結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年04月05日(月曜日)

『小売業界大研究』の類書にない特徴と今年の新人のタイプ「ETC型」

2010年桜シリーズ第5弾。
千葉県・姉ヶ崎の桜。

[ダイナム・マスターズにて]

Everybody! Good Monday![vol14]
2010年第14週、4月第2週の始まり。

第14週というと、先週が13週目。
すなわち今年最初の週から勘定すると、
先週で第1四半期が終了し、
今週から第2四半期に入ることになる。

ウィークリーマネジメントを基本にし、
13週ごとのクオーターを基準にすると、
今週から第2クォーター。

第1クォーターは、13週間の91日。

第2クォーターも、
第3、第4クォーターも、
13週91日間。

この間、土曜日も日曜日も13回ずつある。

私は、ビジネスはこの期間設定で展開されるのが、
まったくもって科学的であると思う。

1月は31日で、2月は28日、そして3月は31日。
これで月間の数値を比較していくと、
どうしても前年同月比でしか、
判断できない。

1月と2月はどんな営業状態だったのか、
2月と3月は経営状況がどう変わったのか。

それを前年の数値との比較でみていくのは、
どうも、靴の上から足を掻いているようで、
心もとない。

さて、産学社から発刊された『小売業界大研究』。  
結城義晴著。

全国の書店に並び始めた。
本屋の「業界本」「就活本」のコーナーに並んでいる。
是非、手にとっていただきたい。

おりしも4月1日から、
大企業の2011年春の採用選考活動が解禁となった。
「就職氷河期並み」の来年、
逆に小売業・サービス業は、
人材採用の好機を迎えた。

㈱商人舎にも、直接、本の注文が入り始めた。
[まとめ買いの場合は、㈱商人舎(tel 045-350-6651)にお申し込みください]  

有難いことです。

本来、これから小売業に就職しようという学生向けの本だが、
それはすなわち「ベーシック小売業の本」となり、
「小売業の基礎知識の本」となる。

私もそのつもりで書き下ろした。

編集者の二宮護さんや新垣宜樹さんからも、言われた。
「知っていることを、そのまま、
わかりやすく書いてください」

だから、プロローグは「21世紀は小売業の時代」となっている。

小売業・商業が現代化を果たせば、
確実に小売業は日本の21世紀の基幹産業となる。

ポール・クルーグマンが、
『フォーリン・アフェアーズ』誌に書いて、大反響を呼んだ論文が、
『良い経済学 悪い経済学』と題して、
日経ビジネス人文庫から発刊されている。
その第1章「競争力という危険な幻想」が、この論文。

クルーグマンは、
「国家の競争力」という概念は幻想である、
と切って捨てる。  

「一般に国際市場で競争している製造業の企業を支援する発明に重点がおかれ、一般に国際市場では競争していないサービス業の商品が軽視される傾向が、少なくともある程度出ている」

「しかし、今では雇用と付加価値の生産でみて、サービス業は圧倒的な地位を占めている」

「製造業ではなく、サービス業の生産性伸び率が低いことが、アメリカ国民の生活水準が停滞していることの最大の原因になっている」  

ここで指摘されるサービス業には、小売業も組み入れられる。
サービス業の商品とは「小売業の店舗や売り場」をも示す。

すなわちノーベル経済賞受賞のクルーグマンは、
「サービス業基幹産業論」を唱え、
その生産性伸び率の向上を、
国民生活水準停滞脱却の道であると指摘しているのである。

私が「21世紀は小売業の時代」を表明するのも、
クルーグマンと同じ視点からである。

『小売業界大研究』に話を戻すと、
この本の構成は8つに分かれる。

Introduction 21世紀は小売業の時代
CHAPTER1 小売業とは何か
CHAPTER2 小売業の歴史と動向
CHAPTER3 チェーンストア 
CHAPTER4 小売業態別動向 
CHAPTER5 小売業のグループ系列をつかむ
CHAPTER6 小売業200社完全網羅
CHAPTER7 小売業の仕事  


