結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年08月06日(火曜日)

広島原爆の日/日本株式「急反転」の「初戻しは売り」

広島原爆の日。

79年前の広島。
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今、その象徴となっているのが、
原爆死没者慰霊碑だ。
正式には「広島平和都市記念碑」。
丹下健三の設計。
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中央の石室に原爆死没者名簿。
石棺の正面に碑がある。

「安らかに眠って下さい 
過ちは繰返しませから」

「過ち」とは核の使用であり、
「繰り返さぬ」とはその禁止である。

ロシアのウクライナ侵略、
イスラエルのガザの虐殺、
そして核兵器による威嚇。

過ちは繰り返されようとしている。

繰り返すことに疑念を持たぬ為政者がいる。
彼らを孤立させようとする為政者もいる。

広島原爆の日に「繰り返さぬ」ことの、
意を固めたい。

さて、
大激震の株価暴落。
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4451円安。

翌日の今日6日は、
急反発。

東京証券取引所での、
日経平均株価の上げ幅は、
3217円高、10%増。
これも過去最大。

過去最大の下落のあと、
過去最大の上昇。

4451円下げて、
3217円上げた。
差し引き234円の下落か。

日経平均株価は終値3万4675円。

ファーストリテイリングは、
2850円高、7.81%増。
3万9320円。

やはりすごい戻しだ。

イオンは165円高、5.13%像。
3381円。

セブン&アイは、
94.5円高。5.87%増。
1703.5円。

不思議なことに、
ヤオコーは143円安、1.63%減。
8640円。

ライフコーポレーションは、
355円高、10.99%増。
3585円。

ベルクは戻した。
750円高、14.73%増。
5840円。

小売業はそうそう騒ぐことはない。

しかしなぜ歴史的な反転となったか。

第1に円相場は1ドル146円台に達した。
第2に米景気後退の過度な不安は少々解消された。
7月のサービス業景況感指数が少し良くなった。
第3に企業業績への信頼は揺らいでいない。

ただし、この株価反発が持続するかどうかは、
はっきりしない。

こんな株価の暴落に直面すると、
投資家たちは自信をなくし、萎縮する。

そして積極的にリスクを負わなくなる。
それが当たり前のことだ。

したがって株式市場の経験則として、
こんなときには数カ月間、
不安定な相場が続く。

1987年10月の米国ブラックマンデーの際は、
株価が安定したのは3カ月後だった。
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「初押しは買い、初戻しは売り」
相場格言の一つ。

「初押し」とは、
株価が低迷したあとで、
上昇を始めたときの最初の下落。
それは絶好の買いの場面である、という。

反対に「初戻し」は、
相場が下落を始めたときの最初の上昇。
このときは絶好の売り場面となる。

相場師でなければ、
これは知識レベルのものでいいだろう。

何事も格言通りにはいかない。

私たちにとって大事なのは、
この株価の乱高下が実体経済に、
どんな影響を与えるか。
そしてそれをどう考えるか。

株をもっていない人にとっては、
まるで関係のない話だろう。

しかし不安定な株式相場が続くと、
やはり社会不安は広がる。

そして消費は節約志向となる。

あまり望ましいことはない。
ただし変化の時だからこそ、
顧客の心理を読み解けば、
目の前には面白いチャンスが拓かれている。

さて、
スポーツ界は大盛況だ。

明日の立秋の日に、
夏の甲子園が開幕する。

メジャーリーグでは、
大谷翔平が34号ホームランを打った。
吉田正尚は4打数4安打。

やることはやる。
それが大谷だし、吉田だ。

それからもちろん、
パリ五輪。

体操男子種目別鉄棒で、
岡慎之助が金メダル。
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遡ると3つの金は、
1972年ミュンヘン五輪の加藤沢男以来。
懐かしい。

サッカーは男子も女子も、
ベスト8で敗退。
残念。

期待されたバスケットボールも、
男女ともに3連敗で敗退。

男子バレーボールは準々決勝で、
世界ランキング1位のイタリアに負けて敗退。

女子バレーボールは一次予選で敗退。

いずれも善戦したし、
全部見たわけではないが楽しませてもらった。
残念ながら世界トップとの差はある。

一方、フェンシングは大躍進。
一躍、世界の強豪国となった。
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フェンシングには3つのカテゴリーがある。
フルーレ、エペ、サーブル。
男子と女子でそれぞれに個人戦と団体戦がある。

