結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年11月06日(火曜日)

Wal-MartとTargetの「スキップ・ザ・ライン」とヒトラーの言葉

ものなべて
秋は心を痛ましむ 
落葉の舞も 
風の唱歌も

新潟日報「堀口大学文化の記憶」より。

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若き日の短歌集「風と落葉」の中の一首。
「人は私を秋の詩人だという。
私は秋が好きだ」と
随筆に書いているように、
秋の詩人を自認していた。

私も秋が好きだ。
秋の詩人ではないけれど。

横浜商人舎オフィスに届いたのが、
「明治マーケティングレビュー」IMG_7261.jpg8
季刊誌だが、私の連載タイトルは、
「小売業のスーパーマーケティング」

㈱商業界の社長を退任してから、
ずっと書かせてもらっている。
だからもう11年目が終わる。

朝からオフィスに出て、
午後、桜木町駅前。

雨模様だ。
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その後、オフィスに戻って、
月刊商人舎11月号を責了。
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雑誌には「編集後記」がある。
もう、雑誌にかかわって41年。
ずっと編集後記を書いてきた。
どんなメディアも、
意外に後記の読者は多い。

今月号の月刊商人舎の編集後記。
特別に、発行前に公開しようか。

【月刊『商人舎』11月号編集後記】

10月はドイツ、イタリア、イギリス、アメリカの南部と西部、そして中国の上海に16日間。その間に日本では歴史に残る3日間があった。本当に不思議なことだが、それらがすべて本号に集約された。行動することに、意味がある。どんな動きも無駄にはならない。(義)

なんでもかんでも「平成最後の・・・」と言われる風潮はいかがなものかと思う。というわけで、平成最後の「11月号」、お届けいたしまーす!!!(綾)

台風24号による塩害で、横浜の紅葉も色づく前に枯れ気味・・・。でも空は高いし、うろこ雲やいわし雲など楽しめて、今年の秋はいつもより長く感じる。(佳)

嗚呼、一時たりとも安穏としてはいられないのか。総合スーパー、スーパーマーケットで働く人々のご苦労が偲ばれる。だが、目まぐるしく進化する時代に翻弄されるのは彼らだけではない‼(磯)

社名が変更されても、いつまでも以前の名称で呼んでしまう。一つ前ならいざ知らず、二つ三つ前なんてこともあり、我ながら嫌になる。(倉)

岡田元也社長の「何のために存在するのか」。その一言は、等しく皆に向けられている。(亀)

――――ご愛読、感謝します。

いい雑誌となりました。
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さて、商人舎流通SuperNews。
昨日はアメリカのニュースが多かった。
その中で2本の記事に注目。

ウォルマートnews|
従業員が清算機器をもって売場でチェックアウトする
ターゲットnews|
「スキップ・ザ・ライン」の携行チェックアウト機器導入

ウォルマートとターゲット。
11月から導入しているのが、
新しいチェックアウトシステム。

クレジットカードの利用客に対して、
精算機器を持った従業員が
売場でチェックアウトする。

ネーミングは、
「チェックアウト・ウィズ・ミー」。

ターゲットも真似をしたのか、
それとも偶然の同期か。

こちらのネーミングは、
「スキップ・ザ・ライン」

サンクスギビングデーに向けて、
さらにホリデーシーズンにおいて、
レジの待ち時間が少なくなる。

ウォルマートは、
私と一緒にチェックアウトしましょう。
ターゲットは、
列に並ぶのをスキップします。

この2社が始めたからには、
アメリカでこの年末商戦から、
ブームになるかもしれない。

さて今日はアメリカの中間選挙。

日経新聞電子版「経営者ブログ」
IIJ会長の鈴木幸一さん。
日本のインターネットサービスの草分け。
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タイトルは、
「二極化をあおる危険」

「選挙に先立って、
さまざまな調査が公表されていて、
二極化が進む米国の
危機的な状況を示している」

「どの結果を見ても、
学歴、人種、所得格差等々、
米国の社会はますます二極化され、
分断社会になっている」

日本も少しずつ、
二極化された分断社会になってきた。

「ブルーカラー層が多い地域の
“忘れられた人々”を助けることを
主眼とする”米国第一主義”こそ、
トランプ大統領の選挙戦略」
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“何とか”ファーストは、
危険だ。