類書と異なる点は、
まず第一に「流通業」ではなく、
「小売業」であること。

「商業」といえば、小売業と卸売業。
流通業となれば、商業に物流業なども含まれる。
すなわち小売業・卸売業・物流業等々。

この中で「小売業」に焦点を絞った。 

第二に、チェーンストアを章立てし、
わかりやすく表現したこと。
しかしこれは、筆者自身、苦労した。
難しかった。
チェーンストアを16ページで表現することが。

しかし、それだけ簡潔に、
「チェーンストア」を表したことにもなる。

第三の特徴は、「小売企業上位200社+4社」を、
完全網羅で簡潔に紹介したこと。

200社売上高ランキング表も入っている。

これも、これまでなかった章となった。
毎年の改訂版の手直しが大変だが。

全編、結城流、結城節の本だが、
「である」調であるため、
このブログとは異なる調子の本である。

さて、今週は、
花見、花見のイベント。
雨が降ったり、曇ったり、晴れたり。
しかし日本人は、桜好き。
花見気分を、お客様と共有したい。

ゴルフ好きには、木曜日からマスターズが始まる。

売上げや利益の数値は、前年対比では、
はかばかしくない企業が多いかもしれないが、
前4週単位、前13週単位との比較をしてみよう。

そのうえで、期中内対策の手を打ちたい。

日経新聞の「クイック・サーベイ」のコラム。  
日本生産性本部の発表による今年の新人のタイプ。
2010年新入社員は「ETC型」  
「人と直接、対話する機会が足りないのが心配」
しかし「情報技術の活用には長けている」

2009年は「エコバッグ型」で、
2008年は「カーリング型」だった。  

前者は「使うときに大きく広げる必要がある一方で、
環境保護意識が強く、無駄を嫌う」
後者は「そっと背中を押し、
ブラシでこすって働きやすい環境を整えねばならないが、
磨けば光る」

新人を「迎え入れる側の気持ち」を聞いたアンケートへの回答が面白い。
「先輩・上司としての自覚が出る」37%
「組織が活性化する」22%
「組織にいい意味で緊張感が出る」19%

新人を迎え、新しい環境になる。

今月の商人舎標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

今週も、Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2010年04月04日(日曜日)

ジジと三ッ沢のお花見[2010日曜版⑭]

お花見のキセツです。
まっさかり。

ユウキヨシハルのおとうさん、
シゴトのあいまに、
お花見にいきました。

オフィスのちかく。

三ッ沢コウエン。

ヨコハマでも、
いちばんサクラがいいところ。

おとうさんは、
ちいさいころ、
このちかくで、
そだちました。

2年まえ、
目のシュジュツをして、
光をみることができるようになってから、
とくに、お花はすきです。

そのなかでも、
サクラの花は、
だいすき。

シュジュツをしたのが、
ちょうどサクラのキセツで、
ビョーインからもみえたし、
メグロ川のさんぽでも、
サクラをたのしんだ。

三ッ沢はひろい。

グランドのまわりには、
サクラの花がマンカイ。

青少年の家というのがあって、
そのあたりが、いちばんいい。

夏にはここで、
キャンプファイアーも、
できます。

でもいまは、
サクラ。

むかしここには、
ヒョウータン池があった。
そのちいさくなったいけのほとりのサクラ。

サクラ、さくら、桜。

みあげると、マンカイ。

こんなサクラもいいけれど、
ボクもおとうさんも、
べつのものもすきです。

へそまがりなんです。

サクラがわき役になっているのも、いい。

こんなもの、いいですね。

ちいさなサクラの花。

それから、
サクラの花は、
ニンゲンの手で、
また、かわります。

いけられたりします。

ヨコハマの「今半」のいけばな。

それから、だいじなこと。

サクラの花をみていると、
ほかの花が、
いっしょうけんめいに、
さいていることが、
わかります。

いまの主役は、
サクラかもしれないけれど、
それだけではない。

カダンの花も。

しぜんの花も。

おとうさんは、
ショーバイやビジネスを、
ずっと、みてきました。

マーケティングというそうです。
そのセンモン家のはしくれだそうです。

そうしたら、
すこしずつ、
ほかのものも、
みえてきました。

お花見も、
お仕事も、
いっしょなのだそうです。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年04月03日(土曜日)

