結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月15日(火曜日)

楽天・Yahooの過去最高記録と倉本長治の「同質性という欠陥」

日本銀行が12月の企業短期経済観測調査を発表した。
通称「日銀短観」。  

製造業では現状、改善がみられるが、
3カ月後は鈍化するという予測。
対個人サービスや飲食店・宿泊サービスの景況感は悪化。

「販売価格が下落しているが、
仕入れ価格はそれほど下がっていない」  

一方、先週末の日曜日、12月13日の日曜日。
インターネット通信販売は大盛況。  

楽天市場の総売上高は、1日で30億円台後半。  
これは前年同日比2割増で、12月日曜日の過去最高。

日経新聞の囲み記事。

同じ13日日曜日の「Yahoo!ショッピング」は、
売上高10億円以上で過去最高。  

前年比40%の増加。

経済不況、消費不振。

しかし日本人には金がないわけではない。
カネを使わないわけでもない。

これまでと同じ使い方、
旧態依然とした消費の仕方に対して、
日本人が「NO」と言っているのだ。

その日経新聞のコラム「大機小機」。
先週の金曜日に、ペンネーム文鳥さんが書いている。

日経は、鳩山政権には辛口で通しているが、
文鳥さんはそうでもない。

「時々刻々と変化する株価や為替の動向は、
政権に対する通信簿ではない」

「市場は誕生したばかりの政権に揺さぶりをかけ、
市場への『忠誠』を求めているのかもしれないが、
新政権は翻弄されてはならない」  

「そもそも市場の声は国民の声を反映しているとは限らない」

ここでいう「市場」とは株式市場のこと。
株式市場の乱高下が、国民の暮らしに大打撃を与えるわけではない。
日本という経済圏において、
貨幣経済と実体経済の関係が、いかにあるかを説明している。

「円高による輸入品の値下がりを多くの国民は歓迎しているし、
家計の金融資産に占める株式の比率も、
日本の場合は7%と米国の同31%の4分の1にも満たない」

「市場が騒ぐほどには円高も株安も、
国民生活には直接影響を与えてはいないのだ」  

この文鳥さんの指摘、私も賛成。

要は、株式市場経済の不振が、
マインドとして一般国民に伝染し、
それが消費不振の原因にもなっている。
マスコミの影響力の大きさと、
その無責任な扇動は、
日本という国を全くもって、
変な方向に導いてしまう。

しかしだからこそ国民もビジネスマンも、
そのマスコミの言葉に踊らされてはいけない。

自分の信念をもとに、
自分で判断できること。  

それが何よりも大切だ。

他人の動向に惑わされ、
他人の判断にゆだねてしまっては、
生きている意味がない。

商売をやっている人、
商売の仕事を担っている人には、
それが強く求められている。

「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」が伸びているのは、
インターネット販売が便利であるという理由からだけではない。
流行だからというだけでもない。

既存の有店舗小売業が同質化して、
新鮮味を喪失しているからだ。

インターネット販売も、
それがもっともっと普及していけば、
顧客は移ろってゆく。

その上、インターネット販売は、
広範なマーケティング展開であるから、
「クリティカルマス」の効用が大きく、早い。
有店舗小売業は、あくまで地域性にのっとっている。
だからこそ有店舗販売には、
局地性や独自性・個性が求められる。

商業界主幹の故倉本長治が、
断言している。  

<『商店経営読本』より>  
「現代小売店の最大の欠陥のひとつは、
どの店も同じような品を並べ、
同じような値段で、
同じような売り方をしていることだ」

倉本長治は、6つの現象をあげている。
「1.どこにでもある品とほとんど同じ。
2.どこでもやっている同じ売り方
3.どこの店に行っても同じような値段
4.どこの店も同じような店づくり
5.その上何をしたらよいかも考えない
6.どうすることが正しいかさえ自覚していない」  

