結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年08月10日(土曜日)

7月個人消費一服感・景気回復、米新学期商戦不振⇒巨人の作戦?

熱闘甲子園。
1回戦、熱い。

日本列島も暑い。
横浜、東京は36度を超え、
猛暑日。

しかし、高知県四万十市は40.7度を記録。
今年の全国最高気温を更新。

最高気温の40度超は2007年8月以来、
なんと6年ぶり。
年々、温暖化現象が進む、
などといっているが6年ぶり。

日本の観測史上最高記録は40.9度。
記録したのは岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市。

ここに住む人は、
単独日本最高記録を願ったりするから、
不思議。

その最高記録保持地・熊谷市は、
今日、37.4度。
前橋市37.5度、千葉市35.7度、
神奈川県海老名市37.0度。

みんな夏風邪で熱がでたような感じ。

だとすると東京・横浜は平熱か。

屋外で働く人、活動する人は、
熱中症に気を付ける。

涼しい冷房が効いたお店で働く人は、
屋外組と比べればまだずっといい。

こちらも、頑張ってほしい。

さて、
月刊『商人舎』8月号、

本日発刊。
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紙版の月刊『商人舎』は、お手元に届いているはず。
網版の「商人舎magazine」も、公開。
実は昨夜9時ごろには公開していた。
気づいた方もおられるだろう。

特集は、きのうのブログでも紹介した。
ベニマル・サミット・そしてヤオコー。

ウェブ版では、まだ公開されていない記事がある。
サミット㈱社長の田尻一さんと結城義晴の対談。
何しろ8日の木曜日にサミットを訪問して実現した対談。
現時点でも最後の追い込みで、
原稿づくりに勤しんでいる。
今日中に公開。

そうすると、
ヨークベニマル社長の大高善興さんと、
サミット社長の田尻一さんが並ぶ。

日本のスーパーマーケット産業をリードする両社。
さらにここにヤオコーが加わって、
クォリティ&サービス型フォーマットの、
そのポジショニング戦略が描き出される。

もちろん商人舎Magazineの特徴。
ビジュアル構成は、
申し分なく見応え、読みごたえあり。

お楽しみいただきたい。
勉強していただきたい。

このクラスの会社の店舗には、
矛盾がほとんどない。

売場づくりや商品づくりに関しても、
プロモーションやオペレーションに対しても、
精密な設計があって、
なおかつ設計通りに組み立てられている。

だから学び甲斐がある。

もちろん企業規模があるから、
それができているということでは断じてないが、
矛盾が包み隠されている売場を真似てしまうと、
真似た方にはさらに大きな矛盾が現れる。

まるで伝言ゲームのように。

論理的で、矛盾が少なければ、
その本質を学び取って、
それを読み取り、解釈することで、
自分のマーケットで応用し、活かすことができる。

それが小売業、サービス業の学び方の基本となる。

倉本長治は『商売十訓』になかで言った。
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」

規模の大小ではない。
ベンチマークする対象、
学び取らせてもらう相手は、
十二分に吟味しなければならない。

月刊『商人舎』と商人舎magazine。
その吟味の眼力にかけては、
自信を持っている。

もちろんベニマル・サミット・そしてヤオコー。
われわれがお薦めするまでもない。

さて昨日のDaily商人舎。
結城義晴のPick up WORLD news。
「米国バック・トゥ・スクール商戦不振の原因」
アメリカでは9月が新学期。

日本の4月以上に、
その新学期向けのプロモーションが白熱する。

日本はその後にゴールデンウィークが控えている。
だから新学期、新年度セールはやや控えめ。

アメリカのバック・トゥ・スクール商戦は、
クリスマス商戦と並ぶ。
年間2大商戦の一つ。

今年のこれまでの不振、
どうやらネットの影響が否定できない。
それに対して、
ウォルマートが打った手は?

