結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年08月18日(月曜日)

お盆商戦ピークの9日17日、イトーヨーカ堂は「朝市」と「食品割引クーポン」のダブルご利益提供

Everybody! Good Monday!

2008年8月第3週。

8月の、4つに分けたステップの復習。
第1段階 今週3日から8日までの前哨戦。
第2段階 9日から17日の帰省からUターンまでのお盆のピーク。
第3段階 18日から24日までの終盤。
第4段階 25日から31日の夏の後始末と秋の準備。

今年の特徴は、第2段階のピークが長いこと。
昨17日に、こじんまりしたUターンラッシュがあって、
再び、サラリーマンのほとんどが通勤し始める。
もちろん、夏季休暇を個人に合わせてとる会社も多いから、
いっせいに営業再開というわけではない。

ロングバケーションのモードは変わらない。

第3段階の今週は、夏の終わり。
オリンピックの終了。
甲子園は今日、決勝で閉幕。

すなわち今週のテーマは、「ジ・エンド」。
さまざまなイベントの終わりに向けた1週間。

名残惜しいけれど、
ああ今年の夏も、もう少しで終わってしまうんだ、
といった気分。

高校の文化祭の終盤にかかった瞬間。

そんな1週間。

来週からの第4段階は、もう夏ではない。
夏の後始末と、秋の準備。
商売は、「半歩先取り」が鉄則。

 

さて、お盆商戦、いかがだっただろうか。
小さな爆発を積み重ねることができただろうか。
あなたは、失敗を恐れなかっただろうか。
写真に記録しただろうか。

イトーヨーカ堂は、169店舗で、
第2段階の9日から昨17日まで、
「朝市」を実施した。

9時から正午までの3時間。
涼しい午前中に買い物を提案。
生鮮食品、惣菜、日配品、加工食品・菓子。

その上で「食品割引クーポン」を同時に実施。
朝市の中でも、9時から10時の早い時間帯に食品を買い上げると、
次回の買い物のときに好きな食品が1点だけ、
1割引きとなるクーポン券を配布。

この朝市と割引クーポンの相乗効果は大きい。
組み合わせのシナジー効果である。

一つのご利益提供だけでなく、
追い打ちのように、
もう一つのご利益を重ね合わせる。

イトーヨーカ堂が、伝統的に、
これはという時に展開する手法だ。
よく計算されている。
顧客の心理が。

成果は、当然ながら上がった模様。

それにしても、総合スーパーのイトーヨーカ堂も、
なりふり構わず食品での集客に集中してきた。

一方、このブログでも予告通り、今年のお盆商戦は、
「在宅派」が70%を超えた。

だから都会の店は、例年より成績が良かったはず。
地方の、「藪入の現代版の帰省」を受けるはずだった側の店は、
例年より落ち込んだか。

しかしこれは、全体傾向の問題。

良い店、良い部門は、大健闘し、
悪い店、悪い部門は、ひどく悪かった。

ここで良かった悪かったという時の基準を確認しよう。

「営業力とは、営業利益を上げる力のこと」
ペガサスクラブの渥美俊一先生の名言のひとつ。

店ごとに、セクションごとに、部門ごとに、
営業利益が計画通りに獲得できたか。
それが最大、唯一の基準。
目標は売上高ではない。
もちろん売上げも、粗利も、
一つの目安だけれど。

今年は特に、「営業力とは営業利益を上げる力」を
強く自覚したい。

イトーヨーカ堂のような「ダブルご利益提供」。
今からでも遅くはない。
夏の終盤に小さな爆発を生み出すために、
考えてはいかがだろうか。
もちろん営業利益を上げるのだから、
経費ばかりかさんでは、いけない。
イトーヨーカ堂には、利益面でも、
十分な計画があってのダブルご利益提供なのだ。

最後に、今週の夏の終盤と来週の後始末機に向けて、
記録としての写真撮影の技術指導をひとつ。
写真は、漠然と印象を残すだけではいけない。
そんな雑多な写真の集積は、技術の体系にならない。

体系とは、ツリー状になったパーツによって出来上がっている。
小さな技術が、ピラミッドのように組み立てられている。

これを写真で記録しておくためには、
3つに分けて、写真撮影しておくこと。
①遠景
②景
③近景

例えば、売り場を撮るとする。
遠景とは、部門全体、あるいはコーナー全体。
中景とは、カテゴリー別。
そして近景とは、アイテム、あるいはパックごと。
または、POP、ショーカードなど販促物、
什器、仕切り版など備品。

例えば、作業を記録に残すとする。
遠景は、作業場と売り場。
中景は、ペアーシステムでの動きや、一人ひとりの動作や姿勢など。
近景は、その人の手元、周辺の道具など。

とにかく、ファインダーを覗き、
シャッターを押す時に、必ず、
これは遠景、これは中景、これは近景と、
意識して撮る。

当然ながら、近景写真が圧倒的に多くなる。
しかしこれが一番役に立つ。

中景がその次に多くなる。
遠景が一番少ない。

最も悪い写真は、
遠景と中景のどちらとも言えないもの。
これ、何にも使えない。

自分の売り場と商品を、
自分の子供の写真を撮るように、
こまめに撮影して、
整理しておくこと。

自分の仕事を子供だと思ったら、
撮らずにはいられないはず。
それが、ウィークリーごとの自分の技術体系となる。

「ダブルご利益提供」と「写真での記録」。

2008年夏の終盤戦、
今からでも、まったく遅くはない。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

ここで再び、[お知らせ]
商業経営問題研究会(RMLC)が開催されます。
日 時 8月21日金曜日13時30分17時
場 所 商業界会館2階ホール(東京都港区麻布台2-4-6)
テーマ コンピュータ・リテラシー問題
世話人 USP研究所所長・當仲寛哲さん
今回は、商人舎コンピュータ・リテラシー研究会との
合同研究会となります。
会員の皆様、ご応募くださった皆様、
ご参集ください。

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