倉本長治は、
ひどく怒っていた。
ひどく悲しんでいた。

「商品にも、経営にも、
まったく個性がないことに気がついていないのである。
この店だけの独自の方針や政策とか商品とかが、
お客からは見えてこないのだ」

自分では「違い」を出していると思っても、
お客にはそれが、くっきりとは見えていない。

40年も前の言葉だが、
現在の状況と酷似している。

「自分では何もしないで助かる路を求めている」

「お客からは見放され、
自分で売りたい商品も手に入らなくなり、
消滅するしかないではないか」

「自分の考えで、
お客が本当に求めている商品とサービスを、
店一杯にしようという努力を放棄してしまえば、
それを『店』と呼ぶことさえも恥ずかしい」  

倉本長治は、なぜか、
怒っていた。
悲しんでいた。

「同質性という欠陥」  
今、私たちが自覚し、
抜け出さねばならないのは、
このことだ。

商人舎4月の標語。
「差異が価値を生む」  

12月商戦後半に向けて、
他との「違い」を出しつつ、
己を貫くことに全力を挙げたい。

<結城義晴>  

2009年12月14日(月曜日)

仕事の種類と年中無休の仕事

Everybody! Good Monday!  

2009年師走、第三週が始まります。

イオンの「史上最大の値下げ」  
先週の木曜日から日曜日までの4日間。
さて効果はいかに。
衣料品など、顧客はピクリともしなかったように感じられた。

イトーヨーカ堂の「15億円キャッシュバック」  
これもユニクロの二番煎じで、
インパクトに欠ける。

とにかく動けばいいというものではない。

さて、今日は新聞の朝刊が休み。  
休刊日という。
結城義晴の毎日更新宣言には、
休刊日はないけれど。

新聞が休刊というのは、
今年、最後の休みをとって、英気を養い、
新年特大号まで突っ走るということ。

商業もサービス業も、新聞とはご同業。
休みなしで、国民生活のインフラとなる。

年中無休で活動する仕事は多いし、
年中無休で仕事する人々も、考えてみると多い。

警官、消防士、医者、看護師。
守る人々。  

新聞記者、テレビマン、ラジオマン、
いわゆるマスコミ。
伝える人々。  

鉄道マン、タクシードライバー、バス運転手、
パイロット、その整備士。
これらは交通機関、
運ぶ人々。  

そして小売業、フードサービス業、
サービス業に従事する人々。
売る人々。  

売る人々のなかで、完全無休の仕事は、
コンビニ、ホテルや宿泊業。

ただし、全員が年中無休ではない。
交代で休暇をとる。
むしろよい商品、よいサービスを提供する企業は、
しっかりと連続した休暇制度をもつ。

逆に、定期的に土曜日・日曜日、
夏休み、冬休みなどとるのは、
役所と製造業、それに準じる仕事。
これらは、
つかさどる人、
つくる人。  

ただし、つくる人々の中でも、農業は、
もともとは年中無休で半年暮らしのデカンショ仕事。
もちろん二期作、二毛作と、
農業もだんだん工業化してきた。
またはサラリーマンの二股仕事になってきた。

こんなことを考えると、
小売業ばかりが大変な仕事をしているわけではないし、
日本中の働く人々が、
定期的に休暇をとる仕事ではないことがわかる。

全員が、それぞれに仕事を果たして、
それによって社会全体がつつがなく営まれている。

これを「社会的機能」という。
荒井伸也先生の説。

私もそう思う。

自分の仕事、自分の職業の「社会的機能」を、
理解するところから、
仕事へのロイヤルティが生まれる。
ロイヤルティとは、忠誠心のこと。

私は、自分の仕事に忠誠できる人は、
幸せな人生を送ることができると思う。

自分の仕事を「天職」と考えられること。  

それには、第一に世の中にはさまざまな仕事があることを知る。
第二に、自分の仕事を知りつくす。
第三に、それらの関係性を知る。

野球でピッチャーをやりたいと考える選手は、
キャッチャーのことも、内野手や外野手のことも、
知らねばならない。

それを知って初めて、
野球の面白さがわかり、
良いピッチャーとなることができる。

新聞休刊日から、こんなことを考えた。

今週は、ちょっと肩の力を抜いて、
12月の際に向けて、英気を養おう。

ウォルマート副社長ジョン・フレミング。
「今年末は厳しくて、
本格化が遅い」  

経営者や幹部にとっては、
「厳しさに学べ」は「厳しさ」に力点が置かれ、
この「厳しさ」が死活問題となる2009年末だが、
これから自分の天職を見つけようという人々には、
「厳しさに学べ」は「学べ」に力点が置かれる。

「厳しさ」を楽しむ心の余裕が欲しい。

Everybody! Good Monday!  

