結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月08日(火曜日)

ヤオコー川野幸夫会長対談「私の経営は情9割・理1割」

イオンが、この10日(木曜日)から14日(日曜日)まで、
「ボーナスセール」を展開する。  

全国の総合スーパー・ジャスコ、
スーパーマーケット・マックスバリュ、
そしてイオンモールのテナント専門店2万2500店。
「ボーナス減少割合と同じ」1~2割引きセール。
「減額ボーナス応援セール」の趣旨。

日経新聞の今年の「ボーナス使い道調査」。
支給予想額が前年減と答えた人が45%。
使い道の第一は「貯金」35%、
第二は「月々の赤字補填」22%、
第三は「ローン返済」20%。

イオンのセールは、この傾向への対策。

「ボーナスもらって今夜はご馳走」
こんな特売コピーよりも、
よほどリアリティがある。

一方、セブン&アイ・ホールディングスは、
今日、「セブンネットショッピング」を立ち上げる。  
社長は、鈴木敏文会長子息の鈴木康弘氏。

こちらはすでに展開しているセブン&ワイの書籍インターネット販売に、
食品から玩具・文具・化粧品まで500万品目。
もちろんプライベートブランドのセブン・プレミアムも扱う。

本腰を入れて、ネットショッピングに取り組む姿勢。
2010年から10年、20年先への対策。

ちょっと古い言い回しとなったが、
私は「クリック&モルタル」こそ、
最強のネット販売だと考えている。  

すなわち有店舗と無店舗の組み合わせ。

ただしリアル店舗で品質を確認してから、
無店舗で買うのではない。

リアル店舗のロイヤルティが、
ネット販売の信用となるから、
「クリック&モルタル」こそ、
顧客の信頼を勝ち取ると考えるものだ。

これも日経の記事。
ネット通販は好調。
前年比1~2割の伸び。

先週の「ボーナスサンデー」の12月6日、
楽天市場の売上高は30億円を超えた。  

ネット通販は2008年度売上高推定額は8兆円を超えた。
これは日本全体の百貨店やコンビニエンスストアを上回る金額。

「セブンネットショッピング」の立ち上げは、
このトレンドをとらえたもの。

しかし大手小売コングロマリットといわれる企業グループ、
やはり態勢が決まってから動く。

すなわち、遅い。

セブン&ワイは遅くはなかったが、
楽天と比べると、遅い。

イオンにしてもセブン&アイにしても、
「大企業病」の臭いがしないでもない。  

さて昨日は、朝から埼玉県川越市。
ヤオコー本部を訪問。
川野幸夫さんにインタビュー。  
ヤオコー会長にして日本スーパーマーケット協会会長。
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商人舎と商人ねっとの共同企画CDオーディオセミナーの収録。
タイトルは「知識商人登場!」
川野さんは、まさに知識商人。
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最初は、日本スーパーマーケット協会会長としてのビジョン。
小売業、商業の地位は、
その社会的な機能や貢献度に比べて、
不当に低い。

正当な評価をいただいて、
その上で、多くの人材に商業の世界に入ってきてほしい。
協会会長としての川野さんの仕事は、
この一点に絞られている。

私も、川野さんの持論には100%賛成。
だから気持ちよくインタビューをすることができた。
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スーパーマーケットとしての戦略に関しても、
私の考えはなぜか、川野さんと一致している。

川野さんは言う。
「まず理念が大切です」  
「お陰様」の気持ちで仕事すること。
「お陰様」が理念そのものとなる。 

次に「商売のコンセプト」。  
「何屋になるか」
「何屋なのか」  

それがライフスタイルアソートメントストアという概念になった。

このライフスタイルアソートメントに関して、
商品やサービスを、
コモディティとノンコモディティに分類して考える。
これも私は同感。

同感、同感ばかりで、
2時間はあっという間に過ぎて行った。
3
是非、CDオーディオセミナー、
聞いてください。

発売は、来年1月15日。
予約受付中。

最後に川野さんの言った言葉。
「私の経営は情9割、理1割」  

「しかしこれからは情の比率が下がり、
理の割合が上がってこなければならない。
しかし情が半分以下になることはない。  
スーパーマーケットや小売業はそういう仕事です」

そして、「ブルーオーシャン」の絵。
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その前で写真。
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川野さんは「ブルーオーシャン戦略」を最初に口にした経営者。
そしてその実践に努めてきた。
ヤオコーという20期連続増収増益の企業と店と人が、
それを如実に示している。

「まだまだです」
川野さんは言う。

この志の高さが、ヤオコーを支えている。
そしてこの志は、日本スーパーマーケット協会全体に、
波及されることとなる。

心から感謝。

<結城義晴>  

2009年12月07日(月曜日)

米国GEの次世代のリーダー教育投資と「ビッグ・シンカー」

Everybody! Good Monday!  

