結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年01月23日(土曜日)

百貨店・総合スーパー既存店13年連続前年割れの「産業社会学」

百貨店、総合スーパーの2009年度実績が発表された。  

日本百貨店協会86社271店の2009年の売上高は、
6兆5842億円で、前年対比マイナス10.8%。

日本チェーンスストア協会68社8216店の売上高は、
12兆8349億円で、これは前年比マイナス3.3%。
こちらは総合スーパー業態を中心に、
食品スーパーマーケットや住関連スーパーなど、
多様な多店化業態の集計。

百貨店のピークは、1991年で、
現在はその3分の2に減った。

総合スーパーを中心とするピークは1997年で、
現在は4分の3。

百貨店の二桁落ち込みは、
統計を取り始めた1965年以降で最大。
百貨店は12年連続前年割れ、
チェーンストアは6年連続ダウン。

既存店前年割れは、
百貨店・総合スーパー、
両者ともに13年連続。  

既存店は、百貨店がマイナス10.1%。
これは新店よりも閉店のほうが多かったから、
既存店数値は、閉店などの影響を除去して勘案している。

チェーンストアは、既存店4.3%マイナス。
衣料品が10.8%マイナスと百貨店並み、
食品までマイナス2.6%。

朝日新聞の今日の見出しは、
「百貨店・スーパー客離れ」
「20年以上前の低水準」

かつては、この二つの業態統計で、
日本全体の小売業の消費トレンドが読めたが、
今はそうではない。

一昨日発表のコンビニは、
年間販売額は、7兆9043億円で、
前年対比で0.6%のプラス。   

ただし、これはタスポ効果のおかげで、
7月以降の6カ月間、前年同月比の数値は落ち続けた。

さて食品スーパーマーケットは、
これまで売上統計が集計されていなくて、
この1月に集計される予定だったが、
残念ながら半年ほど伸びてしまった。

業態ごとに、
全体の統計数値が明らかになることは
きわめて重要だ。

小売業の業態は社会的機能が現れたもの。
これは安土敏こと荒井伸也さんの鋭い洞察。

私も同感。

だから業態統計は、
社会的な機能がどう変わっているかを表現している。

すなわち「産業社会学」の基本統計となる。

私たちは、産業や業態を、
社会学的にとらえ、経営学的に追及し、
そのうえで、マーケティングを展開し、
マネジメントする。  

それが企業経営となる。

いずれにしても、百貨店と総合スーパーは、
ずっとダウントレンドの中にある。

日本の消費財は、飽和に近い成熟化を迎えている。
コモディティ化している。

その時に、優越的な機能は「利便性」である。

これ、結城ゼミ第1期生の名古屋文彦さんの研究成果。
百貨店、総合スーパー、コンビニの統計から、
それが判明している。

さて昨日は、東京・新宿、ハイアットリージェンシー。
八社会の平成21年度合同セミナーと新年懇親会。  
演題は「バリュー・イノベーションの勧め」

不況・不信と言われる今、
課題は、「いかに価値を生むか」
そのためには「いかに差異をつくるか」
なぜなら、違いが価値を生み、
差異が価値となるから。

それがこの日のテーマ。

私は、小売業の歴史において、
バリュー・イノベーションを果たした最高のケースは、
アメリカのウォルマートだと思っている。
日本のセブン-イレブンも、ウォルマートに並ぶ好例。
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人間も会社も、階段型に成長する。
y=ax+bで、
直線のごとき成長を見せるものはない。

そして階段型に成長するのは、
あとからわかるもので、
自分自身にとって、
いまどんな階段を上っているのかはわからない。

しかし長い低迷があれば、
それだけ次に上る階段は高い。

これは、私の経験からも、確かだと思う。

大切なのは、長い低迷の時にも、
精いっぱいの努力を怠らないこと。

日本の経済や小売業が今、
長い低迷の時にある。

だからこそ次の階段は高いに違いない。
私はそう信じている。
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そんな思いを込めた講演になった。
今年最初の講演だけに、熱が入った。

ご清聴を感謝したい。
y2
1982 年、私鉄系チェーンストア8社が、
「共同仕入によるメリットの追求と
ムダを省いた価値ある商品を低価格で開発することに合意」。
八社会が誕生した。
そして「Vマーク」という共同プライベートブランドを開発している。

現在必要なことは「シナジー効果」
これしかない。

個は全体のために、
全体は個のために。  

人間でも組織でも、
多くのものが集まる時の鉄則。

講演は1時間45分に及んだ。

その後、懇親会。
右から、相鉄ローゼン社長の春日徹夫さん、
京王ストア社長・内藤雅浩さん、
左はよこまち社長の横町俊明さん。
k2
写真には載っていないが、現在の八社会会長は、
東武ストア社長の玉置富貴雄さん。
玉置さんがいいことを言った。
「売上げには、質の良い売上げと質の悪い売上げがある。
いつも質の良い売上げをつくらねばならない」  

まさに、今年は、
質の悪い売上げが生まれてしまうことが多いに違いない。
それを自ら戒めることこそ、大切だ。

ドラッカー先生が言う「8つの目標」。
その7番目が「質(たち)の良い資金」。  

玉置さんの「質の良い売上げ」の話を聞いていて、
ドラッカーを思い出した。

最後に事務局の皆さんと写真。
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ご苦労様でした。

個は全体のために、
全体は個のために。  

そのシナジーをつくりだす。
お忘れなく。

<結城義晴>  


2 件のコメント

  • クヨクヨなやみ
    ムカムカつのり
    イライラたまる
    そんな時、元気を出そうよ!
    って言ってくれる結城さんに感謝

    ニコニコわらい
    キビキビうごき
    ハキハキこたえ
    ありがとうございましたと!
    いつでも言ってる僕がいる

    結城さんの相変わらずのお忙しさに感服します。

    どうしても過去の数字と照らし合わせるんで、心配な数字が重なるけど、ここは、計画が、見通しがそこそこ合ってたら、良しとする、ってことでどうですか?

    景気動向を横目で睨みつつ、地道な努力を、って覚えながらも、現実の数字が毎日、毎週、毎月チラつくことをグッと堪えて、いま何をすべきか?素直に考え(計画し)、着実に行動起こす企業(経営者)がきっと強くなるんでしょうね。

    その後、目は大丈夫ですか?
    またいろいろ教えてください。

  • ウォルナット様、ありがとう。
    ブログも元気に復活で、嬉しい限りです。

    皆様、ウォルナットさんの辛口。
    楽しんでください。

    現実の数字をぐっと堪えて、
    まず顧客の喜ぶことを考え、
    そのための行動を起こす。
    行動を計画する。
    それが結果として数字になる。

    この「考え方⇒行動⇒数字」のパターンを、
    崩さないことです。

    これこそトップやリーダーに求められることです。

    そうすれば、皆が、考え、行動し、
    その結果として数字を変える。
    そういうパターンになる。

    いまは、じっと堪えるのがよいのでしょう。

    私の目、おかげさまで、良好です。
    またお会いしたいですね。

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