2009年12月13日(日曜日)

ジジと立教合宿[日曜版]

ボクの名前は、ジジ。
12月だけれど、
ボクは、まったく、
さむくはありません。
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近所のお寺の12月のことば。
m
しっかり
自分を
みつめよう
たまには
心の
総点検

いかがです?

ボクも、賛成です。

ユウキヨシハルのおとうさん、
うちに、いません。
j2

きのうから、リッキョー大学。
r1

きのうは、ふたつ講義があって、
そのあと「結城ゼミ」の合宿。
r2
大学の中で、研究して、
池袋ロイヤルホテルにとまった。

ゼミの人たちが、
卒業論文のおいこみで、
おとうさんもそれを指導・応援する。
j3

それにしても、
リッキョー大学キャンパスは、
きれいなところです。
r4

いつもきれいだけれど、
秋から冬にかけて、
木々の葉が、
色づいて、
おちる。

それもきれい。

ボクも、みとれてしまいます。
j4

おとうさんの研究室がある3号館。
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ここで、勉強したり、
研究したりする。
j5

イチョウの木も、
黄色の葉をおとす。
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それから、
木と空がいい。
j6
ボクも、だいすきです。

建物と空と木。
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空と木。
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木と空。
r9

たくさん勉強して、
たくさん研究して、
なにか、とてもいいものが、
うまれるのでしょう。
j7
それがおとうさんのよろこびです。
おとうさんのしあわせです。

いつでも君のそばに
よろこびが、
いつでも君のそばに、
しあわせが、
あるように。

山崎真幹さんがつくった「いのり」。

ボクも、
だいすきな歌ですし、
もちろん、
おとうさんも、
だいすきな歌です。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年12月12日(土曜日)

2009年の漢字「新」は「革新」を意味し、2010年の「鮮」につながる

「今年の漢字」が決まった。
2009年を表現する漢字一字。
「新」  

何かと問題の多かった日本漢字能力検定協会が、
全国から公募したら過去最多の16万1365件が集まった。
そのうち1万4093通が「新」を選んだ。8.73%。

第一位が10%に達しないというのは、
混迷の時代だともいえるが、
しかし9%近くが「新」を選んだというのも、
驚きではある。

漢字検定協会は、
①鳩山新政権誕生、
②オバマ新大統領の就任、
③新型インフルエンザの流行
などを理由にあげる。

ちなみに第2位は「薬」。
3位「政」、4位「病」、5位「改」。

昨2008年の漢字は「変」だった。
私は、昨年の今頃、予想した。
希望的予想。
2009年は「化」であってほしい。

そうすると2008年、2009年で、
「変・化」が成し遂げられると。

残念ながら、「化」ではなく、
「新」になった。

しかし、2年続けて、
「変わる」
「新しい」  

これらが日本のトレンドを示すとは、
日本社会に「イノベーション」が進んでいることを表わす。
不況だ、不振だ、といわれているが、
国民の意識として、
「イノベーションの進捗」を、
とらえたとみるべきだろう。  

