結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年08月17日(土曜日)

「機械化・工業化・近代化」と「現代化の中の人間だもの」

Uターンラッシュ。
今日がそのピーク。
お疲れ様。

甲子園は、
今日、明日が、
3回戦。

ベスト8が決まって、
明後日の月曜日が、
準々決勝。

3回戦と準々決勝。
この3日間が、
いちばんおもしろい。

しかし準決勝、決勝が見えてくると、
秋の気配が忍び寄ってくる。
蜩の声など耳に残る。

夕焼け空が、
その空に浮かぶ雲が、
いちばん、よく表わしている。
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モスクワの世界陸上は、
最終盤の男子マラソン。
これもスリリング。

さて今日もニュースは多いが、
それは来週にして、
『ほぼ日刊イトイ新聞』

巻頭言の「今日のダーリン」を、
糸井重里さんが、
今日も書く。

「人間がやっていた仕事を、
機械にやってもらうことによって、
ずいぶんと人間の暮らしはラクになった」

「人間がしょうがなくやっていたことは、
どれだけ機械にまかせらえるか、
それを考えては実現していく歴史があった」

「機械化・工業化」という。
「近代化」とも呼ばれる。
そこで、こうなった。

「機械にはできないことだけ、
人間がやればいいんだ。
疲れる力仕事や単純な労働は機械がやってくれる」

では、人間がやる仕事は何か。
「考えたり管理したりする頭脳系の仕事こそ、
人間のやる仕事なのだと思っていた」

ところが。

「コンピューターって機械が出てきて、
脳みそを使ってやるような仕事も、
人間の代わりにやってくれるようになった」

そこで恐ろしいことが起こる。

「機械に仕事をまかせて、
ラクができると思っていたら、
じぶんの仕事もとられちゃったのか‥‥」

では、私たち人間は、
どんな仕事を担当するのか。
第1に、「機械にはできないこと」。

「よりクリエイティブなこと、
よりアートなこと」。
つまりは難しいこと。

第2は、「人間がしたくてたまらないこと」。
「人間が、もともと機械に渡すつもりのない仕事は、
人間のところに残る」

第3は、「機械にもできるけれど、
人間がしたほうが市場で有利になること」。

糸井さんは「例でいえば、すし職人の存在」という。

小売業やサービス業の接客の仕事。
お客の喜びを考えだす仕事。
商品を手当てし、開発する仕事。

新しい売場や店舗をつくる仕事。
競争する仕事。
イノベーションを成し遂げる仕事。

教育し、訓練し、人事する仕事。
コミュニケートし、情報交換する仕事。
そういった仕事をする人たちをマネジメントする仕事

感動を創り出す仕事。
共感を生み出す仕事。
希望を編み出す仕事。

糸井重里の結論。
「市場が、『人間』を望んでいれば仕事はなくならない。
このケースが、とても興味深いんだよなぁ」

言わんとするところはマーケティングだ。

機械に対する糸井の優しい配慮。
「電気洗濯機くらいの機械が、
いちばん喜ばれていたよねー」

コモディティ化現象は、
機械化、工業化、近代化の結果、
現れた。

「電気洗濯機くらいの機械」は、
コモディティ化の寸止めを、
見事に表現していると思う。

表現する仕事。
書き、記し、描く仕事。
考える仕事。

これも人間の仕事だ。

走ること。
投げ、打つこと。
頑張ること。

なんだ、
主役は、
みんな人間の仕事だ。

機械化、工業化、近代化。
心配することはない。
憂慮することもない。

「現代化」とは、
人間であることを、
思いだすことだ。

つまづいたって
いいじゃないか
にんげんだもの

〈相田みつを〉

現代化のなかの人間は、
相田みつをとは、
ちょっと違うのかもしれない。

〈結城義晴〉

2013年08月16日(金曜日)

日経MJにWFMとTJの記事を寄稿し、「終戦のエンペラー」を考える

日経MJの金曜版に寄稿。
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毎月、1回、
2000字の原稿を書いています。

