結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月12日(土曜日)

野田総理「TPP交渉参加表明」と巨人軍清武vsナベツネ確執と食品安全基準FSSC取得の「世界観と処世訓」

今日は土曜日で、
いい天気。

私は東京・池袋の立教大学キャンパス。
結城ゼミのみんなと落ち合って、
修士論文・調査研究レポート仮提出の報告を受け、
今後の仕事の確認。

そのあと皆で昼食。

いい日です。

「いい日は いいな♪」

さて、野田佳彦首相。
昨11日夜、首相官邸で、
TPP(環太平洋経済連携協定)に関して正式表明。
「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」
「貿易立国として築いた現在の豊かさを次世代に引き継ぐには、
アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならない」

今日開催のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で、
直接、関係国に伝える。

歴史的にみると、これは、
「自然⇒必然⇒当然」の流れだと思う。

「国内調整は難航必至」だが、
「成長アジア主導の好機」

日経新聞の見出しから。

それよりも読売巨人軍。
以下はすべて読売新聞からのコメント。

まず清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー。
わざわざ文部科学省内で記者会見。

「岡崎郁ヘッドコーチの留任について
渡辺恒雄球団会長(読売新聞グループ本社会長・主筆)に報告し、
了承を得ていたのに、9日になって渡辺会長から
『ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎ヘッドは降格させる」と、
これを覆す指示があった」

「桃井恒和オーナーを飛び越えて、
不当な鶴の一声で内定した人事を覆すような行為を、
許すことはできない」

ナベツネ氏は沈黙。

代わりに巨人軍・桃井恒和オーナー兼社長。
「驚いているし、残念でならない」

「代表取締役である私が知らないところで、
(今日の記者会見を)やったというのは、とんでもないことだ」

「渡辺会長は親会社のトップであり、常に意見交換しているが、
誰かの鶴の一声で変わるものではない」
ナベツネ氏寄りの発言。

清武氏の処遇に関して、
「当面は球団代表、GMの仕事をやってもらう。
今後は球団と読売新聞社の取締役会で協議する」

巨人軍・原辰徳監は、秋季キャンプで宮崎にいた。
「江川さんの件はまったく知らなかった。
大事な先輩であり、功労者ですので、
ご迷惑がかからなければいいが」
江川を思いやった。

その江川卓氏。
「正式に話は聞いていませんが、
巨人軍ヘッドコーチに名前が挙がるのは大変名誉なことです。
ただしこのような状況では、
多くの関係者に迷惑を掛けてしまうことになるので、
お受けするのは難しいと思います」

讀賣グループ内の騒動を、
讀賣新聞が報告。

この各自のコメントのニュアンスから判断するのがよろしい。

球団会長がいて、
球団社長がいて、
球団代表がいる。

この中で、社長の存在感が薄いのが問題。

なんだかんだ言いあっていても、
「会長」と「代表と称するゼネラルマネジャー」のコミュニケーションの問題。
渡辺85歳、清武61歳。

まあ、よくある話で、
オリンパス事件に似ていなくもない。

現場の原辰徳や外の人間の江川卓に、
「累が及ぶ人事ゲーム」は、
「塁を奪うゲーム」としてのベースボールとはいっても、
よろしくはない。

日経新聞1面コラム『春秋』

「人間が生きて行くためには、
世界がどんなふうにできているかという世界観と、
世界がそんなふうにできているならこう生きようという処世訓が必要だ」

井上ひさしの遺作小説『一週間』から引用。

井上ひさしは続けている。
「そのときそのときの利害に合わせて、
この世界観と処世訓を簡単に変えてしまう人間が多
い」

最後に手厳しい。
「彼らを信用してはいけない」

野田佳彦日本国総理大臣、
清武英利讀賣巨人軍球団代表と渡辺恒夫球団会長。
それぞれの世界観と処世訓。

信用できるか?

さて、日経新聞に「食の安全『国際標準』対応」のタイトル。

食品・飲料メーカーが「FSSC22000」取得に動いているという記事。

ウォルマート、テスコの小売業や、
メーカーのダノンなど、
世界の流通・食品企業約650社が参加する組織がある。
名称は「コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)」
このCGFが策定した安全管理規格が「FSSC22000」。

これは広く普及している「ISO22000」をベースとしているが、
ISOよりも基準が厳しい。
「食品への異物混入を防ぐために工場への人の出入りをチェックしたり、
廃棄物の処理方法やトイレの配置場所まで定めたりしている」

伊藤園は静岡県内の自社工場と清涼飲料を生産する長野県の委託工場で、
FSSC22000の認証取得手続きを始めた」

コカ・コーラグループは今春に国内全29工場で取得を済ませ、
取引先にも取得を要請する」

そのために飲料の原料メーカーやペット容器などの資材メーカー約170社、
さらに2013年末までには約40の飲料委託先でも認証を得る方針。

小売り側は、イオン。
国内外に約450あるPB加工食品の委託工場に対し、
15年度までにFSSC22000を取得するよう要請する。

取引先がFSSC0を取得すれば、
イオンにとっては工場監査が省ける。

また、生鮮野菜や畜産品に関しては、
「グローバルGAP」の取得を求めていく。
これは同じくCGF推奨の「農産物の安全性に関する別の規格」。
イオンは生鮮のPBを生産する契約農場や直営農場に対しても対応を強化する。