中身をご覧いただきたい。

さて土曜日の日経新聞。。

上場企業1427社の2014年3月期決算を集計した。
今期の売上高見通しは「前期比8%増の約464兆8000億円」。
「期初予想から2兆4000億円上積み」。
景気のいい話。

2007年3月期以来、7年ぶりの伸び率。
07年は9%増だった。

代表格のトヨタ自動車は前期比9%増の24兆円。
通期売上高は5000億円上方修正。

ソニーも売上高4000億円上方修正。
スマホの販売増と円安・ユーロ高が追い風。

小売業では三越伊勢丹ホールディングス。
売上高見通しを100億円上方修正。
「高額品に加え一般衣料品などの販売が想定以上」

「思っていたよりアベノミクス効果が出ているようだ」
こんなアナリストの見方もある。

しかし昨日、内閣府発表の
7月の消費動向調査。
消費者態度指数は前月より、
0.7ポイント下降。
2カ月連続悪化。

これは購買意欲を示す指標で、
一般世帯対象、季節調整値。

「個人消費の回復に一服感」という分析。

しかし一方、景気の現状を総合的に示す基調判断は、
「着実に持ち直しており、
自律的回復に向けた動きもみられる」。

個人消費にもたつきが見えるものの、
大局的な景気の持ち直し局面は崩れていない

消費者態度指数は、
4項目が半年後に今より良くなるかを集計する指標。
①暮らし向き、②収入、③雇用、④耐久消費財の買いやすさ。

7月はこのうちの「収入」が0.6ポイント下がった。
所定内給与の低下が続いている。

収入の低迷で耐久消費財の買いやすさも1.5ポイント悪化。

暮らし向きは輸入燃料や食品価格、光熱費が、
値上がりして0.8ポイント下がった。

基本給は増えない。
しかし円安や資源価格高騰で、
身近な商品の値上がりが、
この指標に反映された。

個人消費は一服感。
経済や景気は回復。

アメリカのバック・トゥ・スクール商戦で、
ウォルマートが打った作戦が気になる。

では、みなさん。
良い週末を。

〈結城義晴〉

2013年08月09日(金曜日)

談志の遺訓「芸術・芸能」とマクドナルド業績ダウン回復作戦?

月刊『商人舎』8月号、
刷り上がってきました。
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今月の特集。
ベニマル・サミット・そしてヤオコー。
スーパーマーケットのクォリティ&サービス型フォーマット戦略

トレーダー・ジョー、
Whole Foods Marketに続いて、
ヨークベニマル、サミット、
そしてヤオコーを特集しました。

いずれも新しいフォーマットを開発し、
新しいマーチャンダイジングを展開中。

それによってアウトスタンディングな
ポジショニングを構築する。

そのケーススタディとして、
三社を取り上げました。

月刊『商人舎』は表紙に400字ほどの言葉があります。
「Cover Message」と呼んでいます。

———————————————–
終戦直後の昭和22年創業の
第一世代、ヨークベニマル。
商業界ゼミナールで
全国の小売店のモデルになり、
『野越え山越え』の精神と
「ベニマル十二章」を堅持しつつ、
日本のスーパーマーケットをリードし続けてきた。

スーパーマーケットの業態を確立した
関西スーパーをベンチマークし、
極めてオーソドックスなマネジメントを特徴とする
業界の優等生サミットは第二世代。

ライフスタイルアソートメントと
ミールソリューションを標榜しつつ、
第三世代ながら
トップレベルに躍り出たヤオコー。

日本の食品小売業を代表する
クォリティ&サービス型の三世代企業。
その最新店舗の店づくりとMDをスタディすることで、
アウトスタンディングなポジショニング戦略の
要諦を明らかにする。

