結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2005年07月27日(水曜日)

ウォルマートに出来ないことを探すセミナー顛末期

結城義晴の20日〆行動日誌<2005年6月から7月>

20050727_inamerica□この1カ月に、まず感謝。何とか、無事にやり遂げた□6月16日、昼、成田空港第1ターミナル集合で、「結城義晴と行く米国スーパーマーケット視察セミナー」という大それた名前の視察旅行スタート。今回は34名の参加。旧知の方々も多く、成田出発時点から、私、胸がわくわく。空港では今回のツアーの目的を一言でレクチャー。すなわち「ウォルマートに出来ないことを探すセミナー」。9時間のフライトで、シアトル着。現地午前8時35分。空港にはシアトル在住のノブ・ミゾグチさんが迎えに来てくれていて、合流。今回はミゾグチさんと私とのダブルコーディネート。早速バスに乗り込んで、シアトル視察。バスの中でも二人羽織でレクチャーし続けます。まず、郊外のウォルマート・スーパーセンター最新店へ。目的が目的だけに、最初にスーパーセンターを見るのは当然といえば当然。良い店。「ヨキミセサカエル」を思い出した。地元のセントラルマーケットやホールフーズ、ラリーズマーケット、そしてクローガー傘下のQFCなど連続的に見て、夕方、ホテルチェックイン。一休みする間もなく、全員で、シアトル郊外のミゾグチ宅を訪問。ホームパーティ形式で、現地の普通の家庭生活を体験。ミセス・ミゾグチの手厚いもてなしと、ミスター・ミゾグチのバーベキューの腕前に一同感謝。35人が押しかけても十分に楽しめる空間と調理が準備できるのもアメリカ小売業のお陰。その夜は、ホテルに帰ってからも、私の部屋に集まっていただいて、熱談□翌朝、8時30分からホテルでセミナー。終了後、すぐに出発。この日は、スリフトウエーから始まって、トレーダージョー、コストコ本店(メインオフィスの直近の店)、PCC(生協)、セーフウエーのニューライフスタイルストア、アルバートソン、そしてクローガー系のフレッドメイヤー、最後にメトロポリタンマーケット。アルバートソンの凋落振りはひどい。コストコの隆盛と対照的。「トレーディングアップ」の勝利。PCCではオーガニックについての質疑応答。充実の内容。ホテルに帰って、一休みする間もなく、セーフコ・フィールドへ。メジャーリーグ公式戦観戦。シアトルマリナーズ対ニューヨークメッツ戦。ちょうど石井投手が先発。その石井からイチローが3ランホームランを打って、「6月17日の大リーグ観戦」に花を添えてくれた。ライト側内野スタンドからイチローの一挙手一投足を見て、大満足。松井2塁手も9回に出てきて、2つゴロをさばいた。ホテルに帰ってから、深夜まで部屋で熱談。翌18日朝、市内パイクプレースマーケットへ。スターバックス発祥の店。その後、ミネアポリス経由でテキサス州オースティンへ。ホテルに着いたら23時。

(さらに…)

2005年06月30日(木曜日)

テーマは「チェーンストアの損得と善悪」

5月から6月へかけての「20日〆行動日誌」

□5月21日土曜日、6回目の立教大学大学院の講義。この日は、「ショッピングセンター」についてレクチャー。22日(日)は本当に久しぶりの休暇。23日(月)朝から『販売革新』の拡大媒体会議。午後、商業界会館に全国の同友会から選抜された方々に集まっていただいて、来年2月の第74回商業界ゼミナールの企画運営委員会。メーンテーマはいつも『商売十訓』から選ぶのですが、今回は第一訓「損得より先に善悪を考えよう」となった。夕方、コンビニの専門家の小森勝さんと電通へ。土井弘さんと三人で熱談。共通の友人が数多く存在することに、改めて驚かされる。24日、午後、『商業界』拡大媒体会議。16時、日本スーパーマーケット協会事務局の江口法生さん来社。毎年、同協会の総会で記念のパネルディスカッションが開催されるのですが(業界の名物パネルです)、いつも私がコーディネーターを務めています。その打ち合わせ。今年のテーマは「総合の崩壊と食品への雪崩れ込みを斬る」です。お楽しみに。25日、一日中、恒例の部長会、編集長会議。夕方、神田へ。日本セルフ・サービス協会事務局と㈱商業界との合同懇親会。増井徳太郎会長(紀ノ国屋社長)ご夫妻も加わってくださって、盛会。来年の2006スーパマーケットトレードショーの成功を祈念して、生ビールをグイッ。26日、寺岡ニューバランスフェアの講演で、名古屋へ。27日午後、イオンビジネススクールの講義で、幕張本郷へ。テーマは「商業界精神と商業革新原理」。「使う雑誌の使い方」――如何だったでしょう。28日(土)、立教の講義。この日は「コモディティとノンコモディティ」。