国際的な安全基準順守。

これも世界観と処世訓に通ずる動きである。

それが「信用」を形づくることになる。

<結城義晴>

2011年11月11日(金曜日)

「クリスマスにはピザ」と「今年の七五三4つの傾向」そして「経営者の女房役」

「クリスマスはピザ」
「林廣美の今週のお惣菜」
今日、アップされた商人舎ホームページの人気ブログ。
もう166回を数える。

今回、USA研修会MDコースでご一緒したときにも、
74歳の林先生のお元気ぶりには、舌を巻いた。

長いキャリアと経験、
現役コンサルタントとしてのアップデートされた情報。

それがミックスされて、
鋭い提案が次々に出てくる。

「クリスマスの日にはピザ。
不思議に売れる」

林先生、やはりすごい。

11月15日は「七五三」。
七五三は「しち・ご・さん」と読むし、綴る。

小学校に入ったばかりのころ、
「七」の読み取りテストで、「ひち」と書いて、
先生から、×にされた。

あとの問題はいつも、全部、
正解だったから、
最初に×をもらったときは、
不思議だと思ったが、
二度目にテストに出た時にも、
また「ひち」と回答して、
×をもらった。

私は横浜の小学校に入る前まで、
福岡で育った。

向こうでは確かに「ひち」だった。

以後、ずっと、
違和感はあったが、
「しち」と答え続けた。

「七五三」も「ひちごさん」を我慢して、
「しちごさん」にしている。

そんな思いが残る「七五三」。
来週火曜日の11月15日。

今朝の日経新聞『消費の現場』。
「七五三、今年は高級志向」

記事は百貨店の高島屋横浜店と小田急百貨店を取材。
七五三関連商品は、軒並み前年同期を上回る。

なぜか。
背景に意識の変化があると分析。
「東日本大震災を契機に
家族と一緒に過ごす時間を大切にするという意識」

それが「出し惜しみする気持ちはない」につながる。

横浜高島屋は、七五三関連の売上げが、
前年同期比プラス15%。
例年は40万円前後のセットにかんざしなどを買い足す。
しかし今年は、「70万~80万円と前年実績より3~4割」高い。
さらに「1品1品を別々に選んで購入する消費者が多い」。

フランス料理で言えば、
「コース」でなく、「アラカルト」。

小田急百貨店では、
「絹100%の祝い着やかんざしなど
小物へのこだわりが目立つ」

例年、3歳児向け7万~10万円が、
今年は10万~15万円。
9月、10月は前年比20%プラス。

私なりにまとめると、
第1に、この百貨店における七五三関連商材の好調ぶりは、
今週末の12日土曜、13日日曜から、15日火曜まで、
スーパーマーケットやコンビニの食品消費につながる。

第2にその内容は、
「家族と一緒に過ごす意識」に、
支えられたカテゴリーとなる。

第3に、「アラカルト」消費。
すなわち1品、1品を選ぶ。

第4に、「出し惜しみしない」。
つまり豪華商品、高額商品。
これは心強い。

さて、もうひとつ日経新聞『大機小機』
コラムニスト五月氏が、
「経営トップと女房役」と題して書いた。
なんとも季節外れのペンネームだが、
内容は日本的経営の原点で、いい。

小売流通業に多くの事例がみられるが、
五月氏が取り上げたのは、
松下幸之助と本田宗一郎。

「松下電器産業(現パナソニック)の創業者・松下幸之助と
その妻、むめの夫人」

幸之助を陰で支えたのが、
「むめの夫人のプラス思考と泰然とした姿勢だった」

「従業員に寮と食事を用意して
挨拶、言葉遣いなどを徹底して教育した。
困ったことがあれば、とことん相談にのった。
家族同様に処したことが結束する力を生み、
成功の引き金となった」

さらに「一人ひとりの個性を把握して
トップに適材適所の人事を提言し、
時には苦言も呈する」

家族経営時代の「文字通りの女房役」。

「株式会社となってからは、
高橋荒太郎という大番頭」
「経理の乱れは経営の乱れに通ず」
荒太郎は「常に経営の羅針盤としてトップを補佐」。

本田宗一郎には、
「組織管理・財務・営業で辣腕を振るった藤沢武夫」。

「全く性格の違うパートナー」が女房役だった。

最後にコラムニストは、
米国流の「最高財務責任者(CFO)」を勧める。
チーフ・フィナンシャル・オフィサー。
「CFOの役割は主に
(1)資金戦略
(2)M&Aの推進」