岩崎夏海著『高校野球女子マネージャーがドラッカー…』のintegrity(真摯さ)

2010年桜シリーズ。

今日、明日。
東京・横浜、満開。
絶好の花見日和。

楽しんでください。

第82回選抜高校野球大会は、
いよいよ決勝。

東京の日大三高と沖縄の興南高校での決戦。

3月14日の日曜日の晩、
NHKの高校野球解説者の鬼島一司さんと酒を飲んだ。
鬼島さんは、慶應義塾大学野球部前監督。
慶応普通部から慶応大学と野球一筋だが、
良識ある有能な経営者でもある。

共通の友人や知り合いも多く、
話は弾んで、楽しい夜だった。

その時に、私が提案したこと。

最近、話題になっている岩崎夏海さんの本。
「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』をよんだら」  

<ダイヤモンド社刊>  

<カバーを外すとこの表紙になるが、これがエッセンシャル版と似ていて、私は好きだ>  

実況放送の中で、
この本をちょっと紹介したらいかが?
「きっと、受けますよ」

高校野球の女子マネージャーが主人公。
東京都立程久保高校の川島みなみ。

マネージャーになって、
チームを甲子園に出場させるという目標を立てる。

そしてまず『広辞苑』で、マネージャーの意味を引く。
さらに大型の書店で、マネージャーのための本を探す。
店員が教えてくれたのが、
ピーター・ドラッカーの『マネジメント』エッセンシャル版。
もちろん上田惇生先生翻訳。

そこからみなみによる野球部の改革が始まる。
いつも『マネジメント』を読み返し、自分で考え、
その通りに実行していく。

まずマネージャーに必須のintegrity(真摯さ)の自覚。
マネージャーとして、
「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」  

つぎに野球部の「定義づけ」からスタートする。
それは野球部の「顧客」を見つけだすことから導き出される。

そしてmarketingの展開。
communicationの実践。
innovationの模索。  

結果の追求。

3時間ほどで、一気に読むことができる。
考え、学び、そして泣ける。

鬼島さんにお勧めしただけでなく、
高校野球の監督・コーチ・マネジャー、
会社経営者・マネジャー・店長。

皆さんにお勧めしたい。

鬼島さんが、いつ、どの瞬間に、
この本のことを触れるか。

カメラがベンチできびきびと動く女子マネージャーを捉えた時、
きっと鬼島さんが、『マネジメント』に触れるに違いない。

楽しみにしながら、中継を見ている。

さて、ユニクロの3月の国内既存店売上高。
マイナス16.4%の前年同月比。  

前年比二桁マイナスは2007年9月以来というから、
ちょうど私が㈱商業界社長を退任した時。

私は、その前月の8月12日から、2年半、
このブログを連続更新している。
ユニクロも同じ時期、
大きなマイナスなしに、躍進を続けた。

NHKニュースをはじめ、
今朝の朝日新聞・日経新聞まで取り上げた。

ユニクロの前年二桁割れが、
「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」の類のニュースになってきた。

「身も蓋もない」論者の私は、
クリステンセンのいう「破壊的イノベーション」から、
「持続的イノベーション」への転換が進んでいると見る。

もうひとつ、与謝野馨元財務相が自民党離党。  
与謝野鉄幹、与謝野晶子の孫という名門。
平沼赳夫、園田博之代議士とともに、
新党を立ち上げる協議を始めた。

鳩山邦夫元総務相も、合流の気配を見せる。

参議院選に向けて、
二大政党制が放棄され、
政界再編が画策され、進捗するのか。
はたまた一党ガリバー&小党乱立となるのか。

マネジャーだけでなく、
政治家にこそintegrityが求められることは、
論をまたない。

「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」  

<結城義晴>  

2010年04月02日(金曜日)