□30日朝、山王病院眼科で検診。眼圧、依然変わらず。午後、部長面談。7月から始まる㈱商業界の58期予算に関する面接。全部長・編集長と来期の仕事について話し合うのです。夕方、日清食品広報部エンダテ由紀さん来社。てんぷらで一献。翌6月1日も部長面談。午後、ダイエーIR広報本部の面々、来社。同社社内報『Dai好き』からのインタビュー。いつものように「元気と勇気」をご提供。誰に対しても、どんなときにも、私の役目です。その後、羽田から福岡空港へ。そして小倉へ。ステーションホテルに収まって、夜10時。翌2日は朝から、昨年のAJSヨーロッパツアー1周年の会。題して「セントアンドリュースの会」。スピナの竹澤靖之社長、松永大治郎常務ほか、皆さんにお骨折りいただいて、意義深い交流。永く続きそうな感じ。スピナの代表的な2店舗も視察。よい出来。そのまま小倉泊。3日、朝、新幹線で福岡に戻ってから、JALで仙台空港へ。午後、日本チェーンストア協会東北支部総会の記念講演。テーマは「チェーンストアの損得と善悪」。支部長のヨークベニマル社長・大高善興さん始め、伊徳社長の伊藤碩彦さんら、有力チェーンストアトップが集まってくださって、盛況。懇親会の後、3日ぶりに帰宅。4日、立教の講義。この日は「ロイヤルカスタマー」に関して。

□6日、午後、アサヒビールへ。『食品商業』誌上で展開する大陳コンテスト審査。鈴木國雄さんと一緒。広域営業本部長・二宮裕次さんとも意気投合。夜は、池袋東京芸術劇場で劇団ふるさときゃらばんの「パパの明日はわからない」の東京最終公演観劇。何度見ても涙。こちらは編集者の二宮護さんと一緒。プロデューサーの美樹ひかるさんにはお世話になった。感謝。7日、夕方、軽井沢へ。恒例の第一屋製パンの研修会。同社・細貝理栄社長のもと、丸正社長・飯塚司郎さん、山陽マルナカ社長・中山明憲さん、和幸常務・日比生泰宏さん、そしてとりせんの阿部功さんらが集まって、これまた有意義な2日間の勉強と交流。合宿形式の研修はいい。9日、午後、帰京し、芝パークホテルの日本ボランタリーチェーン協会総会出席。新会長の宮下正房東京経済大学副学長の講演を聞いてから、懇親会。その後、横浜へ飛び、みなとみらいでオール日本スーパーマーケット協会総会出席。こちらは荒井伸也会長再選。北野祐次名誉会長もことのほかお元気。この晩はホテルパークハイアット宿泊。夜はセイミヤ加藤勝正社長、マツモト松本隆文社長、小倉屋柳本の柳本一郎社長と深夜まで熱談。10日、久しぶりに出社し、アメリカセミナーのテキストづくり。11日、立教の講義。「ターゲットマーケティングからロイヤルマーケティングまで」。12日(日)午前中、竹の子の港北リーグ戦。惜しくも2敗。午後から翌朝まで、テキストづくり。久しぶりの完全徹夜。ほぼ完成。