「過激な言葉によって、
人種間、所得格差、学歴、
あるいは共和党と民主党という
党派間に至るまで、
激しい二極化を促す状況を
つくり上げているのは、
極めて危険な状況である」

「ポピュリストの台頭、
独裁者を生む土壌は、
極端な二極化が、
その第一歩である」

ラテンアメリカやアフリカで、
それは証明されている。

アドルフ・ヒトラーも、
そんな中から登場してきた。

「しかも、始まりは
民主主義の基本とされる
選挙で選ばれた扇動家が、
民主主義を崩壊させ、
独裁者となる例が多いのは、
よく知られた事実である」

ナチスも選挙で選ばれてきた。
そのヒトラーの言葉。

「大衆の多くは無知で愚かである」

「大衆は小さな嘘より、
大きな嘘の犠牲になりやすい」

「熱狂する大衆のみが操縦可能である」

「大衆は理性で判断するよりも、
感情や情緒で反応する」

トランプの集会を見ていると、
同じようなことを感じる。

「役に立つのは、
人を殴れる人間だけだ」

「女は弱い男を支配するよりも、
強い男に支配されたがる」

「私は間違っているが、
世間はもっと間違っている」

ああ、何ということだろう。

鈴木幸一さん。
「歴史的事実として、
多民族国家において、
すべての集団に対し、
社会的、経済的に
平等を実現したことはない」

そう、すべての集団に対して、
社会的・経済的平等は、
実現できないものなのだ。

「多民族国家でありながら、
民主主義を守ってきた米国は今や、
あらゆる面で二極化の道を歩み、
その溝を埋めようとする努力よりも、
過激な言葉によって、その溝を
ますます深くしている」

二極化の溝を埋める社会的努力こそ、
文明社会の必須条件だと思う。

「騒々しく、一方で、
どこかしら大衆に訴える力のある
トランプ大統領の発言を耳にするたびに、
危惧の念が膨らむばかりである」

ものなべて 
秋は心を痛ましむ 
落葉の舞も 
風の唱歌も

ドナルド・トランプに、
秋を憂う心情のかけらでもあったなら。

そんなことを思う秋の日だ。

〈結城義晴〉

2018年11月05日(月曜日)

ドラッカーと上田惇生の「ポストモダンの七つの作法」

Everybody! Good Monday!
[2018vol45]

2018年も第45週。
11月の第2週。

月曜朝一の2週間販促企画。
イオンとセブン&アイの11月商戦を紹介。

「AEON サイバー“e”セール」は、
11月1日(木)16時00分から、
15日(木)23時59分まで。
イオン
これは中国の「独身の日セール」の模倣。
かの国では11月11日のネットセール。

一方は「オムニ7」。
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こちらは1カ月間の「大満足フェア」。
11月1日(木)~11月30日(金)。

こういったネットセールとの連動が、
どんどん増えていく。

さて昨日から福岡。

ずっとニューオータニ博多。
午前中は自室で原稿書き、
午後は喫茶室。
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大いに成果が上がった。
いい原稿が書けた。

ここ福岡では、
プロ野球ソフトバンクホークス、
日本一のおめでとうセール。
ホークス

三越伊勢丹グループ。
地元百貨店の岩田屋や三越福岡店。
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大丸百貨店も。
大丸

イオン九州は、
総合スーパーなど全70店舗で、
SMBC日本シリーズ2018
『もう1頂! ホークス魂』セールを、
土曜日の優勝決定から3日間実施。

しかし広島と福岡の西日本シリーズ。
関東や関西、中京は、
いまいち盛り上がらなかったか。

夕方のJALに乗り込んで、
羽田空港に向かった。IMG_7249.JPG8

夕闇が迫る中、
翼を赤く染めて飛び立った。IMG_7250.JPG8

福岡の山の間に白い雲。
空は赤い夕焼け。
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さて、今週の予定。
明日が米国の中間選挙。

