結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年02月04日(木曜日)

「良く噛んで食べる」とコーネル・ジャパンのマーチャンダイジング編

精読、通読、乱読、斜め読み。
本の読み方にもさまざまある。

まず何を読むか。
これが大切であることは間違いない。

食事をするときに、
何を食べるか。
これと同じ。

食事にも、食べ方がある。

一口一口味わって食べる。
よく噛んで食べる。
あるいは、がつがつとかき込む。
いろいろなものをつまみ食いする。
間食する。

本の読み方は、食事と同じ。

しかし最近はどうも、
「精読」が少なすぎる気がする。

本自体、簡単に読めるもの、
短くてわかりやすいものが、
多くつくられ、流通し、
店頭に並ぶようになった。

私も、そんな本を書いたり、
読んだりしているから、
そんな風潮を批判すると、
天に唾することになるが、
それでも「精読」する本はたくさんあるし、
「精読」が必要だと思う。

そのうえで、
よく考える必要がある。

よく噛んで食べること。
一口一口味わって食べること。
それが必要だと思う。

 
 
さて、昨日から、
コーネル大学RMPジャパン。
第二期の5回目の講義。

あっという間に、
もう半分が終わろうとしている。
コーネル・ジャパンは、読書でいえば、
膨大なる体系の大全集を、
1年かけて「精読」するようなもの。

今回は、そのマーケティングとマーチャンダイジング編。

12時15分から第一講座。
テーマは、「脱コモディティ化・マーケティング戦略」
講師は、早稲田大学商学学術院教授の恩蔵直人さん。

この10年、コモディティ化は進んでいる。
その研究成果を実証してくれた。
そのうえで、「脱コモディティ」の4つの戦略が提示された。
①独自価値戦略
②品質価値戦略
③カテゴリー価値戦略
④経験価値戦略

最後にリーン消費対応の考え方を恩蔵さんは語ったが、
これが小売業、流通業における購買プロセスの革新へとつながる。

私は、コモディティ市場の有益性を主張するものだ。
コモディティ・マーケット抜きには、
消費生活は営めない。
そのうえで、脱コモディティのマーケティング戦略も求められる。

第二講座は、「マーチャンダイジングの基本」。
講師は、大塚明先生。

日本スーパーマーケット協会専務理事。
元㈱ヤオコー常務。
スーパーマーケットの実務に関しては、
マーチャンダイジングから店舗運営、人事、
ロジスティックス、情報システムと、
ほとんどすべてを経験した。
ご本人によると、「店舗開発と社長職以外は、
全部やらせていただきました」となる。
しかし「フレッシュ・ヤオコー」という宅配事業では、
社長業も十二分にこなしたため、
スーパーマーケットの全実務を体験したといってもいい。
私はそう思っている。
その経験をもとに、
「マーチャンダイジングの基本」を語ってくれた。

第三講座は、「青果部門のマーチャンダイジング」
講師は、藤井俊雄先生。

ダイエーで、青果部門のバイヤーを務め、
この道40年の大ベテラン。
現場からの青果物マーチャンダイジング改革を語ってくれた。

第四講座のタイトルは、「変革から進化へ――水産は?」
講師は、日本水産㈱代表取締役社長の垣添直也さん。

日本はもちろん世界中を見渡しても、
垣添さんほど、水産物に対する高い見識を持つ人は見当たらない。

豊富な資料をもとに、
水産物の生産と流通・小売りに、
鋭い問題提起をしていただいた。

詳細は、コーネル大学ジャパンのホームページを、
参照していただきたい。
来週頭から、順次アップされる予定。

コーネルは大全集を精読するがごとき勉強であると言った。
まさにそれが、実感された一日だった。

最後に、『メッセージ』より。
「良く噛んで食べる」  

人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、
いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。
要は、体重を減らせ、痩せろ、節制せよ。

そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これだけに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。
「良く噛んで食べる」とは、
いったいどうすることなのか。

そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」
最低四〇回、あるいは四十八回。
この習慣をつける。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「に、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「さん、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「し、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」…………

このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。
食物の堅さにも関心を払うようになる。
すべてよくなる。
ときどき、舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。
実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。

今年の標語。
Practice comes first!