——————————————–
8月号の趣旨は、
このCover Messageでお分かりいただけるはず。

しかし、商人舎は、
スーパーマーケット経営だけの
メディアではありません。

「商業の現代化」を標榜して、
たとえばポスト・モダンのチェーンストア・マネジメントを、
探求します。

「業態」から「フォーマット」への転換を提案します。

イノベーションを志す商人を応援します。

一言でいえば、
近代化を果たした小売商業の
悪い部分を修正し、
良い部分をさらに伸ばして、
現代化へと結びつける。

だから対象は多岐に渡ります。

来月は「総合スーパー」の特集を組みます。
ご期待ください。
8月号の取材のご協力、
この場を借りて感謝申し上げます。

トップのみなさん、広報のみなさん、
ありがとうございました。

さて、『ほぼ日』の対談。
立川志の輔×糸井重里。
タイトルは「落語のはなしをしましょうか。」

話題は志の輔の師匠・立川談志のことばかり。
まずは談志の意外な側面。

志の輔「落語界一、
お辞儀がきれいな師匠だった」

糸井「お客様を、しっかりとお見送りする」

志の輔「最初のお辞儀もそうでしたけど、
見送る時は、座布団をさっとはずして、
直に座ったりしたこともありましたよ」

糸井「みごとですよね。
そこに大サービスを感じました。
ほんとうに、ぺたーっとお辞儀してましたね」

権力には楯突くし、
マスコミにはぶっきら棒の談志。
それがお客様へのお辞儀は業界一。

志の輔が教わった肝になること。
「『芸術』と『芸能』の境目が大事なんだ、と。
言い換えれば『芸』と『商売』との間ですね」

「食べるために芸をやってるんだけど、
でも、食べるためだけに
芸をやっているのとも違う」

これは商売の仕事にも通じる。

食べるために商売しているけれど、
でも、食べるためだけに
商売やっているのではない。

食べるために仕事しているけれど、
でも、食べるためだけに
仕事やっているのではない。

談志は志の輔に言い聞かせた。
「自分が納得する『芸術』と、
人を楽しませる『芸能』と、
その間が、おまえの落語なんだ」

自分が納得する仕事と、
お客様の役に立つ仕事。
その間にあなたの仕事の価値がある。

どこに自分の仕事を位置づけるかで、
自分のポジショニングが決まる。

さて日経新聞のWeb刊。
紙の日経新聞のWeb版。
「マクドナルド、円安響き
今期業績を下方修正」 

日本マクドナルドホールディングス。
2013年上半期の連結決算。
1~6月期。
半期の売上高は1297億円で、
前年同期比11%減。
経常利益74億円で、39%減。
それでも経常利益率は5.7%。

純利益は45億円で、35%減。

問題の円安の影響は7億円と判定。

既存店来店客数は前年同期比2.8%減、
既存店売上高は6.3%減。

今日、記者会見の席で、
原田泳幸会長兼社長のコメント。
「残念な結果」。

こんな時には、
「遺憾ながら」か、
「残念」か、
どちらかしかない。

上半期の不振の原因。
「コンビニエンスストアとの競争が厳しいなかで
期間限定のハンバーガーを含む新商品の投入を
抑制したことが響き集客に苦戦した」

これはクォーターパウンド・バーガーのことを意味している。
その投入が、遅かった、少なかった。

2013年12月期通期の見通しも発表。
売上高2650億円、10%減。
経常利益195億円、18%減。
それでも経常利益率は7.4%。

連結純利益は117億円、
前期比9%減の予想。

円安により原材料は価格が上昇。
その影響は経常利益を20億円押し下げる。

通期の減益の理由。
第1は、競争激化による期初の客数減。
第2は、為替の円安による原材料費上昇。
アベノミクスは国内消費産業には、
アゲンストウィンドゥなのである。

原田泳幸の見解。
「外食産業を巡る消費環境は極めて厳しい」

外食・中食・内食の間の競争。
業態を超えた競争。

その渦の中心に、
日本の場合、コンビニがいる。
アメリカではウォルマートが、
そこにデンと座っている。

原田泳幸の作戦。
「1~2月の失敗を生かし、
集客に向け新たなメニューを
組み立てることが今後の課題だ」

スーパーマーケットの世界では、
「新MD」という言葉が大流行りだが、
外食産業では「新商品」か。

どちらもマーチャンダイジングによって、
失地回復を狙おうという政策だが、
ではコンビニは、
新商品によってマクドナルドを、
窮地に追い込んでいるのか。

今年度のコンビニの国内出店計画は、
約4000店で過去最高。

出店数から閉店数を差し引いた純増数は、
2300店超で、これも過去最高。

セブン-イレブンは新店1500店の目標を、
着々と実現させている。

その上で、サービス機能、新商品投入。
店全体の存在価値を高めている。

マクドナルドが、
クォーターパウンドバーガーを、
早めに投入しても、
そのバラエティを多様化しても、
太刀打ちはできそうもない。

来年4月の消費増税に向けて、
全軍での総力戦が展開されているのだ。

そのあたりの認識と緊迫感。
ビンビンと感じるアンテナを持たねばならない。

給料をもらうために経営をやっているけれど、
でも、給料のためだけに
商売をやっているのではない。

〈結城義晴〉

2013年08月08日(木曜日)