「まず女房役としてのCFOの役割を確立する必要がある」
これが結び。

小売流通業やサービス業にも、当然ながら、
同様のことが当てはまる。

ただし確立されるべき役割はCFOに限らない。
CIOは情報担当責任者。
チーフ・インフォメーション・オフィサー。

経営者にとっては、
「全く性格の違うパートナー」
こんな女房役の考え方がいいだろう。

「ミニ〇〇」や「〇〇の分身」は、
女房役にはならない。

女房役と言えば、
12月2日に開催される「二人のビッグショー」
いま、少しずつ、参加者募集中。

大久保恒夫さんと結城義晴。
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アコースティック・ギターの弾き語りコンサート。
食事付きだから「ディナー・ショー」 (?)ともいえる。
詳細は商人舎までお問い合わせください。

私のパートには女房役が登場する。
二宮護。
昭和28年9月2日生まれ。

大学時代から一緒にやっていた。

恥を恐れず、カッコ良すぎて目が回るが、
あえて表現すれば、
レノン&マッカートニーか、
サイモンとガーファンクルか。

いや、リンゴ・スター&ジョージ・ハリソンの方が、
当たっているか。

チャゲ&飛鳥か、
アリスの谷村&堀内か。
私たちは「September 02」

社会人になってからも同じ道を歩んで、
最近は私の単行本で女房役を務めてくれた。

『メッセージ』(商業界刊)
『小売業界大研究』(産学社刊)
『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』

<1秒でわかるはずない>(東洋経済新報社刊)
みんな編集者は二宮護。

彼も『物流業界大研究』の著者で、
商人舎にもブログを書いている。
タイトルは「物流業界の基礎知識」
いま、35年ぶりくらいに、
「ふたりバンド」の打ち合わせをし、
今週末から練習に入る。

みなさんも、充実した週末を。

<結城義晴>

2011年11月10日(木曜日)

