結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年08月08日(木曜日)

経団連「夏のボーナス」と最低賃金引き上げ、サミット田尻社長対談

ゾロ目の8月8日。
第95回全国高校野球選手権大会が始まった。

夏真っ盛り。
そしてこの甲子園大会が終盤に近づくと、
すこしずつ秋の気配を感じさせられる。

さて新聞各紙が報道したのが、
経団連発表の「夏のボーナス」

調査対象は主要21業種の大企業240社、
有効回答は132社。

平均妥結額は80万9502円、
80万円超は2008年以来、5年ぶり。

前年同期比4.99%プラスで、
1991年以来の伸び率。

業種別では明暗。
比較可能な17業種中、
プラスは10業種。
マイナスは7業種。

製造業が80万8829円、5.42%増、
非製造業は81万2609円、3.68%増。
小売商業は回答なし。
自動車は89万0600円で、
10.73%増。

円安のご利益は、
輸出産業に出た。

小売りサービス業の顧客は、
モノが値上げされ苦しんでいる。

自動車産業従事者は、
消費に対しても貢献してほしいものだ。
つまりは「買ってください」ということ。

さて昨日の日経新聞の社説。
「最低賃金の決定は
企業の生産性踏まえよ」

こちらは景気のいいボーナスの話ではなく、
最低賃金の上げ幅の話題。

中央最低賃金審議会の小委員会の決定。
同委員会は、都道府県ごとの、
地域別最低賃金引き上げの目安を議論してきた。

結論は、
時間あたりの上げ幅を、
全国平均で14円とする。

これによって、
平均時給は763円に上昇。

14円と二桁アップとなったのはそれでも3年ぶり。

日本政府念願のデフレ脱却は、
賃金の上昇がなければ絵に描いた餅。

だから最低賃金を引き上げることは、
消費の活性化には手っ取り早く効果を生み出す。

しかし日経社説の主張は、そこで、
「中小・零細企業の経営を考慮せよ」。

厳しいコスト削減を強いられている中小企業。
最低賃金に近い賃金水準で雇用している。
最低賃金の安易な引き上げ指導は、
そうした企業の経営を圧迫する。

今年度は田村憲久厚生労働相が
中央最低賃金審議会に出席。
「引き上げ」を要請。

委員会の二桁の上げ幅決定は、
政府の意図が込められたもの。

日経新聞の指摘は、
政府の介入が、
市場経済のメカニズムを
毀損する危険性。

どんな経営も、
生産性の伸び以上に賃金を上げれば、
コスト負担が増大し、苦境に陥って、
結果として雇用の確保ができない。

だから重要なのは、
中小企業が利益を挙げ、
無理なく賃金も上げられること。

この後、日経新聞の提案がある。
「環境、エネルギー関連や医療・看護・介護分野などに
参入しやすくする規制改革は欠かせない」

しかしこれが端的に、
中小企業の生産性につながるとは考えられない。

どんなに小さなことでも、
大手企業が参入してくるのが現代だ。
規制改革はまず、
大手企業にメリットをもたらす。

最低賃金で働く人の手取り収入が
生活保護の受給額を下回る逆転現象。
北海道で見られるが、これもまだ解消されない。

最低賃金を引き上げれば、
解決される問題ではない。

しかし中小企業の生産性向上。
小売りサービス業は大いに可能性があるが、
他の産業はどうなんだろう。

日経新聞のような超大企業の論説委員が、
中小・零細企業の救済を、
高い所から論じる。

仕方がないのかもしれないが、
もうちょっとリアリティのある社説が読みたい。

さて今日は朝から東京の西永福。
サミット㈱本部を訪問。
田尻一社長インタビュー。
20130808201328.jpg
同社成城店から始まった新店と新MD、
スーパーマーケットの標準化の考え方と目安、
組織の問題と店長教育、ダイバーシティ問題。
ポイントカードの使い方やFSPとCRMに対する見解、
そしてコンビニをはじめとする業態間競争。

10時にスタートして、12時過ぎまで、
互いに語り、意見を交換するという対談方式。

実に充実していた。
心から感謝したい。

この模様はまず、
明後日の商人舎magazine
Monthly商人舎に詳しく掲載される。

それから9月号の月刊『商人舎』にも掲載予定。
お楽しみに。

その後、横浜の商人舎オフィスに帰って来て、
外部原稿を書き、夕方から、
商人舎magazineウェブ会議。
この会議は4時間。

またしても、
長谷川温子さんと、
猪股信吾さん、田中翔太さんに、
助けられた。

長谷川さんは㈱プラージュのシステムエンジニア、
猪股さんはウェブコンサルタント、
ショータこと田中さんはウェブデザイナー。

商人舎magazine、
次々に改革が進みます。

商人舎もプラージュも、中小企業の典型。
私たちの生産性は飛躍的に高まります。

中小同士が力強く連携して、
マーケットのニーズとウォンツを、
しっかりとつかんでいきます。

政府に邪魔されたくはないが、
政府の援助はいらない。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.