これも、よく噛んで食べる実践でなければならない。

<結城義晴>

2010年02月03日(水曜日)

相鉄ローゼンの「恵方巻き」と週刊ダイヤモンドの「売れる店」特集

西端春枝先生から、
お電話をいただいた。  

私の携帯電話とは、ホットラインで繋がっている。

商人舎が3年目に入ったことへの、
励ましと祝福。

心から感謝申し上げたい。

西端先生は、旧ニチイ創業者の西端行雄さんの奥様。
大阪のセルフ衣料店ハトヤの創業に携わって、
その後のニチイ、マイカルへの成長に貢献された。

現在、商業界エルダーにして全国女性同友会名誉会長。
いわば日本中の女性商業者・女性サービス業者のトップリーダー。

倉本長治先生に心酔し、故西端行雄さんの遺志を継承し、
日本の商業のあるべき方向性に火を灯す。
そんな西端春枝先生。

一昨年には、浄真寺で、
商人舎主催の「寺子屋塾」を開催させていただいた。

今年は、必ず実現させたいと思っている。

西端先生にも、お元気でいてほしい。

さて、今日は、節分。
明日の「立春」の前日で、
一年で一番寒い「大寒」からの節目の日。
「春が立つ」  
いい言葉だ。

その節分の今朝、
「恵方巻き」を届けていただいた。
横浜市西区北幸の隣組。
相鉄ローゼンの春日徹夫社長から。  

運んでくださったのは、総務人事部秘書担当の込山敦志さん。

相鉄ローゼンで、本日、販売している。
e1
右が、「福巻(田舎巻)」
中には干瓢・穴子・ごぼう・玉子焼き・人参・おぼろ・油揚げ・高野豆腐・椎茸・ほうれん草が油揚げがぎっしりつまっている。
左が、「幸巻(海鮮巻)」
玉子焼き・まぐろたたき・たこ・サーモン・えび・きゅうり・いかが入っている。
e2

これを一本頬張って、
恵方(今年は西南西)を向いて食べつくすと、
幸せが訪れる。
私は「良い春が立つ」と表現したい。
だからこそ、恵方巻きは節分に食べる。

コンビニエンスストアのプロモーションとして顕在化し、
日本中のスーパーマーケットや百貨店に広まった。
大変な需要を掘り起こした。

そういえば、2月14日のバレンタインデーに、
今年は、「友チョコ」が流行している。
女性から男性への愛の意思表示だけではなく、
友人同士の親愛の情をチョコレートに込めるのだそうだ。

それも良し。

商業は、どんなことでも、
顧客が喜ぶのならば、
その顧客の要請に応じる。
一歩前、半歩先、0.3歩前(『dancyu』町田成一編集長の言葉)で提案する。

その意味で、軽くなければならない。
その軽さを仕組みにしなければならない。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。  

恵方巻きも友チョコも、
どんどん提案したい。

店頭プロモーションの徹底ぶりと言えば、
アメリカのウォルマートが群を抜く。
ウォルマートの店頭には大衆のための、
「小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望」が、
満載されている。

ウォルマートは、エブリデーロープライスを標榜しているが、
価格の操作に血道をあげているわけでは、断じてない。
店頭ではむしろ、
価格以外の顧客の満足創出に躍起になっている。

ヨークベニマルやヤオコーが、
ポイントカードをやらないことと、
これは一致している。
「ポイントカードを導入すると、
店頭で知恵を出さなくなる」
ヨークベニマル大高善興社長の言葉。

商人の知識と知恵。
それが、商人存在価値。

さて、今週の『週刊ダイヤモンド』の大特集。
「安さプラスαで売れる店」  
パート1では、高収益を実現するプラスαの秘密。
ABCマート、ヤオコー、ダイソー、ニトリのケーススタディ。
一般誌のライターや記者のレベルが本当に高くなった。
だから専門誌紙の編集者たちもうかうかしていられない。
その上、よく取材して、重要な企業事例を集めている。
パート2は、ファストファッションで市場激変。
ユニクロを中心にH&Mからアバクロまでのダイジェスト。
パート3は、独自の販売方法で高い顧客満足。
阪急キッチンエール、オーケー、コメリ、あさひの事例。
そしてパート4、住民から長く支持される地方企業として、
ハローデイ、ユニバース、マキオ・AZあくねが出てくる。
まさに全面展開。