□13日、朦朧としたまま、羽田から長崎へ。商業界佐世保同友会会長の山縣義道さんにお迎えいただいて、佐世保へ。佐世保商工会議所も後援してくださった講演会。江山楼社長の王國雄さんの講演は胸に沁みた。私も睡眠不足が逆にテンションを高めたのか、がんばって話した。夜は中村ストアーの中村國昭専務も加わって、一献。14日、帰京。15日、日本ボランタリーチェーン協会専務理事の菅野利雄さん来社。7月23日、同協会のトップセミナーで基調提案をします。15日、羽田からシアトルへ。「結城義晴と行く米国スーパーマーケット視察ツアー」。詳細は次回に続く。

<結城義晴>

2005年05月24日(火曜日)

イトーヨーカドー蘇我店で「サンプルライフ」を楽しんだ

結城義晴の4月から5月にかけての20〆行動日誌

□一年で一番良い季節。有難い日々です□4月21日、前日から福井に泊まっていて、早朝の列車で帰京。商業界福井同友会の例会で講演したのですが、熱心な勉強家ばかりの同友会も若返りつつあります。応援します。ユースの木瀬禎造前社長とも二人だけでゆっくり懇談し、「ハッピーリタイヤ」と励ましたのでした。私は心からそう思ったのでした。ユースの皆さんには、商人としての本籍地と現住所があることを知って、頑張って欲しいと考えました。会社に戻って、すぐ役員会を開催。午後は、山王病院で視野検査。私は、永らく雑誌編集の仕事に従事していながら、緑内障の持病を持つ身なのです。22日午後、『商業界』の拡大媒体会議。夕方、磯見精祐さん来社。23日、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の第2回目の講義。慣れて来ました□週が変わって、25日。朝から小社恒例の部長会、午後は第41回新製品開発会議と編集長会議。26日、昼、労働組合との15回目の話し合い。27日、朝、臨時部長会。その後、春の人事異動の内示。28日、西友平塚店へ。ウォルマートのジェフ・マカリスター国際部門CEOにばったり。丁度一年前の西友沼津店でのリー・スコットCEOのように一緒に写真を撮ったり、会話したりはできなかったが、偶然は重なる。夕方、販売部会議。29日、ゴールデンウィーク突入。この日は、ジュニアソフトボールの港北リーグと旭保土ヶ谷リーグとの交流戦。30日、立教の授業。

20050523渥美

□月が移って、5月1日、ジュニアソフトボール横浜市大会ベイスターズ杯。私がチーム代表としてゼネラルマネジャーの仕事をしている「竹の子」は、今年、5年生と4年生のチームで、延長タイブレーカーで1回戦サヨナラ負け。惜しい。2日、今度は千葉市のイトーヨーカドー蘇我店へ。同社が本格的にショッピングセンター開発&運営に乗り出した記念碑的な店舗。私は総合スーパーのフォーマットが崩壊していくとは考えていません。なぜなら、便利なのです、この店。しかもこの業態に完全に取って代わるフォーマットはまだ登場していない。アメリカのディスカウントストアのような、あるいはスーパーセンターのようなタイプの業態類型が開発されない限り、採算性が悪いのはそれをやっている主体者の側の問題ということになる。イトーヨーカ堂の総合スーパーはやがて日本唯一の良質なジュニア・デパートメントストアに移行していくだろうと思うけれど。積極的に試食展開していて、私はこの店で「サンプルライフ」を楽しんだ。3日からの暦通りの連休は竹の子の練習など。6日、出社して、会議や講演レジュメづくり。7日、立教の講義。夜、白幡小学校校庭開放委員会の懇親会。今年から私、ボランティアで会長を務めることになったのです。

20050518ヨーカドー

□ゴールデンウィークが明けて、9日。一日中、役員会。10日、朝から社員への第3四半期業績報告会。その後、人事発令。午後、『食品商業』拡大媒体会議。11日、午前中、出版合同会議。その後、2月ゼミナール反省会議。12日、茨城・赤塚のヨークベニマルとカスミの隣接競合の話題沸騰。13日、午後、お台場で商業界主催「流通政策セミナー・小から大への成長法則」。このセミナーの内容に関連して、『販売革新』6月号(6月1日発行)の私のコラム「パブリッシャーズ・ボイス」に「特定多数の客数主義」と題する小文を掲載。渥美俊一先生、捧賢一コメリ会長に感謝。定期的なセミナーにしましょう。14日、立教の講義。夕方、その教授、講師の会議と懇親会。刺激的で、私の闘争心がむくむくと湧いてきた。頑張ります。