昨年の「変」にくっつく言葉を想定してみれば、
「革」となる。
「革」は、皮、表皮の意味もあるが、
「あらためること、あらたまること」の意をもつ。

そしてこの「革」をつなぎにして、
今年の「新」を加えると、
「革新」となる。

すなわち「イノベーション」を意味する。

昨年から今年は「変革」から「革新」だった。
不況や不振は、そのための「試練」だったと考えたい。

だとすれば、わが社、わが店は、
その国民の期待に応えて、
「イノベーション」が進んだか。
それが、何よりも問題となる。

さて、来年の漢字を簡単に予測することはできないが、
恒例となりつつあるので、
これも期待を込めて、
「鮮」としよう。  

新しいこと、
生々しいこと、
あざやかなこと。  

これからの10年に向けて、
2010年の漢字は「鮮」にしたいものだ。 

さて、その2010年度の見通し。
内閣府が政府経済見通しの策定作業に入った。

実質国内総生産(GDP)成長率を、
1%台半ばと設定。  

これは物価変動を除いた指数。

名目成長率はゼロ%台の増加。
これが生活の実感に近い数値。
だから生活実感の成長度は1%に達しない。

これらは3年ぶりにプラス成長が設定された。

そして消費者物価は、
2年連続で前年度比マイナスと見通す。  

今年7月時点では内閣府は、
2010年度実質成長率を0.6%プラスと見ていたから、
率自体は夏時点の2倍になった。

やや明るい2010年ではある。
鮮やかな2010年であることを期待したい。

最後に今日のニュースからひとつ。
「アウトレット・モール」が、
東京お台場に登場した話。  

お台場の商業施設「ヴィーナスフォート」の3階1フロア。
ディベロッパーは森ビル。
49店が集まったこのアウトレットは、
年間売上げ目標80億円。

ファッションの「ジョルジオアルマーニ」、
「ユナイテッドアローズ」、
バッグの「ハンティング・ワールド」、
サングラスの「レイバン」などなど。

2割から6割のディスカウント価格で販売される。

アウトレットは現在、全国で35カ所。
副都心に登場するという現象には、
二つの意味がある。
第一は、メーカーの製造製品のだぶつきが酷いということ。
第二は、アウトレットの爆発力に、
限界や飽和が見えてきたか、ということ。
本来、投資コストや運営コストを極限まで下げるアウトレット。
だから郊外に大きな敷地を確保して、
ブランド品を安く売る。

この郊外の距離感が、
実は、アウトレットの秘密だと私は思う。  

離れているから、
規格外品だから、
売れ残りだから、
季節外れだから、
ブランド品が安い。  

メーカーやサプライヤーが、
直営で売ることができる。

要は、二重価格が許されている。
顧客からの「ダブルスタンダードの許容」である。

「安く売ること」の言い訳や理由が、
大義名分として通る。

その距離感・異空間のアウトレットが、
都心の至近距離に出てきた。

「鮮やか」な出店なのか、
それともデフレの「挙句」なのか。

今年の年末だけで判断してはならない試みであるし、
2010年まで見続けねばならないスポットではある。

今週も、
商人舎のホームページと[毎日更新宣言]にやってきてくださって、
心から感謝。

<結城義晴>  

2009年12月11日(金曜日)

バラク・オバマの「人間としての羅針盤」と倉本長治の「試練」

来年の商人舎アメリカ視察研修会。
その構想がまとまりました。

三つに分類される。
①Basic
②Hot
③Special

小売業の品揃えのようなものです。

Basicはまさしく原理原則・基礎編。  
アメリカ小売業・消費産業のビジョンやロマン、
歴史や構造、店舗と業態の見方、学び方、
そして産業化の原動力となったもの。
コーネル大学食品産業学部の世界最先端理論も、
結城義晴流にわかりやすく解説します。
ラスベガスというそれが可能な一都市に居座って、
網羅的に小売業・消費産業の全体像を学びます。

以前から、私が、どうしてもやりたかった研修会です。
だから費用も30万円を切るレベルにしました。
多くの若い人々、現場の店長クラスに、
しっかり学んでほしいと思います。

Hotは、最新潮流・最新店舗・話題企業探求編。  
来年3月はアリゾナ州フェニックスと、
カリフォルニア州サクラメント・サンフランシスコ。
新しい商売のヒントや最新動向を研究します。