いい特集だし、いい記事。

専門誌はこれに、どう対抗するか。
ちょうど㈱商業界の『販売革新』で、特集を組んでいる。
「ユニクロ・ニトリ・ダイソーは、なぜ支持されるのか」

今週月曜日の日経MJには、両者の広告が出ていた。
商業界が1面。
ダイヤモンドが2面。

こういった競争が、
どんどん生まれ、さらに激化していく。
読者にとっては、面白いことだし、有難いこと。

週刊ダイヤモンドや週刊エコノミストが、
こういった特集を組むことは、商業にとっては有難いことだ。
業界内だけでなく、他産業のビジネスマンや消費者、
アカデミズムやジャーナリズムに対して、
理解が深まるから。

「競争はあなたの仕事です」 
『メッセージ』(㈱商業界刊)より。  
「むしろ、はじめから競争に参画しない者、
すなわち競争を楽しめない者には進歩も革新も与えられず、
能力開発の余地もないことをこそ認識すべきでしょう」

<結城義晴>  

2010年02月02日(火曜日)

百貨店の個店売場拡大策とダーウィンの『種の起源』

2月1日、雪が降った。  
夕方から、霙になり、
夜半にかけて雪に変わった。
東京や横浜では初雪。

2日の今日、起きてみたら、
雪は止んでいた。

子供や犬でもないのに、
少しがっかりした。

昨日から、プロ野球はキャンプイン。
12球団監督のコメントで面白いもの。
日経新聞のスポーツ欄から。
最近はこの欄でも日経が丁寧な取材をしていて、
面白い。

中日ドラゴンズ落合博満監督。
「プロ野球選手がやることは一つしかない。
競争に勝ち残れるかどうかだ」  

私と同年のユニークな監督だが、
いつも正鵠を射ている。

オリックス・バッファローズ岡田彰布監督。
「選手たちには自己満足でいいと言った」  

昨年末に、中日の落合も、
選手に対して、同じようなことを言っている。
「自分のことだけ考えろ」  

この二人の監督は、プロの何たるか、
リーダーのあり方の如何を知っている。

優勝はできなくとも、必ず、
面白い展開を見せるに違いない。

一方、読売ジャイアンツ原辰徳監督。
「今年のテーマは『原点』。
基本に戻って足元を固め、
チームプレーの尊重を確認したい」  

同じ神奈川県人。
私の教え子が原監督の後輩で東海大相模にいるから、
あまり辛口コメントはしたくはないが、
はっきりいってつまらない。

優勝はするかもしれないが、
プロとして面白い展開は期待できない。

プロ野球監督も、
面白いコメントを求められるようになった。
それは一つの自己表現である。

実務家も店舗も、自己表現は必要だろう。
それが顧客にどう伝わるか。
言葉ではなく、考え方における自己表現。
それが店舗や売り場や商品になる。

顧客は、知識商人の主張を買ってくれるのだ。
だからその表現力は重要項目になる。

さて、百貨店大手5社が昨日、
1月の既存店ベースの売上高を発表した。
これはとてもいいこと。
百貨店業態自体、衰退期にはいったなどといわれているが、
しかし、世間に自己の実態を表現しようとしていることは、
高く評価しなければならない。

その数値、5社のゾーンは、
前年同月比マイナスの0.5~7%に入っている。

大丸がマイナス0.5%、
伊勢丹がマイナス0.8%。  

この2社が悪い中で好調。
松坂屋が3.5%減、高島屋は6.3%減、三越が7.0%減。
こちらは不調組。

こうみると、ホールディングカンパニーやグループの力は、
ほとんど関係ないことがわかる。

大丸と松坂屋はJ・フロントリテイリング傘下。
三越伊勢丹ホールディングスは伊勢丹と三越。
そして高島屋は、2011年4月、
阪急・阪神のエイチツーオーリテイリングと経営統合する。