上院は共和党多数、
下院は民主党多数。

下院で共和党が追い上げている。
ドナルド・トランプ大統領と、
バラク・オバマ前大統領。

いつになくハードな遊説で、
懸命に選挙運動。

その中間選挙が終わって米国商業は、
サンクスギビングデーへまっしぐら。
私は今週金曜日に、
その米国ニューヨークへ旅立つ。

今年最後の海外研修は、
ニューヨークからサンフランシスコ、
そしてハワイのホノルルまで。

楽しみながら仕事する。

さて日経ビジネスオンライン。
「今日の名言」

若い人を応援して
元気になってもらうことが、
年配者の一番の役割だ
〈川野幸夫㈱ヤオコー会長〉
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「今の若い世代は、どうしても
小成に安んじている感がある」

「小成」(しょうせい)は、
わずかばかりの成功、
小事を成しとげること。

小さな成功に満足してしまいがちだ。

「リスクをとらず、
まあまあの生活が
できていればいいと考えて、
海外などに目を向けない傾向も
強まっているようだ」

だから年配者は、
若い人たちをけしかける。
応援して元気になってもらう。
それが年配者の役割だ。

私もそう思う。
私もそんな年になったか。

「しかしこれだけ
変化の激しい時代になり、
この先どうなるかは誰も分からない。
未来のある若者は、変化に対応して、
新しいことに挑戦してほしい」

こんな時には、
ピーター・ドラッカー教授。
「ポストモダンの7つの作法」
上田惇生先生がいつも強調する。
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第一は、
「聞く、そして見る」

これはわかりやすい。
行動すること。
そして自分の目で見る。
自分の耳で聞く。

第二は、
「わかったものを使う」

すでにわかったこと、
すなわち起こったことをもとに行動する。
わかったことに自らの強みを合わせる。

ドラッカーの言葉を使えば、
「既に起こった未来」も、
わかったことだ。
モニタリングしていれば、
すでにの起こった未来が見える。

第三は、
「基本と原則を補助線として使え」

例えば、あらゆる仕事に、
「世のため人のため」という、
補助線を引いてみる。
あらゆる意思決定に、
「世のため人のため」という
補助線を引いてみる。

第四は、
「欠けたものを探す」
ギャップを探し、
ニーズを見つけることだ。

第五は、
「自らを陳腐化させる」

あらゆるものが陳腐化していく。
ゆえに自らが陳腐化の主導権を握ること。
自らがチェンジ・リーダーとなること。

第六は、
「仕掛けをつくる」

それは成功に焦点を合わせ、
成功を慣習化してしまうことだ。

ドラッカーは、
「アクションプランをつくれ」という。
「緻密にアクションプランをつくり、
状況の変化に一歩先駆けて
修正していく」と教える。

「ナポレオンのアクションプランほど
緻密な作戦計画はなかった。
そしてナポレオンのアクションプランほど
修正されたものはなかった」

そして第七は、
「モダンの手法を使う」

限界をわきまえつつ、
モダンの方法を使うこと。
つまり論理と分析を使うことである。

時間管理は、時間を分解して、
組み立てなおす方法だ。
そのモダンの方法でも、
使えるものはどんどん使う。

では、みなさん、今週も、
「世のため人のため」に。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2018年11月04日(日曜日)

浄土真宗妙福寺/母の納骨と親鸞の言葉「その一人は親鸞なり」

朝日に浮かび上がる横浜。
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YOKOHAMA BAY BRIDGE。
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そして横浜港とみなとみらい。
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羽田空港から2時間のフライトで、
福岡空港。

高速道路をタクシーを飛ばして、
菩提寺の地福山妙福寺。
浄土真宗本願寺派。
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本堂。
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焼香の準備がされている。
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母と父の写真。
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7月31日に亡くなった母の納骨。
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納骨堂。
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母の骨を父の骨の隣に収めた。

境内には親鸞像。
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浄土真宗は親鸞によって起こされた。
親鸞は念仏を唱えることを勧める。