最も重要なトレンドはウォルマートの動静。
プロジェクト・インパクト戦略で大イノベーションを果たしつつある同社。
そのコンパクト・スーパーセンターやスーパーメルカド、
そしてマーケットサイドに、最新環境対策店舗。
テスコのフレッシュ&イージー、
さらにセーフウェイのザ・マーケット。
これらをまとめて総ざらいします。

一方、ローカルのナゲットマーケットは、
本当にゆっくり、じっくり研究します。

Specialは、中長期的・特別経営戦略追究編。
トップ・幹部向けの特別研修会です。
テキサス州オースティン・ダラス、
ニューヨーク郊外とマンハッタン。
徹底的にものを見て、ものを考える研修会。
それが2010年代対策となります。

いずれの研修会も、これまで以上に、
①「自ら、変わる」ため
②「知識商人となる」ため
③「商業現代化を進める」ため
この三つの目的を設定しています。

是非、ご参加のほどを。
全力を挙げて、準備し、
あなたをお招きします。

さて、バラク・オバマアメリカ合衆国大統領。  
オスロのノーベル平和賞受賞式でスピーチ。
“I receive this honor with deep gratitude and great humility.”
「この栄誉を、私は深い感謝と非常に謙虚な気持ちで受けとめます」
「それはまず、世界の舞台での私の仕事が緒についたばかりで、
終わっていないためです」

「正義として持続する平和」と題した演説。
ガンディーやキング牧師が唱えた「非暴力の理想」を再評価し、
「それを捨てることは人間としての羅針盤を捨てること」と訴えた。

We can acknowledge that oppression will always be with us,
and still strive for justice.
抑圧の中にも、正義の追求はできます。
We can admit the intractability of deprivation,
and still strive for dignity.
欠乏の中にも、尊厳の追求はできます。
Clear-eyed, we can understand that there will be war,
and still strive for peace.
戦争の中にも、平和の追求はできます。
We can do that.
我々には、できます。

率直に言って、私はこういったスピーチに共感をもつ。
リーダーがリーダーとして、
言わねばならない場で、
言う内容だと思っている。

故倉本長治商業界主幹の「試練」という文章。  
(『商業界二十年』より)  
「天が重大な任務をある人に与えようとするときに、
必ずまず、その人の精神を苦しめ、
その筋骨を疲れさせ、その肉体を飢え苦しませ、
その行動を失敗ばかりさせ、
そのしようとする意図と食い違うようにさせるものだ。
これは天がその人の心を発憤させ、
性格を辛抱強くさせ、
こうしてそれまではできなかったことも、
できるようにするための貴い試練なのである」
孟子の言葉だという。

「艱難は、
大望を遂げる者にのみ与えられた試練だと観るとき、
誰しもこれを堪え忍ぶだろう」

「困難に直面した者は、
こうして勇気をもち、
希望を抱くに至るのだ」

「苦しさを耐え抜いた者でなければ成功はないと知って、
万難に直面することをむしろ喜びとせよ」  

まったくの同感。
付け加えることなし。

しかし、ひとことでいえば、
「厳しさに学べ」  
今月の商人舎標語。

人類は今、試練と艱難の真っただ中にある。

アメリカも日本も。
オバマも鳩山も。

商業も製造業も。

来年はアメリカでも本当の「厳しさに学びたい」

多謝。

<結城義晴>  

2009年12月10日(木曜日)

コーネル・ジャパン「立地論・店づくり論」の後でマイケル・ポーター教授に会う

コーネル大学RMPジャパン12月講義第2日目。
ここから経営技術論に入る。

まず、朝9時から立地論。
講師は、ブルーチップ㈱総合研究所代表の山本義昭先生。
テーマは「スーパーマーケットの立地政策1・2」  
c1
山本先生とは、私、長いお付き合い。
1時限90分の講義を2講座。
講義の全体構造は4つに分かれている。
1.小売業を取り巻く市場環境の変化
2.商圏構造とマーケット的ポジショニング
3.出店戦略の重要性
4.スーパーマーケットの立地と商圏の大変化
c2
有店舗ビジネスは、何よりも立地が大切。
「一に立地、二に立地、
三、四がなくて、五に立地」  