□16日、群馬県大間々へ。二度目の訪問。さくらもーるという地元主導型ショッピングセンターの勉強会講師。さくらもーるは、私の友人で熱心な商業界同友の松崎靖さんが常務をしているショッピングセンター。2時間半、ぶっ続けで講義。なんだか私自身も充実。立教の影響か、ジュニアソフトの延長か、会社の続きか。17日、『コンビニ』『飲食店経営』拡大媒体会議。夜、五反田ゆうぽうとで日経の桐山勝さんの「マスコミの現場」出版記念の会出席。18日、『ファッション販売』媒体会議。午後、役員会。19日、朝から連続予算会議。午後、お台場で2006スーパーマーケットトレードショー第1回実行委員会。20日、その懇親会。夕方、パチンコチェーンストア協会総会。日本チェーンストア協会の総会後の懇親会も□私は、何かを教える仕事を一生やっていきそうです。小学生から大学院生、そして商業人。天職というほどに、私自身が勉強しているとは言えませんが、「教えること」は「教わること」と背中併せです。これは確かです。自分を成長させてくれるのが、教えることなのです。私の生徒・学生、商業者の皆さんに心より感謝。 

(結城義晴)

2005年05月23日(月曜日)

あるがままに受け入れる

結城義晴・4月から5月にかけての「20日〆行動日誌」

□人間ドックを除いては、小学校4年の夏の水晶体摘出の手術、中学1年春の盲腸の手術以来の入院を経験しました。「あるがままに受け入れる」――これが今月の私でした。
□4月20日の夜、名古屋に入って、コンサルタントの木村博志さんと一献。翌朝はユニーの研修に。午後は前村哲路常務にご案内いただいて、ユニーやイオンのショッピングセンターを視察。感謝。前村さんとは意気投合。商業界ゼミナールのテープの愛聴者。

□24日、8時、月曜ミーティングと部長会。25日、午前中、テンポスバスターズの森下篤史社長来社。午後、パチンコチェーンストア協会訪問。山田孝志会長に面談。夕方、『販売革新』拡大媒体会議。26日、目の治療。今年、2月ゼミナールが終了してから調子が悪くなった右目の治療です。夕方、役員会。27日、朝から静岡へ。ユニーの研修。雨模様。今回も木村さん同道。講演し、食事して、そのまま、帰京。三井住友銀行へ。夕方、『パチンコホール経営革新』の販売会議。その後、役員会。28日、横浜大口のユニー関東本部へ。研修。2時間55分の熱演。最後に力が入った。午後、山王病院へ。そのまま医師の指示で、タクシーで池尻大橋の東邦大学医学部付属大橋病院へ。即、入院。診断は網膜剥離。29日、30日と繰り返しの検査。

2005年04月05日(火曜日)

アメリカとれたて最新情報2005

20050404-01

3月9日、私は2人のアメリカ人の話にひどく感じ入ってしまった。日本セルフ・サービス協会の招きで来日し、スーパーマーケットトレードショーで記念講演した二人のスーパーマーケット経営者のスピーチである。
ドロシーレーン・オーナーのノーマン・メイン氏は言う。
「今、アメリカの小売業では、ウォルマートが出来ないことをやれる企業が生き残れるのです」