しかし、百貨店においては、
統合して、一つの方針をとったら、
そのグループの前年対比売上高が、
他を圧するというわけにはいかないらしい。

つまり統合のメリットは、
営業面では現れにくいということ。

もっぱら管理面のメリットしか出ない。
アメリカのシアーズ・ホールディングスが、
シアーズ・ローバックとKマートを統合したが、
どちらも衰退プロセスにあって、
何のメリットも得られないということに似ている。

小売業の産業化・大規模化には、
二つの方法論があった。  

故田島義博先生が書いている。
ひとつは、店舗大型化。
もうひとつが、チェーンストア化。  

店舗大型化政策をとったのは百貨店。
チェーンストア化をとったのは、他のすべての業態。

だから百貨店の成長戦略の基本は、個店の大型化しかない。
ホールディングカンパニーのもとに、
売上げスケールを大きくしても、
それは百貨店の魅力を拡大することにはつながらない。

それが、昨日の百貨店5社の1月売上高発表にも表れた。

ちなみに1月の下落幅が少なかった理由は、
第一にバーゲンセールや福袋売れ行きが好調だったこと。
第二に、モデレートプライス商品の一部が売れたこと。
すなわちノンコモディティに需要があること。
顧客の視点がそちらに向いたこと。

しかしこれは、それぞれの百貨店の個店の魅力が、
他を圧したというわけではない。

他を圧するためには、
紙一重の違いを、
他者に比べて圧倒的な魅力の差異に、
表現し直す。  

百貨店商売の極意はここにしかない。

「一九世紀の人、チャールズ・ダーウィンは、
一八五九年出版の『種の起源』の中で、こう言っている」
『メッセージ』(結城義晴・㈱商業界刊)より。  

「進化は、生存競争の自然選択が起こす。
環境に最も順応した者が生き残り、種を存続させ、
そうでない者が死に絶える」  

これはもはや知れ渡っている。
しかし私は、こちらのほうが大事だと思っている。

「生存競争は、最も近い種の間で、最も激しい。  
同じ餌をめぐって闘うからだ。
ここでは、ごく小さな違い、
つまり普通よりもちょっと優れていることが、
生存のための決定的要素になる」  

プロ野球や百貨店経営の世界では、
まさに「差異が価値を生む」。
個店は、自分のことだけ考えて、
ごく小さな違いを、
他を圧する差異に変える。

うわべだけの「チームプレー」や、
他人のサル真似よりも、
このほうが、よほど魅力的だ。

昨日は、一日中、横浜の商人舎オフィス。
訪問者あり。

㈱サンライズ代表取締役社長・福寺誠一さん(左)と、
リテール営業部長・光安泰文さん(右)。

森永製菓のグループ企業で、アイスクリームの卸売業を展開。
提案型供給をしていて、面白い。
勉強になった。

それから産学社の編集者・新垣さん。

もう一息です。

雪は降ったが、すぐ溶けた。
今年の春は、意外に近い。

<結城義晴>  

2010年02月01日(月曜日)

2月の商人舎標語は「質の良い売上げ・質の良い仕事」

Everybody! Good Monday![vol5]

2010年2月第1週です。
私たち㈱商人舎がスタートしてから、
ちょうど2年が経過しました。

すべての人々に、心から感謝しつつ、
3年目の第一歩をを踏み出したいと思います。

「朝に希望、昼に努力、夜に感謝」  
そのうえで、世の中に貢献できれば、
これ以上のことは望みませんし、
これ以上の喜びもありません。

商人舎のスローガン。
「自主独立、自己革新、社会貢献」  
このことを確認しつつ、
「商業・サービス業の現代化」へ向けて、
地道な活動を続けたいと、
決意を新たにするものです。

よろしくお願いいたします。

さて、今年のスローガン。
“Practice comes first!”
[実践躬行・実行第一]

そのうえで、2月の商人舎標語を発表します。

「質(たち)の良い売上げ・質(しつ)の良い仕事」  

不況になると、「質の悪い売上げ」が紛れ込んでしまいます。
特に、決算月の2月や3月には、気をつけねばなりません。

質の悪い売上げとは、一言でいえば、
「顧客の満足とは関係なく生じる売上げ」のこと。

もちろん現実的には、
質の悪い売上げが生まれることもあります。
全否定はしません。

しかし顧客満足をつくりだしたうえで、
それを売上げにすることは、
難しいし、しんどい。

質の悪い売上げのほうが、
易しいし、楽です。

「難しくて、しんどい仕事」が、
「質の良い仕事」です。
そして「質の良い仕事」は、
「質の良い売上げ」を生み出します。

「自然、必然、当然」(武者小路実篤)