「あらたにす」終了、大阪府知事・市長ダブル選挙告示とTPP論議の「白か黒か」

ウェブサイト「あらたにす」
2012年春、終了。

朝日新聞、日経新聞、読売新聞の紙面読み比べサイト。
記事の冒頭が三つ並んで掲載され、
全文を読むときにはリンク先の各社のウェブサイトに飛ぶ仕組み。

私にとっては便利なページだった。
欧米を旅行中も、
「あらたにす」から「日本の今日」を知った。

2007年10月、3紙が合意。
同2007年11月30日、「事業組合」スタート。
2008年1月31日「あらたにす」オープン。

私はこれを「三占」への露骨な共闘戦線と見た。
「三占とは三者によって
市場のほとんどが占有されてしまうこと」

「あらたにす」は4番手以下を振り落す戦略。

それからほぼ4年。

終了の理由ははっきりしている。
アクセス数と広告収入の低迷。
どのメディアも同じ。

これで一番、ほっとして、
「ざまーみろ」(失礼?)の気分でいるのは、
毎日新聞だろう。

運営主体の「日経・朝日・読売インターネット事業組合」は解散、
しかし新設される「ANY連絡協議会」によって、
3社の協力体制は強化される。

やはり4番手以下を振り落す作戦だけは、
継続される。

ちなみにAは朝日、Nは日経、Yは読売。
このANYの並び順、
かのナベツネ氏からは、
文句出ないのだろうか。

どうでもいいことだけれど。

さて、大阪府知事選告示。

橋下徹前知事が大阪市長選立候補のため、
知事を辞任。

そこで府知事と市長のダブル選挙となった。

大阪府知事選は今日の10日告示、
大阪市長選は13日告示、
ともに27日に投開票。

テレビで映像を見る限り、
私は橋本徹のとんがった物言い、
好きではない。

府知事を辞職し、
市長へ乗り換える発想も、
スタンドプレーに見える。

もとはと言えば、「行列のできる法律相談所」。
テレビ番組から登場したタレント政治家。

拙著『メッセージ』(商業界刊)から、
「集権か、分権か」

中央集権か、地方分権か。
本部集中か、個店対応か。

集めると効率が上がり、
分けると能率が下がる、のか。
いや、ムリに集めるとムダ、ムリが生じ、
分けると、キメ細やかな対応ができる、のか。

機能の集中と役割の分散。
責任の集中と無責任の分散。

雪印の一連の行為も、
続々摘発される他の不正事件も。
ダイエーの水際の再建も、
あのKマートの連邦破産法適用も。

集権と分権の論理破綻の中で起こり、
集中と分散の範囲再整備の中で蘇る。

マキュアベッリの「君主論」によれば、
最も理想的な政治とは最良の独裁者によるもの、となる。
最も唾棄すべきは、
衆愚政治と衆愚組織。

権力と機能の集中と分散を
時と状況に応じてスピーディに使い分ける。

そんな絶対的なカリスマの存在こそが、
社会と大衆の求めるものなのかもしれない。
最良の独裁者が、集めて、分ける。
理想のカリスマが、分けて、集める。

社長よ、部長よ、店長よ。
衆愚にまみれた長と名のつく者たちよ。
最良の独裁者たれ。
理想のカリスマたれ。

それがとりもなおさず、
集権と分権との全体最適のあり方を体現することになる。

「最も理想的な政治とは
最良の独裁者によるもの」

橋本徹は、これを気取っているのかもしれないが、
マキュアベッリは、チェーザレ・ボルジアに、
このイメージを求めたし、
ユリウス・カエサルに理想を感じた。

万が一にも、
最良の独裁者や理想のカリスマでなければ、
とんだピエロに成り下がる。

さてさてTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。

日経新聞の経済コラム『大機小機』で、
常連コラムニストの隅田川氏が語る。

「これまでの議論は、
あまりにも『白か黒か』でありすぎた

「TPP賛成派は、
この機会を逸すると日本経済は二度と立ち直れないかのような議論を展開し、
反対派は、経済社会の枠組みが根本的に変わるかのように主張した」

「しかし、これはかなり極端な議論である」
私も同感。

「TPPの影響は本来長期的なものであり、
その影響の表れ方もこれからの政策姿勢しだいで大きく異なる」

そこで三つの提案。

「第1に、『輸出の増加がメリットで輸入の増加はデメリット』という姿勢ではなく、
輸出も輸入も増やしていくという政策姿勢が必要だ

「第2に、TPPを機に国内経済の構造改革を進めることが必要だ」

「第3に、東アジアの経済統合にリーダーシップを発揮することが必要だ」

「TPPは、加入しさえすればよいわけではない」

「TPPの議論は、これからが本番なのである」

維新の会の「大阪都構想」も、
「白か黒かの極端な議論」の観が強い。

それはテレビの大好きな「勧善懲悪」の発想であり、
「最良の独裁者」とは正反対の「衆愚の扇動」である。

しかし結果は分からない。
大阪府民、大阪市民、あなたたちが主役だ。
頑張れ!

さてさて昨日は、商人舎オフィスに来客。
小笠原荘一さん。
日本チェーンストア協会常務理事

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来週金曜日に、
協会主催のパネル・ディスカッションが開催される。
「東日本大震災からの教訓と課題」

パネラーは製配販から三人の皆さん。
日清食品㈱代表取締役社長・中川晋(すすむ)さん、
三菱食品㈱取締役専務執行役員・中嶋隆夫さん、
㈱イトーヨーカ堂取締役専務執行役員・竹田利明さん

コーディネーターは結城義晴。

もう準備も着々と進んで、
いい内容になりそう。

小笠原さんはその打ち合わせに来てくださったが、
丁寧な仕事ぶりは本当にありがたかった。
心から感謝。

11月18日(金曜日)16時~17時30分、
東京・八方園。

協会会員の皆さん、
多数ご参加ください。

昨日夕方からは、渋谷で、
単行本発刊の打ち上げ。
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東洋経済新報社刊『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』。
1秒ではわからないけれど。

最近は必ず「1秒ではわからないけれど」を、
付け加えることにしている。

だから私的(?)には、
この新書本のタイトルは、ちょっと長くなる。
『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック 1秒ではわからないけれど』
これを一息に言い切る。

この本は、結城義晴編著、商業経営問題研究会著。
つまり共著。

その執筆メンバーがほぼ全員集まって、
ご苦労さん会、慰労会。
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前書きと第1章執筆、全体監修の私、
その隣から、第2章執筆の和田光誉さん、
第4章担当の宮崎文隆さん、
第5章と全体編集の二宮護さん。

大きく息を吸って~、一気に。
『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック 1秒ではわからないけれど』
よろしく。

<結城義晴>

2011年11月09日(水曜日)

[2011帰国後の米欧報告記①]ハード・ディスカウント・ボックスストア「アルディ」フォトレポートといなげやina21

まず、お知らせを三つ。
宣伝ではない。
ご報告。

今夜10時25分からNHKのEテレで、
「仕事学のすすめ」が放映される。
大久保恒夫さんが出演して、
「こうして企業は再生する」の第2回目。
ご存知、㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。

是非、ご覧下さい。

それから、通称「ハンドブック」に、
4ケタ台の一括お買い上げ。
東洋経済新報社刊『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』
1秒ではわかるはずはないけれど、
ありがとうございます。

通称「店ドラ」こと、
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』には、
台湾での翻訳本出版オファーがきています。
これも、嬉しいこと。

さてオリンパス。
1990年代からの含み損1000億円超。
朝日新聞『天声人語』の表現を借りると、
「見て見ぬふりで20年も放置し、
切るに切れぬ病巣にした」
つまり粉飾。

過去のものであろうと、
粉飾を押し隠しつつの健全経営など、
絶対にあり得ない。

だからマイケル・ウッドフォード元社長は、
それを質した。
そしてこのイギリス人経営者は、
突如、解任された。

その気持ち、よくわかる。

故倉本長治商業界主幹は、
『商売十訓』で言い切った。
「損得より先に善悪を考えよう」
「欠損は社会のためにも不善と悟れ」

粉飾を知りつつ、
経営を続けていると、
経営者も社員も蝕まれていく。
やがてそれが組織の風土となり、
企業は腐っていく。

誠に残念なことだし、
本当に恐ろしいことだ。

膿を出し尽くして、
再出発するしかない。

私はいつも、そう考える。

日経MJ『消費見所カン所』に、
㈱いなげや社長の遠藤正敏さん登場。
「高齢者を中心に食品を自宅近くで購入する傾向が強まり、
コンビニエンスストアとの競争が激しくなっている」