つまりメダルは18個。

そのうち5個を獲得した。

金メダルが2つ、
男子エペの加納虹輝は日本初の個人金メダル、
男子団体フルーレも金メダル。
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銀は男子団体エぺ、
銅メダルは女子団体のフルーレとサーブル。

凄いことをやってのけた。

会場のグラン・パレは美しくて、
感動的だった。
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そして男子ゴルフは4日間の激戦の末、
松山英樹が根性の銅メダル。
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松山にしては珍しく、
感情をむき出しにして、
メダルを獲りに行った。

その気迫が良かった。

オリンピックという大会を、
松山英樹は凄く重く見ていた。
だからいつもクールな松山が、
ホットな闘士に変わった。

これからのレギュラートーナメントで、
松山英樹は大きく変わるに違いない。

それ以外にも銅メダルは、
卓球の早田ひなの。
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バドミントンの松山奈未/志田千陽組。
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オリンピックは人間を変える。
変わることは成長である。

寄り添って見守る人間たちにとっても、
それは人生の喜びである。

〈結城義晴〉

2024年08月05日(月曜日)

土用二の丑に「歴史的株価暴落」と上場小売業株価変動の平常心

Everyone, Good Monday!
[2024vol㉜]

2024年第32週。
8月第2週。

月曜の今日は土用二の丑。

水曜の7日は立秋。

そよりともせいで秋たつ事かいの
〈上島鬼貫(うえじまおにつら)〉

「東の芭蕉・西の鬼貫」と称された、
江戸中期の俳諧師、伊丹出身。

そよりとも風が吹かないけれど、
立秋だなどと言うのかいな。

関西人らしいユーモアも。

立秋が過ぎると翌週はお盆。
盆商戦が待っている。

週が明けると盆の前に大激震。

歴史的株価の暴落。
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東京株式市場の日経平均株価は、
前週末比4451円安。

終値3万1458円。

これまでの史上最大の株価下落は、
1987年10月20日(火)だった。

前日の10月19日(月)に、
米国の株価が歴史的な暴落をした。
ブラックマンデー。

ダウ工業株30種平均は、
1日の取引で508ドル下落した。
これは22.6%減となった。

アメリカは「双子の赤字」を抱えていた。
財政赤字と貿易赤字。
そこにドル安。
そしてインフレ懸念が浮上。

ニューヨーク市場の暴落が、
全世界に波及して、
各国で同時株安に陥った。

日本でも翌日の10月20日(火)に、
日経平均株価が3836円安となった。

このときは比率にすると、
前日比14.6%の下落だった。

今回の4451円安は12.4%。

原因は米国の景気後退の警戒感のなかで、
証券市場の参加者全員が売りに動いて、
売りに拍車がかかった。

海外の機関投資家やヘッジファンド、
個人投資家も売りに売った。

東証プライム市場ではほぼ全面安。

東証プライムの売買代金は、
概算で7兆9674億円。
過去最大。
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小売業で見れば、
ファーストリテイリングは、
3870円の下落、9.59%。
3万6470円となった。

イオンは140円の下落で、4.17%。
3216円となった。

一方、
セブン&アイ・ホールディングス
182円の下落(マイナス10.16%)で、
1609円。

ドン・キホーテのPPIH
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。
459円ダウン(マイナス13.00%)、
3071円。

今、上位3社の株価は、
イオン、PPIH、セブンの順だ。

ヤマダホールディングスは、
32.40円の下落(マイナス7.43%)、
そして株価は403円50銭。

総合スーパー中心の3社。

イズミは263円安(7.57%減)、株価は3212円。
平和堂は183円安(7.82%減)、2157円。
沖縄のサンエーは250円安(5.09%減)、
株価は4660円と高い。