一番怖いのは、
「質の悪い売上げ」が、
癖になり、習慣になり、習性になり、
やがて組織の風土になってしまうことです。

それだけは避けなければらない。

特に2月・3月の決算期には、
「質の悪い売上げと質の悪い仕事」を退けなければならない。
それが今月の商人舎標語の意味。

「質の良い売上げ・質の悪い売上げ」という概念や言葉は、
㈱東武ストア社長の玉置富貴雄さんに教えていただきました。
心より感謝いたします。

玉置さんとお話しているときに、
私はピーター・ドラッカー教授の「質の良い資金」のことを、
思い浮かべました。

ドラッカーは、「目標の8つの領域」を明らかにしています。
1.マーケティング
2.イノベーション
3.生産性
4.人
5.モノ
6.資金「たちのいいお金」
7.社会的責任
8.「必要条件」としての利益  

この6番目の「たちのいいお金」は、
資金のことですが、
私の頭の中で、それが、
玉置さんの「質のいい売上げ」につながったのでした。

そしてそのためには「質の良い仕事」が不可欠です。
結果として「必要条件としての利益」が生まれます。

「売上げ至上主義の否定」が叫ばれます。
私も賛成です。
それは至上主義の売上げは、
「質の悪い売上げ」になりやすいからです。

2月・3月は、
「質の良い売上げ・質の良い仕事」  
これが目標となります。

この標語は、既に、
先週1月29日付けの「毎日更新Review」の前づけレターで、
発表させていただいております。

ちなみに、今日2月1日の日経新聞の巻頭コラム「春秋」で、
偶然にも、「質」という言葉がテーマにされています。
白川静さんの『常用字解』から引いて、
「『質』という字は、
おのを表す2つの『斥』と『貝』から成る」
「質とは、鼎にふた振りのおので、
重要な約束を刻むこと」と、説明しています。

春秋は最後に、言います。
「『質』という漢字は、
企業に警鐘を鳴らしているようにみえる」

私も同感。まったくの偶然。

「質の良い売上げ・質の良い仕事」
よろしく。

さて、その日経新聞の一面トップ記事。
「流通・サービス業人材定着」の見出し。
その最大の理由は、不況だという。
不況で離職率が減って、
人材が定着したというわけ。

まだまだ、です。

不況が深刻化したり、失業率が高まったら、
人材の定着率は、どんな業種でも高まる。

それが去ると、流通・サービス業では、
人材が定着しなくなる。

この記事、この見出しは、そう言っています。

しかし、定着率は、企業自体の特有のものであるはず。

会社に入ってきた人材が、辞めない。
喜んで働き続ける。

そんな企業は、流通業・サービス業にも、多数存在します。

まだまだ全体として見ると、定着率が低い、離職率が高い。
これは「商業現代化」にとって、
越えなけらばならない大きな壁。

アメリカの『Fortune』誌の「働きたい企業100ランキング」は、
その意味で、凄いことです。
ウェグマンズもナゲット・マーケットも、
ホールフーズもノードストロームも、
凄い企業です。

私たちはそれを目指す。
そのためにも「質の良い売上げ・質の良い仕事」

最後に、2月のおさらい。
もう間近に迫った「節分」。  
豆まきの風習よりも、
最近では「恵方巻き」のほうが、
商売になるのか、
スーパーマーケットもコンビニも、
太巻き寿司に力を入れる。
もちろんそれも大切。

しかし、節分は、季節の分け目。
翌日の「立春」の喜びを、確認する日。

「小さな喜び、ささやかな幸せ、明日への希望」  

そのための古来からの風習。
このことを大切なお客様に伝えたい。

そして今年は日曜日になりますが、
14日のセントバレンタインデー。  
これは、世界各地で「男女の愛の誓いの日」とされています。
女性から男性にチョコレートをプレゼントするだけの日ではありません。