ウォルマートは現在、スーパーセンターのフォーマットを主力に店舗展開している。スーパーセンターは衣食住薬・フルライン構成のワンフロア総合店である。しかもウォルマートはこの4つのマーケットごとに、全米で15%を超える占拠率を有しているといわれる。さらに近い将来、全カテゴリー別に30%のシェア獲得を公然と目標に掲げている。
当然ながら、食品市場の制圧は、1店1店の集客力を最高・最大の状態に導くという意味において、極めて重要な意味を持つ。
1945年にベンフランクリンのフランチャイジ‐としてスタートし、1962年にディスカウントストアに業態展開を果たし、1982年にサムズクラブのメンバーシップホールセールクラブで食品市場に参入した時、サム・ウォルトンは、食品ナンバー1になるなどと考えていただろうか。その後ウォルマートは、1988年、ハイパーマーケット・フォーマットを改良したスーパーセンター実験に踏み込み、1990年、シアーズローバックとKマートを売上高で一挙に追い抜いて、アメリカ最大の小売業の座に座った。この時点で彼らは、すべての小売業の敵となった。
1999年の夏に、第4のフォーマットとして、スーパーマーケットの展開を発表しただけで、クローガ‐、アルバートソン、セーフウェイなど上位スーパーマーケットチェーンは、互いにM&Aを仕掛けあい、結局、現在、店舗数と年間販売額は増えたものの、根本的な企業としての体力を弱めてしまった。不思議なことに革新力まで喪失してしまった。規模だけで、顧客の支持を持たない食品チェーンになってしまっているのだ。

メイン氏の言うことの反対、すなわち「ウォルマートができることで対抗、競争しよう」と考え、遂に敗北しようとしているのだ。
合併や吸収、合従連衡は、成長ではなく、膨張に過ぎなかったのである。
たった3店舗の高級スーパーマーケットといわれるドロシーレーンだからこそ、胸を張って言えるのかもしれない。初めからウォルマートに量や価格で対抗しようとなど、夢にも思わないから、迷いがないのかも知れない。
メイン氏は、彼の父の言葉を借りて、こうも言う。
「常にお客さまの期待以上のものを提供する」
これはまさしくサム・ウォルトンの10ルールそのものである。
「お客さまと従業員を大切にしなくてはならない。経営者が従業員を大切にすることによって、その心はお客さまに還元されます」
これは商業界精神、倉本長治そのものだ。.
「店は客のためにあり。店員とともに栄える」

顧客の一生のパートナーになろう

ユークロップスのジャクリーン・レグ女史は言う。
「私たちの店はお客さまにとって第3の場所になっています。皆さんのお店はお客さまの3番目の場所になっていますか」
第1の場所は、家。自宅。ホーム。
第2の場所は、会社・事務所、仕事場・職場、学校。あるいはアメリカ人にとっては教会。日本の主婦にとっては実家かもしれない。
そして第3の場所が、スーパーマーケット。とりわけ主婦にとっては。
日本の若者や学生、独身者にとって、自分の好みのコンビニはこの第3の場所であろう。間違いない。それが、コンビニというフォーマットの日本消費市場における社会的価値を確実なものとしている。

あなたの店も必ず、一人一人の顧客にとって、一番先に思い浮かぶ第3の場所でなければならない。
そのためにユークロップスは、「お客さまの一生のパートナーになっていこう」という標語を掲げる。そして顧客の声に耳を傾け、ライフスタイルを観察する。
ミールソリューションや惣菜が、よく売れるから強化するのではない。儲かるから売場を広げるのではない。顧客の暮らし振りが大きく変わってきて、第1の場所や第2の場所での生活が変化したから、第3の場所のあり方もそれに適応しなければならない、と考えているのだ。

それがユークロップスにおいては「プリペアードフード」への取り組みとなる。プリペアードフードは惣菜・デリだけではない。半加工調理済み食品や完成品一歩手前の食品も含まれる。そして何より重要なのは、それらが組み合わされたミール<食事>が準備されていることだ。第1の場所や第2の場所、さらに第3の場所で、顧客は生活をする。スーパーマーケット店舗ユークロップスの場合は<食生活>をしてもらう。それが「ホットフードではなく、ホットミールを販売する」と言う言葉に象徴されている。