そう、業態間競争の激化。

アメリカでもヨーロッパでも、
そして日本でも。

「非食品専業業態が、
生鮮やデリを扱い始めて、
チャネル間競争が起こる」

コーネル大学ジン・ジャーマン名誉教授の指摘。

遠藤さんは述懐する。
「消費マインドは見通せない」

だから確かなことをやる。
エブリデー・ロープライスの小型店フォーマット。
「いなげや ina(いーな)21」

やりきりさえすれば、
いつの時代にも、
確かなニーズはある。

しかしこれをやりきるのは、
本当に難しい。

イオングループの小型ディスカウント・フォーマットの「アコレ」は、
現在13店舗だが、
どちらもモデルは、
ドイツの「アルディ」のはず。

ご本家は小型ボックスストアで、
「ハード・ディスカウンター」と呼ばれる。
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現在、グループ全体(Aldi Nord & Aldi Sud)の年商(2010年)は、
470億5600万ユーロ(1ユーロ110円換算で、5兆1762億円)
ドイツ(Aldi Nord & Aldi Sud)の業績(2010年)は、
年商219億9900万ユーロ(1ユーロ110円換算で、2兆4199億円)
国内マーケット・シェアは13.54%。

アメリカのアルディも、
1978年にシカゴ郊外に第1号店を出してから、
200店、500店、そして1000店を超えて、
やっとディスカウントの効果が出始めた。
1000店までに30年かかった。
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アメリカでの業績(2010年)は、
年商83億6200万ドル(1ドル100円で換算で、8362億円)、
売上げの伸び率は12.1%。
店舗数は1135店で、
こちらの伸び率は7.0%。

両者を比較すると、
既存店が伸びていることもわかる。

2011年全米チェーンストア・ランキング17位。

店舗面積は1万平方フィート(281坪)に標準化されている。
入り口から入ったコンコース。
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取扱アイテムは、1,300SKU。
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限定品揃えのリミテッド・アソートメント。

95%がプライベートブランド。
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コーラもPBで、
常時2リットルを59セント販売。
1ドル100円換算ならば59円、
為替換算の80円ならば48円。

店内は明るくて、
売り場は、簡素でノーフリル。
徹底して、金をかけないローコスト運営。
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店舗左サイドの壁面。
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パン売り場の商品もよく売れている。

レジ手前の冷凍食品売り場。
リーチインケースだが、
見通しがいい。
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冷凍食品やアイスクリームも、
平ケースでしっかり品揃えされている。
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生鮮食品が充実してきた。
「悪かろう、安かろう」では、断じてない。
それが、最大のポイントである。
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パレットに積まれて入荷し、
そのまま陳列・販売され、
そのまま購入されていく。
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卵は奥主通路の主役。
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リーチインケースで売られ、
ラージAの1ダースが、
常時99セント。
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これにはウォルマートすら、
大いに手を焼いている。

住関連商品のコモディティグッズも、
安くて、充実。
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天井からカラフルな垂れ幕が下がり、
什器は移動式の省力型。
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省力機器の下段には滑車が付いている。
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商品は単品大量陳列。
その陳列の上部にボードがあり、
プライスカードには、
商品名と価格のみ。
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このダラスの新店の天井は、
最新流行のむき出し型で、明るい。
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スローガンは、
「Unbelievable Quality…Incredible Saving…Guarantee」
「信じられない品質、途方もない節約、保証します」

レジは4台。
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チェッカーは座って作業する。
これ、ヨーロッパ方式。
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アルディは、
エブリデー・ロープライスを貫徹している。
それは今や、コストコと並んで双璧。
ウォルマート以上といってよい。

その理由は、リミテッド・アソートメントにある。
単品大量販売は、これこそウォルマートをしのぐ。
私は、総合スーパーとしてのハーパーマーケットは、
このリミテッド・アソートメント・ストアに、
価格では勝てないと思うに至っている。

つまりウォルマートもアルディには、
コモディティ・ディスカウントではかなわない。

だからウォルマートは、ノンコモディティ開発とホスピタリティ、
そして生活総合コンプリートストア構築を目指している。

いなげやina21は、イオン・アコレとも共同で取り組んで、
店数を増やし続ける覚悟で取り組まねばいけない。

さて、いなげや遠藤さんのコメントのもう一つは、
「買い物客の無料送迎サービス」
これは「高齢者の来店を促す取り組み」

なんと、埼玉県飯能市のサビア飯能店での試み。
わが商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生が、
この商圏内にお住まいになっている。