「男女の愛の誓い」を大切なお客さまに訴えたい。

私は、こういった風習や習慣こそ、
人類の知恵だと思います。

自らを励まし、地域社会を活性化させる知恵。
だからその本来の精神を確認したいし、
広めたい。

それが商売にとっては、
「客層を広げる」という王道につながってきます。

王道といえば、
「質の良い売上げ・質の良い仕事」  

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2010年01月31日(日曜日)

ジジの「どこかで春が」[2010日曜版⑤]

こんにちは。
n1

なにか、
ちがいます。
n2

まいとしのことですが、
いまごろになると、
なにかが、
かわってきます。
n3

どこかで春が、
うまれてる♪
n5

どこかで芽のでる
おとがする♪
n4

まどべにも。
n6

日差しにも。
j1

でも、いったい、
どこなんでしょう。
j2
どこから、春は、
やってくるのでしょう。

ボクも、
じっとしていられない。
j3

あっちでしょうか。
i1

こっちでしょうか。
i2

どっちでしょうか。
i3

おとうさんは、
どう、おもいます?
i4
サム君は、
どう、おもう?

ねえ、ねぇ、サム君。
i5
「………」

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年01月30日(土曜日)

金メダリスト上野由岐子投手の「苦しい時にはチームのことを考える」

今週も、時は早かった。
もう土曜日。

今日は、朝から立教大学キャンパス7号館。
大学院ビジネスデザイン研究科の報告会。
修士論文・調査研究レポートの口頭試問の日。

みんな緊張して臨みます。

主査一人に副査二人。
院生は自分の論文の説明を7分ほどして、
二人の副査の先生から質問を受ける。
一人20分、1時間で三人。

私の結城ゼミの5人も、
今週はこの報告会のために準備をしました。
ここで「合」が出れば、
晴れて修士、マスターとなる。

頑張ろう、楽しもう。
元気を出そう、勇気を出そう。

さて、商人舎ホーム―ぺージの巻頭テロップ。
「流通ニュース」  
おかげさまで絶好調です。

皆さんも、試してみてください。
パソコンのグーグルやヤフーの検索サイトに、
文字を打ってみる。
「流通」  
グーグルならば、
「流通・小売りyahoo」が最初に出てくる。
その次に、ウィキペディアの「流通」。
そして三番目に「流通ニュース」が出てくる。
そのあとに流通科学大学や、
日経流通新聞。

yahooに打ち込むと、
流通経済大学や流通科学大学、
そしてやはりウィキペディア、
そして流通ニュース。

もちろんパソコンとは、
よくもパーソナルコンピュータといったもので、
その人のアクセス件数や全体のトレンドで、
一つ一つのパソコンごとに、
この順位は変わってきます。

それでも、「流通ニュース」が、
最上位グループに入っていることは間違いない。

凄いことです。

私はその流通ニュースにコラムを持っているのですが、
本当に申し訳ないことに、昨年の夏以降、
更新していません。

松見浩希社長、心からお詫びします。

単行本があったり、
大学院のゼミや講義があったり、
とにかく精神的に余裕がなかったのです。

しかし、宣言します。

商人舎が3年目に入る2月1日より、
この絶大なるアクセス数を誇る「流通ニュース」に、
まず2週間に1回、コラムを書いていきます。
それから調子が出てきたら、1週間に1回。
宣言したからには、私は、実行します。

“Practice comes first!”

さらに商人舎ホームページ。
金曜日のお惣菜。
林廣美先生の連載。
ぜひ、毎週読んでみてください。

今週は、バイヤーが選んだコロッケ。
プロ中のプロが提案する役立つ情報です。

それから、中山政男のPOPを叱る。
中山先生、このホームページにブログを連載し始めたら、
すぐに、専門雑誌から原稿の依頼がきました。
その雑誌は『食品商業』。
こちらも読んであげてください。
私の古巣のいちばん雑誌です。