私は1998年にミシガン湖に近いウィスコンシンで、レグ女史にはじめて会った。その時に、彼女から学んだのが、顧客が食事を準備するための5段階説である。

1 プランニング<計画>
2 ショッピング<購買>
3 プレッピング<準備>
4 クッキング<調理>
5 クリーンアップ<後片付け>

5つのステップすべてに配慮して、食事を提供するのがユークロップスの当時の競争対策であった。今も変わらない。さらに進んだ。オーガニックや自然食品、栄養価表示、低塩・低脂肪表示など「ヘルス&ウェルネス・ライフスタイル」<健康で快適な生活様式>をプリペアードフードの分野で提案していることだ。レグ女史は現場の革命とまで自己評価する。結果として、利益につながってもいる。

ここで見落としてはいけないことがある。
1989年にユークロップスがプリペアードフードをスタートさせた時、初めからセントラルキッチンをつくったことだ。すなわち加工センター方式をベースに、店舗での最終調理工程と組み合わせて、ミールを提供しているのだ。

1 小さくスタートする
2 ゆっくりと進める
3 常に改善する
4 現場の従業員の価値を評価する
5 投資し続ける
6 顧客の知識、期待、変化を尊重する

この6つの原則もプリペアードフードのトライ&エラーの中から学び取られていった。
サム・ウォルトンも、「小さく考えよう」と言い残している。

オースティンとシアトルの競合状況

3月26日から5日間、私は急遽、テキサス州のオースティンとワシントン州のシアトルを訪れた。シアトル在住のノブ・ミゾグチ氏との二人旅である。
オースティンでは、ウォルマートに侵攻され、果敢に耐えているHEバット(HEB、テキサス州のローカルチェーン、299店)の店をいくつも視察した。もちろん3月23日にオープンしたばかりのウォルマートスーパーセンタ‐・ラウンドロック店をはじめ、HEBと隣り合わせで競合しているエリアやフリーウェイの要所を抑えているウォルマート・スーパーセンターの既存店群にも入ってみた。ここでは全米第2位のスーパーマーケットチェーン・アルバートソンはひっそりとしている。大型のウォルマートとオースティンでのシェア53.8%のスーパーマーケットHEBがまるでセブン-イレブンとローソンのように、面競争している。

HEBは明らかに、ウォルマートと同質競争している部分では苦しい。しかし、高い地域占拠率がモノをいって、店をぎりぎりで支えている。一方、ウォルマートができないことをやっている売場は強い。プロデュースとデリ部門、ワイン部門である。さらに「セントラル・マーケット」と名づけられた大型高級スーパーマーケットはウォルマートとは別世界にある。

ところが今年3月3日、この地に本部を置くホールフーズ・マーケットが8万平方フィート(2200坪)の旗艦店をオープンさせた。オースティンに本部を持ちながら、この全米ナンバー1のオーガニック&ナチュラル・スーパーマーケット(この業態で168店のチェーンストアを成立させている事実は、凄い!)は、2店舗しか展開していない。オーガニック&ナチュラルは広大な商圏でしか成立しないからだ。しかしこの店が、筆舌に尽くしがたい魅力を持っている<理解するには自分の目で見るしかない!>。青果だけで200品目を超えるオーガニック商品、全店が有機食品・自然食品でアソートされ、その上でユークロップスばりのミールソリューションやデリが展開されているのだ。

この店の登場で、やはりこのテキサス州の州都地区に2店のHEBセントラル・マーケットは、衝撃を受けている。すなわちHEBはウォルマートとホールフーズの挟み撃ちにあってしまっているわけだ。お陰で3社以外は、アルバートソンもスーパーターゲットも霞んでいる。

20050405-02

3月28日、私たちはシアトルに移動した。
ここでもホールフーズの登場は、多くの都心立地のクオリティ&サービス型スーパーマーケット群に影響を与えている。ラリーズ、メトロポリタン・マーケット、PCCナチュラル・マーケット、そしてトレーダージョー。大都市であるから、これらのクオリティ&サービスタイプの店舗群はそれぞれが輝きを失わず、そこそこに売場を維持している。一方、クローガー傘下のクオリティフードセンター(QFC)やセーフウェイ、アルバートソンは郊外で激しい競合を繰り広げているが、ウォルマート・スーパーセンターやシアトルに本部を置くコストコに圧迫を受けている。とりわけアルバートソンがひどい。