スーパーマーケット各社。

ヤオコーは66円安(マイナス0.75%)。
下げ幅は1%を切って、少なかった。
株価は8783円。

ライフコーポレーションは、
225円下落(マイナス6.51%)、
3230円。

ライフの株価はイオンやPPIHと並んでいる。

北海道のアークスは、
152円安(5.83%減)、2454円。

ベルクは1000円の下落(16.42%減)、
これは下落率も高かった。
株価も5090円。

規模は小さいが、
広島のハローズは570円安(13.33%減)、
3705円。

ドラッグストアでは、
ツルハホールディングス
679円下落(マイナス7.73%)で8103円。

ウエルシアホールディングスは、
87円安(4.41%減)で1884円。

そして、
マツキヨココカラ&カンパニー
173円安(7.71%減)で2071円。

ニトリホールディングスは、
110安(0.63%減)とヤオコーと並んで、
下落幅が少なかった。
株価は1万7475円。

3月21日にグロース市場に上場したばかりの、
トライアルホールディングスは、
210円安(8.27%減)で下落幅は大きくはない。
株価は2328円だ。

ファーストリテイリングはもちろん、
株価も断トツに高いから、
下落幅も大きかった。

ベルクが1000円の下落で16.42%減は、
プライム市場の企業全体の平均を上回る。

ヤオコーとニトリが、
1%を切る下落幅で、
市場からの信頼が厚いことを示した。

歴史的株価暴落で、
小売業の株価は比較的安定していた。

一方、東京外国為替市場では、
対ドルの円相場は一時1ドル141円台まで急伸した。

「株売り・円買い」が加速した。

まだまだ予断は許されない。

しかし のちのちこの歴史的暴落の日は、
何と呼ばれるのだろう。
「パリ五輪ブラックマンデー?」

株価が急速に下がれば、
上場企業の買収案件は加速される。

では、みなさん、今週も、
今こそ、平常心。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年08月04日(日曜日)

パリ五輪柔道の負けるための「躾」と負けないための「technigue」

熱は急に下がった。
医者の処方薬は凄い効き目だ。

日曜日の朝には36.6℃、
午後には36.3℃まで下がった。

そこで会社に出た。

私がいないので、
月刊商人舎8月号が、
最後のところでストップしてしまった。

それを夜までに、みんなで仕上げた。

意外に面白い雑誌ができ上った。
本当に期待してください。

それにしてもパリ五輪。
団体混合柔道。

まずは銀メダル、おめでとう。

選ばれた柔道家たちは、
本当によくやった。

そしてフランス代表との決勝戦は、
惜しかった。

3対3の同点で、最後の決戦は、
抽選で最重量級の戦いとなった。
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相手はテディ・リネール。
フランスの英雄、35歳。
今大会の聖火リレーの最終ランナーとなった。

身長204cm、体重150kg。
男子100キロ超級で世界ランキング1位。

オリンピックには、
2008年から5回連続出場。

5つの金メダル、2つの銅メダルを獲得。
100キロ超級では、
2012年のロンドンで金、
2016年のリオデジャネイロで金、
そしてパリで金。

混合団体では、
前回の2020年東京で金。
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対する日本は斉藤立(たつる)。
身長191cm、体重170kg。22歳。

オリンピックは初出場。

父親は故斉藤仁(ひとし)。
ロスとソウルのオリンピックで、
95キロ超級の金メダリスト。
OSK

国士舘大学体育学部教授、
同大学柔道部監督、
全日本代表監督。

現在の指導者たちからも、
「斉藤先生」と呼ばれる。

1961年生まれで2015年、54歳で没。

1957年生まれの山下泰裕の4歳年下で、
いつも割を食った。

熊本出身の山下、青森出身の斉藤、
東海大の山下、国士舘の斉藤。

山下が太陽ならば、斉藤は月だった。

立はその次男として、
姿かたちもそっくり。
大いに期待された。

リネールとは、
団体戦の本割で対戦し、
思うような組手を得られず、
しかも懐の深い防御に苦しんだ。
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最後に内股で投げられ、負けた。

代表戦の決戦でもリネールを大いに苦しめたが、
最後は大内刈りで一本を取られた。
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二人には実力の差があった。