さらにさらに、浅野秀二先生のアメリカ・レポート。
人気のブログです。

もちろん、商人舎のアメリカ視察研修会に欠かせない先生。
絶好調ブログであると同時に、
浅野先生がいかに世界中を駆け巡っているかが、
よくわかります。

その商人舎ホームページ、
ウィークデーとウィークエンドは、
読者層がかわります。

ウィーデーは、
小売業、サービス業の経営者、幹部、
中堅、店舗の人々、
さらに消費財メーカー、卸売業の人々、
マスコミ、学者、コンサルタントなど、
識者と呼ばれる人々。

一言でいえば「知識商人」。

私は自ら、「商人の魂をもったジャーナリスト」を標榜していますから、
私たちも「ナレッジ・マーチャント」に含まれます。
最近は「商人の魂をもったプロフェッサー」ともいえます。  

そしてウィークエンドの今日のような土曜日は、
その知識商人の土曜出勤の人、
または家庭でもこのブログを読んでくださるフリークの人々。

日曜日だけは、ジジのファンが増えます。

そういった方々に支えられて、
このホームページとブログは成り立っています。

本当にありがたいことです。

「ありがたい」とは「有難い」。
2008年の8月に[毎日更新宣言]を始めた時、
さらに商業界を退任したときには、
考えられないことが起こっています。

もう2年半。

2月1日から、また新たな気分で、
スタートを切ります。

よろしくお願いします。

さて、そんなことを書いていたら、
もう夕方。

結城ゼミの5人全員の口頭試問が、
修了しました。

本当にご苦労様、
お疲れ様。

チームワークがとても良かった。

私は、上野由岐子投手の言葉を思い出していた。
女子ソフトボール北京オリンピック金メダリスト。
3試合連投413球を投げ抜いたピッチャー。

「苦しいときには、
チームのことを考えるんです。
そうすると不思議に、
心が落ち着いてきます」  

以前「ほぼ日」で糸井重里さんが書いていた。

何事も、それを成し遂げるには、
一人ひとりのモチベーションが不可欠です。
チームワークも極めて大事です。

しかし野球やソフトボールのピッチャーの仕事は、
実は孤立したものです。
「唯我独尊」的な性格を持った人が、
ピッチャーに向いているなどといわれます。
しかし、その半面、
ピッチャーほど繊細な人種はいません

私も、たくさんのピッチャーを育てました。
小学生のソフトボールの投手ですが。

私が自ら育てた最後のピッチャー。
彼が、今年の春の選抜高校野球に出場します。
神奈川県代表・東海大相模高校のセンター。
この子も、小さなときから抜群の運動能力で、
近隣に名前が轟いていました。
性格は繊細すぎるくらい。
しかし6年生のときにはピッチャーで、
4番でキャプテン。
だから傲慢に見えるところもありました。
またそれくらいでなければ、試合に勝てない。

ずいぶん前になりますが、
巨人軍の江川卓投手のゴルフ姿を、
テレビで見たことがあります。
典型的なイップス。

繊細な人が陥るゴルフ病。

傲慢であり繊細である。
これも「オクシモロン」ですが、
そんなピッチャーが、
緊張に勝つために、
「チームのことを考える」  

これがチームワークの本質です。

仲よくすることだけがチームワークではない。

一人ひとりが自主独立していて、
そのうえ「チーム」があって、
その「チームのことを考える」と、
個人が落ち着いてくる。
モチベーションが上がる。

それがチームワークとモチベーションの関係です。

今日の結城ゼミには、それがあった。

私は、心から感謝したくなりました。

心から、ありがとう。

<結城義晴>  

2010年01月29日(金曜日)

松井忠三良品計画会長の言葉とペガサスクラブ渥美俊一先生の檄

「消費者の興味は、あこがれの追求から、
限られた収入でいかに合理的に暮らすかに移った」  

㈱良品計画会長の松井忠三さんの発言。  
日経新聞「人こと」のインタビュー記事。

これは、ウォルマートの、
現在のキャッチフレーズに通ずる。
「Save money, Live better!」  
商人舎2008年7月の標語でもある。

松井さんのコメントは続く。
「消費行動の変化は、
『石油危機後の経済停滞が、
無印などのPB品を生んだ時のように大きい』」

これを価値観の転換という。

私も、無印良品の誕生には、思い出がある。
1977年4月1日、㈱商業界に入社し、
『販売革新』編集部に配属された。
ちょうどその時、『販売革新』は、
当時の西友ストアー「素材缶詰」開発の一部始終を掲載した。

