結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月21日(月曜日)

冬至・Xマス・年末の「小さな喜び・ささやかな幸せ・明日への希望」

Everybody! Good Monday!  

2009年12月最後から2週目。
あと、10日間で、
「新」の漢字をつけられた今年が終わります。

そして「新」の次の2010年。

商人舎では、アメリカ視察研修会を、
三つのコンセプトに分けることになりました。

Basic
Hot
Special  

Basicは、もちろん原理原則・基礎基本編
5月23日から28日の6日間。
価格は、29万8000円。

アメリカ小売業の一から十まで、
全体像や体系を網羅的に勉強する研修会。
理念・ロマン・ビジョンから、業態・フォーマット・バナー、
店づくり、売り場づくり、プロモーション、商品づくり、その見方。
そしてショッピングセンター開発の在り方など。
現在、その最適エリアのラスベガスに居座って、
じっくり学びます。

Hotは、最新潮流・最新情報編
こちらは3月16日から22日の7日間。
42万6000円。
最もホットなエリアで、
新実験店・最注目企業を学びます。
アリゾナ州フェニックス・スコッツデールと、
カリフォルニア州サクラメントとサンフランシスコ。

ウォルマートのマーケットサイド、スーパーメルカド、
ハーフサイズスーパーセンター、環境対策最新型など、
さらにテスコのフレッシュ&イージー、
セーフウェイの最新ライフスタイル店舗とザ・マーケット最新型。
さらに働きたい企業ランキング第10位に入ってきた「ナゲットマーケット」。
それにホールフーズ、トレーダージョーズ、アルディ。

ローカルチェーンの生き残り策を学び、
アメリカ小売業全体のベクトルを明示します。

Specialは、10月予定。
こちらは中長期経営戦略を追求するための特別編。
テキサス州とニューヨーク。

このほかにSpecial編は、ご要望にお応えして、
新しい企画も検討中。

HotとBasicは、すでに募集中です。

さて、今日から年末まで、
一気に駆け抜ける歳末商戦。  
この12月商戦の前半戦はどうだったか。

その傾向をよく見て、よく考えねばならない。

明日22日は、冬至。  

1年間で最も昼が短い日。
だから最も夜が長い日。

ただし、日の出が最も遅い日、
日の入りが最も早い日ではない。

日の出が最も遅い日は、冬至の半月後の1月上旬、
日の入りが最も早いのは、冬至の半月前頃の12月上旬。

これ、ちょっと意外な事実。

日本では、冬至の日にゆず湯に入る。
だからユズをしっかりと売る。
値段の張らないユズ。

ささやかな喜び、小さな幸せを、
お客様に丁寧にお勧めしたい。  

冬至がゆも食べる。
これは小豆がゆ。
カボチャも食べる。

インフルエンザが流行っているが、
小豆粥とカボチャは風邪避けとなる。

小さな喜び、ささやかな幸せを、
お客様にきちんと提案したい。  

中国では冬至に食べるものが違う。
北方では餃子を食べる。
南方では湯圓(餡の入った団子をゆでたもの)を食べる。

冬至には一家団欒で過ごす風習もある。
なぜか世界中で「冬至祭」が祝われる。
キリスト教のクリスマスも、
起源は冬至祭と言われている。

地球の恵みの根源の一つは太陽です。
その太陽の力が最も弱まるのが冬至。

株の世界でいえば、「二番底」。

それが無事に過ぎ去ったら、
人間は喜びたい。

だから皆で祝う。

現在の経済も景気も、
最も弱まった時かもしれない。

だからそれが過ぎたら、喜ぶ。
「冬至」にはそんな意味が含まれている。

私たち日本では、翌日の23日は天皇誕生日の祭日。
その次の24日が、クリスマス・イブ。
そして25日の金曜日はクリスマス。

3日間セットで、誕生祭一色。

小さな喜び、ささやかな幸せを、
支援したいし、お手伝いしたい。  

それが今週。

ただし26日の土曜日から、
売り場をがらりと変えて、
和風の日本の年末際になる。

26日からは、
「来年への希望」を分かち合う年末商戦となる。  

人間は、希望がなければ生きることができない。
その希望を示唆し、提供する。

忘れてはいけない。

たちの仕事は、
お客様の暮らしを支えること。  

つらい時、苦しい時、景気が悪い時、
私たちは「小さな喜び、ささやかな幸せ、明日への希望」で、
生き抜いていく。  

それを提供するのが、
小売業・商業、サービス業の役割。

Everybody! Good Monday!  