今回のテーマは、
ホールフーズとトレーダー・ジョー。

どちらも健康・安全を標榜するけれど、
ホールフーズはスペシャルを志向し、
トレーダー・ジョーはシンプルを貫く。

その違いを書きました。

最後の二つのパラグラフ。
「全米で最も成長性のある2社は、
健康コンセプトは同じながら、
スぺシャルとシンプルの両極にあって、
極めて対照的。
だからその間にある他のすべての競争相手は、
平凡で進化のない店と見えてしまう」

結語。
「両者に共通する現象は、
あの店で働きたいと就職を熱望する人々が
長い列に並んで、待ち続けていることだ」

日経MJ、読んでください。

今日は8月16日。
お盆明け。

それでも金曜日だから、
明日、明後日の土日曜になだれ込んで、
夏の休暇の締めくくりがこの3日間となる。

帰省していた人たちも、
自宅に戻り、
ほっと一息。

大人の夏休みの名残を惜しむ。

「昼寝」などと言う贅沢を、
是非ともしてみたいものです。

児童、生徒、学生は、
まだまだ夏休みが続く。
小売サービス業は、
この連休中は、
もちろん書き入れ時。

最長9連休。
休み疲れで、
消費は伸びない。

手堅く、バント作戦で、
最少得点を稼ぐ。
そんな最後の成果を獲得したい。

さて映画『終戦のエンペラー』。
1945年8月。

ダグラス・マッカーサーが厚木基地に降り立つ。
「さあ、アメリカ人の男っぷりを見せよう!」

高杉新作の藩内クーデターの時の言葉にそっくり。
「これよりは長州男児の肝っ玉をお目にかけ申す」
(『世に棲む日々』司馬遼太郎著より)

マッカーサーは戦争犯罪人を一斉検挙する。
そしてその戦争犯罪を立証する活動を始める。

この中で最大の焦点となったのが、
天皇の戦争責任の有無。

「天皇の戦争責任の所在は証明できなかった。
おそらく1000年かけて調べても、
わからないに違いない。
しかし天皇が勇気をもって、
戦争を終結させたことは確かだ」

調査にあたったボナー・フェラーズ准将の言葉。
マシュー・フォックス演ずる主役。

この映画は昭和天皇裕仁と、
連合軍元帥ダグラス・マッカーサーとの、
会談で幕を閉じる。

感動的なシーン。

このシーンが描き出す映画のテーマは、
「平和」である。

だからこそフェラーズと、
日本人女性・島田あやの、
恋物語が織り込まれている。

謳い文句は、
「ハリウッドが描く歴史超大作」。

この時期の封切。
タイミングは最高。

安倍晋三内閣、
日本をどっちの方向に
持っていこうとしているのか。

そんなことにも警鐘を投げかける映画だ。

「暑すぎは株安?」
日経新聞マーケット総合欄。

「気温上昇に伴い株価は下落する傾向を示す」
わかる気がする。
「2000年以降、最高気温が
25度以上30度未満の夏日は
株価が0.09%の上げ。
一方、30度以上35度未満の真夏日は0.08%、
35度以上の猛暑日は0.27%の下げ」

株価には「暑すぎは下げ」だが、
消費産業は、
「暑すぎ」も「寒すぎ」も歓迎。

それとても平和の中での出来事。
昭和天皇もマッカーサーも、
フェラーズもあやも、
みな、平和を祈念した。

それがその後の私たちの
繁栄をもたらしてくれた。

この点は、絶対に、
忘れてはいけない。

〈結城義晴〉

2013年08月15日(木曜日)