暖かかったり、寒かったり。
毎日、日替わり陽気の2009年12月。
第2週の始まりです。

今年の年末商戦。
厳しくて、遅い。  

ウォルマート副社長ジョン・フレミングの予測。

しかし全体のトレンドがそうであっても、
逆をいく戦略がある。

ユニクロの60周年感謝セールなどその典型。
世間が「厳しくて、遅い」ならば、
我々は、早くこじ開けようとの企画が、
極めてインパクトの強い独自性を生みだした。

今週、来週と現下の情勢は、
ボーナス支給期間。  

サラリーマン家庭では、ちょっと懐が暖かくなる。
しかし、将来への不安がある。
だから財布のひもは固い。
ぎりぎりまで支出を抑えて暮らしてゆく。
それが一般的な消費者心理。

そのちょっとを的確にとらえ、
顧客を喜ばして、商売に結び付ける。
そんな考え方はある。

一方、ちょっと豊かにはなるものの、
出費はますます抑えたいと考える家庭もある。
そんな人たちには、
「節約、倹約。もったいない」  
これを徹底して提案する。

今週・来週は、その意味で、狭間期間に入る。
心してかかりたい。

自分の店の主張を、はっきりと行動に表したい。
狭間期間の営業活動の鉄則だ。

さて今日の日本経済新聞。
米国ゼネラルエレクトリック社の幹部教育の記事。
「学び続ける最強企業」のタイトル。  

「金融危機の荒波に揺れる最良企業は、コスト削減に躍起だが、
残された聖域が一つある」

それは「次世代のリーダーを育てる教育投資」

GEは1956年に世界で最初に企業内大学を創設した。
「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」という。
通称「クロントンビル」。 
それが発展し、現在も続いている。

GEの年間人材教育予算は10億ドル(90円換算で900億円)。
この教育予算だけは、どんなときにも削減されることはない。

コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンも、
まったくこのGEの考え方と一緒だ。

日経はスーザン・ピーターズさんにインタビューしている。
GEの教育担当副社長。
「外部の声を聞き、
そこから学ぶ姿勢が、
リーダーの重要な資質になる」  

「経営陣は幹部教育を、
時間とカネをかけるに値する投資と考えている。
教育の予算を正当化したり、
投資対効果を考えるより、
教育の中身を考える」  

「GEマンの多くは15~20年ほど第一線で働き、
その間に絶えず教育を受け続ける。
次世代の幹部は2~3年ごとに集中教育を受ける」
幹部教育、次世代のリーダー教育こそ、
重要だとGEは考えている。

求められる人事像を聞かれてピーターズさん。
「ビッグ・シンカー」と答えた。
“Big thinker”  
すなわち「大きな視野を持つ人」。
「大きな考え方の人」。

そのために「若手社員が中堅・ベテランの指導役になる」
こんな教育システムなども考慮中。
「リバース・メンタリング」という。  

GEの教育は今月の商人舎標語に通ずる。
「厳しさに学ぶ」  

今週も喜んで学ぼう。
この厳しさに。

Everybody! Good Monday!  

2009年12月06日(日曜日)

ジジのサイレント[日曜版]

うしろむきだけど、
ボクの名は、ジジ。
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今朝は、サイレント。
「ジジのパントマイム」

どうぞ。

まず、左手で。
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いかが?