経団連「夏のボーナス」と最低賃金引き上げ、サミット田尻社長対談

ゾロ目の8月8日。
第95回全国高校野球選手権大会が始まった。

夏真っ盛り。
そしてこの甲子園大会が終盤に近づくと、
すこしずつ秋の気配を感じさせられる。

さて新聞各紙が報道したのが、
経団連発表の「夏のボーナス」

調査対象は主要21業種の大企業240社、
有効回答は132社。

平均妥結額は80万9502円、
80万円超は2008年以来、5年ぶり。

前年同期比4.99%プラスで、
1991年以来の伸び率。

業種別では明暗。
比較可能な17業種中、
プラスは10業種。
マイナスは7業種。

製造業が80万8829円、5.42%増、
非製造業は81万2609円、3.68%増。
小売商業は回答なし。
自動車は89万0600円で、
10.73%増。

円安のご利益は、
輸出産業に出た。

小売りサービス業の顧客は、
モノが値上げされ苦しんでいる。

自動車産業従事者は、
消費に対しても貢献してほしいものだ。
つまりは「買ってください」ということ。

さて昨日の日経新聞の社説。
「最低賃金の決定は
企業の生産性踏まえよ」

こちらは景気のいいボーナスの話ではなく、
最低賃金の上げ幅の話題。

中央最低賃金審議会の小委員会の決定。
同委員会は、都道府県ごとの、
地域別最低賃金引き上げの目安を議論してきた。

結論は、
時間あたりの上げ幅を、
全国平均で14円とする。

これによって、
平均時給は763円に上昇。

14円と二桁アップとなったのはそれでも3年ぶり。

日本政府念願のデフレ脱却は、
賃金の上昇がなければ絵に描いた餅。

だから最低賃金を引き上げることは、
消費の活性化には手っ取り早く効果を生み出す。

しかし日経社説の主張は、そこで、
「中小・零細企業の経営を考慮せよ」。

厳しいコスト削減を強いられている中小企業。
最低賃金に近い賃金水準で雇用している。
最低賃金の安易な引き上げ指導は、
そうした企業の経営を圧迫する。

今年度は田村憲久厚生労働相が
中央最低賃金審議会に出席。
「引き上げ」を要請。

委員会の二桁の上げ幅決定は、
政府の意図が込められたもの。

日経新聞の指摘は、
政府の介入が、
市場経済のメカニズムを
毀損する危険性。

どんな経営も、
生産性の伸び以上に賃金を上げれば、
コスト負担が増大し、苦境に陥って、
結果として雇用の確保ができない。

だから重要なのは、
中小企業が利益を挙げ、
無理なく賃金も上げられること。

この後、日経新聞の提案がある。
「環境、エネルギー関連や医療・看護・介護分野などに
参入しやすくする規制改革は欠かせない」

しかしこれが端的に、
中小企業の生産性につながるとは考えられない。

どんなに小さなことでも、
大手企業が参入してくるのが現代だ。
規制改革はまず、
大手企業にメリットをもたらす。

最低賃金で働く人の手取り収入が
生活保護の受給額を下回る逆転現象。
北海道で見られるが、これもまだ解消されない。

最低賃金を引き上げれば、
解決される問題ではない。

しかし中小企業の生産性向上。
小売りサービス業は大いに可能性があるが、
他の産業はどうなんだろう。

日経新聞のような超大企業の論説委員が、
中小・零細企業の救済を、
高い所から論じる。

仕方がないのかもしれないが、
もうちょっとリアリティのある社説が読みたい。

さて今日は朝から東京の西永福。
サミット㈱本部を訪問。
田尻一社長インタビュー。
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同社成城店から始まった新店と新MD、
スーパーマーケットの標準化の考え方と目安、
組織の問題と店長教育、ダイバーシティ問題。
ポイントカードの使い方やFSPとCRMに対する見解、
そしてコンビニをはじめとする業態間競争。