2009年12月20日(日曜日)

ジジの函上の考え[日曜版]

お花がおくられてきました。
「まわた色したシクラメン」ではなく、
「もも色のシクラメン」。
1
これがいい。
とてもありがたい。

でも、ボクが気になるのは、
お花がはいってきたハコのほう。
2
ハコの中も、すき。

ハコの上のほうも。
3

ボクの名まえは、ジジ。
ハコは、ボクのものです。
5

ハコのうえは、おちつきます。
6
すぐに、うとうと。

じゅうたんの上や、
たたみの上、
ゆかの上もいいけれど。
なんといってもいいのは、
ハコの上。
7
よい考えが浮かぶところを、
「三上」(さんじょう)といいます。
中国の欧陽修という人が残した。

「馬上、枕上、厠上」。
「ばじょう、ちんじょう、しじょう」と読みます。
読んで字のごとく、
馬の上、枕の上、
そしてかわや、すなわちトイレ。

ボクの場合は、「函上」。
8
函上にて、まどろみ、
物思いにふける。

「………」

「んっ?」  
「…」
4
いい…考え……が………。
うかんだ!  

そうだ。
ユウキヨシハルのおとうさんに、
知らせなくちゃ。
9

どこにいるかな。
おとうさん。
12

ヨコハマのアラタマ川。
11

川のそばの商人舎に、
いってます。
12
シェラトンホテルが、
冬の空に映えて、うつくしい。
そのうしろの雲も、おもしろい。

ねえ、ねぇ、おとうさん。
13

ボク、いい考えがうかんだんです。
14

ほんとに、いい考えです。
ねえ、ねぇ、おとうさん。
「函上」で、いい考えがうかんだんです。
15
ねえ、ねぇ、きいてよ。
ユウキヨシハルさん。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年12月19日(土曜日)

「幸せ基準」と「良い会社基準」の新しい風が吹く。

日本経団連の発表。
2009年冬期賞与最終結果。
前年比マイナス15.01%。  

過去最大の落ち込み幅で、2年連続減少。
しかし金額は、75万5628円。
経団連に属する大手企業の集計だから。

通称「経団連」の社団法人日本経済団体連合会は、
2002年5月に経団連と日経連が統合して発足。
会員数1609社&団体等。
日本を代表する企業1295社、
製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体129団体、
地方別経済団体47団体などによって構成される。

まあ、日本の産業を牛耳っているのが、
この経団連。

19業種のうち、
18業種がダウン。

しかし食品業界だけプラス。

昨日、日経の田中陽さんの言葉を引いて書いたが、
「食品のナショナルブランドは儲かる」  
だから大手食品卸売業も、成績は良い。

この冬のボーナスに関しては、
経団連の最終集計結果がマイナス15%だったという事実が、
日本全体のボーナス相場の判断にどのくらい反映されるか。

中小企業、零細企業では、
ボーナス0、見舞金程度というのが実情だろう。

なんとか、日本全体のボーナス水準が発表されないものか。
大手の、最も高い企業群の賞与が発表され、
報道されて終わりというのでは、
これは発展途上国の視点になってしまう。

しかし、経団連の15%マイナスは、
中小企業では半減にも等しい。

だから、これから年末際に向かう本格商戦は厳しくなるし、
来年も、当然ながら厳しい。

11月の全国百貨店売上高。
前年同月比11.8%減。  

21カ月連続前年割れ。
2カ月連続二桁減。

朝日新聞が「地方百貨店」の蘇生について取り上げている。
しかし、どの事例も、本業の回復にはつながりそうもない。
まだまだ、地方百貨店の支店は、どんどん閉鎖されていく。
百貨店の本業そのものが、その立地と大きく関係している。