しかし混合団体のチーム対戦では、
勝つチャンスがあった。

第1戦は男子90kg級金メダルの村尾三四郎が、
切れ味鋭い大内刈りで見事に勝った。

第2戦は女子70kg超級の髙山莉加が、
圧倒的な体力差のロマヌ・ディッコを、
これしかないという一瞬のタイミングで、
大内刈りに仕留めた。
巨漢のディッコが、
スローモーションで倒れた。

第3戦の男子90kg超級は、
斉藤がリネールに負けた。

第4戦の角田夏実は、
2階級上のサラ レオニー・シジクを、
巴投げで畳に沈めた。
シジクは57kg級銅メダリスト。
見事な金星だった。

ここまで3対1で圧倒的に有利だった。

第5戦が阿部一二三。
こちらは66kg級金メダリスト、
日本の英雄。

相手はジョアンバンジャマン・ギャバ。
73kg級銀メダリスト。
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6kgの体重差をもろともせず、
技をかけ続けて優勢を維持した。

しかしギャバは技を掛けられても、
投げられる瞬間にうしろ向きになって、
防御する。

この防御が素早かった。

結局、変形肩車で負けた。

第5戦の日本は女子70kg級の髙市未来、
フランスは同級のクラリス・アグベニェヌ。
63kg級銅メダリスト。

この対戦でも髙市が技をかけ続けた。
それをことごとく、
クラシスは裏返って防御した。

こちらも疲れたところを、
外巻き込みで技ありを取られて負けた。

本当に惜しかった。

阿部か髙市のどちらかの技が決まっていたら、
日本に団体の金メダルがもたらされた。

しかし、仕方がない。

私は中学と高校の6年間、
毎週1時間、柔道の授業を受けた。
もちろん自分の柔道着をもっていた。

学校の大方針は「紳士たれ」。
そこで全生徒が柔道を学んだ。

その柔道の授業で、
一番最初に教育され訓練されたのが、
受け身である。

受け身の防御を完全にマスターしてから、
投げ技、寝技の攻撃を教えられる。

私はこの受け身が好きだったし、
上手かったと思う。
体操部だったので、
前方回転の受け身など、
いつも模範をさせられた。

安全性の担保という意味もあるだろう。
受け身は投げられても、
怪我をしないためのものだ。

それが日本の柔道の基本精神だと教わった。

しかし今回、
このパリ五輪の混合団体を見ていて、
フランスのJUDOは、
受け身よりも裏返って逃げる技を、
子供のころから教えているのではないかと思った。

あるいは成長して、
試合をやるようになってからは、
徹底して逃げ技を訓練するのではないか。

日本の柔道の受け身は、
負けるための躾である。
フランスのJUDOの逃げ技は、
負けないためのテクノロジーだ。

ここに大きな違いがあるのではないか。

もちろん日本のトップ柔道家たちは、
逃げ技も完璧にこなす。

一二三は天才的だ。

しかし柔道界全体に、
負けるための受け身を教えるという面が、
ありはしないか。

それを考える必要がある。
いやそれを知っておく必要がある。

本家とかお家芸とかの意識を一度捨てて、
現在の柔道の在り様を見つめ直す。

そこから次の柔道界が生まれると思う。
柔道の現代化である。

斉藤立はもっともっと筋トレが必要だ。

父親は180cm、143kg。
巨体ながら何mも逆立ちで歩いた。

そんなフィジカルをもつことだ。

素人爺の勝手な言い分、
お許しいただきたい。

それでも素晴らしい日本の柔道だった。
真夜中まで堪能した。
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ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年08月03日(土曜日)