つづいて、右手で。

サイレントなのに、
声が出ちゃいそう。

もう、いい?
おとうさん。

ああ、きもちよかった。
きれいになった。

どうです?
今朝のボク。

ありがとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2009年12月05日(土曜日)

スーパーマーケットNISHIYAMA[後編]「圧巻の寿司売場」と惣菜アイテム

11月の新車販売ランキング。  
日本自動車販売協会連合会の普通車と、
全国軽自動車協会連合会の軽自動車の統計を合わせたもの。

トヨタ自動車の「プリウス」が6カ月連続で第1位。
第2位は、ホンダのフィット。
第3位は、スズキのワゴンR 
第4位、ダイハツのムーヴ。
第5位、トヨタのヴィッツ。  

今や日本の車の代名詞のようなハイブリッド車。
エコカー減税と新車購入補助金、
つまり政府支援策が効果を発揮した。
その上、燃費性能が高く、環境対応。

11月の総販売台数に占めるハイブリッド車比率は、
全体の約1割に達する。
前年同月に比べ7ポイント増の9.7%。

ハイブリッド車比率は今年4月から急上昇。
それまではホンダのフィットが首位だったが、
9月までの半期平均で全体の8.9%。
それが11月は10%に近づいた。

トヨタは12月7日に、
新型ハイブリッド車「SAI(サイ)」を発売。
発表後1カ月で受注台数1万4000台。
これは月間販売目標の約4.7倍。

政府の支援策があったとはいえ、
異常なブームをつくりだした。

日本人は、金がないのではない。
使い道がないのだ。  

もっと丁寧に言えば、
金を使わねばならない世代に金がなく、
金を使わなくてよい世代に金がある。
全体でならしてみると、金がないわけではない。

だから金がある人から金を引き出し、
経済を循環させ、
それが活性化するとやがて金のない世代に、
金が回るようになる。

小売業やサービス業は、
その役目の一端を担っている。

さて、スーパーマーケットNISHIYAMAスタディの後編。  
寿司・惣菜・自家製ケーキなど。
すぐ食べられる商品がすごい。
すぐ食べられるものの出来が良いから、
顧客の反応が早い。
反応が早いから、
現場に結果がすぐにわかる。
すなわちやりがいがでる。

寿司売場は、間違いなく日本有数。
「日本一」と言いたいところだが、
私が日本中の店を見ているわけではないので、
「日本有数」と言っておこう。

売場中央に、デンと構えるのが、
三田店名物俊ちゃん亭の煮魚・焼き魚コーナー。  
もちろん自家製。
担当者「俊ちゃん」のはっぴ姿と笑顔がいい。
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大皿に旬の魚の焼き物、煮物が、
10種類以上おいしそうに並ぶ。
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新潟産つばすの煮付け150円、同じくごまさば150円、
秋刀魚の塩焼き130円と驚くほど安い。
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北海道産の日高浜炊き昆布は198円。
これが絶品。
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売り込み商品には、これでもかと、
ショーカードを付けて、お客にアピール。
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この鮮度とこのボリュームで低価格を実現しているのは、
北海道の指定工場で製造させている自社開発商品だからだ。
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自慢の寿司コーナー「心鮮感」。
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この日は「細巻バイキング」をテーマに
様々な細巻寿司を1本100円均一で販売。
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あおりいか、ツナ、あなごなど、
旬の具材を巻いた巻き寿司が並ぶ。
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オリジナルの寿司メニューが並ぶ圧巻の寿司売場。
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握りとちらしの特選寿司は1000円。
かにのボリューム感がすごい。
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本日のお勧め「香住かにづくし」ちらしは1パック850円。
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寿司コーナーはそのボリューム、メニューの豊富さで圧巻。
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太巻き500円、中巻380円。500円で大満足のPOPで訴求。
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NISHIYAMAは、サンドイッチ寿司などのオリジナル商品開発に優れている。
全国のスーパーマーケットが実習を受けにくるくらいだ。
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気節限定の「秋祭寿司」。
商品も売場でも季節訴求が本当に上手い。
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とろっとろ煮豚弁当580円。
これは精肉売り場の「とろとろ煮豚」を、弁当に転用した商品。
大人気。
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揚げ物コーナー。
「最高級の油を使っているから胸やけしません」と、
顧客に訴える。
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こだわりの逸品には、その理由を表示して販売。
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こだわりの逸品のケーキ菓子を通路の特設コーナーで販売。
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京都菓子職人がつくったアップルケーキ150円、
チョコパイサンド120円、フルーツ姫タルトはホールで598円。
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本当に安い。

150円なら思わず手にとりたくなる。
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この味で、150円。
そしてこの量。
だから利益がでる。