最新の商業統計で272店舗の日本の百貨店。
私は120店まで減ると考えている。
そこで現在、一生懸命働いている人々には、酷な言い方だろうが、
社会にとって必要とされないものは、
残念ながら消えていく。

すべての百貨店がなくなることはない。
しかし、百貨店の本来の機能が果たせなくなった店は、
変わるか、動くか、閉めるかしなければならない。

この百貨店の動向は、
全消費を象徴しているかにみえる。

ショッピングセンターはどうか。
今年10月の既存のショッピングセンターの売上高は、
前年同月比7.6%マイナス。  

こちらも14カ月連続で前年割れ。

さらに日本ショッピングセンター協会の発表では、
2009年のSC開業数が57カ所と前年比マイナス35%。
これは21世紀にはいった年2001年以来の低水準。

これで日本のショッピングセンター時代は終焉するのか。
日本ショッピングセンター協会の見解。
「10年は開業数がさらに減る」。  

2007年の秋に「改正まちづくり三法」が完全実施され、
再び、延べ床面積1万㎡を超える郊外店が規制され始めた。

昨2008年は規制前に計画されたショッピングセンターがオープンしたため、
全体としては目立たなかったが、今年は反動的に出店が減った。

とりわけイオンのショッピングセンター開発は今年、半減以下の10カ所。
昨年は23の開発物件がオープンした。

地方百貨店の中小都市支店は閉鎖される。
郊外ショッピングセンター開発にもブレーキがかかる。

これが今年から来年の潮流となる。

商業競争の様相が変わっていく。

消費や購買のパイが縮む。
既存店舗や新規店舗のパイも縮む。  

「縮む」ことは、「賢くなる」ことに通ずる。

ある意味で、これを真摯に受け止める必要がある。
永遠に日本国が成長し続けることはない。

その大きな流れの中で、
人々の幸せはつくられる。

私がよく言う「幸せ基準」が重要になってくる。  
来年に向けて、真剣に考えねばならないことだ。

伊那食品工業㈱の塚越会長曰く。
「会社は年輪のように永続していく」  
環境が厳しいときには、小さく成長する。
環境が良好な時には、大きく年輪を刻む。

ただし、年輪は必ず外側に刻まれる。  

「幸せ基準」で考えるとき、
企業の年輪は売上高や利益額ではない。

「幸せ基準」の年輪がある。

それでも、伊那食品は寒天生産の断トツのシェアで、
利益率の高さでも群を抜く。
「良い会社をつくりましょう」  
このスローガンのもと、
「良い会社基準」で年輪を刻む。

すると、高い経営効率が刻まれる。
不思議な「ニワトリと卵」の関係。

来年から私たちが目指すべき企業とは、
そんなものだと思う。

その意味で、来年の光が見えている。
それが年末に示されるさまざまな指標に表れている。

さて昨日の朝は、
東京・池尻の東邦大学付属病院。
眼圧は左1.4、右1.6で、良好。
一安心。

そして夕方は、
商人舎のささやかな忘年会。  
横浜市西区北幸の商人舎オフィスに、
20数名の皆さんが集まってくださった。
1
夕方5時から開始。
約2名、その前から来られて、
打ち合わせをしつつ、
ビールを飲み始めた。

ほぼ全員がそろいかけたとき、
まず、主催者が「ロヂャース28号」の説明。
そう太田順康副社長が贈ってくれたプライベートブランド自転車。
2
「風」を切って爽快な気分で走ることができる。