善人なおもて往生をとぐ
いわんや悪人をや

最も有名な親鸞の言葉。

善人であっても、
極楽往生することができる。
まして悪人に、
それができないことなど
あるわけがない。

この言葉、間違いではない。
それは次を見ればわかる。

よしあしの
文字をもしらぬ
ひとはみな
まことのこころ
なりけるを
善悪の字しりがほは
おほそらごとの
かたちなり

親鸞の考えとスタンスがよく表れている。

「よしあし」のひらがなの文字も
知らないような人がみな
まことの心をもっている。
しかし「善悪」という漢字を
物知り顔するような人こそ
偽りの姿を見せている。

親鸞は大衆を愛した。
心の奥底の真(まこと)を、
重視した。

だから「善人なおもて」であり、
「悪人をや」なのである。

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明日ありと
思う心の徒桜(あだざくら)

夜半の嵐の
吹かぬものかは

明日も咲いていると
思っていても、
それはあだ桜であって
夜ふけの嵐が
吹かないという保証はない。

ひとのいのち
みじかくもろし

読んで字のごとし。

我はほどなく
浄土に帰るなり
この世に言いおくこと
一言もなし

坂口安吾の言葉を思い出す。
「ふるさとは語ることなし」

そして父の生き様を思う。
2014年に、横浜市民病院に入院して、
大腸癌が見つかった。
手術か放射線治療をするかどうか。
判断を迫られた時に、
父は即座に自分自身で決断した。
「十分に生きた。
もうやり残したことはない。
この世に未練はない」

母は静かに納得した。

最後に親鸞の「御臨末の書」。
一人居て喜ばは
二人と思うべし、
二人居て喜ばは
三人と思うべし、
その一人は親鸞なり

一人で喜べないときは、
二人いると思いなさい。
二人いて喜べないときは、
三人いると思いなさい。
そしてその一人は、
私、親鸞であると考えなさい。

親鸞はあたたかい。
合掌。

〈結城義晴〉

2018年11月03日(土曜日)

文化の日の「文化のために経営を合理化せよ」

今日11月3日は、
文化の日。
国民の祝日に関する法律の趣旨は、
「自由と平和を愛し、
文化をすすめる日」

72年前の今日、
三権分立の確立に向けて、
日本国憲法が公布された。

「文化」という言葉は、
坪内逍遥のネーミングだとか。
ラテン語では「cultura」
英語では「culture」

三つの意味がある。
第1は、文化、文明。
第2は、教養、洗練。
そして第3は、培養、培養液。

倉本長治の「商売十訓」では、
第九訓にある。

文化のために経営を合理化せよ
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『お客様のためにいちばん大切なこと』
私の著書から引用しましょう。
中経出版刊。
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――「文化」と「合理化」。
倉本長治は、
なんとも結びつきにくい概念を二つ、
池に投げ込むようにして、
第九訓をつくりました。
長治独特の言い回しです――。

――ドラッカーは、言います。
「仕事が出来る者は、集中する。
集中するための原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである。
過去を捨てなければ、
明日をつくることは出来ない」
これが、「経営の合理化」です。
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――ドラッカーは、言い切ります。
「あまりにわずかの企業しか、
昨日を捨てていない。
あまりにわずかの企業しか、
明日のために必要な資源を
手にしていない」
経営合理化とは、
人員の削減ではありません。
昨日を捨てることです。

「死臭を防ぐことほど、
手間のかかる無意味な仕事はない」
これもドラッカーの言葉。

――生産的でなくなった
過去のものを捨てる。
何が残るか。
生産的な過去のもの。
それが「文化」です。
明日につながる昨日のもの。
それが「文化」です。

だから「文化」のために
「経営」を「合理化」することは、
なんら矛盾するものではないのです。
全うな理屈となります。

とりわけ、ここでいう「文化」を、
「企業文化」と捉えると、
『商売十訓』第九訓は、
明快になります。

不要となった過去のものを捨て去る。
それが、経営の真髄です。
マネジメントの本質です。

では、何が、不要な過去のものなのか。
非生産的なもの。
明日につながらない過去のもの。

ここにはノスタルジーはない。
「企業文化」をつくっていくうえでは、
それ自身が商品価値を持たない限り、
過去のノスタルジックな要素は、
「死臭」でしかないのです――。

2008年の発刊ですから、
ちょうど10年前の著書。

日経ビジネスオンライン。
10月29日(月)の「今日の名言」。
非効率にこそ
利益の源泉がある
〈野口実エービーシー・マート社長〉
ABCマート

「靴は1つ並べてあると、
後ろには10サイズあります。
洋服ならS、M、Lを
並べておけばいいので、
本当に非効率ですよね」

「それでも商売は
非効率なことを極めると利益が出る。
だから我々はあえて
それを徹底してやります」

これも商売十訓に通じる考え方だ。

最後に、11月の商人舎標語。
トライアングル競争に備えよ!