私はここでも、ドロシーレーンのメイン氏やユークロップスのレグ女史の言葉を思い描いた。
「ウォルマートにできないこと」
「お客さまの第3の場所になること」
これらは実は、ウォルマートを創り上げることと同じくらい大変な仕事である。
考えてみると、ウォルマートに負けないくらい顧客にとって価値のある役目である。
ウォルマートがなければ生きていない顧客もいる。
ホールフーズ以外、許さない顧客もいる。
そしてウォルマートとコストとホールフーズを使い分けている顧客も多い。
アルバートソンとセーフウェイはそんな中で、「第3の場所」になりきれずにいる。HEBは高いシェアのお陰で、現在は必死で耐えている。それも、じりじりと下がりつつある中で。

では、日本のあなたは今、あなたの顧客の「第3の場所」になるために、何をするのだろうか。
小さく始め、ゆっくりと進め、常に改善する。
部下と顧客を信じ、その声に耳を傾けつつ、投資する。
やがて自分のお客さまの「第3の場所」になる。
ところで日本におけるウォルマートとは、いったいどこなのだろう。
あなたの町ではどの企業なのだろう。
この質問は、私から、あなたへの宿題。

(『食品商業』5月号(4月15日発行)掲載)

2005年4月5日 (株)商業界代表取締役・結城義晴

2005年04月01日(金曜日)

結城義晴『message』のはじまり

㈱商業界のホームぺージが開設され、
代表取締役社長・結城義晴のコーナーが出来ました。

タイトルは、『message』。

ここに社長として、
毎月の行動日誌や、
月刊雑誌に書いた原稿、
巻頭メッセージなどを掲載します。

よろしくお願いします。

2005年02月20日(日曜日)

第73回商業界ゼミ1256人参加/柳井正さんに商人大賞

2005年1月~2月の「20日〆行動日誌」

 

□2月8日、9日と第73回商業界ゼミナールが開催され、1256人の参加を見て、終了しました。ありがとうございました。昨年はふるさとキャラバンのミュージカル『パパの明日はわからない』をゼミナールに組み込んで上演するなど、思い切り風船を膨らませてみたのですが、これはこれで好評でした。今年は逆に従来の2泊3日を1泊2日に縮小して、その代わり凝縮した濃厚な内容で、勉強できるゼミにしました。おかげさまで本ゼミの参加者数は前回比127%となりました。1泊2日で、会費も4万8000円と格安にし、その分客数が増え、経費を切り詰めて、荒利益を出す。顧客は時間節約と内容充実で満足してくれる。現在のチェーンストアや商業の経営と全く同様の構造に切り替えて、一定の成果を出すことが出来たのではないかと思います。すべての人に感謝したいと思います。

□では1月から2月への『20日〆行動日誌』。このスタイルで月刊雑誌に編集後記を書き始めてから、12年目に入ります。最初は『食品商業』1993年12月号。同誌では2000年10月号まで都合83回。そして『販売革新』に移って、2000年11月号から今号まで53回。通算すると第136回目となります。400字詰め原稿用紙で600枚近くになるでしょうか。読者の中には、この行動日誌から読み始めるという方もいらっしゃって、嬉しい限りです。それを商業界ホームページにも掲載し始めたのが、2003年の10月23日。従ってホームページ版『行動日誌』は今回で16回目。行動というのは、自ら意思決定して、行うものです。だから私の行動日誌は、私の意思決定の軌跡ということにもなります。恐ろしいことです。