NISHIYAMAの「こだわりの逸品」は300アイテムある。
すべて自社開発商品だ。

自社開発するから、「よいものをどんどん安く」が実現できる。

良い品をどんどん安く」   
<『メッセージ』より>   

「良い品をどんどん安く」
この言葉のもつ本来の強靭さは、
生態系のごとく循環の構造を有するところにある。

良い品を売る。適切な品質を提供する。
すると、顧客は喜ぶ。
そんな顧客が増えると、品はどんどん売れる。

どんどん売れてゆけば、一品一品が安くなる。
売れれば売れるほど安くなる。
「利は売りにあり」で利益が生じる。

利益が、次の良い品をつくることに貢献する。
この新しい「良い品」によって顧客はもっと喜ぶ。
そしてますます、どんどん売れる。

ますますどんどん売れれば、さらに一品一品は安くなる。
安くなるから、いっそう大きな利益が生まれる。
それが、さらにさらに良い品をつくることに機能する。

こうして「良い品」のレベルは飛躍し、
「どんどん」の量は爆発し、
「安く」の水準は国際級になってゆく。

真理は、常に循環しつつ、構成要素そのものを高めていく。
真理は、この体系にこそ宿っている。
真理とは、自ら進化する構造を内包するものなのだ。

だから「良い品をどんどん安く」の一挙実現を図ると、失敗する。
三つの要素をいっぺんに果たそうとすると、挫折する。
仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。

トヨタのプリウスもNISHIYAMAも、
「よいものをどんどん安く」の好循環に入っている。

<結城義晴>  

2009年12月04日(金曜日)

日本のトレーダージョーズ「NISHIYAMA」流サムシング・ベターの秘密[前編]

日本列島、昨日と打って変って、
今日はポカポカ陽気。
毎日毎日、変化を楽しむことができる。
しかし地球は温暖化が進む。  
ロシアの冬も超のつく暖冬。
なんとモスクワで気温8度という。

そんな暖冬の東京証券市場、
日経平均株価が1万円の大台を、
一瞬のことだが超えて、一安心。

それでもドバイショックのようなことが起こる。
すると地球規模で、一瞬の閃光とともに、
パニックが起こる。

ゆめゆめ油断がならない。

世界最大の労働組合のナショナルセンター「連合」が、
中央委員会を開催。
「5年ぶりに賃上げ改善要求を見送る」  
これを正式決定。

連合幹部は、何ともやるせないだろうが、
「賃上げ水準の維持と雇用の維持を最優先」する方針。

古賀伸明会長は、賃上げに関しては、
「参加の業界別労組や個別組合に判断を任せる」とコメント。

しかしこれによって、従業員・労働者に対して、
不当に低い賞与やサービス残業が、
幅を利かすようなことがあってはならない。

モティベーションを上げるだけ上げておいて、
その上で働かせるだけ働かせておいて、
その見返りを払わない。
正当な権利をも侵害する。
そうしておいて企業の存続を果たすだけ。
こんな経営者には、経営者の資格がない。

連合の意思決定が、
こういった風潮を蔓延させないことを望むものだ。

さて、今日と明日は2回にわたって、
スーパーマーケットNISHIYAMAの売場と商品紹介。  
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先月6日に三田店を訪れた。
そのときにはダイジェストでお伝えしたが、
読者のためには、詳細を紹介した方が良いと考えていた。

何しろ、Retail is detailなのだから。

NISHIYAMAのsomething betterをご披露しよう。
前編は、生鮮食品と加工食品。
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「よいものをどんどん安く」  
中内功さんが言ったダイエーのスローガン。

いつでも、どこでも、
「よいものをどんどん安く」を実現できれば、
お客様は喜んでくださる。
「よいものをどんどん安く」提供しつつ、
適性の利益を確保できれば、
店は繁盛し、企業は繁栄する。
従業員も満足する。

その意味で「よいものをどんどん安く」という考え方は、
真理を突いている。

アメリカのトレーダージョーズは、
もうこのブログでもおなじみだが、
商人舎の2009米国チェーンストア・ランキングで55位。
年商72億ドル(1ドル100円換算で7200億円)。これは前年比10.7%プラス。
店数はもう326店で、こちらは11.6%プラス。

アメリカの小売業の好調組を私は「WWTC」と呼んだ。
ウォルマート、ウォルグリーン、トレーダージョーズ、コストコ。

彼らは皆、「よいものをどんどん安く」の企業ばかり。
食品専業は、トレーダージョーズだけ。
この会社とNISHIYAMAは、同じ考え方である。

まず、青果売場から。
カボチャ。
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「落合さんの栗かぼちゃ」
北海道・美深産。100グラム38円。
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これがうまい。
NISHIYAMAは自ら商品開発を積極的に展開している。
しかし残念ながら、素人がいくら努力して開発しても、
「よいものをどんどん安く」は実現できない。
プロの存在抜きには可能とならない。
そのプロフェッショナルとは、
専務取締役の古山勇起さん。