お盆中日・終戦記念日に商売の神様を考える

2013年、
お盆中日。
そして68回目の終戦記念日。

私の家は浄土真宗で、
中学高校はカトリック系だった。
しかし私自身は、無宗教。

それでも今日は、
霊や魂について考える。
絶対的な存在に思いを巡らせる。

結論は出ないが、厳粛な気持ちになる。
これについて、人と議論する気はまったくない。
完全なる個人の問題だと思っている。

ただし、
商売の神様の存在は、
信じている。

商売の神様に、
そっぽを向かれた店は、
廃れる。

商売の神様に、
見放された企業は、
滅びる。

商売の神様に、
愛でられた商人は、
栄える。

商売の神様と、
ともに歩むマーチャントには、
繁盛が約束される。

この商売の神様は、
お客様ではない。
それを超えた存在である。

店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる。

この概念すべてをつかさどる者、
この考え方を守り支える存在。
それが商売の神様である。

商売に比べればずっと軽いものだが、
ゴルフの神様も、
ちょっとだけ、信じている。

ゴルフの神様に、
見はなされたゴルファーは、
悲惨な一日を体験することになる。

野球の神様も、
同じように、
信じている。

甲子園球児は全員が、
野球の神様に、
愛されている。

だからすべてのプレー、
すべての失敗すら、
感動を呼び起こす。

無宗教と言いながら、
たくさんの神様を
信じている。

結城義晴は、
無宗教者の多神教者。
これを矛盾と呼ぶのだろうか。

まあ、いい。
この件に関して、
人と議論するつもりはまったくない。

しかし、
お盆中日。
終戦記念日。

私はひたすら、
無宗教者でいながら、
商売の神様を信じていたい。

〈結城義晴〉

2013年08月14日(水曜日)