こう言われるくらい。

最近専門紙誌でも、立地論に関する特集など、
あまり見られなくなった。

とりわけスーパーマーケットは、
立地が良ければ、
そして競合がなければ、
競合が少なければ、
商品は売れてゆく。

さらに、
「売れれば売れるほど、
易しい商売となる」  

「売れなければ売れないほど、
難しい仕事となる」

だから立地は極めて大事。

そのあたり、超ベテランの山本先生は、
豊富な資料をもとに、丁寧なレクチャーをしてくれた。

一つとても重要なこと。
立地調査をするときには、あらかじめ、
自社の最も良く売れている店舗と最新店舗の調査をしておくこと。
そのうえで、新しい立地調査を展開し、
売上予測を立て、投資回収性を検討し、
出店の意思決定をすること。

昼食後、午後からは店づくり論。
講師は、田村ストアプランニング研究所所長の田村洋三先生。
テーマは「店舗づくりの理論と技術1・2」  
c3
田村先生とも、長い付き合い。
大学を出てから、レナウン、イトーキで、
店舗・売り場デザインの技術を身につけ、
その後、イトーヨーカ堂初期のプロトタイプ上大岡店の店づくりから、
同社総合スーパーの設計に携わり、
次に郡山に住んで、ヨークベニマルの店舗設計に勤しむ。
こちらも初期のプロトタイプ希望が丘店から始まって、
チェーン展開の中枢店舗の設計を担当。

その後、日本中のスーパーマーケットの店づくりにかかわる。

私は田村先生の『スーパーマーケット経営技術』(商業界刊)を、
「食品商業」誌に連載し、単行本にした。

田村先生は、
1.行動科学から見る動線計画
2.人間工学から見る陳列技術
3.商圏と店舗フォーマット
4.NSCの機能と配置
さらに、
5.スーパーマーケット売場レイアウトの基本と応用
6.バックルームづくりの基本と応用
こんな内容が90分。

さらに後半は、地球温暖化防止と温室効果ガス削減、
エコストア開発と講義が展開。

主張のある店づくり論を教授してくれた。

あっという間に、午後4時半。
副学長が簡単なまとめをして、
12月コーネル・ジャパンは終了。

ご苦労さま。
聴講し、勉強するのは大変。
しかし、講義の準備をし、レクチャーするのはもっと大変。

講師陣の先生方に心から感謝したい。

今回のレポートは、
副学長からの「クリスマス・プレゼント」で、
軽い内容になる。

第二期生全員に告ぐ! 年末商戦に全力を挙げよ。  
そして「厳しさに学べ」  

講義終了後、荒井伸也首席講師および事務局とで会議。
c4
来年度の第三期コーネル大学RMPジャパンの1年間の日程決定。
第二期の1月講義、2月講義、3月講義、4月講義などの詳細を詰めた。

事務局の皆さんも、お疲れ様。

さて、2日間、法政大学ボアソナードタワー25階で勉強していたが、
その後、26階のレストランで、ある集まりが開催された。
「マイケル・ポーター教授講演会記念パーティー」  
この日、午後3時から、
法政大学経営学部創設50周年記念として、
ポーター教授が来日し、講演を行った。

私は残念ながら、コーネル・ジャパンの講義があって、
それは聴き洩らしたが、
パーティーだけ、ちょっと参加。

前法政大学総長の清成忠男先生のご挨拶。  
p1
「中小企業論」の専門家で、
小売商業や流通業にも造詣が深い先生。

そしてマイケル・ポーター教授。  
ハーバード・ビジネス・スクール教授。
考えてみると、私とご同業。
p2
代表作『競争の戦略』は戦略論の古典。
『日本の競争戦略』は日本型モデルの解説書として、
世界中で読まれた。

その最後の項で、ポーター教授は、
「新しい日本型モデルの必要性」を説いている。

「重要条件に基づく優位性は、
日本の企業と消費者が環境保護に目覚めたとき、
さらに強化されるであろう」
「また日本は、増加の一途をたどる高齢者のニーズに
応える先端市場となる可能性もある」