南高梅干898円。
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しかし南高梅つぶれ梅は748円。
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これが飛ぶように売れる。

「やまぶきたまご」は、
黄身に針を刺しても破れない。
強くて濃厚でおいしい卵。
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テレビでも紹介された「サンマみりん干し」。
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みりん干しは通常、生サンマとして出荷された残りでつくられる。
しかしNISHIYAMAでは、脂の乗った一番グレードの高いサンマで、
みりん干しをつくる。
だからとびきりうまくて、安い。

「新物時鮭」
これも開発商品。
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北海道近海で水揚げされた時鮭。
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商品が「よいものをどんどん安く」だから、
プレゼンテーションの力が生きてくる。
売り方や見せ方だけが特徴的でも、
商品がそこそこでは、顧客にすぐに見破られてしまう。
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西山進社長も古山専務も口をそろえて強調する。
「サムシング・ベターは商品そのもの、そして人です」

刺身売り場。
「旬」「鮮度」「地域一番」
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「生紅サケとほたて貝柱」の刺身。
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「いいもん見つけてきました」のPOPが躍る。
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エンドでは、スパゲッティの開発商品。
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フィリッツスパゲティは、
イタリア産のデュラム・セモリナ100%使用で、
500グラム178円。
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「安くてうまい」はまさに本当。
自社発見商品。

調味料にも開発商品は多い。
「なつみかんとだいだいのポン酢醤油」
300グラム398円。
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「石橋ばあちゃんの手造り柚子こしょう」
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これもバスケットに陳列するだけで、
確実の固定客がつく逸品。

ゴンドラエンドの開発商品群。
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カレールー、そうめん、ちゃんこの素。

ワインも自社開発商品。
白ワインはシャルドネ、
赤ワインはカベルネソーヴィニオン&メルロー。
2アイテムだけ。
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フランスから持ってきたワインを詰めかえて、
「TANBAWINE」と命名。
丹波篠山のワインというわけ。
これなどトレーダージョーズのチャールズ・ショーのよう。

今日の最後は精肉売り場。
「不況には低価格タンパク源が売れる」とは林廣美先生の名言。
ご存知、日本最高の惣菜マーチャンダイジングの指導者。
NISHIYAMAのそのひき肉売り場。
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「トリプルミンチ100グラム100円」
これが飛ぶように売れる。
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自家製の「とろとろ煮豚」も特製の製法で、とびきりうまい。
100グラム198円。
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ナショナルブランドメーカーがコピー商品をつくるが、
NISHIYAMAの域には達しない。

日本のトレーダージョーズNISHIYAMA。
自分で開発し、自分でつくる。
巨大メーカーや従来の産地発想で、
見落とされていた商品の見落とされていた部分を、
プロフェッショナルが見つけ出し探し出して、
自社商品として開発する。

業界慣習や業界の常識の裏を行く。
だから「よいものをどんどん安く」になる。

それがNISHIYAMAのサムシング・ベター。(明日に続きます)  

<結城義晴>  

2009年12月03日(木曜日)

店頭では競争を、環境では協調を

昨日の日本全国晴れ模様から一転、
今日は全国的に雨模様。
昨日はポカポカ陽気、
今日は厚手のコートにマフラー。

12月の日本列島、変化に富んで面白い。

アラブ首長国連盟のアムル・ムーサ事務局長。  
カイロで記者会見。
「ドバイ・ショックは一過性のものだと思う」
そのうえで「迅速かつ適切に対処する。警戒は必要だが楽観している」と強調。

ニューヨーク株式市場のダウ工業株平均の終値は、
前日比126ドルの大幅高で、年初来高値を更新。

ドバイの信用不安に対する懸念が後退、投資意欲が高騰。

東京株式市場の日経平均株価も、
米国株上昇を受けて9600円台を回復。

内閣府の報告書「世界経済の潮流」。  
2010年の世界の実質成長率は2%台と成長を予測。
しかし、回復ペースは緩やか。

二つの要素での回復が期待されている。
第一は、中国向けの輸出。
第二は、各国の自動車購入支援策。 

主要国は軒並み、自動車購入支援の対策を導入している。
日本のエコカー減税だけではない。
それが世界で年間年間1000万台の需要を創出する。
これは年間生産台数5300万台の、何と2割にも及ぶ。