矢沢永吉の「たのしめ!」と消費増税後に頭角現す新成長企業

8月14日、
お盆休みの真ん中。

先ほど携帯電話に、
日経新聞の白鳥和生さんから連絡。
消費産業局次長。

私の寄稿文が、
金曜日に掲載される。
その確認。

白鳥さんはお盆期間も働いている。
9月に、夏休みを取るとか。

新聞記者も働いている。

私たち商人舎も、
それぞれに働いている。

甲子園は2回戦。
まさに熱闘。
2年連続優勝を狙う大阪桐蔭に、
山梨県立日川高校。

いいゲームでした。

一方、モスクワの世界陸上。
テレビ観戦していると、
眠れない。

ワールドワイドの陸上競技の深みに、
どんどん引き込まれていく。

若いファミリーや若者たちは、
海へ山へ。

マスコミからは殊更のように、
高齢者の惨劇が伝わるが、
ほとんどの高齢者たちは、
それなりに、夏を楽しむ。

イオン名誉会長相談役の岡田卓也さんが、
小売業は平和産業であると断じた。
イオンはだから平和産業を志向する。

明日の終戦記念日を前に、
21世紀平和産業の大切さを噛みしめたい。

2013年8月に、
この日本に生きる。
この日本に生かされる。

ありがたい。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言で、
糸井重里さんが訴える。

「たのしめ!」
「最初にこれを聞いたのは、
矢沢永吉さんの口からです」

「よく彼は大きなステージの直前に、
じぶんがどういう気持ちになるかを語ります」

「そりゃあ、心臓がばくばくしてるよ。
できるのか、矢沢。大丈夫なのか‥‥」

「出が近づいてる。逃げるわけにはいかない。
うぉおおおおっって声が聞こえてくるわけよ。
‥‥よし。矢沢、たのしめ!」

矢沢栄吉の「たのしめ!」

「逆に、この恐ろしい場所をたのしむんだ」

矢沢はそう自分に言い聞かせて、
観客の前に歩き出す。

「たのしめ!」っていうことばを、
「たのしいことをやれ」
理解している人もいる。

「楽なこと、楽しいことを選んでやれ、というよりは、
『逃げ出したいような場面に、
じぶんを投げ入れろ』

そして、その状況を『たのしめ!』だったんです」

私、この心理、よくわかる。

「この夏を、たのしめ!」
わたしもみなさんにそう言おう。

さて、商人舎magazine。
月刊『商人舎』紙版は、
読者の手元に届いている。

網のウェブ版は、
休みなし。

8月のMessage of August。
タイトルは、
「ポジショニングしよう!」

ポジション。
位置。
立場、地位。
立ち位置。

ポジショニング。
位置を定めること、位置づけ。
ターゲット顧客の心の中に、
的確なイメージを築き上げること。

マーケティングのSTP。
セグメンテーション、
ターゲティング、
ポジショニング。

仕事のやり方のなかで、
マーケットを細分化し、
そのターゲット顧客に焦点を当て、
その心と頭のなかにイメージを刻みつける。

一番大切なのが、
最後のステップ「ポジショニング」。
際立った位置づけが
なされなければならない。

つまり、
アウトスタンディングな
ポジショニングで
なければならない。

アウトスタンディングな
ポジショニングは、
矮小化されることがない。
客層を広げることができる。

だからアウトスタンディングに、
ポジショニングしよう。
アウトスタンディングな
ポジショニングをしよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それが今月の商人舎標語でもある。

その商人舎magazineの
Monthly商人舎。

8月の特集にすこしずつ、
記事が追加されている。

今日は、ライフ上池台店スタディ。
「都市部アンダー1000㎡店舗実験」の全貌(東京・大田区)

昨日はサミット横浜岡野店&菊名店研究。
「既存店・改修店に見る新MD展開の進捗度」

購読者のみなさん、
ご覧ください。

写真もふんだんに入っています。

それにしても、
今月の商人舎Magazine。
とてもいい。

是非ご覧いただきたいのですが。

さてさて、お盆に入ってニュースは少ない。
そのなかで今日の話題。

日経新聞の企業欄。

今年2013年上半期の3~8月期決算と、
8月本決算の企業の動静。

8月末決算は第1位に、
ファーストリテイリング。
純利益で最高益更新。

海外の、特にアジア中心に積極出店、大幅増益。
為替差益も発生。

国内ユニクロ、既存店の販売は好調。
しかし売れ筋が値下げ商品に偏る。
頭の痛い話。

だから採算悪化。

低価格フォーマットの「ジーユー」は堅調。
私、ずっとジーユーを買っている。

次に、ビックカメラ。
テレビは販売不振が底入れ。
猛暑でエアコンや冷蔵庫の販売も伸長。
コジマを買収し共同仕入れで採算が改善。
営業利益、経常利益とも増益幅が上振れ。

そして島忠。

総合スーパーなどとの競争激化。
既存店売上高が前年下回る。

しかし、来春の消費増税を前に、
日用品、家具ともに「駆け込み需要」。

販売員の接客力強化などで家具の好調続く。
営業増益を確保。

日経Web刊のマーケットに気になる記事。
タイトルは「失速する小売り株」。
証券部の富田美緒記者が書く。

私自身は一切、株式を持たない。

ジャーナリストとして、
株式を保有すると目が曇る。
正しく評価できなくなる。

しかし株価の動静はチェックする。

「消費関連株に失速感」
セブン&アイ・ホールディングスや良品計画、
「12日までは6日続落」
三越伊勢丹ホールディングスも、
「12日まで4日続落」

小売株の「上値が重い要因」は何か。

経済産業省商業販売統計がベースのデータ。
「各種商品」と「衣料品」の2項目合計の販売額は、
2005年以降ずっと減少傾向。
しかし昨年、8年ぶりに増加。

今年に入ってからの半年では
前年の同期間に比べて2%弱増。

東証1部小売業の時価総額上位20社を、
個別銘柄ごとにみると、
好調をキープしているのは4銘柄のみ。
ファーストリテイリング、
ローソン、
コスモス薬品。

記事にももう1社が出ていない。
これが「買い」なのかもしれない。

さてこの記事の消費増税に関する見方。
過去に消費増税が実施された後の局面。

面白い。

「国内の消費関連企業にとって試練」。
当然のことだ。

上場企業も非上場企業も試練を迎えている。

しかし、この時、
「市場で強みを発揮できる企業と
そうでない企業の新陳代謝が活発になる」

そして、新たな成長企業が頭角を現す。

もうその予兆は見えているはず。

ユニクロのフリースブームは、
「増税翌年の1998年からだ」。

消費増税まで7カ月半。

面白いことが起きているに違いない。

〈結城義晴〉

2013年08月13日(火曜日)