「飯能の流通仙人」
当年とって85歳。

いなげやの無料送迎バスが、
「流通仙人」を出迎え、送り出す。

想像するだけで、嬉しくなる。
ありがとうございます。

韓国の「割引店」と称される総合スーパーにとっては、
必須のサービス。

高齢化が進む地域ならば、
そして採算が取れれば、
日本でも、大いに広めてほしいものだ。

<結城義晴>

2011年11月08日(火曜日)

セブン&アイ鈴木敏文会長の「”顧客のために”と言うことを禁じている」

今日の立冬、横浜は温かった。

2011年のスポーツ界も、
大詰めを迎えている。

そのスポーツ・ネタを三つ。

大阪の27年組田中さんのリクエストに、
ときどきは応えて。

まずプロ野球セントラル・リーグのクライマックスシリーズ。
東京ヤクルトスワローズの最後の打者畠山和洋が、
三塁横にファールフライを上げた。
それがキャッチされ、ゲームが終わった瞬間、
落合博満監督の眼鏡の奥に涙が見えた。

落合は昭和28年生まれ。
今現在、プロフェッショナル監督の最右翼。
いい涙だった。

そのプロ野球界のポスト・シーズン。
横浜ベイスターズが売却された。

買ったのはゲームソフト「モバゲー」を運営するDeNA。
春日真会長は、商品の「モバゲー」を球団名に入れたかった。

しかし、以下の「一声で消えた」と朝日新聞。
「モガベーという名前で
一つの球団とるってのは無理だよ」

渡辺恒夫読売巨人軍会長の言葉。

「モガベー」とは、
「モバゲー」のこと。

球団名は、「横浜DeNAベイスターズ」になるらしい。
私も横浜在住だから、本当は「横浜ベイスターズ」がいい。

アメリカでは「テキサスが勝った」などという。
これはテキサス・レンジャーズのこと。

州の名や市の名でチームを呼ぶのが、
なんとなく心地よいし、カッコよい。

「茂ヶ兵衛」は「モバゲー」より、
日本的語感であることには違いないが、
「茂ヶ兵衛」は球団名になり難いし、
「横浜」とつなげて「横浜茂ヶ兵衛ベイスターズ」は、
勘弁願いたい。

日経新聞『スポートピア』で樋口久子さんが書く。
「ゴルフに『引退』ある?」

「9月に今季限りの引退を発表した古閑美保さん」
「過去には大迫たつ子さん、村口史子さんも
『引退宣言』している」

樋口さんはそれが気に入らないらしい。

「自分の心にケリをつけたいという思いからか。
潔くもあるが、私はプロゴルファーに
『引退』という言葉はそぐわない気がする」

そして、言う。
「ツアーへの出場資格がなくなったりして
“フェードアウト”していくのが自然な流れ」

「フェードアウト」
ゴルフは人生そのものである。
プロの道も人生そのものなのだ。

TPP反対論議が喧しい。
日経新聞『人こと』
らでぃっしゅぼーや 緒方大助社長。

「安心・安全を求める消費者の意識の高まりは、
生産者にとって大きなチャンス」

食品宅配業で、有機野菜などの契約農家を全国に持つ。
「生産コストの3割程度を占める人件費負担に加え、
人手不足も長年の課題」として、
「農業に従事する人材派遣事業への参入も検討中」