「風邪は友達」と史上二番目の平均株価下落

昨夕から38℃の熱。
今日の日本各地の最高気温と同じ。
気温と体温が同期した。

医者に行った。

「コロナの検査、しますか?」
看護師に聞かれた。

「もちろん。」
マスク越しに答えた

そしてまず抗原検査をした。
しばらくして、
「陰性ですが、PCR検査もしますか?
「Of course!」

そして、診察。
金髪の医者は「どちらも陰性です」

「それでも70歳を超えて、
38度の熱が出るのは、
何か病気があるかもしれない」

脅かす。

「ヘモグロビンA1cは?」
即座に答えた。
「6.2です」

「ご立派です!」
褒められた。

「熱が下がらなかったら、
かかりつけの先生か総合病院で、
調べてもらってください」

診察代は4600円だった。

薬を処方してもらって、
薬局に寄ってから、
家に帰って食事をし、
薬を飲んだ。
そしてぐっすりと眠った。

熱は36.6℃まで下がった。
歌を思い出して、
口ずさんだ。
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「風邪は友達」

だれも相手に
してくれなくなったら
僕のところに
来ればいいさ
いつだって君の
相手をしてあげるよ

風邪は友達
風邪は友達

君にだって
命はあるんだものね
誰かが犠牲に
ならなきゃね
君は命をなくすことに
なるんだものね

風邪は友達
風邪は友達

僕の体の中で
静かにしてな
いつまでも君に
いさせてあげるからね
でもあんまり暴れると僕だって
君を殺してしまうかもしれないよ

風邪は友達
風邪は友達
〈作詞・作曲 山﨑眞幹〉

学生時代の、
敬愛する先輩・山﨑眞幹さんの曲。
東京・福生のハウスに居住し、
法学部の学生だったのに、
プロのミュージシャンになった。

風邪までも友達にする。
学生の頃は誰にでも、
そんな孤独と優しさがあった。

さて、
円の為替レート。
7月31日に瞬間的に、
1ドル149円台となったが、
1日の終値で149円というところまで来た。
まだまだ続きそうだ。
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日経新聞一面トップ記事。
2日の東京市場、
日経平均株価が、
前日比2216円63銭安。
3万5909円70銭。

この下げ幅は歴代2番目。
1番は1987年10月20日。
米国の「ブラックマンデー」の翌日の日本株価。
3836円安の急落だった。

ブラックマンデーの際の下落率は14.9%、
2日の下落率は5.8%だった。

日経平均株価の史上最高値がついたのは、
今年7月11日。
4万2224円02銭。

この水準と比べると6314円の下落。

日経のコメント。
「年始からの上昇分の7割強を
8月2日までに消した計算になる」

「それは一時1ドル=161円台に進んだ、
円安から修正する動きとも呼応している」

本来の円高とは言えないが、
ちょっとだけ円が高くなると、
ブラックマンデー以来の株安となる。

株価が1万円を割ったのは、
2011年7月12日。

その後、11月には、
史上最安値の8160円01銭。

この年には東日本大震災が起こった。
3月17日には史上最高の円高だった。
1ドル76.25円。

それ以前の大きな波は、
バブル崩壊後に発生している。

バブル絶頂期の1989年12月29日、
株価は3万8915円87銭。
それまでの最高値だった。

そして1989年にベルリンの壁が崩れ、
1991年にソビエト連邦が崩壊し、
1992年3月に日本の株価は、
2万円の大台を割った。
89年の最高値のほぼ半値になった。

さらに8月には1万4000円台まで下がる。

1995年には1ドル80円。
97年には山一証券の自主廃業など、
金融機関が相次いで破綻した。

それでも平均株価は1万4000円台だった。

1998年10月、
株価はバブル崩壊後の最安値を更新して、
1万2879円。

私は商業界の食品商業編集長だった。
雑誌のトップ記事で、
故渥美俊一先生に株価予想をしてもらった。

すると先生曰く。
「1万円を割る!」

雑誌が出るとすぐに、
読者の一人から激烈な反論の手紙が届いた。
当時の食品商業は、
業界の圧倒的一番誌で、
読者層が広かった。

「1万円を割るなんで、ド素人か?」

株価が下がり続けると、
よほど痛手を被る人だったのだろう。

しかし速水優日本銀行総裁の判断で、
大手銀行に対して大量の公的資金が投入された。

それで株価は底割れを免れた。
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けれどその後、21世紀に入っても、
日本経済の低迷は続いた。
失われた30年。