日本の高質スーパーマーケットと田村弘一・大久保恒夫・千野和利

蝉がジイジイ鳴いて、
盆の入り。

日本の夏。

帰省ラッシュで、
高速道路も公共交通も。
渋滞と混雑。

“雨に走れば”
9秒77。

モスクワの世界陸上。

男子100メートル走のウサイン・ボルトは、
雷鳴と強い雨のなか、
今季自己最高。

世界最高記録は、9秒58。
ボルト自身が2009年、
ベルリンでマーク。

熱闘甲子園。
真っ盛り。

優勝候補も古豪も新鋭も。
1回戦には都道府県すべての代表が出る。
だからこの時には日本人はみな、故郷の人になる。

暑いけれど、
やっぱりいい夏だ。
日本に生まれて良かった。

さて日経新聞・企業欄の記事。
「高級スーパー、消費上向き復権」

ケーススタディは、
成城石井と阪食の阪急オアシス。
クイーンズ伊勢丹、そして紀ノ国屋。

クォリティ&サービス型スーパーマーケットは、
アメリカで1980年代あたりから起こってきた。

しかし高級スーパーマーケットは、
それ以前からあった。

私たち日本の小売業関係者にとって、
一番馴染みの深い企業は、
ロサンゼルスのゲルソンズだった。
当時は新興のブリストルファーム、
サンフランシスコのドレーガーズ、
さらに全米の大都市郊外の高級住宅地に、
様々な高級スーパーマーケットがあった。

アメリカには大富豪がたくさんいて、
彼らは揃って高級住宅地に住んでいる。

1982年だったか、
私はゲルソンズのCEOアラン・シャーンに、
単独インタビューを試みたことがある。

シャーンは述懐していた。

「私は、このゲルソンで、
ハイスクールの時に、
ボックスボーイとして
仕事をスタートさせました。

そして大学に行って、その間もずっと、
ゲルソンで働き続けました。
そんな家族的な風土がゲルソンの特長なのです」

アラン・シャーンは、
もうひとつ印象的なことを言った。
「私たちは、
このビバリーヒルズで創業した。
だからこういったハイクラスの
マーチャンダイジングをする店になった」