「コストと人手の両課題を解決できる成功モデルを作りたい」

日本農業そのもののイノベーションが、
いまこそ求められる。

しかし朝日新聞のコラム『経済気象台』
コラムニスト龍氏が「本当に日本農業は弱いのか」と問う。

「筆者は、日本のコメ農家の生産性は
世界一級であるとの実感を持っている」

私の一族はもともと、
福岡市早良区で農業を営んでいた。
だから日本農業の生産性の高さを評価してもらうと、
素直に嬉しい。

「苗、田植え、草取り、水位調整、防虫、
収穫の一連の作業を観察すると、
機械化その他の技術の進歩で大幅に省力化され、
実際の投入時間当たりの生産性は極めて高い」

だから「むしろTPPを、
この高い潜在性を顕在化させる政策を
論議する好機とすべきだ」

まさに正論。

最後に『世界経営者会議』で、
㈱セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長が講演。

1982年に始めた「業務改革」の話が役に立つ。
時代を超えて有益な話だ。

「手掛けたのは、
売れる商品と売れない商品を見極める単品管理。
非常に地味な作業で社内に異論があった。
ただ、会社全体でやらなくては意味がない」

そこで「業務改革委員会」を立ち上げる。
この事務局に大久保恒夫さんが抜擢される。

「営業担当だけでなく、
すべての役員・幹部を出席させて、
問題の解決に乗り出した」

「一つのことを改革するには、
あらゆる部門が手を携えないといけない。

一部の部門だと、部分的な改善はできても、
改革にはつながらないからだ」

カルロス・ゴーン日産社長は、
「クロス・ファンクショナル・チーム」と呼んだ。

私もかつて会社の大改革の方法に、
「クロス・ファンクションによる改革」を選んだ。

「しばらくやっていくと、売れない商品、
いわゆる『死に筋』が多いことが判明した」

そこで「死に筋を排除することから始めた。
不良在庫を減らす。在庫を徹底的に少なくする」

小売業や卸売業の改革の根本。
派手なことや目立つことが、
イノベーションにつながるのでは、
断じてない。

セブン銀行立ち上げについても言及。
「銀行を立ち上げようと思ったのは、
セブン‐イレブンが銀行の代わりを務められたら
どれだけ便利になるだろうかと考えたからだ」

「銀行は3時までしか営業しておらず、普段着では行きにくい。
一方、セブン‐イレブンは24時間営業している」

つまりは顧客のニーズを優先したわけだが、
鈴木さんは面白い言い方をする。
「私は社員が
『顧客のために』ということを
禁じている」

なぜか。
「顧客のためにということは結局は
自分の立場でものを考えることにほかならない」

「顧客のためというのは、
顧客の立場でものを考えることとは
全く意味が違う」

ここが鈴木敏文の鈴木敏文たる所以だ。

最後に次の時代を予見する。
「これからはインターネットを制する者が
リアル(店舗)を制し、
ビジネスを制することになる」
これもまったくの同感。

「ネットスーパー」事業は10年間で
「売上高は350億円に達した」
「利益を出しているのは我々だけではないか」

コンビニに対しても、
「業界は飽和しているとの意見に対し、
私はしていないと言い続けている」

「他のコンビニがセブン‐イレブンになるなら飽和だが、
質に差があれば飽和はない」

イオン㈱名誉会長相談役の『岡田卓也の十章』。
私の㈱商業界への置き土産のひとつだが、
「建物が多いだけで店は少ない」が第1章。

鈴木さんと岡田さんの市場の見方は、
通じている。

最後の最後に、
「我々は常にリードし、
差異化しなくてはならない」

違いを出すことを「差異化」という。
すなわちこれが「ポジショニング」。

商人舎USA研修会メインテキストより。
「ポジショニングは自店と競合店との差異を明確にするために行われる。
最も効果的な戦略は
『容易に模倣できないポジション』を占めること。
〈ピーター・ドラッカー教授強調するところの「自らの強み」こそ、
ポジショニング戦略の要になる〉」

鈴木敏文さんの基本的な思想も、
このポジショニングにある。

<結城義晴>

2011年11月07日(月曜日)

帰国後の「聞く、見る」総決算「10月の総括は11月に」と「飛び出すゆでガエル現象」

Everybody! Good Monday!
[vol45]

2011年第45週、11月の第2週のはじまり。
今年も、あと8週間。

毎年、毎年、
時間が速くなっている感じがします。

私の講演は、
ゆっくり入って、
すこしずつスピードアップし、
トップスピードで終了するというスタイル。

私自身がもうすこし枯れてきたら、
講演もなだらかな山型になるのかもしれませんし、
私の人生も、
そうあってほしいものだと感じるものです。

昨日の夕方、帰国しました。
ロサンゼルス時間で6日午前8時、
宿泊の京都グランドホテル&ガーデンズのロビーに集合。
林廣美先生とお別れ。
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商品戦略マーチャンダイジング・コースは、
林先生と私に浅野秀二先生が加わって、
トリプル・コーディネーター。
ありがとうございました。

林先生はニジヤ・マーケットのコンサルティングで、
まだ4日ほどロスに残る。
ご苦労様です。

林先生に見送られ、
バスに乗り込んで、
ロサンゼルス国際空港へ。
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MDコースの団長格だった原田政照さんと固い握手。
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㈱むすんでひらいて社長にして、
商業界同友会福岡県連合会会長。

お世話になりました。

それから㈱万代の惣菜部から、
シニアマネジャーの芳川英樹さんとマネジャーの入江正徳さん。
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最後にみんなで写真。
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私がディレクションして、
両手を開いて、「10回」を表現する。
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キマリました。
商人舎第10回記念USA研修会、
ありがとう。

この時、ロサンゼルス空港ロビーで、
㈱三晃社長の黒田久一さんとバッタリ。
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黒田さんも忙しい人で、
10月のヨーロッパでは、ご一緒した。
黒田さんのブログもすごい。
「〝総菜のわかる八百屋”のオヤジのブログ」

この間、
成田空港周辺での前泊を入れると、
11日間。

ダラスからワシントンDC、ニューヨーク、
そしてロサンゼルスと全米巡り。

商人舎を発足させてから4年。
米国視察を主事業にするつもりはなかったのですが、
ご要望にお応えしつつ仕事に邁進していると、
いつの間にか欧米への訪問が増え、
今年は7回。

それも全部、成功裡に終わり、
満足感でいっぱいです。

ピーター・ドラッカー先生
「ポスト・モダンの七つの作法」。
その第一にくる「見る、聞く」。
その実践が「取材」です。

35年前、㈱商業界に入社してから、
給料をもらいながら、
あるいは自ら会社経営をしながらやってきたこと。
つまり私が、プロフェッショナルとしてやって来たこと。
それが「見る、聞く」です。