三人寄れば文殊の知恵。
ユリウス・カエサルの三頭政治。
キリスト教の三位一体。
モンテスキューの三権分立。

金銀銅のメダルには、
レース型競争の美しい序列がある。
そしてトライアングルの関係には、
すべてを包含する不思議な安定性がある。

寡占とは少数の競争者によって、
市場のほとんどが占有されてしまうこと。
三占は三者によって支配され、
複占は二者によって制覇される。

寡占のとき、市場は競争に沸き立つ。
三占は意外にも市場を落ち着かせ、
長きにわたって安穏とした序列を保つ。
そして複占となると市場は衰退する。

フィリップ・コトラーの観察は、
強いマーケットリーダー、
しなやかなマーケットチャレンジャー、
そして多くのマーケットフォロワー。

しかしマーケットニッチャーがいる。
より多様で個性的なニッチャーたち。
彼らが小さくても多彩な豊かさを生み出し
新しい市場創造の苗床となる。

フォロワーたちは消え去っていく。
舞台から降りることで、
進化を促進させる。
そして新しい時代がやってくる。

日本の小売産業は今、
新しい同盟の時代を迎えている。
特に総合スーパーとスーパーマーケットは
三極三占の様相を呈し始めた。

そのトライアングル競争の中、
あなたはどこにいるのか。
あなたは何をするのか。
どう役立つのか。

三人寄って文殊の知恵を出すか。
三頭政治でマネジメントするか。
三位一体で人心を掌握するか。
三権分立で機能を拮抗させるか。

トライアングル競争の中で、
あなたはどこにいるのか。
あなたは何をするのか。
どう役立つのか――――。

11月3日に、
「三づくし」のMessage。

よい週末を。

〈結城義晴〉

2018年11月02日(金曜日)

ヤマダの「安売り行き詰まり」と第一パン製造の「E-WA!」

酒のあらたならんよりは
蕎麦のあらたなれ
(正岡子規)

「夏にまき、秋に収穫したばかりの
実をひいたそばは”秋新”とも呼ばれ、
うま味が凝縮して格別とされる。
ひきたて、打ちたて、ゆでたての
風味がたまらない」

京都新聞巻頭コラム「凡語」

秋の新蕎麦。
たまらない。

「ところで、そばといえば
“もり・かけ”が定番だが、
例の疑惑はどうなったのか」

「永田町では臨時国会が始まり、
論戦真っ盛り。
重要法案の熟議と併せ、
先の国会から持ち越した
真相究明もお忘れなく」

「霜月を迎え、今年も残り2カ月。
みそかそばと違って
疑惑の年越しは勘弁願いたい」

その国会論戦よりも注目を集めたのが、
安田純平記者会見。
戦場ジャーナリスト。
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場所は日本記者クラブ。