「教育水準の高い国民は、
知識集約型の競争においては大きな資産となる。  

特に日本の女性は優れた資産であり、
日本の企業セクターを変革し、
人口の高齢化という状況下において、
経済成長を支える労働力の中核となる存在となりうる」

マイケル・ポーターの言に、
耳を傾けたい。

さてこのポーター教授の講演を聴いていた男がいた。
月刊『マーチャンダイジング』編集長・宮崎文隆。
現在、㈱ニュー・フォーマット研究所取締役編集統括。
m1
今年夏まで、㈱商業界の『販売革新』編集長を務め、
秋に退社して、NPO法人などを立ち上げていた。

36歳で看板雑誌の編集長となり、
商業界でも将来を嘱望されていたが、
「自ら変われ」の「蛻変」を断行して、
現在、大活躍中。

宮崎編集長との酒は旨かった。
久しぶりに深酒し、大議論した。

マイケル・ポーターも、
私にとっては嬉しい出会いだった。

<結城義晴>  

2009年12月09日(水曜日)

コーネル・ジャパン第二期12月講義は結城義晴・荒井伸也・矢作敏行の理論編

日本経団連会長の御手洗冨士夫さんの発言。  
タイ、シンガポール、ベトナムを訪問中、
随行記者団の取材に対して日本の国内景気を展望。
日経新聞に掲載されているが、
ここに少しだけ夢が感じられる。

「日本の国内景気も来春以降、緩やかに回復する」
「アジアをまわると回復の足取りが力強い」
「日本も密接な関係があるため、
V字回復ではないが来春から段々とあがる」

御手洗さんはご存知、キャノン会長。
だから輸出に展望を見出す。

日本の景気も、まず輸出が伸びて、
国内経済が活性化し、
それがやがて雇用や賃金に反映され、
内需につながる。

「来春以降、緩やかな回復」  

そんな希望を持って、仕事に臨みたい。

もちろん景気が少し回復したからといって、
すべての店にその恩恵がもたらされるわけではない。

「厳しさに学べ」を貫いてきた企業や店に、
好況はより多くのご利益を提供する。

さて、イオンが米国の子会社タルボットを売却する。  
岡田元也社長は、かつて、
タルボット社長からトップマネジメントのキャリアを始めたから、
忸怩たるものがあるだろうが、
最後の決断をした。

この意思決定は、正しい。

ピーター・ドラッカーが、初対面の時に
ゼネラルエレクトリック社長のジャック・ウェルチに言った言葉。
「あなたにとってドキドキワクワクする仕事はありますか。
あなたにとってドキドキワクワクする仕事はどれですか。
ドキドキワクワクする仕事だけしなさい。  
それ以外は他人に任せなさい」

これがジャック・ウェルチの「選択と集中」戦略になった。

一方、西友が「円高還元セール」を始めた。
合計約150品目の輸入商品を最大50%の値下げ。
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今日12月9日から1月3日まで。
ご存知、世界最大の小売業ウォルマート傘下で、
収益性の抜本改革に取り組む西友。