さらに付け加えた。
「もしロスのダウンタウンで創業していたら、
ボーイズよりももっと上手に、
低所得の顧客に対応しているに違いない」

ボーイズとは、当時、
ロサンゼルス・ダウンタウンにあった店。
安売りのスーパーマーケット。

アメリカの場合、徹底的に、
地域対応・顧客対応していくことが大切であって、
高級化が良いというわけではない。

日経の記事は、
高級スーパーを表現する。
「通常のスーパーより
平均の商品単価が2~3割高い」

この記述は「高額スーパー」を意味している。

都市部の高所得層やシニア層。
彼らを中心に今、嗜好品の単価上昇傾向が出ている。
「高額のワインなどの販売が堅調だ」。

つまりアベノミクスで消費が堅調になってきたから、
高級スーパーが調子がいい。

そういった論調か。

初めに成城石井が登場する。
現在100店体制。
近年、年間10店ペースで出店を続け、
2013年12月決算期には、
新規出店数13~15店。

首都圏から近畿圏、名古屋圏も店舗網を拡大。

大久保恒夫前社長時代に、
新しい成城石井の基礎を築き、
原昭彦現社長もその軌道を外さない。

都心部の駅ビル、ショッピングセンター立地に、
売場面積100~600㎡の小型店舗を出店。

最近はこういった商業集積のリニューアルが盛ん。
だからおのずと出店スピードもアップする。

独自開発のマーチャンダイジングによって、
プライベートブランドも充実させ、
それを卸売りまでする。

このところ、高級スーパーマーケットは、
不振にあえいでいた。

その不況の中でも成城石井は、
「わが道を行く」の観あり。

同じく、不況でも好調だったのが、
関西の阪食。
店名は阪急オアシス。

千野和利社長就任以来、
「高質食品専門館」のコンセプトを標榜し、
三つの考え方を推し進める。
第1が専門性、
第2がライブ感、
第3が情報発信。

これらのコンセプトが実現され、
関西では抜群の「阪急ブランド」の上に、
成り立っている。
わたしはそれが、
阪食の最大の強みだと見ている。

「高質食品専門館」コンセプトを導入した店は、
平均売上高2.6%の伸びを示す。

一応、既存店のテコ入れが一巡。
2012~2013年度は5~6店の新規出店。
2014年度以降は毎年10店弱へと加速。

阪食は百貨店の食品売場から、
ショッピングセンターの店、
さらに商店街の小型店まで、
マルチ・フォーマットをこなす。

これも、出店スピードをアップさせる。

日本の「高級スーパー」といっても、
成城石井、阪食ともに、
「高質スーパーマーケット」を標榜する。

その「高質スーパーマーケット」の生みの親は、
クイーンズ伊勢丹だ。
故田村弘一社長時代に一世を風靡した。

田村さんは伊勢丹ブランドのファッション性を、
徹底的に活用した。

現在、三越伊勢丹ホールディングス傘下、
三越伊勢丹フードサービスのバナーが、
クイーンズ伊勢丹。

その後、低迷。
しかし今年5月末、
JR武蔵境駅高架下に出店。
来秋にはJR目白駅駅前に進出予定。

記事には紀ノ国屋も出てくる。
会社は売却され、現在、JR東日本傘下。
JR品川駅駅ビルに1年4カ月ぶりに出店。

スーパーマーケットは、
不況に強い商売だとされる。

しかしその中で高級スーパーマーケットは、
不況に弱い。

だから今、ちょっと良い兆しが、
見え始めたのかもしれない。

しかし長かったデフレ時代にも、
成城石井と阪食は成長していた。

本来、ここに、
高質スーパーマーケット問題の焦点がある。

記事には書かれていないが、
大事なことは三つ。

田村弘一さんが考え出したストア・コンセプト、
大久保恒夫さんが創り出したマネジメント、
そして千野和利さんのマーケティング。

それらに特徴を持つこと。
すなわちアウトスタンディングなポジショニング。

アラン・シャーンのゲルソンの、
徹底した顧客対応もポジショニングのためである。

蝉がジイジイ鳴いて、
盆の入り。

“雨に走れば”
9秒77。

熱闘甲子園。
真っ盛り。

日本の夏。
目いっぱい顧客を
喜ばせたい。

〈結城義晴〉

2013年08月12日(月曜日)

月刊『商人舎』8月号目次とイオンの「耕作放棄地」活用産地直結作戦

Everybody! Good Monday!
[2013vol32]

お盆週間の2013年第32週です。
そして終戦記念日の8月第3週。

原爆忌有る国に老い無策なり
〈日経俳壇 船橋・中村光子〉

原爆忌今さらに聴け死者の声
〈同 愛知・平松桂〉

今生の非道の極み原爆忌
〈同 広島・保井甫〉

原爆忌の句が日経俳壇に連なる。

68年前、ふたつの原爆投下のあと、
8月のお盆の日に終戦。

この決定は日本人にとって、
残念ではあったけれど正しかった。

その後の私たちの国の繁栄がそれを証明している。
お盆の中日に終戦したことも、
だから正しかったのだと思う。

盆の入りは明日火曜日の13日、
盆の中日が木曜日の15日
盆の明けは金曜日の16日。

今週のプロモーションは、
お盆一色のはずだが、
そうでもない場合もある。

アメリカにはお盆商戦はない。
しかしこの時期、
バック・トゥ・スクール商戦
がある。
彼の国では9月が新年度の新学期。
だから小売業は7月下旬から一斉に、
バック・トゥ・スクールのプロモーションを展開する。