そのあとに「考える、書く」がありますが。
考えずに書くことは、
ありません。
「見る、聞く」をせずに、
考えることもあまりありません。

「取材」とは、
「記事や制作の材料となることを、
人の話や物事の中から集めること」
(大辞林)

見て、聞いて、集めて、考える。

モノやサービスをつくったり、
その方法を編み出したり、
問題解決したりする仕事のコツは、
ここにあります。

小売流通業・サービス業のなかでも、
優秀な経営者や秀でた仕事人は、
取材能力に長けていますし、
独特の取材眼をもっています。

今回、同行してゲスト講師を務めてくださった大久保恒夫さんは、
確実にその一人。
㈱セブン・フードシステムズ社長。
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大久保さんは常に、
自分の仕事にいかに活かすか、
そして実行するかを強く意識して、
「取材」していました。

その「見る、聞く」の旅。
今年7回、ご一緒したすべての皆さんに、
感謝したいと思います。
ありがとうございました。

明日から、この1カ月余りの欧米の「取材」報告を、
展開したいと思います。

例えば、ニジヤ・ファームの詳細レポート、
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テスコ・フレッシュ&イージーの最新動向、
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ニューヨークとパリのユニクロの奮闘、
イータリーの融合コンセプト、
ホールフーズ、ウェグマンズ徹底紹介、
HEBダラス進出店の戦略解剖、
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さらにヨーロッパを思い出しつつ、
ドイツの小型スーパーマーケット競合、
カルフール・プラネットの大実験、
などなど。

合言葉は、
「10月の総括を11月に」

乞う、ご期待。

といったところで、
今週のスケジュール。
明日が立冬。
冬が立つ。
いい季節です。

そんなときの商売は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
今月の商人舎標語。
私は今秋、本当に久しぶりに、
ゆっくり。

ただし立教大学大学院結城ゼミのゼミ生諸君は、
修士論文・調査研究レポートの仮提出締め切り。
今週土曜日です、確か。

土曜日12日は朝10時からゼミをやります。
「お土産もあるでよ!」

今日は朝から、
PTB有識者懇談会。
和田裕座長のもと、
議論がどんどん進んで、
第4弾メッセ―ジを発信します。

さて今朝の讀賣新聞一面コラム『編集手帳』が面白い。
「ゆでガエル現象」について。

「カエルをいきなり熱湯に入れるとビックリして逃げるが、
水からゆっくり熱すると気づかずにゆで上がり、
死んでしまうとか」

「少しずつ進む危機は見過ごされやすく、
早く手を打たないと取り返しがつかなくなる」
たとえ話。

これ自体珍しい話ではない。

ところが。
「実際にある学者が
水を張った鍋にカエルを入れてゆっくり熱したら、
お湯が煮える前に暴れだして、
外へ飛び出した
という」

これ、本当に面白い。
「カエルをゆでて確かめるまでもなく、
追いだきしながら湯船につかった経験からみて
『逃げ出す説』に分がありそうだ」

この話のように、
アナロジーやたとえ話を聞かされると、
すぐにうんとうなづいて、
納得しまいがちだ。

しかし、それは危険。

自分で確かめる。
または確かな筋が検証した結果を、
確認する。

このコラムは、ゆでガエルから、
「産業空洞化」に展開する。

「企業のやせ我慢も限界」で、
町工場など「モノ作りの主役がみな、ゆで上がってしまう」

工業の空洞化は由々しき問題だとは思うが、
ある部分は商業が埋め合わせる。

そしてそれが産業構造の転換を促し、
商業基幹産業化への道が、
さらに大きく開かれる。

私は、そう考える。

などとのんびりしていたら、
帰国早々、待ち受けたように、
『週刊文春』の和田泰明記者から電話。
「TPP」(環太平洋戦略的経済連携協定)に関する見解を聞きたいとか。
Trans-Pacific Partnership。
これにも私は、
参画すべきだと考えている。

保守的な思考態度、
守旧派既得権益派の立場、
そして「飛び出さないゆでガエル」。

「飛び出すゆでガエル」の方が、
なんぼも、おもろい!

では、みなさん、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

だから、Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年11月06日(日曜日)

ジジとアメリカ巡り[2011日曜版vol45]

かえってきました。
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ユウキヨシハルのおとうさん。
アメリカめぐりから。

ジェット機で。
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空港で、MDチームと写真。
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どうも。
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おかえりなさい。
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まっていました。

でも、このたびは、
めまぐるしかった。

まず、ダラス。
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ワシントンDCのリーンカーン像。
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ここではハロウィンの日にあたった。
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そしてニューヨーク。
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スチュー・レオナード。
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夜はタイムズ・スクェア。
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最後は、ロサンゼルス。
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そのオーガニック・ファーム。

もちろんシゴトです。
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第10回キネンUSA研修会。
SPチームとMDチームの合流。
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なんどもなんども講演や講義をしました。
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ボクは、かえってきてくれて、
あんしんしました。
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とりあえず、無事でした。
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あしたからも20111106195448.jpgよろしく。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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