この会見に関しては、
私はコメントしない。

ジャーナリストならば、
書くもの、表現したもので、
その行動が評価されるからだ。
それを待とうか。

一方、日経新聞「大機小機」。
テーマは「テクノ冷戦の足音」

「テクノ冷戦」とは、
米中対立舞台の先端技術を巡る争い。

「ネットを使った個人の自由の侵害、
ハッキングによる知的財産権の窃盗、
政府や企業へのサイバー攻撃」

「先端技術の覇権争いは、
次世代の産業をめぐる競争ばかりでなく、
サイバー空間などを舞台にした
安全保障の問題でもある」

上海にいたとき、
facebookもGoogleもLINEも、
使えなくて困った。

もちろんそれを掻い潜って、
何とかつないで使ったけれど。

「米国株市場ではハイテク株が
波乱の様相を呈している」

「テクノ冷戦の足音が聞こえてくる」

テクノ冷戦の一方で、
人質と身代金。

現代社会はなんとも、
こんな両極の事態が、
当たり前のように起こる。

商人舎流通スーパーニュースより。
ヤマダ電機news|
第2Q売上高7937億円0.8%増・経常60%減・純利益90%減

売上高は前年比で0.8%増だったが、
営業利益は74.8%減、
経常利益は59.7%減、
純利益は90.0%減。

家電の安売りからの脱却を目指すが、
それも行き詰りの状態。

日経新聞の見出しは、
「ヤマダ、安売り行き詰まり」
山田昇会長。
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ノジマとエディオンは2桁の増益。

ヤマダ電機の売上高は、
2011年3月期がピークだった。
2兆円を超えて日本第3位の小売業。
グローバル500にもランクインした。

しかしそれから7年間で27%減少した。

日経新聞によると、
ピーク時の棚卸資産回転率は13倍。
それが今年3月期は4倍。

棚卸資産回転率は、
売上高を棚卸在庫で割り算して、
何倍かを示す数値。

2011年のノジマは10倍、
ケーズホールディングスは8倍だったが、
18年はノジマが12倍、ケーズが5倍。

この棚卸資産回転の低下で、
メーカーの販売報奨金も減少した。

家電業界も規模のメリットは、
出にくくなった。

だから「安売り行き詰まり」
「安売り」だけで勝負を決めることは、
できない時代なのだ。

業界最大規模の会社が、
それを示してしまった。

さて今日も、
第一屋製パン㈱のお二人。
鎌田恒雄さん(中)と吉田大作さん。
二人とも関西事業本部に属す。
鎌田さんは副本部長兼西日本営業部長、
吉田さんは腕利きの営業マン。
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今日は社外取締役の私に、
いろいろな相談。

それから自信の商品を持参してくれた。

一つが「トーストクロワッサン」2品。
平和堂のクォリティブランド。
「E-WA!」にラインナップされている。IMG_7208

さらに右が「すいーとぽてと」、
左が「レーズンサンド」。IMG_7211.JPG8
すいーとぽてとも「E-WA!」。
レーズンサンドは、
ニチリウの「My Home Cafe」。

プライベートブランドだが、
パッケージには製造者名がある。

私は「お試しのおすすめ」を教授した。

どんなにいい商品も、
売り方が伴わねば、
顧客に認知されないし、
売れない。

どんな体験も、
表現されねば評価されない。
その表現のところで、
人間の真価が問われる。

〈結城義晴〉

2018年11月01日(木曜日)

お辞儀文化・握手文化と企業主義・顧客発想

11月1日。

あと2カ月で、
2018年が終わる。

10月の私は、
ドイツのフランクフルトから、
イタリアのミラノ、
イギリスのロンドンから、
アメリカのダラス、サンフランシスコ。
そして中国の上海へ。

大いに勉強して、
今、月刊商人舎11月号のために、
振り返りつつ総括する。

全部自分の目で見、自分の耳で聞き、
五感で感じ取ってきたものばかり。

その自分の目と耳と五感を信じて、
難解なパズルを解き明かすように考える。

11月は今度は、
ニューヨークからサンフランシスコ、
そしてハワイまで、アメリカを行く。

サンクスギビング週間に向かう、
アメリカ消費社会を体験する。

そのアメリカでは、
11月6日に中間選挙。
Midterm Election。

大統領職の1期4年のうち、
半期の2年が経過した時点で、
合衆国連邦議員選挙が行われる。
上院議員の3分の1、
下院議員全員が改選となる。

民主党オバマ大統領2期目の中間選挙は、
2014年11月4日に行われたが、
上院は共和党54議席、民主党44議席、
無所属2議席。
下院は共和党247議席、民主党188議席。
両院ともに大統領に不利な展開となった。

今回は上院が共和党、
下院が民主党の逆転現象となる。

中間選挙は時の大統領の信任選挙だ。
まあ、当然の結果だろう。

さて、欧米は握手文化、
対して東洋はお辞儀文化。

今日、明日と、
将棋の竜王戦が行われている。
場所は茨城県の鹿島神宮。
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羽生善治竜王(48歳)に、
広瀬章人八段(31歳)が挑む。