このイベントが年末クリスマス商戦と並んで、
米国2大プロモーション。

しかし今年は、
バック・トゥ・スクール商戦が不振だった。
アメリカでも今や「早仕掛け」が主流だが、
それが不調で、ウォルマートは、
ネット販売の強化という作戦
に出た。

鋭い。

バック・トゥ・スクール商戦は、
ネットに奪われたのだというのが、
ウォルマートの分析だろう。

詳しくはDaily商人舎を。

今週のプロモーションに関しては、
商人舎magazineのWeekly日替り連載。
「月曜朝一 今週の販促企画」。

さて先週土曜日、
月刊『商人舎』8月号発刊。

CONTENTSは以下。

特集
「ベニマル・サミット・そしてヤオコー」
スーパーマーケットのクォリティ&サービス型フォーマット戦略

Message of August
「ポジショニングしよう!」

結城義晴の巻頭提言
「業態の呪縛から脱し、
フォーマットへの分化を体現させよ!」

日本スーパーマーケット企業売上高Best30
【2013年2・3月決算分析】
ヨークベニマル 大高善興代表取締役社長
「7割の標準と3割の個店経営」

「セブンプレミアムはプライドブランドです」

サミット 田尻一代表取締役社長
「チェーンオペレーションの個性発揮〈50対50〉」

[日本を代表するクォリティ&サービス型店舗スタディ]

ヨークベニマル太子堂店(宮城県)   
「美味しいものが便利にリーズナブルに」

ヤオコー東大和店 & 西武立川駅前店
「進化型Meal Solution比較レポート」

サミット横浜曙町店 & 板橋弥生町店
「LSPが支える都市型SMの都市型新MDの全貌」

サミット横浜岡野町店&菊名店
「既存店・改修店に見る新MD展開の進捗度」

ライフ中原井田店(神奈川県)&上池台店
「SMナンバー1企業の都市型店舗の完成度」

「クォリティ&サービス型の店づくり」
西川隆の店舗デザイン論
結城義晴のBlog[毎日更新宣言]Review
「ドキドキワクワクする仕事に集中しなさい!」

さらに、
【Monthly連載 2013年8月】
関智美の小売りの「暮らしカレンダー」
山本真砂美の「商売くらし歳時記」
常盤勝美の王道のウェザーMD理論
嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論
白部和孝「人時生産性」と正面から向き合え!
朝川康誠の「経済心理学の世界へようこそ」
當仲寛哲のリテイル・インフォメーション・システム論
西川隆の“本物の”店舗デザイン

設楽清美の多様化・増加する「労務トラブル」解決法

---------
隅から隅まで全部、読んでもらいたい。

しかし、是非、目を通してもらいたいのは、
長編インタビュー記事の2本。

ヨークベニマル大高善興社長のインタビュー。
紙の月刊「商人舎』にはもちろん丁寧に掲載されているが、
網のWeb版「商人舎magazine」には、
インタビューのつづきが載っている。
「セブンプレミアムはプライドブランドです」
大高さんは、
セブン&アイ・ホールディングスのPB開発責任者。
その基本的な考え方と具体的な方法論が、
実に的確に語られていて、必読。

さらに商人舎Magazineの目玉記事は、
サミット㈱社長の田尻一さんと結城義晴の対談。
これも二人して腹を割って話し合った。
きわどい話はもちろん活字にはしていないが、
現在の日本のスーパーマーケット産業にとって、
必須の内容がほとんどすべて盛り込まれている。