さらに、全員が一言ずつ、スピーチ。
商人舎忘年会は、必ず、これがある。

浅香健一先生と小森勝先生。
名人会コンビ。
3
鈴木國朗先生は、
新潟から駆け付けて、
8時半に到着。

高木和成先生もごあいさつ。
商業経営問題研究会代表世話人。
4

全員のスピーチを全員が聞く。
いわゆる全員参加型忘年会。
それはこの人数だから可能となる。
しかも、時間無制限。
5

ちょっと遅れて到着のUSP研究所の當仲寛哲さんと鹿野恵子さん。
6

余興は、結城義晴ライブ。
ほんのちょっと、悪乗りして、
冷や汗たっぷり。
7
テーマは「風」でした。
来年は新しい「風」が吹く。

そして最後は11時半まで。
8
皆さん本当にありがとう。
来年もよろしく。

「幸せ基準」
「良い会社基準」
そのためにこそ、
収益性の高い会社づくりや店づくりが、
求められている。

売上高や利益額は、
それが目的ではない。

あたらしい「風」の吹く日々、
目指す方向を間違えてはいけない。

<結城義晴>  

2009年12月18日(金曜日)

ヤオコー川野幸夫会長の「安売り大会の年」に食品卸売業好調の理由

日経新聞一面のシリーズ「デフレと闘う(中)」  
ファーストリテイリング柳井正会長兼社長の言葉から始まる。
「最後は0円になるんじゃない?」  
ジーンズの値下げ合戦。

そのとおり、ジーンズメイトは4店舗のオープンセールで、
1600本のブランド品をただで配ったと、この記事は報じる。

これが事実だとすると、
もう、おしまい。

倉本長治の言う「不況は商人を鍛える」とはいかない。

朝日新聞ではヤオコー会長の川野幸夫さんが語っている。
日本スーパーマーケット協会会長になると露出度も格段に上がる。

「安さだけがお客様のニーズではない」
さらに、続ける。
「今年は『安売り大会』の1年だった。  
今後は知恵を出し、
付加価値の高い商品やサービスを、
提供していくことが大事だ」

12月13日の日経MJの「底流を読む」
日本経済新聞社編集委員の田中陽さんが書いている。
「今年11月、高値更新したり、上値の軽い展開の銘柄があった」
やはり株式の専門新聞らしい表現。

それは、加藤産業、菱食、伊藤忠食品。  
そう、食品卸売業。

これらの企業の9月期決算など見ると、
いずれも良い成績。

「デフレ⇒小売りからの圧力⇒卸売業の利益低下」
そうではなかった。

田中さんは、理由を考察している。
「ナショナルブランドは儲かる」  

卸売業は、
ナショナルブランドのマージンミックスと、
売場提案、売り方提案で、
利益を上げている。

田中さんは、結論する。
「NBとPBとの新しいバランスを、
築き上げる時が来ている」  

小売業や卸売業、
そしてメーカーも、
利益の源泉となる技術は、
「プロフィット・ミックス」である。  

経営の本質は、ここにある。

とりわけ卸売業は、
それが社会的機能であるとすら、
私は思う。

デフレと闘うなんてことを過剰に意識しなくとも、
本来の仕事を果たし、
本来の利益創出の技術を駆使すれば、
現状を克服できる。

もちろん、この仕事と技術は、
これまでと同じではないし、
「鍛えられた技術」でなければいけないが。

さて昨日は、立教大学池袋キャンパス。
r1

産官学共催の「としま公開ビジネス講座」。
この中の、産は巣鴨信用金庫、
官は東京都豊島区、
そして学は立教大学大学院ビジネスデザイン研究科。
場所は、8号館8202教室。
r2
広報コピーは、以下のようになっている。

「としま公開ビジネス講座」は、
豊島区を地元とする「立教大学」および「巣鴨信用金庫」と、
「豊島区」の産学官が一体となり、
地元中小企業を支援する目的で、
前期と後期の全6回のセミナーを開催しているものです。
質疑応答の可能な勉強会形式でのセミナーで、
大学と地元中小企業との連携を強化することを目的としています。

私は、そのトリとなる第6回目の講師。
テーマは「中小企業のサービス・マーケティング」

これまでのテーマと講師は以下。

第1回 5月27日(水) 18:30~20:00
「中小企業の事業承継戦略」
講師:岸本光永(立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授)

第2回 6月18日(木) 18:30~20:00
「中小企業のマーケティング戦略」
講師:笠原英一(立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授)