しかしウォルマート西友の「円高還元セール」には、
ウォルマートのグローバル調達網活用によって、
パワーとリアリティがある。

昨日から、コーネル大学RMPジャパンの12月講義。  
冬晴れの東京・市ヶ谷、法政大学ボアソナードタワー。              
1
その25階が、私たちの教室。
2
12月の最初の講義は結城義晴。
「チェーンストア経営概論」  
3
ゴドフリー・レブハーの『チェーンストア』(商業界刊)と、
渥美俊一先生の『商業経営の精神と技術』(同)、
さらに『21世紀のチェーンストア』(実務教育出版)などから、
チェーンストアの本質と社会的任務などをレクチャー。
4
1940年、JCペニー社長のアール・C・サムズが、
「買物街の解放」という報告書を書いた。
ここにチェーンストアの社会的機能19項目が上げられている。
(1)チェーンストアは、生活水準を向上させる。
(2)チェーンストアは、小さな町々の事業並びに購買力を保全する。
(3)チェーンストアは、地方的企業の所産である。
(4)チェーンストアの株式の所有は、広く分散されている。
(5)チェーンストアの本社事務所は、国内至る所に配置されている。
(6)チェーンストアには、兼任経営が存在しない。
(7)チェーンストアの賃金給与は、割高である。
(8)チェーンストアは、社員が定着する。
(9)チェーンストアは、町に資本を持ち込むものである。
(10)チェーンストアの支払う賃貸料は割高である。
(11)チェーンストアは、市場を拡大し、また、農民所得を増大させる。
(12)チェーンストアは、市や町の繁栄に寄与する。
(13)チェーンストアは、すべての小売業に対し、高い標準を設ける。
(14)チェーンストアは、災害救助の要請に応じる。
(15)チェーンストアは、一層多額の税を納めている。
(16)チェーンストアは、小売業の廃業率の高いことに関しては、大きな要因とはならない。
(17)チェーンストアは、少年たちによい機会を与える。
(18)チェーンストアは、競争相手のためにも機会を大きくする。
(19)チェーンストアは、消費者に対する機会均等をもたらす。

ちょっと古いが、この中に、
チェーンストアのあり方が網羅されている。

私の考え方は、チェーンストア経営においても、
「原理原則を補助線として使う」
そう、ドラッカー先生のご指摘通り。

熱心に聴いてくださって、
ここらから感謝。
5

第二講義は、荒井伸也首席講師。
「スーパーマーケット原論その2」  
6
荒井先生は、
サミット㈱時代の改革の経験をもとに、
顧客行動から見た業態論、
そして秀逸のスーパーマーケット経営論を展開。

この講義は、コーネル・ジャパンの目玉商品。
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荒井先生の講義は、スーパーマーケット経営を、
他産業でも通用する理論の積み重ねで解き明かす。

これがその秀逸さの理由。
だから誰にでも理解できる。

第3講義、第4講義は矢作敏行法政大学教授。  
コーネル大学RMPジャパン主任講師。
テーマは「小売イノベーション論1と2」  
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矢作先生は、小売業における学者として日本第一。
そしてご自分のテーマ、「小売業のイノベーション」
エッセンスを180分通しで語っていただく。

コーネル流に学生への質疑応答を加えて、
参加型の講義を展開してくださった。

矢作先生の持論が展開された。

「持続的な競争優位性」をつくり出すために、
「模倣できない中核的な組織能力の保有」が不可欠となる。
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後半はコンビニエンスストアとスーパーマーケットの比較事例研究。
セブン-イレブンとヨークベニマルの分析。
深くて狭いイノベーションと広くて浅いイノベーションと、
矢作先生は整理する。
前者の典型がセブン-イレブンやユニクロ、
そしてヨークベニマルやヤオコー。
後者が百貨店や総合スーパー。

当然ながら深くて狭いイノベーションこそ、
模倣できないコアコンピタンスをつくりだす。

最後に矢作先生は、
クリステンセンの「イノベーション・ジレンマ」を紹介。
「イノベーションを起こした優秀な企業ほど、
自らの顧客に深く適応し、高度な企業モデルを構築する結果、
自己の顧客欲求以外の新しい顧客欲求に対応できなくなる」  

(矢作敏行テキストより)  

以って自戒とすべし。

今日までの講義が理論編。

明日から具体的経営技術論。
お疲れ様。

講義終了の午後7時には、
外は暗くなっていた。
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その後全員で銀座へ。
忘年会会場は「リストランテ・ヒロ」
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最初に副学長の乾杯のスピーチ。
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とびきり旨いイタリアン・フルコースと、
シャンパン、ワインを堪能。
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最後は、荒井首席講師の締め。
15
お疲れ様でした。

解散はもう11時に近かった。

コーネル・ジャパン第二期生、
どんどん団結力がでてきた。

忘年会の交流だけでも、
その真摯さが伝わってくる。

楽しみなコーネル・ジャパン第二期ではある。

<結城義晴>  

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