それは、他の業態の企業にとっても、
大いに参考になる内容だ。

今日のDaily商人舎は、
「無印良品Web絶好調で第1四半期最高利益」
Webサイトの販促企画が面白い。

さて昨日日曜の日経新聞一面トップ記事。
「イオン、全国で大型農場」
今日は朝刊がお休みだから、
特に目立った。

イオンは「耕作放棄地」を活用する。
日経新聞は「きょうのことば」でも取り上げた。
「1年以上作物を栽培せずに
再び耕作する見込みがない農地のこと」

なんと国内農地全体の1割になっている。
その広さは滋賀県に匹敵。
約40万ヘクタール。
この10年間に15%以上増えている。

これはサミット社長の田尻一さんも、
私との対談の中で指摘していた。

アベノミクス第3の矢「成長戦略」で、
安倍政権は「農業」を成長分野に位置付ける。
そこで都道府県が放棄地を借り上げ、
農業生産法人などに貸し出す新制度が、
来年2014年度にも導入される。

それをイオンは活用して、
直営農場にする。

現在は12カ所の直営農場で、
キャベツや白菜など約10品目に絞り込み、
プライベートブランド野菜として販売している。

2015年度にはそれを、
全国30カ所合計で、
500ヘクタール
に広げる。
約3倍の面積。
年間約2万トン生産で、
自社ブランド野菜販売額は、
年間約1000億円となる。

グループで売るPB野菜比率は
現状の4%から20%に高められる。

富士通と共同でIT技術を駆使し、
自社配送網を使って物流費を2割抑える。

もちろん直営農場だけではない、
契約農家も増やす。
2015年度には2.5倍の150団体に増やす予定。
調達先は合計2000ヘクタールに広がる。

一方、セブン&アイのイトーヨーカ堂も、
直営農場を経営しているし、
契約農家は3年間に3倍の7500軒に増やす。
そしてセブンプレミアム野菜を生産販売する。

15年度には全国で約260品目をつくり、
青果販売額に占めるPB比率を、
現在の2割から3割に引き上げる。
スーパーマーケットも総合スーパーも、
もちろんコンビニも、
世界共通の競争手段はproduce、
すなわち青果部門。

イオンも、セブン&アイも、
その産地直結を目指す。

かつてチェーンストアは、
「工場を持たないメーカー」を志向した。

時代が変わってこれだけ耕作放棄地が増えたら、
「農場を持つ小売業」になろうとしている。

それがアベノミクスと連携している。
さてローカル・スーパーマーケットはどうするか?

ベニマル大高さんも、
サミット田尻さんも、
口をそろえて語っている。

「現場で考える」
「知恵を出す」
そして「ポジショニングする」

老人はみんな帽子と気がついて
今日は無帽でスーパーに行く

〈日経歌壇 仙台・岩間啓二〉

こんなありがたい顧客は、
まだまだたくさんいる。
さあ、盆商戦の始り。

みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年08月11日(日曜日)

ジジとお父さんの花めぐり[日曜版2013vol32]

ジジです。
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おとうさん、
いっちゃいました。
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そとは、暑いのに。
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ニッポン列島は、
猛暑日ばかり。
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空は真っ青。
雲は真っ白。
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おとうさんは、
あるきまわる。
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いいなあ。
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ボクはうちのなかを、
あるきまわる。
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うらやましい、です。
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ボクも、ノビをした。
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おとうさんは、
花をみてあるく。
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アカツメ草。
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ボクも、草。
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においをかいで。
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かむ。
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おとうさんは、
お花。

シラサギ草。
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アジサイ。
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ボクは、やすみます。
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テーブルのした。

おとうさん、どうぞ、
たのしんでください。
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バーベナ。
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これは、なんでしょう。
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お花、たべられないの?
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さいごは、バラ。
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まっ赤なバラ。
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ジャクリーヌ・デュ・プレ。
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イギリスの天才チェリストの名前がついてる。

これは、たべたらいけませんよね?
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でも、おとうさん、
よかったですね。
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ゆっくり、やすんだでしょう?

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

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