しかし、この予測、あくまで20世紀的だ。

昨日の稲盛和夫さんの「身の丈理論」を忘れてはいけない。
「資源を循環させて一定の豊かさを維持できる社会を目指す」  

日経新聞一面トップに、
「温暖化ガス2020年度の削減幅」の見出し。
同紙調査で主要製造業では、
国内排出量1990年比で13.9%に見込んでいることが判明。
鳩山政権が掲げる25%から大きく下回る。

同紙の「第13回環境経営度調査」では、
業種別にランキングがでているが、
製造業では一位パナソニック、
二位シャープ、三位・三菱電機、
四位・NEC、五位トヨタ自動車とつづく。

小売り・外食では、
一位イオン、二位・丸井、三位・高島屋。

そんな昨日、(財)有機質資源再生センターの第2回シンポジウム開催。
テーマは「有機質資源の利活用多様化がもたらすもの」
場所は東京丸の内にある日本工業倶楽部の大会議場。
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スーパーマーケットをはじめとする小売業、
さらに卸売り業、メーカーから、
120社150名ほどが参集。
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同財団法人の中川武史事務局長の司会で、
3時間半にわたって講演、パネルディスカッションが行われた。
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初めに主催者を代表し、平富郎理事長が挨拶。  
ご存知のとおり㈱エコス会長。
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「資源、環境、エネルギーは世界的なテーマ。
スーパーマーケットから出される生鮮ゴミ、有機質ゴミの利活用は、
集荷から再生の技術、手間まで経済性が難しい。
しかし、CO2削減に貢献するためにも、
勉強して取り組んでいかなければならない」

平さんはこのセンターの活動を通して、
社会貢献していこうと真摯に向きあっている。

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基調講演は、東京工業大学総合研究院教授の柏木孝夫さん。  
「日本の低炭素力―バイオマス、有機質資源の高度利活用に向けて」がテーマ。
今、地球規模で、
化石燃料から非化石エネルギーへのパラダイムシフトが求められている。
太陽、風力、バイオマスといった新エネルギーへの転換によって、
低炭素社会を実現した国、企業が次代の勝者となる。

リサイクル、リユース型の店舗、商品開発の必要性、
エネルギーと情報の一体化によるスマート・グリッド構想など、
多くのイノベーションが求められている。

これは、京セラ名誉会長稲盛さんの考え方と一致してくる。

20世紀的な競争から21世紀的な協調へ。  

日経新聞のコラム「人こと」。
すかいらーく社長の谷真さんが恨み節。  
「減税やエコポイント制度で、
車や家電の耐久消費財の買い替えが進み、
外食まで回らなくなった」

「今回はかつてない価格引き下げ圧力を感じる」
「生き残るにはさらなる低価格に移行するしかない」

一昨日のこのBlog原田泳幸さんの発言を思い起こしてほしい。  
日本マクドナルドの社長兼会長。
「デフレだからといって、
企業側が焦っている印象だ」  
「商品価値が変わっていないのに値下げをするのは、
逆に消費者の不信感をあおる」
「メニューや利便性など有形無形の価値を高め、
消費者の支持を集めた」

トップの高いビジョンや固い信念が、
実は、良い業績を築き上げていることがわかる。

20世紀的な競争から、
21世紀的な協調へ。

店頭では競争を、
環境では協調を。  

「厳しさに学ぶ」とはこういったことだ。

それが現代化、ポストモダンの精神である。

<結城義晴>  

2009年12月02日(水曜日)

東大・伊藤元重さんの「1ドル119円説」と京セラ・稲盛和夫さんの「身の丈理論」

日本全国晴れ模様。
冬なのに 春みたいに あたたかい日。

冬なのに 春みたいに あたたかい日には」  
(詩・鈴木順子)  

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
動物園に行ってみて
ゾウの前など すわりこんで
パンでもかじりたくなるのです

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
ゆくさき不明の汽車にのり
荷物のように がたごとと
はこばれてゆきたいと思うのです

   冬なのに 春みたいに あたたかい日には
   冬なのに 春みたいに あたたかい日には

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
世界の平和のために
戦争をなくすために 生きてゆこうと
心の底から思うのです