第3回 7月16日(木) 18:30~20:00
「中小企業の経営戦略」
講師:大久保隆弘(立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授)

第4回 10月 8日(木) 18:30~20:00
「中小企業の知財戦略」
講師:柴田徹(株式会社ビズ・ビタミン代表取締役社長)

第5回 11月 12日(木) 18:30~20:00
「中小企業の事業承継と税制」
講師:高山昌茂(立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授)

私のテーマにはサブタイトルがついている。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」  

ご存知、故倉本長治商業界主幹の言葉。

サービス・マーケティングの根底にあるのは、
顧客満足と従業員満足の両立であることは間違いない。

ピーター・ドラッカー先生は、言っている。
「サービスこそ、産業の米である」  
私はまず、中小企業の範囲を明確にするところから入った。
中小企業基本法第二条に示されている。
ちょっと面倒だ。
業種別に範囲が違うからだ。

①製造業、建設業、運輸業その他の業種
⇒資本の額(資本金)又は出資の総額が3億円以下の会社、
 並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

②卸売業
⇒資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社、
並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

③サービス業
⇒資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社、
並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

④小売業⇒資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社、
並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

別に、この範囲の会社以外は大企業かといえば、
まったくそれは当たらない。

しかし「中小企業のサービス・マーケティング」ならば、
これは大事な範囲となる。

その後、 講義は進んだ。
「すべてのビジネスがサービス業化しなければならないこと」
そのために「お客様の声を聞くこと」
「ロイヤルカスタマーづくりに邁進すること」
そして「カスタマー・サティスファクション」
「エンプロイー・サティスファクション」
「お客様のために いちばん大切なこと」

最後に二つほど質問。

こういった講座に勉強に来る人は、
いくつかに分かれている。

困っている人、
向学心に燃えている人、
自分の事業の成果や政策の是非を確認に来る人。

最後の人が、質問をすることが多い。

とても良い質問で、
私も勉強になった。

ご清聴とグッド・クエスチョンに、心から感謝したい。

講義が終わって、自分の研究室に戻る。
そして後片付けや土曜日の講義の準備。
立教のキャンパスは美しい。
心が和まされる。

今、その中心は、クリスマスツリー。
r3
池袋に足が向く人は、ぜひ立ち寄ってください。

名物のクリスマスツリーがお待ちします。

<結城義晴>  

2009年12月17日(木曜日)

小沢一郎・鳩山由紀夫の猿芝居と菅直人・竹中平蔵のテレビ番組型論争

小沢一郎と鳩山由紀夫。
菅直人と竹中平蔵。  

鳩山内閣の方針転換。
主要マニフェストの転向。

小沢幹事長の民主党に寄せられた「国民の陳情」は2800件。
この「国民の意志」を盾に、マニフェストを変える。

「ガソリンなど暫定税率維持」
「子供手当・高校無償化」
「高速道路無料化」
「農業の戸別所得補償導入」

首相官邸に乗り込んだ小沢幹事長以下の面々。
まあ、猿芝居と国民の目に映ったことは確かだろうが、
私は、鳩山内閣と民主党の「豹変」は、
必ずやってくるし、それが必要だとも考えていた。

だから驚くことでも、怒ることでもない。

ただしこの猿芝居は、なんとかならぬものか。
もっと、スマートなやり方があるだろうに。

政府と党が議論し、意思決定し、
決然と国民に表明する。
その方が、いわゆる「カッコいい」。

一方、菅現経済財務大臣と竹中元経済財務大臣。
朝日新聞では、対立性を指摘。
「経済の供給側と需要側のどちらを優先するか」  
そのとおりで、これは、意見の対峙。
これが鮮明になってきたことは、実によい。

