結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年06月12日(土曜日)

「DXはIT化とは異なる」とウォルマートの失敗

関東甲信地方はまだ、
梅雨入りしていない。

東海地方は1カ月ほど前の5月16日に、
梅雨入り宣言されたのに。
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「平年」ならば梅雨入りは、
東海が 6月6日ごろで、
関東甲信は6月7日ごろ。

東海が平年より早すぎるし、
関東甲信は遅い。

気象に関してはフォッサマグナを境に、
西日本と東日本が分断されたようだ。

「分断」はどんなことでも、
ご勘弁願いたいものだ。

「DX」という言葉、
新聞でも盛んに取り上げられる。 ???????????????????????????????????????????????????????????????????
Digital Transformation。
デジタルトランスフォーメーション。

昨日の日経新聞コラム「大機小機」
「DX、結果と目的を間違うな」
コラムニストは小五郎さん。

「コロナ禍によりITの導入が進んでいる」

『コロナは時間を早める』
その時間が早まる一番手は、
デジタル領域だ。

「DX化は”情報システム部”の延長ではない」

ごく当たり前と言えば当たり前。
月刊商人舎3月号でも特集した。
Retail「DX」商人舎3月号DX
コラム。
「現場業務の効率化は、
結果であって目的ではない」
これがこのコラムの言いたいことだ。

「例えば、埋もれているデータを一元管理し、
全社で顧客データを活用できるようになっても、
そこに顧客視点がなければ、
真の付加価値は生まれない」

「サービスを実現する手段として
ITやデータをどのように生かすか」

「まず顧客や社会が求めるサービスが
何かを考えるのが先だ」

マーケティングである。

「その上で、
付加価値の提供に必要なデータ、
データ収集の方法などと検討する」

「DX化の推進には
組織横断的な取り組みが求められるが、
現場の抵抗や縦割りの組織文化が
ネックになることがある」

私は4つの壁を上げた。
⑴データそのものの壁
⑵経営資源の壁
⑶組織の壁
⑷マインドの壁
201910_datadriven

コラムニストが指摘するのは、
⑶の組織の壁だ。

「社会の価値観が変わり、
営業部門からマーケティング部門へと
業務の主軸が変わるとすれば、
ビジネスモデルそのものを変える必要がある」

「DXが組織や業態の変革を伴うなら、
イニシアチブがとれる上級役員や
顧客に近い役員が旗振り役を担う必要がある」

これがCDOだ。
チーフ・デジタル・オフィサー。

「情報システムの専門家に
業務を理解させることではなく、
経営陣や執行部が
ITを学ぶことが重要になる」

Retail「DX」特集で、
㈱カスミの山本慎一郎社長と、
同感したポイントだ。
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「同時に、
ベンダーとの付き合い方も大事だ。
丸投げでは失敗を招く」

これも山本さんと語り合った。
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コラム。
「今後の業務のあり方を明確に示し、
インプットとアウトプットの情報を特定し、
具体的な仕様に落とし込む」

「事業のあり方や顧客への付加価値を
明確に示したうえで、覚悟を持って
能動的に発注できるかが問われる」

再び。
「DXはIT化とは異なる」

「事業そのものを変革させる契機であり、
アプローチも視点も
主体となるプレーヤーも変わる」

「従来の情報システム部が問題なのではない」

「経営者がDXに対する発想を
転換できるかが成否を左右する」

経営者に限らない。
組織の要所を支えるリーダーたちが、
会社を変革する契機ととらえる。

日経新聞の6月4日の記事。
「ウォルマート、DXで早変わり」
ニューヨーク支局からの報告。
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ウォルマートは、
約1500店に導入した戦略設備を
あっさり放棄する。

ネットと店舗を融合するDXの柱として
鳴り物入りで導入していたのが、
「ピックアップタワー
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このタワーは最大300箱の注文品を保管できる。
利用客は事前にネットで注文を済ませておく。
店を訪れ、タワーの読み取り機に
スマホに表示させたバーコードをかざすと、
注文しておいた商品が5~10秒で出てくる。

ネット通販は自宅で注文ができるが、
届くまでに時間がかかる。
リアルの店舗はすぐに商品を入手できるが、
売場をあちこち歩き回らなければいけない。

双方の利点を融合するモデルとして
支持を集めていた。

ウォルマートは17年から導入を始め、
約1500店に導入した。

私は導入直後の2018年にこのタワーを見た。
添乗員に注文しておいてもらって、
その購買を追体験した。

しかしあまり感心出来るものではなかった。

姿かたちは派手で目立つ。
人手もかからない。

しかし生鮮食品などは扱えない。
購買を完結できない。
そのくせ顧客は、
店舗にやってこなければならない。

記事も指摘する。
「タワーは温度管理が必要な生鮮品は
保管できない。
別の場所で受け取る必要があり、
消費者からは”二度手間になる”との
声があがっていた」

つまり顧客のショッピングが、
分断されてしまう仕組みだ。

DXによって、
こうした片手落ちの政策がなされても、
顧客は喜ばない。

ウォルマートはタワーのかわりに、
「マイクロ・フルフィルメントセンター」を拡大する。
「MFC」と略して使われる。

「ロボットを駆使し、
おもちゃや家電、医薬品から食料品まで
商品をかき集める店舗併設型の
自動配送システム」

「ピックアップからパッキングまでに
要する時間は5分。
青果や精肉など生鮮品については
スタッフが別途売場から集め、
一つにまとめる」

「消費者は自宅や職場でネット注文し、
車で店舗の駐車場に立ち寄る。
すると、スタッフがとりまとめた商品を
車のトランクに入れてくれる」

こちらは購買が完結する。

MFCはすでに、
ニューハンプシャー州セイラムで導入済み。
今後2~3年のうちに
100以上の店舗で稼働させる。

アルバートソンも、
MFCに力を入れる。

「ウォルマートはDXを中心に、
22年1月期に約1兆5000億円を投じる」

ウォルマートも間違うことがある。
私にはそれが面白かった。
しかしすぐに失敗を認めて、
方向転換ができる。

ショートタイムショッピングよりも、
ワンストップショッピングが優先される。
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何ごとも分断されてはならない。

〈結城義晴〉


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