これまで羽生が2連勝して、第3局。
夕方6時に広瀬が封じ手をして、
今日の一日が終わった。ryuuousenn.png8

そこで解説の藤井猛九段。
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羽生と同じ年の「羽生世代」の棋士。
「私は羽生さんとは握手しません」
勝負師としての自負を語る。

「チェスは握手の文化、
将棋はお辞儀の文化だからです」ryuuousen 3.png8
藤井九段、とてもいい。

お辞儀文化圏の小売業と、
握手文化圏のサービス業。

違って当たり前だ。

その二つの文化圏を、
私は行ったり来たりする。

しかし、異なる文化圏でも、
チェーンストアや業態に関する原則は、
不思議なくらいに共通しているし、
一貫している。

さて今日は、前川智範さん来社。
第一屋製パン㈱代表取締役社長。
私は社外取締役。IMG_7204.JPG8
パン業界について、
製造業について、
マネジメントについて、
マーケティングについて。
そしてマーケットリーダーと、
マーケットニッチャーについて。

意見を交わし、議論した。

前川さんはマッキンゼーで、
コンサルタントとしてスタートして、
今、専門経営者。

日経ビジネスオンライン「今日の名言」
私はメーカーを
主語にした発想は

もうやめようと
思ったのです。

〈大山健太郎アイリスオーヤマ㈱会長〉
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「落ち着いて見回してみると、
当社のいるプラスチック業界で
苦しくなって廃業したり、
倒産に追い込まれたりする企業が
8割くらいある中で、それでも、
収益を上げている企業が
2割程度いたのです」

8-2の原則だ。

「両者は何が違ったのか」

ここが大事だ。

「よく見ると、
いいものを安く供給して
シェアを取るといった発想だけの
メーカーが苦しくなっていた」

メーカーにはまだまだこの発想は多い。
いや、ほとんどがこの発想だ。

「いいものを安く供給すれば、
売れないはずはない」

これはレース型競争の考え方だ。
マーケットリーダーの発想法で、
結果、フォロワーに陥る。

「逆に小さくても、
顧客のニーズをしっかり追って、
対応しているところは堅調でした」

マーケット・ニッチャーの発想。

だから大山健太郎さんは、
「メーカーを主語にした発想」を止めた。

では主語は何か。
もちろん「顧客」だが、
ほとんどの企業は、
このことが頭でわかっていても、
体は言うことを聞かない。

いや本当は、頭もわかっていない。

つまり企業主義を排して
顧客主義を貫く。

頭でわかっていても、
組織は動かない。

それはもしかしたら、
お辞儀文化と握手文化のような、
カルチャーなのかもしれない。

恐ろしい。

〈結城義晴〉

2018年10月31日(水曜日)

ハロウィンの日に「幸福と豊かさの同義語化」を考える

Halloween!!
IMG_7197.JPG8

本来は秋の収穫を祝う祭り。
そのために悪霊などを追い出す。
古代ケルト人の幸せを求める行事だった。
IMG_7202.JPG8

東京・渋谷はいまや、
ハロウィンのメッカ。sibuya.png8
昨日から、もう、大騒ぎ。

しかしその渋谷区宇田川町で、
今日18時ごろ火災発生。
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消防車16台、はしご車1台が出動。syoubou 3.png68

消防によって消し止められた。syoubou 5.png8

しかし渋谷センター街は大混雑。senta-gai2.png8

日本の若者は何かに飢えている。
エネルギーが溜まっているけれど、
それを吐き出せるのは、
ハロウィンの仮装にしかない。

幸せになりたいと希求しながら、
それが得られない現実への不満を、
仮装して爆発させる。

私は体調に気遣いながら、
朝から出動。

東京の芝大神宮。
朝から参拝する若い女性。
幸せを願っているのだろうか。
IMG_7194.JPG8

今日は(株)True Data取締役会。

的を射た質問が投げかけられ、
米倉裕之社長、中津武取締役CFO、
そして越尾由紀執行役が、
実に見事なコメント。

いい議論が展開された。

昼まで議論して、
いつものランチ。
米倉さん、中津さんと、
相談役の玉生弘昌さん(㈱プラネット会長)。
社外取締役の竹久健さん、田窪伸郎さん、
伊藤久美さんと結城義晴。