そしてそれが「無印良品」コンセプトの核となって、
1980年12月、㈱西友のプライベートブランドとして、
40品目でデビュー。
10年後の1989年、
西友から独立した㈱良品計画は、
「無印良品」の企画開発・製造、
流通・販売の製造小売業として成長。
一方、西友は、
ウォルマート・ジャパンとなって、
実質的に、この世から消えた。

最初の素材缶の開発を担ったのは、
「ドゥ・タンク・ダイナックス」。
いわゆるコンサルタント集団だったが、彼らは、
当時はやりの「シンク・タンク(think tank=考える集団)」ではなく、
「do tank=行動する集団」を標榜していた。
リーダーは、46歳で早世した天才小野貴邦。
その弟子ともいうべき人物が、
現在も活躍するドゥ・ハウス社長の稲垣佳伸。

元に戻って、松井さんの言わんとするところを類推すると、
日本の消費者は「あこがれ」のモノの追求をしなくなった。
モノに関しては、「合理的に暮らす」。
限られた収入の中で。

コモディティがこれだけ成熟し、氾濫し、飽和すれば、
賢い消費は可能である。

しかし、それ以外の商品、
すなわちノンコモディティの消費、
あるいはノンコモディティのサービスは、
未だ満たされてはいないと、私は思う。

コモディティに関しては、
「最良のベーシック」が切望される。
だから松井さんは言う。
「まず品目数を3割減らし競争力ある商品に絞り込む」

そのうえで決意はマンジメント全体に及ぶ。
「毎年経営を変革しなければ生き残れない」  

さて、昨日は、東京・グランドプリンスホテル赤坂。
ペガサスクラブ2010年新年度政策セミナー。  
これは通算すると、なんと第2510回目のベガサスセミナーとなる。
p1
主宰者・渥美俊一先生は、
今年8月に84歳になられる。
ライフコーポレーション清水信次会長とは、
三重県松阪の、同郷の同い年。
こちらは今年7月の参議院選に
出馬予定で士気高揚。

参加者はもう、
「渥美先生の雄姿を見に来る」の観あり。
その期待に違わず、渥美俊一、元気いっぱい。

日本の政治家には、
80歳以上の国会議員がいないそうで、
彼らに爪の垢を煎じて
飲ませねばならないくらい。

もっとも、中曽根康弘氏は、無理やり引退させられても、
この日、前楽天イーグルス野村克也監督の1500勝記念パーティを主催して、意気軒昂。

どこの世界にも「化け物級」はいらっしゃる。

さて渥美先生の今回の講義、
一昨日の27日に60分を3本、
昨日28日には60分を2本。
そして共演の、他のどの講師よりも、
迫力と気力と主張力において、
当然ながら、図抜けている。

685人の聴講者を引き摺り回し、
覚醒させ、決意新たにさせた。
本物の「檄」を飛ばし続けた。
p2
まったく、感服する以外にない。

その渥美先生の今回の分析と主張。
「消費者物価は、
輸入物価・卸売物価ほどには下がっていない」
「消費量は減っているわけではない。
生活必需品は減るわけがない」  

「寡占化が急速に進行している」

2009年への批判は、多数。
「セールあの手この手」と、
エブリデーセームロープライスへの逆行。
ローコスト・マネジメントの仕組みのない
「ディスカウント型店舗」。
「現場技能向上の奨励運動」と、
「現場力高揚主義」などなど。

そしてまとめで強調されたことは、
基本経営指標モデルをつくるべきであること。
軸となり、芯となる経営の尺度が
なくてはならないとの提言。
まさしく正論。

それから原理原則の習得と、
ストア・コンパリゾン。
最後まで渥美先生が強調したのは、
「業務システム」の転換と標準化。

不況、不振と言って、
商略で明けくれるよりも、
コツコツと業務制度改革と
教育システム強化を進める方がよいし、
それが2010年の正しい政策である。  

私も、この点、感服しつつ、賛同したい。

<結城義晴>  

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年10月
日月火水木金土
« 9月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.