□さて2005年1月21日は、3日連続の講演最終日。福岡と熊本。聞いてくださった方々、感謝します。24日、『販売革新』『商業界』の拡大媒体会議が開催されたのですが、それには出ず、部長面談。30分ずつ、全管理職と話し合うのです。25日、朝から部長会、午後は編集長会議と第35回新製品開発会議。そう言えば、『行動日誌』を書き始めた頃は、部長会も編集長会議も全く違った内容と雰囲気でした。新製品開発会議も拡大の媒体会議も、定期的な部長面談も、我が社にはありませんでした。25日、夜はゴールドチェーン新年会。26日、午前中、商業界五役会。その後、品川で三菱ITの研究会。急いで浅草ビューホテルに移動して、16時から商業界東京連合同友会の新年会。夕方18時から東京會舘でパチンコチェーンストア協会の新年会。いずれも挨拶や乾杯の音頭取り。27日、羽田から小松へ。金沢で商業界石川県同友会と華の集いの合同新年例会。講演。懇親会。金沢城公園は見違えるほどに変わっていた。翌28日、朝の便で帰京。14時から小社社員向け「個人情報保護法」講演会。顧問弁護士の男澤才樹さんの話を聞いて、みんなで勉強。30日は港北少年ソフトボールリーグの最終戦。1勝1敗。主将でエースで私の愛弟子の若林純が矢向小学校の校舎を超える凄いホームランを打った。
□31日、役員会。2月1日、羽田から松山へ。倉本初夫主幹と同道。商業界えひめ同友会の創立50周年式典と懇親会。2日、帰社して、午後『遊技ジャーナル』からインタビューを受ける。3日、もう節分。午前中、2月ゼミ運営委員長の宮下晃エルダー来社。最後の打ち合わせ。宮下さんはマルタという子供服チェーンの社長で、優れた経営者。今回のゼミも宮下運営委員長の革新力、推進力に負うところ大でした。夕方、明治記念館で日本専門店協会新年会。奥住正道先生の講演。お元気。4日、新潟県十日町に日帰り訪問。大雪で、ほくほく線不通。しかし気持ちが伝わったか、越後湯沢に着くと、開通。念願のレストランオガワヤへ。松村ひろみさんを訪ねて、懇親。3メートルの雪が迎えてくれた。ひろみさんと私との「中越地震交換メール」は『商業界』1月号誌上で、話題になった。実損被害よりも風評被害のほうが大きい。最大の教訓。だから「店は客のためにある」が大事。

□7日、舞浜のシェラトントーキョーベイで「倉本長治主幹を極める特別ゼミナール」スタート。大好評。8日、私は午前中パネルディスカッションのコーディネーター。昼からの本ゼミナールでは「基調講演」。今年は、アレフの庄司昭夫社長と競演。良かった。その後、夜中まで講座や議論の連続。翌日も16時まで充実の講座。もちろん松村ひろみさんとも懇談。最後はファーストリテイリング会長兼CEOの柳井正さんの講演。率直だった。温かかった。厳しかった。素晴らしかった。講演の後、第一回商業界商人大賞授賞式。柳井さんが受賞。スピーチで「どんな賞よりも嬉しい」と言ってくれた。それが何より嬉しかった。意義の多い商業界ゼミナール。祭りの後の寂しさ。来年頑張ろう。10日、ドラッグストアショー開始。夜、レセプションパーティ。松本南海雄会長、元気。ドラッグストアショーは商業界も応援していて、年々、盛況。私たちが支援するフェアは、盛り上がるのです。13日、横浜市少年ソフトボール連盟のオールスター大会。純がまた特大のホームランを打って、準優勝。ベストナインに選ばれた。感激。

□14日、休暇をとって、ゴルフ名人会。これ17年目。小森勝さん、浅香健一さんと。鈴木國雄さんは今回欠席。15日、『食品商業』拡大媒体会議。13時、本駒込の吉祥寺で須田泰三先生の告別式。今回の商業界ゼミナール「特別ゼミナール」が始まる日の早朝、心不全で御逝去。80歳。倉本長治主幹の愛弟子がまたお一人、逝かれた。合掌。夕方、國雄さん来社。16日、出版合同会議。14時、當仲寛哲さん、末永正彦さん来社。流通業界のITを変革します。夜、神戸ポートピアホテルへ。17日、18日。オール日本スーパーマーケット協会販促フェスティバル。私は陳列コンクールの審査委員。18日午前中、講評。午後帰社して『ファッション販売』『飲食店経営』の連続拡大媒体会議□今月も、ご苦労様でした。「元気を売ろう」のキャッチボールに勤しんだ1カ月でした。再び、合掌。

〈結城義晴〉

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