さて商人舎流通SuperNewsから。
ウォルマートnews|
キャッシャーレス店舗Sam’s Club Now/ダラスで実験

ウォルマートのサムズクラブは、
メンバーシップホールセールクラブ。
米国コストコのライバル。

新しいフォーマットを実験する。
「Sam’s Club Now」
サムズクラブ・ナウ。
20181031_sams-club-now

場所はダラス市内で、これまでは、
ネイバーフッドマーケットだった。
その前はホールフーズ。

このSam’s Club Nowは、
キャッシャーレス店舗だ。

顧客はあらかじめ、
アプリをダウンロードする。
ネーミングも「Sam’s Club Now」。

ウォルマートにも「Scan&Go」があるし、
クローガーの「Scan, Bag, Go」も同様。

顧客はスマホのそのアプリで、
商品バーコードをスキャンしながら、
店内を買物する。
20181031_sams-club-now-scan2
退店時にスマホに表示されるQRコードを
メンバー・ホストが持つ決済端末にかざす。

それで精算する。

Amazon Goでは、
顧客は商品を持ってくるだけだが、
Sam’s Club Nowではスキャンする。

つまり、顧客に働かせる。

それでもレジを通る面倒はない。

メンバーシップホールセールクラブは、
ビジネス会員が3分の1いる。

この業態と「Scan&Go」は、
実にいいマッチングだと思う。

アメリカも中国も、
ブレーキをかけずに前に進む。

それが彼らの豊かさの追求のやり方だ。

日経新聞電子版「経営者ブログ」
鈴木幸一IIJ会長。
日本のインターネットの草分け。
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秋が深まる頃、
北陸の小さな里にある温泉宿で、
終日、温泉に浸る会。

「酒を飲み、とりとめのない話をしながら、
終日、のたりのたりと、ふた晩ほど、
過ごすだけのことなのだが、
日ごろ、季節の移ろいどころか、
時間の感覚すら失ったまま、
暮らしている人間にとって、
時の流れを皮膚で感じることで、
まともな感性が戻ってくる気がする」

アレキサンダー・ポープの詩を思い出す。

Man never is,
but always to be blest.

(人間絶えて幸福たることはなく、
ただ幸福を希望するのみ)

「”幸福”という言葉が、
“豊かさ”という言葉に
代わってしまうとどうなのだろう」

鈴木さんは、考察する。

「幸福」という言葉は、
「曖昧で、なにが”幸福”なのか、
人によって異なるし、
数値化できるものでもない」

「一方、”豊かさ”は人によって、
その目標は異なることは同じでも、
数値化ができるものである」

「愛する伴侶を得ることだけで
“幸福”を得ることもできるかもしれないし、
温泉に浸かっていれば”幸福”を得た
と思える私のような人間もいるけれど、
それも一時の話である」

「”ただ希望するのみ”というのが、
本当のところかもしれない」

「その希望が、
数値化できる”豊かさ”という言葉に代わると
様相がまったく違ってしまう」

同感だ。

「いまや、”幸福”と”豊かさ”が
同義語となってしまっている」

Alexander Pope(1688年~1744年)は、
英国文学の黄金期を代表する詩人。
「オーガスタン時代」といわれている。

私はこちらの言葉が好きだ。
Some people will never learn anything
because they understand everything too soon.
「何も学ぶことのできない人間がいる。
すべてをすぐに理解しすぎるからである」

以って自戒とすべし。

すべてを安易に理解すると、
深く学ぶことはできない。

つまりすぐ役立つことばかり真似ると、
ずっと役立つことは学べない。

そんな人は幸福と豊かさを、
同義語としてとらえる。

数字で測れない幸福の尺度が、
数値化できる豊かさだけになってしまう。

顧客に提供するものは、
本来は幸福である。
豊かさだけではない。

よく考えてみなければならないことだ。

〈結城義晴〉

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