10時にスタートして、12時過ぎまで、
互いに語り、意見を交換するという対談方式。

実に充実していた。
心から感謝したい。

この模様はまず、
明後日の商人舎magazine
Monthly商人舎に詳しく掲載される。

それから9月号の月刊『商人舎』にも掲載予定。
お楽しみに。

その後、横浜の商人舎オフィスに帰って来て、
外部原稿を書き、夕方から、
商人舎magazineウェブ会議。
この会議は4時間。

またしても、
長谷川温子さんと、
猪股信吾さん、田中翔太さんに、
助けられた。

長谷川さんは㈱プラージュのシステムエンジニア、
猪股さんはウェブコンサルタント、
ショータこと田中さんはウェブデザイナー。

商人舎magazine、
次々に改革が進みます。

商人舎もプラージュも、中小企業の典型。
私たちの生産性は飛躍的に高まります。

中小同士が力強く連携して、
マーケットのニーズとウォンツを、
しっかりとつかんでいきます。

政府に邪魔されたくはないが、
政府の援助はいらない。

〈結城義晴〉

2013年08月07日(水曜日)

糸井「両方なんだよ」と結城「あちらを立てて、こちらも立てる」

今日の立秋。
西日本・東日本、太平洋側で猛暑。
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高知県四万十38.6度、甲府も38.5度。

最高気温が35℃以上の日を「猛暑日」、
30℃以上を「真夏日」、
25℃以上30℃未満の日は「夏日」。

今日は全国108カ所で猛暑日。

この暑さをも、
商売人は活かす。

今日の商人舎magazine。
Daily商人舎は、
「イオン、ヨーカ堂PBランドセル競演開始」

Weekly商人舎は、
「水曜の勝手に企業サイト拝見」
夏休みの旅行計画を探求。

月刊『商人舎』申し込みは、
こちら⇒

「さて、日経新聞巻頭言『春秋』。
ジュゼッペ・ヴェルディと、
ピーター・ドラッカーを取り上げた。

ヴェルディはイタリアのオペラ作曲家。

1893年、80歳のとき、
名作「ファルスタッフ」を完成させる。
「いつも失敗してきた。だから、
もう一度挑戦する必要があった」

この言葉を、大学生のドラッカーが知った。
ドラッカーは書いた。
「いつまでも目標を持ち続ける姿勢を教えられた」

ドラッカーは1989年、80歳を目前に、
『新しい現実』を書く。

「年齢を重ねるごとに考えを深め、
作品の完成度を高めていった」

コラムニストは最後に、物書きとしてつぶやく。
「ヴェルディ、ドラッカーに続きたい」

商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生。
昭和2年生まれで「昭次郎」。
今年86歳。

現在、最終進行中だが、
9月初旬に単行本を上梓。
『マス・カスタマイゼ―ション』
それが㈱商人舎初の単行本発刊となる。

私も書こう。
「ヴェルディ、ドラッカー、
そして昭次郎に続きたい」

さて『ほぼ日刊イトイ新聞』。
巻頭言の「今日のダーリン」は、
糸井重里の毎日描き下ろし。

「このごろ、よく『両方なんだよ』と言います。
価値は、計り方でちがってくるんです」

「世界水泳バルセロナ2013」の金メダル争い。
「順位を争うことに真剣になっている物語です」

一方、この夏の情景。
「子どもたちが泳ぎの練習をしてます。
浮輪をつかってぽっかり浮かんでいる人もいます。
水着の人たちが、あんまり泳ぎもせずに浜辺にいて、
ときどき海に入って笑って、まだ戻ってくる。
遠泳に向って、疲れて帰ってくる人もいたりね」

「どっちも泳ぐことで、
どっちもいいでしょう」

「一番を競うこともすばらしいし、きっとおもしろい。
なんにも考えることもなく遊んでるのも、すばらしい」

しかし、ついつい、
「どっちかの価値だけで判断しちゃうんです」

われわれの周辺でいえば、
標準化と個店経営。
コモディティとノンコモディティ。
レッド・オーシャンとブルー・オーシャン。
レース型競争とコンテスト型競争。

「文明と自然だとか、
男性と女性だとか、
文と理だとか、
どちらがよいかみたいな発想が、
やたらに目立つ」

「それは『武蔵と小次郎』みたいで、
わかりやすいし絵になるかもしれないけど、
『両方なんだよ』と、
呪文のように言ってみたいね」
同感。

ヨークベニマル社長の大高善興さん。
今月の『商人舎』で語る。
「7割の標準化と3割の個店経営」
素晴らしい。

両方なんだよ。

コモディティ化現象。

「企業間における技術的水準が同質化し、
製品やサービスの差別化が困難になり、
どのブランドを取り上げてみても顧客側からすると
ほとんど違いが見出せない状況」
早稲田大学商学部長の恩蔵直人教授が定義する。