メッセージ「寡占は進み、複占に至る」と「新たな本質的機能」

桜シリーズ第3弾。
近所の桜。

横浜・妙蓮寺付近。

日本全国どこでも桜は美しい。
だからよい。

対比的に、こんなのも、いい。

なんでも対比させる。
私の趣味みたいなもの。
いや習性みたいなものになっている。

古くは、三越とダイエー。
ダイエーと西友。
イトーヨーカ堂とイオン。
(『販売革新』編集長時代、古淵の競合に「イイ戦争」というタイトルを付けた)
ユニクロとしまむら。
関西スーパーとニッショー。
サミットとヨークベニマル。
ヤオコーとアークス。

ウォルマートとカルフール。
クローガーとセーフウェイ。
ホーム・デポとロウズ。
ウォルグリーンとCVSファーマシー。

それにホールフーズとトレーダー・ジョーズ。
最近ではマーケットサイドとフレッシュ&イージー。

ひとつの事例を記事にすることを「報告」といい、
二つの事例を記事にすることを「比較」と呼び、
三つ以上の事例を記事にして考えるとはじめて「分析」となる。
「分析記事を書け」  

㈱商業界での編集長、編集統括、社長時代には、
記者たちにこんなことを言っていた。
しかし、私自身は、「対比と比較」が大好きだった。

あまりに対比が好きで、
「寡占から複占へ」などといった概念を打ち出してしまった。

「寡占は進み、複占に至る」

 1
最後にお客は、
二つのものから一つを選ぶ。
だからこそ、その二つのものに価値が実在する。
マーケットは、二つのものをつくり、運び、お客の前に提示する、
二つの異なる機能を選択する。
 2
かくして、さまざまなジャンルごとに二強時代、
あるいは二良時代がやってくる。
きわだった対極をなす二者が、無個性の三番手を振り落とす。
巴戦の中から、中途半端な一極が自滅していく。
これが「寡占」から「複占」への移行である。
 3 
ただし、
不思議なことに、
「独占」は許されない。
独占の禁止・禁欲は経済の公平原則ではなく、
人類の生存原理なのである。
 4
アメリカのGMSはシアーズとペニーだけになった。
DSはウォルマートとターゲットがKマートをふるいにかけている。
イギリスの消費者はテスコ派とセインズベリー派に二分されていたが、
外資ウォルマート&アズダが世界レベルの二強として、
イギリスをローカルと見立てた場合のセインズベリーを抜きつつある。
 5
日本の「総合」と呼ばれる分類はイトーヨーカ堂とイオンに。
だからダイエーも西友も、変身を迫られている。
すなわち商売変えである。
あらゆる製造業、卸売業において、
寡占が進み、複占が現れる。
 6
ボランタリーチェーンにもフランチャイズチェーンにも、
それぞれの業種・業態ごとに寡占から複占への推移が見られる。
さらにすべての商圏、すべての商勢圏で、
二者による複占化が進捗する。
ここでは、チェーンのサイズや企業の売上げ規模は影響しない。
 7
お客たちはその分かりやすい豊かさを喜んでいる。
マーケットもそのシンプルな構造改革を望んでいる。
二神教時代の神の手が、それを導いていく。
全体最適への引力が、
多くの産業分類のなかで「複占への淘汰」を促している。
 8
耐久性のあるフォーマットでは、しばし、
二者による「競争と協調」の調和が生まれる。
しかし複占の次にはやがて、周期的に、
「小売りの輪」のごとき、
業態自体のビッグバンがやって来る。
 9
二十一世紀の今、
私たちはこの歴史的転換の主体者になろうとしている。
私たちはこの歴史的現象の証人になろうとしている。  

『メッセージ』(結城義晴著・㈱商業界刊)より  

さて、4月に入って、初日の昨日、
東京株式市場は、今年最高値を記録。
日経平均株価は1万1244円の終値。

ニューヨーク株式市場でも、
1ドル94円で、
7カ月ぶりの円安ドル高。

昨2009年の国内新車販売台数は、
約488万台で、前年比3.8%のプラス。
4年ぶりと、オリンピックのように前年を上回った。

朝日新聞の「経済気象台」。  
コラムニストの深呼吸氏が書いている。
「新たに生まれる欲が充足されない状況に、
不満を漏らす人は少なくない」
その結果、「過剰な機能の商品であふれる状況に慣らされるうちに、
本質的な機能だけでは満たされず、
過剰な機能がないと不安や不満を抱く消費者体質が形作られていった」 