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
ネコと見つめあって
愛をたしかめあうことだって
できるのです

   冬なのに 春みたいに あたたかい日には
   冬なのに 春みたいに あたたかい日には

こんな日には必ず、
大学時代の仲間・鈴木順子さんの詩を思い出す。

そしてこんな日には必ず、
いいことがある。

そう思っていたら、
はがきが届けられた。

私の本へのお礼のはがき。
『お客様のために いちばん大切なこと』(中経出版刊)。
杉浦太西洋さん、ありがとうございます。
hagaki

さて、三越の早期退職者22%。  
新聞各紙で取り上げられたが、
正社員6700人のうちの22%の1500人が応募。
対象年齢は40歳が35歳までに引き下げられた。
退職金は数百万円上積みされたが、
それでも不況期で失業率5.3%の現在、
この退職者数には、ちょっと驚かされる。

会社へのロイヤルティが薄れてはいるのだろうが、
会社の命運よりも自分の人生を重視する人が増えている。

会社にとっては不幸なことだが、
悪い傾向ではないと思う。

その百貨店のうちの5社が、毎月1日に、
百貨店協会に先立って、業績数値を発表する。
2009年11月の百貨店既存店前年同月比実績。  

三越は、マイナス11.1%、
伊勢丹は、マイナス11.8%。

高島屋はマイナス10.5%、
大丸がマイナス6.4%、
松坂屋がマイナス5.0%。

依然として、絶不調。

三越伊勢丹ホールディングス社長の石塚邦雄さんは、
自戒する。  

日経MJの「消費見所カン所」というカコミ。
「ただ価格を下げるのではなく、
価値があって価格が安いものを、
そろえなければならない」

「約1兆4000億円の売り上げ規模の大きさを武器」にして、
「調達コストを抑制するなどの企業努力で、
価格引き下げを目指す」らしい。

しかし、私は、この考え方には疑問。

百貨店は、小売業におけるノンコモディティの代表選手。
ここは「スケールの経済」論理が成り立たない分野。
「価値があって安いもの」を、スケールで調達できるのは、
コモディティ・グッズの分野である。

それはもうユニクロが成し遂げている。

伊勢丹に、顧客はそれを望んではいない。

三越伊勢丹にも、
「厳しさに学べ」の12月となりそうだ。

まだまだ、「厳しさに学んではいない」
だからこんな発言が出てくる。

もしかしたら、石塚さんは、
もっと奥深いことを言おうとしていて、
それに理解が及ばないインタビュアーが、
自分の考えを書いてしまったのかもしれない。

しかし、「厳しさに学ぶ」ことができるかどうかは、
店と売場に出てくる。

三越と伊勢丹には、年末に訪れて、
それを確かめよう。

同じ日経MJのコラム「ニュースな見方」
東京大学大学院教授の伊藤元重さん。  
いいことを書いている。
「1995年に1ドル80円を切る超円高を経験してから、
現在までに日本の物価はほとんど変化していないが、
米国は約40%上昇している」

「この物価の差を考慮に入れて、
1ドル85円という円ドルレートを計算すれば、
1ドル119円になる」  

つまり1995年の1ドル80円に対して、
現在は額面は85円だが、
1ドル119円レベルだと、いうわけ。

日経新聞では、
京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが語っている。  
「為政者が危機を乗り切るために、
ぶれない決意を世界に発信すれば、
国民も安心する」

「一方で、破綻状態の税制を長期的に立て直す」

これは現在の日本のことを言っているが、
企業経営者やリーダーにも、
全く同じ姿勢で臨むことが示唆されている。

行政刷新会議では、
「身の丈に合った歳出に抑えるしかない」  

そして、最後に言う。
「江戸時代は経済的には停滞したが平和で、
ヨーロッパ人が当時、
貧しいけれど礼儀正しく清潔な日本人に出会って驚いている」

「江戸時代に戻れとは言わないが、
資源を循環させて一定の豊かさを維持できる社会を、
目指せないだろうか」  

私も、この「身の丈理論」には大賛成。

日本の商業は、その時に、
大いに活躍しなければならない。

身の丈を自覚し、身の丈の良さを知るには、
「試練を潜り抜けねばならない」
「試練の果てに、己を知る」  

だからこの12月は、絶好の学びのとき。
「厳しさに学べ」  

冬なのに春みたいにあたたかい日には、
そんなことを考える。

<結城義晴>  

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