そして国民は、「需要の優先」を選択した。

小泉&竹中以前の自民党は、
明らかに供給側優先。
そして小泉・竹中も供給側優先。
ただし、後者は規制緩和と改革政策によって、
供給側から立て直しを図ろうとした。

しかし実行が遅れた。
小泉も首相を降りた。
すなわち、「実行」はできなかった。  

だから、国民が選択した。
「需要優先」を。

菅対竹中の新旧経済財務相論争は、
こちらはテレビ番組型。
言いたいことを言いあって、
論争に見えるが、
時間は限定されていて、
結論も実は明々白々。

ただし、小沢・鳩山の猿芝居と、
菅・竹中のテレビ番組は、
つながっていなければならない。

「需要優先」の実行という方向に。  

一定レベルで、その結末を、
私たち国民に見せてほしい。
私たちがその道を選択したのだから。

私たちの責任として。

さて、今日のニュースからの発言。
日経新聞の今日の「人こと」。
ニチレイの村井利彰社長。  
「食品メーカーとして、
原料をつくる農家を支えるのは使命だ」  

謙虚さとミッションがこもった言葉。
良いし、正しい。

「原料から差異化を進めないと、
消費者から選ばれなくなる」  

マニュファクチャーの社会的役割。

一方、今日の日経MJ「総合小売りページ」の囲み。
赤松広隆農林水産大臣がイオンの農場を視察。  
「強いものがバンと現金持って、
何でも産地で買うのはいいのか」と、
発言していたが、
イオン岡田元也社長が、
「文字通り畑違いの我々の活動が刺激になり、
農業全体の活性化になれば」と発言し、
赤松視察につながったもの。  

視察後の赤松発言は、
「他の企業にもこれくらいやってもらう(もらいたい?)ほど、
意義は大きい」と一変。

農業支援なのか、
農業支配なのか。

しかし、小売業は「工場を持たないメーカー」。
「農場を持たないメーカー」でもある。  

私は、ニチレイ村井派である。
ときがそれを証明するに違いない。

もちろんイオンやイトーヨーカ堂の農場経営に、
水を差すつもりは全くないし、
農場の現場で奮闘する人々には、
心から応援のエールを送るものだ。

しかし、私には自信がある。
歴史がそれを語っている。
そして歴史に学ぶとは、
あくまでも謙虚になることだからである。  

<結城義晴>  

2009年12月16日(水曜日)

『岡田卓也の十章』の「建物はあるが店はない」と岡田元也イオン社長の「総合スーパー転換策」

イオン岡田元也社長が記者会見。  
各紙が報じた。

話題の第一は、総合スーパー業態の転換策。
イオンでは「ジャスコ」というバナーを使っているが、
マイカルの「サティ」など含め国内に約560店を展開している。

これらは、連結売上高の約半分を占め、
営業利益は1割を超える。

この総合スーパーの著しい低迷が、
上半期連結決算における最終赤字を招いた。

「ユニクロなどに比べて時代遅れなビジネスモデルになっている」
岡田元也さんは、こう語ったが、
まさに、業態のライフサイクルから考えると、
明らかに衰退フォーマットの様相を呈している。

「商売の仕方、店の構え方など、
根本的に考えなければならない」
そして、業態の抜本的な転換を示唆。

イオン名誉会長の岡田卓也さんの本がある。
『岡田卓也の十章』(㈱商業界刊)
私が、前職の最後に置き土産のようにしてきた本だが、
その第一章は「店舗編」。
タイトルがふるっている。
「建物」が多いだけで「店」は少ない。  
岡田卓也さん自身が述懐しているのだ。
店の形をした建物は多いが、
お客様から支持される本物の店は、
ひどく少ない。

ジャスコをはじめとする総合スーパーの立て直しは、
「店」にするところから始めねばなるまい。

「店」にならない立地の「建物」は、
さっさと撤退するか、閉鎖するか、
または業態転換するしかない。

衰退業態の店が、
すべて機能しなくなるわけでは、
決して、ない。

衰退業態の店は、
機能する立地が限定されてくるのだ。  

総合スーパーは、
「衣食住の商品を手ごろな価格で販売する業態」。
この「あいまいな総合性」が、
「つきつめた専門性」によって、
市場を奪われてしまった。  

需要と供給の関係の中で、
供給が足りないときには、
「総合性」の便利さは効果を発揮する。

しかし、供給過多の時代には、
その「総合性」は無駄となる。
顧客は「専門性」を重視する。
ただ便利な総合店に並ぶ商品やサービスは、
もはや必要とされない。

コンビニやスーパーマーケット、
ドラッグストアやカジュアルファッション店は、
消耗品や購買頻度の高い商品群を売る。
しかも「専門性のある総合」であって、
これらの店が顧客の周辺に存在すれば、
「総合スーパー」はもはや必要とされない。

