幻冬舎刊)の広告。

完璧な肉体。  
崇高な精神が、
宿っているように見えるから、
不思議。

崇高な精神が、
宿っている場合も多いから、
これまた不思議。

逆に崇高な精神が、
完璧な肉体をつくるのに役だつのかもしれない。

今日の朝日新聞は
新聞を読まない人にも、
永久保存版。

さて戸外では、
ソメイヨシノが終わったら、
サトザクラ。

そして、もう、ツツジが、
花を開かせつつある。

ゴールデンウィークは、
まさにツツジの季節といってよい。

5月1日のメーデーには、
ツツジが付き物で、
私には、なぜか、
赤旗や労働者の群れよりも、
ツツジのピンクやレッドが記憶に残っている。

その黄金週間への準備期間が今週。
盆と正月以外の最大の行楽期間だから、
顧客は楽しむ。

消費が成熟化すると、
個性化、多様化が進む。
専門化と高度化も進む。  

それが現下の現象の根本要因だと思う。

戦後日本の人口動態の中で、
団塊の世代は、
消費や経済に決定的な影響を与えてきた。

団塊の世代の検体数が多いから、
成熟化現象が現れる確率も高かった。

さらに彼らは高度成長やバブル消費を経験した。
それが彼らにいっそうの成熟化をもたらした。

彼らは、成熟化の果実を享受することによって、
個性化を果たした。
多数が個性化することを、
多様化という。
それも果たした。

一方、個性化は専門化を生みだす。
専門化は高度化に進む。

かくて団塊の世代の消費成熟化が、
個性化と多様化を広げ、
専門化と高度化を進めた。

団塊の世代の子供たちを、
ベビーブーマーという。

団塊の世代の消費を見て育ったベビーブーマーたちは、
同じように個性化、多様化し、
専門化、高度化した。

そのベビーブーマーの子供たち、
すなわち団塊の孫の世代も、
これらの影響を強く受けて、
個性化、多様化し、
専門化、高度化した。

しかしベビーブーマーは、
「ハンバーガー世代」などと呼ばれもした。

すなわち画一化である。  

成熟化の検体数が多ければ多いほど、
画一化は際立つことになる。
したがって画一化に絞ってマーケティングすることも、
有効な手段となる。

かくて、成熟化と画一化が同居する渾然一体の現象が現れる。

ここでマーケティングの出番となる。

第一は、セグメンテーション。  
消費者を選別する。
画一化する顧客。
個性化する顧客。
多様化する顧客。
専門化する顧客。
高度化する顧客。

個性化し、専門化し、高度化しつつ、
画一化する顧客。

それらを分析し、区分けする。

第二は、ターゲティング。  
ビジネスを展開するサイドが、
自らの顧客の特性を明らかにすること。
自らの顧客像を鮮明にすること。
画一化した顧客か。
個性化した顧客ならばどのように個性化した顧客か。
どのように専門化し、どのように高度化した顧客か。
あるいはどのように成熟化しつつ、
どのように画一化した顧客か。

これをライフスタイルの差異という。
TPOSとも表現する。

Time(時) Place(ところ) Occasion(理由) Style(ライフスタイル)。
それぞれの違いによって、
マーケティングが異なってくる。

そして第三に、ポジショニング。  
ターゲット・カスタマーに対して、
自分の存在と自分の提案を明らかにすること。
そしてマーケットの中で、競争環境の中で、
自己の存在と提案を際立たせること。

ほんとうに不思議なことに、
際立つポジショニングによって、
他の志向をもつ顧客にも、
そのポジショニングが支持されてくる。  

政策やマニフェストが際立つものを有していれば、
例えば民主党支持者も、自民党支持者も、
みんなの党に票を投じる。

「中核部分」の求心力が際立つ強烈さをもてば、
「周辺部分」や「外周部分」が形成される。  

これを小売業では繁盛店という。
繁盛店は客層の広さを特徴とする。

繁盛店の中核部分を尖鋭的に絞りこんで、
多数化、多店化していくことを、
チェーンストア化と呼ぶ。

チェーンストアは、
ターゲティングとポジショニングのたまものなのである。

一方、単独店は、
「地域性」という中核部分を築き上げる。
この局地的ターゲティングとポジショニングによって、
十二分にサバイバルが可能となる。

ポジショニングの際立った差異性。
中核部分の強い求心性。
それがターゲティングを実現させ、
客層を広げていく。

これは完璧な肉体と崇高な精神の関係に、
似ていなくもない。

草刈民代の新聞広告を眺めながら、
結城義晴の白日夢は限りない。

<結城義晴>  

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