しかし、たいていの場合、
「脱コモディティ」を考察し、志向する。

しかし、私は言う。
両方なんだよ。

だから私は脱コモディティとは言わない。
「ノンコモディティ」の領域を定め、
コモディティ領域とともに重視し、考察する。

W・チャン・キム&レネ・モボリュニュも言う。
本物の『ブルーオーシャン戦略』の著者たち。
「レッド・オーシャンも、
必要なマーケットである」

コンテスト型競争の時代に入った。
しかしレース型競争の局面もある。
それがコモディティ・マーケットである。

糸井重里。
「『あっちを否定』からの発想は、
持続できないよ」

「両方なんだよ」
つまりは、トレード・オフではないということ。

しかしある局面では、
トレード・オフもある。
だから「両方なんだよ」

「あちらを立てて、こちらも立てる」
結城義晴著『Message』より。

あちらを立てれば、こちらが立たず。
こちらを立てれば、あちらが立たず。

ならば、あちらを捨てましょう。
あるいは、こちらを切りましょう。

それが二〇世紀だった。
いわば「トレードオフ」に象徴された時代。

もちろん商品開発における「トレードオフ」は、
強力な手段であることに変わりはない。

しかし、この時代をとらえて「全体最適」を実現させるには、
「トレードオフ」では問題解決にならない。

二律背反の事象が、
溶け合う糸口のポイントを見つけていく。

正反対の主義主張に、
優先順位をつけながら一本にまとめていく。

対立する考え方に「最適化」の網をかぶせていく。
実現不可能に見える問題を、実現可能に変えていく。

環境問題も、安全安心問題も。
少子高齢化問題も、健康問題も。

あちらを立てて、こちらも立てる。
こちらを立てて、あちらも立てる。

二一世紀の百年間に、私たちは
丹念に、至難の仕事に挑まねばならない。

両方なんだよ。

〈結城義晴〉

2013年08月06日(火曜日)

「人柄の悪い奴は店に出る資格はない」と小山・宇都宮クリニック

今日は土用明け。
明日は立秋。

夏至と秋分の真ん中で、
「初めて秋の気配が現れてくる頃」

しかし日本の現実は、
秋の気配よりも夏真っ盛り。

来週はお盆。
小売りサービス業は、
お盆商戦に突入。

盆と正月。

そのお盆商戦。
現代はそこに夏休み休暇が重なって、
日本中の大イベント。

もう計画はできているはず。
あとはそれを粛々と進めるだけ。

講演も同じ。

講演のシナリオをつくって、
話をするための一つひとつの言葉を書き表し、
それを覚え込んで練習して、
あとはすっかり忘れるくらいに気分は集中して、
心の底から元気を出して、
話す、語る、訴える。

この最後のところが、
お盆商戦でいえば、
これから。

気持ちでお客を喜ばせる。

さて、日経新聞『私の履歴書』。
狂言師の野村萬。
80歳の人間国宝。
日曜日の4日は「スパルタ稽古」。

「私の演技がまずいと父は
舞台の上でも不機嫌な顔をした。
出来が悪いと、揚幕に入るや否やひっぱたかれた。
他の人がいるのもお構いなし」

実の父6世野村萬蔵による厳しい稽古。

私は思う。
人間、誰でも、一時でいいから、
こんな厳しい稽古をすべきだ。

「人前で恥をかかせれば骨身にしみて
2度と過ちは繰り返さないだろう、
という教えだった」

「なぜたたかれたのか分からないヤツは駄目だ」
父はそう言ったきり、何も言わない。

「自分でどこが悪かったのかを考え、
稽古することを常に求められた」

さらにこれは決定的なことを言い切る。
「人柄の悪いヤツは
舞台に出る資格はない」

だから若き野村萬は考えた。
「それには稽古を通して人間を磨くしかない」

どんな仕事でも、
だれでも、
これは同じこと。

特に商人はそうだ。
「人柄の悪いヤツは
店に出る資格はない」

さて今日は、
朝から東北新幹線に乗って、
栃木県小山へ。

小山・宇都宮周辺の店舗クリニック。

まず話題の店へ。
ヨークベニマル小山雨ケ谷店。
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先月の7月26日に仙台でオープンしたのが、
ヨークベニマル太子堂店。
その新しいプロトタイプの先導となった店。