岡田元也さんは、明言したという。
「店舗家賃の引き下げや人員配置の見直しで、
約390億円のコスト削減をし、
2010年2月期の連結最終損益は黒字化する」  

先の『岡田卓也の十章』第三章「競争編」の最後の言葉。
問屋から集めた独自性のない商品を、
何の技術や創意工夫もなく、
安易に並べているようなお店に、
……、未来はない」  

岡田元也会見のもう一つのテーマは、
デフレと安売りに関するもの。  
岡田さんは語った。
「他社より1円でも安い物を売るという競争は効果がない」。
安売り競争が「マンネリになっている」。
値下げに代わる集客手段については「答えがない」。
このあたり、ちょっと弱気。

ただし、「流通業界の低価格競争がデフレの元凶」との批判には、
一転、強気。
「生産性を向上させて所得を上げる努力が必要」

顧客が喜ぶことに邁進する。
それが小売業だし、
岡田元也が目指す「革命商人」のあり方だ。

故倉本長治は、『考える商人』(商業界刊)の中で言っている。
「我々が言う商業革命とは、
商品の取引、消費者に対する販売の考え方から、
そのための組織は方法をすべて急変させることを指し、
革命商人というのは、その激動を、
みずから挺身推進する勇気ある先駆的商人のことである」

『岡田卓也の十章』から。
第四章のタイトルは「絶対不利は絶対有利に通ずる」
第九章のタイトル「やり方を考えて考えて考え抜く」  

さて昨日の東京・銀座六丁目交差点。
米国カジュアル衣料チェーン「アバクロンビー&フィッチ」がオープン。
通称「アバクロ」期待のアジア第一号店。  

1階から11階までの鉛筆ビルで、店舗面積は973.73㎡。

1892年にデビッド・アバクロンビーによって創業されたアバクロは、
アメリカ、ヨーロッパ、そして日本でも人気の的。
2009年全米チェーンストアランキングでは96位で、
年商35億4000万ドル(100円換算で3540億円)、    
ただし売上げは前年比マイナス5.6%。
純利益は2億7200万ドルで、
こちらは前年比マイナス42.8%。
店数は1125店で、8.75%増。

エキサイティングな売場づくりや売り方は、
ニューヨーク5番街の店と変わらない。
しかしジーンズは2万円前後、
ティーシャツは5000から1万円というから、
1.5倍から2倍近く高い。

アバクロのような超のつくステータスをもつ店は、
明らかな高売りでも、一応は顧客が並ぶ。

これが長続きするかどうかは分からないが、
アメリカに行って、アバクロで買う喜びと優越感は、
ちょっと残された感じがする。

この分野は、まだまだ「舶来品」感覚なのか。

<結城義晴>  

2009年12月15日(火曜日)