しかし2022年、
世界経済は「歴史的インフレ」に直面した。
2月にロシアがウクライナに侵攻。
世界の分断がさまざまな供給を遮断して、
食品やエネルギーなどが高騰した。

このインフレが円安を誘発した。
2022年3月には1ドル115円だった。
それが10月20日には150円となった。

平均株価は3万円を超えた。
2023年5月22日には、
3万1000円となった。

今年7月11日には、
史上最高の4万2224円。

そして史上2番目の株価下落。

しかし金融経済と実体経済の格差は、
広がるばかり。

こちらのほうが大きな問題だと、
私は思う。

実体経済は株価に比べると、
低迷している。

それは消費に表れてくるし、
小売業の現場でも、
現象化してくる。

日本経済と小売業は、
相関しないわけではないが、
同期はしない。

気温と体温の上昇に気を取られつつ、
ドル円レートと株価の高下に、
私の意識は移っていった。

風邪は友達。

風邪には悪いけれど、
今回は一刻も早く関係を解消して、
現場復帰をしなければならない。

〈結城義晴〉

2024年08月02日(金曜日)

「みんなが正しいと言い始めたら一回はそれを疑ってみる」

月刊商人舎8月号の最終責了日。

原稿執筆に勤しみつつ、
入稿した。

編集長の山本恭広さん。
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編集スタッフも鈴木綾子さん。
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ゼネラルマネジャーの亀谷しづえさん。
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そして結城義晴。
これは自撮りです。
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今月はこれまでやらなかった企画。
楽しみにしてください。

しかしこの後、
私は悪寒がして急に体調が悪くなった。
熱を測ったら38.1℃。

そこで仕事を中止して、
明日に持ち越すことにした。
あと私が書くのは2ページほど。

急いで帰宅して、
お粥を食べて葛根湯を飲んで、
ベッドにもぐりこんだ。

多分、冷房にやられた。
風邪でしょうか。

だからブログは短く。

朝日新聞「折々のことば」

第3163回。

みんなが正しいと
言いはじめたら、

一回はそれを
疑ってみること。

一度だけでいいから
左を見てみること。
(永田和宏)

永田は歌人で、細胞生物学者。

言っていることはよくわかる。
別にへそ曲がりなのではない。

「生命には行き過ぎを元に戻す
負のフィードバックもあれば、
血液凝固反応に見られるように、
行き着くところまで行く
正のフィードバックもある」

これは学問上の専門の話。

「人もまたみなが一斉に一方向に動きだせば、
置いてきぼりにならないか不安になり
闇雲(やみくも)にそれに靡(なび)く」

これが集団志向である。

「パニックに陥る前に一呼吸置くべし」

同感だ。

『知の体力』から。
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ピーター・ドラッカーは、
意思決定について書いている。

「マネジメントの意思決定は
全会一致でなされるようなものではない」

「意見の対立を見ない時には
決定を行わないこと」

みんなが正しいと
言いはじめたら、

一回はそれを
疑ってみること。

これは正しい。

きみに逢う以前のぼくに遭いたくて
海へのバスに揺られていたり

ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年08月01日(木曜日)

