憲法記念日の「基本的人権」と「個人の尊重」と「戦争の放棄」

憲法記念日。
ゴールデンウィークに入ったのに、
体調を崩して頭痛がする。
昨年の今日は商人舎オフィスに出て、
単行本の仕事をした。
そして白井明大さんの詩をブログにした。
『日本の憲法 最初の話』

白井さんは憲法を詩に訳している。
何度読んでも、とてもいい。
第十一条。
基本的人権
私が私であるために
生まれつき全部持っている人権
私が、
あなたが、
いきていくために
絶対に欠かせない
基本的人権というものがある。
それは
私が私であることを
まるごと包み込む海のような、
あなたがあなたとして生きることを
ずっと支えつづける陸地のような、
かけがえのない自由と権利、
私も、
あなたも、
この国の誰もが、
生きるためにひとつも欠かせない
基本的人権を全部
生まれつき持っている。
誰にもじゃまできない。
この憲法の役割は、
基本的人権の見張り番、
総理大臣だろうと、国会議員だろうと、
憲法改正案だろうと、
どんな公権力にも
基本的人権は手出しをさせない。
この自由と権利を与えるのは、
憲法でも、ましてや国でも国会でも政府でもない。
それは
犯すことのできない永久の権利として
私が、
あなたが、
いま、そして将来の
この国の一人一人の人間が
命を授かったとき、
一緒に授かるものなんだ。

第十三条。
幸せになるために
こじんとして尊重される
私は、
個人として尊重される。
あなたは、
個人として尊重される。
この国の誰もが一人ひとり、
個人として尊重される。
政府の言うことには黙って従えとか、
お国のために、自由も、財産も、
命すら投げ出せとか、
個々の人間を踏みにじってきた過去の
過ちを繰り返さないために。
生命に対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利と、
自由に対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利と、
幸せに対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利は、
法律を作るときも、
それ以外の国の取り決めでも、
最大限に尊重することが必要だよ。
但し、「公共の福祉」に反しないかぎり……。

日本国憲法は「個人」を極めて大切にする。
一方、自由民主党の改正草案では、
なぜか「個人」を「人」に置き換えている。
そして今年も、
日本国憲法第九条。
戦争はしないよ
1
戦争はしないよ。
永久にしないよ。
だって私は
正義と秩序の土台の上にある
世界の平和を
ちゃんと
心から希(ねが)っているから。
たとえ
国と国との間のもめごとでも
戦争だとか
武力による威嚇だとか
武力の行使だとか
そんな解決法なんて
永久にごめんだな。
そんなのポイッと放棄するよ。
2
1の誓いを守るために
陸軍も海軍も空軍もその他の戦力も
なんにももたないことに決めた。
生活、大事。家族、大事。
財産、大事。将来、大事。
人間の命が、何より大事。
でも戦争なんかじゃ、守れないから。
平和を守るのは、平和なの。
攻められたらどうする、なんて立場を煽らないで。
「せーの」でミサイル撃ち合えば
どっちの国も、ただじゃ済まないだけ。
平和を守るのは、対話なの。
私の国に、他の国と交戦する権利があるだなんて、
とんでもないこと、もうまっぴら。

自民党草案にはこう書かれている。
「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」
この案には賛同できない。
ずっと書いているが、
篠田英朗著『はじめての憲法』
篠田英朗さんは国際政治学者、平和学者。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。
その「第九条」。
一項。
「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」
二項。
「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力は
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」
篠田さんは
第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、
と主張する。
三項。
「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」
憲法九条の本当の意味は、
「国際法遵守」である。
九条はそれを宣言している。
二項の「戦力」は英語では「war potential」となる。
一項の「戦争(war)」と「放棄」のために、
戦力を保持しないと謳われている。
「戦争のための戦力」の放棄である。
日本の「自衛隊」はその名の通り、
自衛する組織である。
だからwar potentialではない。
ここで「戦争の放棄」は「目的」である。
だから三項を加える。
「軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」
これで「戦争の戦力」ではない「自衛隊」という組織が、
きちんと位置づけられる。
「国防軍」という言葉を使う必要はないし、
「自衛隊」という言葉も使わない。
考えていると、
また頭が痛くなってきた。
おやすみなさい。
〈結城義晴〉