店長の新沼基さんと写真。
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この店にいるとき、
突然のスコール。
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店長の店内放送を聞くと、
すぐに数人のスタッフが、
店頭に駆けつける。
合羽をまとい、
大きな傘を持っている。
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大雨の中、
お客さんに傘を差しかけて、
車まで送るサービス。
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凄い。

そしてそれをスピーディに、
気持ちよく行動に移す従業員。
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ここにベニマルの強さがある。
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『野越え山越え』やってきてくださったお客様、
その一人のお客様に誠実を尽くす。

それがベニマル精神。

さらにヨークベニマル小山ゆうえん店。
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最新の改装は行われていないが、
それでも部分的にそれを取り入れて、
いい状態の店。

店頭では、プライベートブランドと、
同じ用途のナショナルブランドの価格比較が行われていた。
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アメリカ並みになってきた。

一方、たいらや小山本郷店
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2010年10月オープン。
パチンコホールMGM小山店の敷地に、
ザ・ダイソー小山本郷店とともに出店。
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577坪の売場面積。

開店後3年で、
地域になじんで、
たいらやらしいポジショニングを構築。
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つづいて、たいらや川田店。
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昨年11月オープンの492坪。

店長の清水聡さん。
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商人舎研修会にも参加した、
毎日更新宣言ブログの大ファン。
固い握手。

青果部門の導入。
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店舗左翼には惣菜、デリの売場。
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清水店長のリーダーシップのもと、
レベルの高い状態を維持している。
しかもそのレベルが進化している。

最後に写真。
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右から㈱たいらや社長の村上篤三郎さん。
たいらや川田店店長の清水聡さん。
私の隣が㈱たいらや専務の平典子さん。
ブルーチップ㈱社長の宮本洋一さん。
そして㈱リテイルマーケティング研究所の浅香健一さん。

その後、トライアル小山店。
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居抜き出店が常のトライアルの新店。
だから相当、食品を強化した店といえる。

しかしまた、
食品の難しさを表わしている。

トライアルに続いて、
ディスカウント・フォーマット。

ベイシア陽東店。
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フルラインではなく、
フード&ドラッグの新タイプ。

こちらはディスカウントでフードを扱うことに関しては、
一日の長がある。

最後は、オータニ御幸ヶ原店。
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内装に斬新なデザインを設え、
アップグレードなマーチャンダイジングを展開。

しかし徐々に地域になじんだ品揃えと価格帯へ、
変化してきた。

ヨークベニマルとたいらや、
そしてオータニ。
さらにベイシアとトライアル。

比較的新しい店をクリニックした。

日本でも自分らしさを表現する時代になってきた。
つまりコンテスト型競争。
そしてその中でアウトスタンディングなポジショニング。

競争は激しくなるばかり。

しかし、
「人柄の悪いヤツは
店に出る資格はない」

人柄の良さが表れた店と売場と商品。
そしてその人柄そのもの。

恐ろしいことに、
人柄が店に表れてしまう。

本当に、恐ろしいことに。

〈結城義晴〉

2013年08月05日(月曜日)

商人舎標語「ポジショニングしよう」と「何によって憶えられたいか」

Everybody! Good Monday!
[2013vol31]