「吾には吾の君には君の葉月かな」の岡新之助と野島廣司

8月に入った。

葉月(はづき)。

文月より葉月へ縷々(るる)と水流れ
〈森洋子〉

「縷々」は細く長く途切れることなく続くさま。

7月から8月へ縷々と水が流れる。
その水のごとく生きていきたい。

(あ)には吾の君には君の葉月かな
〈内野聖子〉

吾は私。

私には私の、君には君の8月がある。
それぞれの葉月。

さて8月。
パリ五輪は11日まで続く。
いや、11日に終わってしまう。

そのあとは五輪ロスとなるのだろう。

夏の甲子園は8月7日から始まって、
17日間。

3回戦が終わるのが17日。
準々決勝は1日空けて8月19日。
準決勝は1日空けて21日。
さらに決勝も1日空けて23日。

いいことだ。

さらに暑さ対策の一環として、
2部制が導入される。

ただし8月7日から8月9日の3日間だけ。
午前の部と夕方の部に分けて試合をする。

午前は8時、あるいは8時半と、
10時あるいは10時35分に試合開始。

夕方は16時と18時半、
あるいは17時のプレイボール。

これもいいことだが、
全日程を午前・夕方ではやれない。

それでも一歩も二歩も前進した。

23日頃、甲子園大会が終わると、
秋風が吹き始める。

今年のお盆休みは、
8月13日(火)から16日(金)。
12日(月)は山の日の祝日の振り替え休日。

11日(日)が山の日。

したがって10日(土)から18日(日)までの、
9連休がある。

私はこの期間を単行本集中執筆に充てる。

8月も充実した日々だと思う。

さて、パリ五輪。
男子個人総合で、
岡慎之助が優勝。

オリンピックはもちろん、
世界選手権にも出場したことのない新星。
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おかやまジュニア体操スクールで体操を始めて、
全国中学校体操競技選手権大会で、
個人総合優勝、鉄棒で1位。

その後、徳洲会体操クラブに入部。

これがよかった。
人とは異なる道を選んだ。

高校の体操部には入らず、
社会人クラブでエリート教育を受けた。

2022年の全日本選手権では、
予選を3位で通過。

しかし跳馬の演技で、
着地に失敗して右足の前十字靭帯断裂。
手術を受けて全治8カ月。

この艱難のときに、
上半身を徹底的に鍛えて、
苦手のつり輪演技を得意にした。

今年4月の全日本選手権では、
個人総合2位。

5月のNHK杯で個人総合優勝。
オリンピック代表に滑り込んだ。

そしてこの活躍。
「線」がきれいな体操選手だ。
これは真似られない。
スクリーンショット 2024-08-02 125357

団体で金、個人で金。

まだ20歳。

私は小学校の5・6年で、
担任の太田清美先生から、
体操を仕込まれた。

鳥取大学で体操選手となった、
男性の先生だった。

クラスの男子は全員が、
バク転ができるようになった。
女子は全員がハンドスプリングをやった。

それで中学・高校と体操部に入った。
しかしへっぽこ体操選手で、
まるでものにならなかった。

だから岡新之助は、
私にとってあこがれの的だ。

日本の未来は明るい。

最後に商人舎流通スーパーニュース。

ノジマnews|
第1Q売上高1890億円10.1%増・経常利益50.2%増の増収増益

㈱ノジマが好調だ。
第1四半期決算は、
売上高1891億円、前年同期比10.1%増。
営業利益77億7900万円、49.8%増。
経常利益86億3500万円、50.2%増。

営業利益率4.1%、経常利益率4.6%。

中心のデジタル家電専門店運営事業が、
売上高681億円で10.0%増。

猛暑によってエアコンが売れた。

社長の野島廣司さんは、
私より一つ上で、
よく商業界ゼミナールに勉強に来ていた。

故川崎進一先生の弟子で、
経営の本質をつかんだ人だ。
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「コンサルティングセールスが特長。
メーカーなどからの派遣販売員を置かない。
自社従業員が店頭に立って、
売上金額を上げるのではなく、
質を売る。

野島さんは自ら、
「家電質販店」と名づける。

川崎先生も喜んでいらっしゃるに違いない。

私に言わせれば、
家電チェーンで際立つポジショニングだ。

暑いあついこの夏も、
ノジマにとってはうれしい季節だろう。

再び、
吾には吾の君には君の葉月かな

〈結城義晴〉

2024年07月31日(水曜日)

1ドル149円とオーケーの顧客満足度とOICのソラノイロ買収

7月最後の日。

暑い。

ニューヨーク外国為替市場で、
一瞬だが1ドル149円台後半になった。

150円を超えて円高が進むのは、
3月19日以来、4カ月ぶり。

一方、植田和男日本銀行総裁は、
金融政策決定会合を開催して、
政策金利を0.25%へ引き上げると決めた。

3月にマイナス金利政策を解除した。
しかし短期金利は0~0.1%だった。

それが0.25%になる。

アメリカは5%台の政策金利を続けている。

金利差はまだまだ大きい。
それが円安の主因だ。

さて、これからどうなるか。

一方、パリ五輪。
日本選手の活躍が目覚ましい。

男子バスケットボールは、
東京五輪銀メダルのフランスと対戦。
第4クオーターの最後の最後の残り10秒、
4点差でリードしていた。

3ポイントシュートを入れられても、
まだ1点上回る状態。

しかしそこでフランスにとって、
奇跡的なことが起こった。

なんと3ポイントシュートが入り、
そのうえそのシュートに対して、
河村勇輝が反則をしたとして、
ワンスローが与えられた。
スクリーンショット 2024-08-01 125911