楽天・Yahooの過去最高記録と倉本長治の「同質性という欠陥」

日本銀行が12月の企業短期経済観測調査を発表した。
通称「日銀短観」。  

製造業では現状、改善がみられるが、
3カ月後は鈍化するという予測。
対個人サービスや飲食店・宿泊サービスの景況感は悪化。

「販売価格が下落しているが、
仕入れ価格はそれほど下がっていない」  

一方、先週末の日曜日、12月13日の日曜日。
インターネット通信販売は大盛況。  

楽天市場の総売上高は、1日で30億円台後半。  
これは前年同日比2割増で、12月日曜日の過去最高。

日経新聞の囲み記事。

同じ13日日曜日の「Yahoo!ショッピング」は、
売上高10億円以上で過去最高。  

前年比40%の増加。

経済不況、消費不振。

しかし日本人には金がないわけではない。
カネを使わないわけでもない。

これまでと同じ使い方、
旧態依然とした消費の仕方に対して、
日本人が「NO」と言っているのだ。

その日経新聞のコラム「大機小機」。
先週の金曜日に、ペンネーム文鳥さんが書いている。

日経は、鳩山政権には辛口で通しているが、
文鳥さんはそうでもない。

「時々刻々と変化する株価や為替の動向は、
政権に対する通信簿ではない」

「市場は誕生したばかりの政権に揺さぶりをかけ、
市場への『忠誠』を求めているのかもしれないが、
新政権は翻弄されてはならない」  

「そもそも市場の声は国民の声を反映しているとは限らない」

ここでいう「市場」とは株式市場のこと。
株式市場の乱高下が、国民の暮らしに大打撃を与えるわけではない。
日本という経済圏において、
貨幣経済と実体経済の関係が、いかにあるかを説明している。

「円高による輸入品の値下がりを多くの国民は歓迎しているし、
家計の金融資産に占める株式の比率も、
日本の場合は7%と米国の同31%の4分の1にも満たない」

「市場が騒ぐほどには円高も株安も、
国民生活には直接影響を与えてはいないのだ」  

この文鳥さんの指摘、私も賛成。

要は、株式市場経済の不振が、
マインドとして一般国民に伝染し、
それが消費不振の原因にもなっている。
マスコミの影響力の大きさと、
その無責任な扇動は、
日本という国を全くもって、
変な方向に導いてしまう。

しかしだからこそ国民もビジネスマンも、
そのマスコミの言葉に踊らされてはいけない。

自分の信念をもとに、
自分で判断できること。  

それが何よりも大切だ。

他人の動向に惑わされ、
他人の判断にゆだねてしまっては、
生きている意味がない。

商売をやっている人、
商売の仕事を担っている人には、
それが強く求められている。

「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」が伸びているのは、
インターネット販売が便利であるという理由からだけではない。
流行だからというだけでもない。

既存の有店舗小売業が同質化して、
新鮮味を喪失しているからだ。

インターネット販売も、
それがもっともっと普及していけば、
顧客は移ろってゆく。

その上、インターネット販売は、
広範なマーケティング展開であるから、
「クリティカルマス」の効用が大きく、早い。
有店舗小売業は、あくまで地域性にのっとっている。
だからこそ有店舗販売には、
局地性や独自性・個性が求められる。

商業界主幹の故倉本長治が、
断言している。  

<『商店経営読本』より>  
「現代小売店の最大の欠陥のひとつは、
どの店も同じような品を並べ、
同じような値段で、
同じような売り方をしていることだ」

倉本長治は、6つの現象をあげている。
「1.どこにでもある品とほとんど同じ。
2.どこでもやっている同じ売り方
3.どこの店に行っても同じような値段
4.どこの店も同じような店づくり
5.その上何をしたらよいかも考えない
6.どうすることが正しいかさえ自覚していない」  

倉本長治は、
ひどく怒っていた。
ひどく悲しんでいた。

「商品にも、経営にも、
まったく個性がないことに気がついていないのである。
この店だけの独自の方針や政策とか商品とかが、
お客からは見えてこないのだ」

自分では「違い」を出していると思っても、
お客にはそれが、くっきりとは見えていない。

40年も前の言葉だが、
現在の状況と酷似している。

「自分では何もしないで助かる路を求めている」

「お客からは見放され、
自分で売りたい商品も手に入らなくなり、
消滅するしかないではないか」

「自分の考えで、
お客が本当に求めている商品とサービスを、
店一杯にしようという努力を放棄してしまえば、
それを『店』と呼ぶことさえも恥ずかしい」  

倉本長治は、なぜか、
怒っていた。
悲しんでいた。

「同質性という欠陥」  
今、私たちが自覚し、
抜け出さねばならないのは、
このことだ。

商人舎4月の標語。
「差異が価値を生む」  

12月商戦後半に向けて、
他との「違い」を出しつつ、
己を貫くことに全力を挙げたい。

<結城義晴>  

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年8月
« 7月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.