2013年の第31週。
8月第2週に入りました。

今年二度目の土用丑の日の鰻。
いかがだったでしょうか。

鰻は8月いっぱい、
売れ続ける。

これは早仕掛け・早仕舞いではない。

さて今週。
明日の6日が広島平和記念の日、
土曜日の10日がながさき平和の日。

そして来週木曜日の15日が終戦記念日で、
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」。

本土忌といふはなかりし沖縄忌
〈日経俳壇 船橋・避雷針〉

沖縄忌は6月23日。
組織的沖縄戦が終わった日。

謹んで、戦没の人々の霊を悼みたい。

今週木曜日の8日から、
第95回全国高校野球選手権大会。
いわゆる夏の甲子園大会。

熱闘甲子園。

夏の盛りを実感できる。

今年の神奈川県は横浜高校。
福岡県は自由が丘高校。
私は育った神奈川と生まれた福岡を、
両方応援している。

どちらも期待が持てる。

今週の販促は、
商人舎magazineの、
Weekly連載。
「月曜朝一 今週の販促企画」
Weekly商人舎は、
「現場発! アセアン最新事情」

さて今週の私のスケジュールは、
今日、清里の立教大学院・結城ゼミ合宿最終日。
明日・明後日(火・水曜)は宇都宮の店舗クリニック。

木曜日は、
サミット㈱社長の田尻一さんと対談。
この日、夕方から、
商人舎magazine会議。

そして土曜日の10日、
月刊『商人舎』8月号発刊。
今月のテーマは、
「ベニマル・サミット・そしてヤオコー」
3社の新店、新フォーマットを、
徹底的にスタディ。

楽しみにしてください。

そして今月の商人舎標語。
「ポジショニングしよう!」

ベニマルもサミットも、
そしてヤオコーも、
ポジショニングを際だたせている。
つまりアウトスタンディングなポジショニング。

この夏、
このポジショニングに励もう。
それが標語の意味。

会社や店だけではない。
ひとりの人間として、
自分の立ち位置を明確にし、
それを際だたせる。

夏の間、自分の在り方を確認したい。

ピーター・ドラッカーは言った。
「あなたは何によって、
憶えられたいか?」

これこそ、人間のポジショニングの在り方を、
端的に表した問い。

死ぬまでにあなたは、
「何によって憶えられたいか?」

さて今日は山梨県清里で目覚めた。
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標高1274メートル。

キープ自然学校で、
立教ビジネスデザイン研究科・結城ゼミ合宿。
午前中は、各自、自分の勉強、自分の執筆。
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私も同じ部屋で執筆。

相談があれば私のところにやってきて、
ディスカッションしたり、
私のコメントをテープに録ったり。

涼しくて、快適で、
研究ははかどるが、
あっという間にお昼。
時間が過ぎるのが早い。

昼食は、ここ。
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ROCK。
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清里名物のカレーハウス。

「名物に旨いものなし」
とは言われるが、
ROCKは違う。
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ベーコン&ファイヤードックカレー。
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私はこのカレーのハーフ。

実によかった。

昼食を終えて、
ゼミは終了。

合宿所前で写真。
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現役の6人と、
OBの佐藤康裕君、
OGの武藤麻代さんが、
最後まで残ってくれた。
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正面、左から、そして右から、
写真。
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カメラマンは、
キープ自然学校のお兄さん。
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ありがとう。

清里駅。
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駅前に蒸気機関車。
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小海線に乗って、
小淵沢まで行き、
その後は、特急あずさ。
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富士山サイダーを飲みながら、
原稿執筆。
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いい合宿だった。
ゼミ生諸君の夏の健闘を祈念しよう。

ありがとう。

では、みなさん、今週が始まった。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年08月04日(日曜日)

ジジと清里のソフトクリーム[日曜版2013vol31]

ジジです。
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あつい。
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ユウキヨシハルのおとうさん。
すずしいところ。
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清里。

そこで結城ゼミの合宿。
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キープ自然学校。
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ボクもいきたい。
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自然にかこまれている。
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しずかで、すずしいところ。
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ダンロ。
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セミナー・ルーム。
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朝からゼミ。
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研究はすすみました。
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おとうさんは、
みんなをほめた。
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それがおわったら、
清泉寮へ。
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行列にならぶ。
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有名なソフトクリーム。
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ボクは氷。
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おいしい?
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頭がいたくなるほど、
つめたい。
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みんなで、ソフトクリーム。
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足湯もある。
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食べおわって、フォト。
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牧場を背景に写真。
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それから、まきば公園。
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雄大な景色。
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ヒツジもいた。
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勉強して、
研究して、
交流して。
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結城ゼミ5期生。
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たのしみです。
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みんな、がんばってください。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

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