そのフリースローも入って、
84対84の同点になってしまった。

その日本の反則も、
審判のミス(?)という見方もあって、
世間は大混乱。

それでも判定は覆らず、
日本男子は大番狂わせを逸した。

延長の5分間には、
4点差をつけられて負けた。

94対90。

本当に惜しかった。

男子体操団体総合の大逆転があったと思ったら、
バスケットの悔しい、おしい敗戦。
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毎日毎日、一喜一憂。

夜も眠れない。

仕事に邁進しつつ、
ブログにはパリ五輪のことは書くまい、
と決めていた。

それができないほどに、
日本選手団の躍進が凄い。

書かずにいられない。

さて、
商人舎流通スーパーニュース。

オーケーnews|
2024JCSI顧客満足度のスーパーマーケットで1位獲得

JCSI(日本版顧客満足度指数)。
公益財団法人日本生産性本部の、
サービス産業生産性協議会が調査発表する。

2024年度第1回調査のスーパーマーケット業種で、
オーケー㈱が顧客満足度第1位を獲得。
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2011年度に調査対象となってから14年連続。

JCSIが定める6指標は、
⑴顧客期待、⑵知覚品質、⑶知覚価値、
⑷顧客満足、⑸推奨意向、⑹ロイヤルティ。

オーケーはこのうち、
知覚品質、知覚価値、顧客満足、ロイヤルティの、
4つの指標で1位の評価を得た。

ちなみに業種別の顧客満足1位は、
百貨店が阪急百貨店、
コンビニエンスストアがセイコーマート、
ドラッグストアがコスモス、
飲食がサイゼリヤ、
カフェがスターバックス。

推奨意向(おすすめ度)と感動指標は、
阪急百貨店、コストコ、
セイコーマート、コスモス、
そして木曽路とスターバックスが、
それぞれ1位。

阪急百貨店、セイコーマート、コスモス、
そしてスターバックスは三冠。

オーケーとコストコ、
そしてコスモスの評価が高い。

それがこの調査の特徴だが、
すべてにわたって低価格要件が、
大きなシェアを占めている印象だ。

一方、
OICnews|
3年連続ミシュラン掲載のラーメン店「ソラノイロ」グループ入り

㈱ロピアのホールディングカンパニーが、
㈱OICグループ。
社長は髙木勇輔さん。

子会社の㈱eatopiaホールディングスが、
㈱ソラノイロ(宮崎千尋代表)と、
株式譲渡契約を締結した。

ラーメン店「ソラノイロ」を展開する会社だ。
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2015年~2017年の3年連続で、
『ミシュランガイド』掲載。
人気ラーメン店。

ブランドは、
ソラノイロ ARTISAN NOODLES、
そらのいろ NIPPON、
家系ラーメン 革新家 TOKYO。

外食チェーン、コンビニエンスストア、
さらに国際線機内食のメニュー開発にも関与する。

外食は多角化していく。
そこには専門性がある。

そのソラノイロを傘下に入れて、
宮崎代表の企画・プロデュース力で、
どんどん開発行為を進めるのだろう。

OIC グループは今後、
日本食の代表「ラーメン」事業だけでなく、
チルド麺のPB商品開発なども展開する。

「世界に通じるラーメンブランド」の確立。
髙木さんと宮崎さんが意気投合したのだろう。

ソラノイロの参画によって、
OICグループの企業数は27社となった。

OICグループは2031年度に、
グループ会社100社、
国内外合わせて売上高2兆円を目指す。

特別なことをしない限り、
特別な結果は生まれない。

オリンピックの金メダルと同じだ。

〈結城義晴〉

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