だから「トレード・オフ」は有効だった。

「地球環境保護につながる機能が、
新たな本質的機能として注目されている」  

深呼吸氏は、「新たな本質的機能」を語る。

そして「本質的な機能」が、
「過剰な機能を過剰な機能として認識させる」

「新たな本質的機能」が認められる状況こそ、
「パラダイムの転換」を意味する。

「満足しないマインドを育て、消費に結びつけてきた産業界は、
今度は皮肉にも環境保護に満足しないマインドを相手にすることになる」

いかにも朝日新聞のコラムらしい終わり方だが、
これは当たっている。

そして小売業や商業に携わっていると、
このことがよく実感できる。

製造業の、それも商品開発に携わっていると、
このことへの反論とともに、一抹の反省の念も生まれようか。

そして一消費者の立場でものをみると、
まさしく妥当な論述と認識することができよう。

私たちは常に「本質的な機能」を、
見つめていなければならない。  

さて、最後に昨日のこと。
夜は、東京・池袋の立教大学キャンパス。
3号館の研究室にくっついている打ち合わせ室で、
新年度結城ゼミのキックオフ・ミーティング。  
その後、キックオフ懇親会。

左から、西脇紀男さん、佐藤大輔さん、
山本克己さん、渋木克久さん。
全員参加で始まったが、
猪股信吾さん、児玉桜代里さんのお二人が、
仕事に戻ったので、
写真では私を入れて5人。

第二期生は6人の結城ゼミとなる。
立教大学院ビジネスデザイン研究科では、
比較的高齢のメンバーが集まった。

なんとなく、かつての編集長会議のような気分。
そういえば、商業界には6人の編集長がいた。
毎月、その6人と編集長会議で議論をしていた。

この夜も、とても、活発な論議が展開され、
私、またしても、飲みすぎた。

しかし、心身共に、若返った気がする。
有難いことだ。

1年間よろしく。
今月の標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

そして、「分析論文を書け!」

<結城義晴>  

2010年04月01日(木曜日)

4月の標語「知恵・力」合わせて動け! と月刊『MD』との懇親

[お知らせとお礼]
第7回商人舎アメリカ視察研修会Basic編は、
今年5月下旬に開催されますが、
昨日、満員となりました。
ありがとうございました。

お申し込みを締め切らせていただきます。

なお、次の開催は、Special編で、
今年10月上旬から中旬にかけて、
オースティン・ダラス&ニューヨークの予定です。

ご期待ください。  <商人舎事務局>  

今日から、4月。
待ちに待った卯月です。

東京・銀座の夜。

その桜並木。

<しばらく桜シリーズを続けます>  

さて、恒例の4月の商人舎標語。
過去の標語も、ときどき見てください。
2008年6月から初めて、
この2010年4月の標語で、23回目となります。

いちばん最初は、
「節約、倹約。もったいない」  
1年と11カ月を経過した現在も、
この標語は、活きています。
顧客のマインドは、そのまま。
昨日の日経MJは「3ケン消費」を提示しました。
堅い消費、賢い消費、嫌いな消費。

さて、今月。
組織が変わる。
人事も変わる。
人も変わる。

だから店でも会社でも、
新しいチームワークが必要となる。

そこで。
「知恵・力」合わせて動け!  

「チエ」と「チカラ」は頭韻を踏んでいます。
頭韻とは「連続する単語が同じ音の子音または文字で始まるもの」

それを合わせる。
合わせつつ動く。

「合わせる」というイメージが、
エ」「カラ」の頭韻で増幅される。

いかがでしょうか、今月の標語。

「あれっ」と気づく方もいるでしょう。

そう、これは倉本長治先生の言葉を短くアレンジしたものです。

『商売十訓』の第6訓にあります。
「お互いに知恵と力を合わせて働け」  
これ、私、大好きです。

「チームワーク」を意味しています。

それを、私流に五・七調で、短縮し、変更した。
組織、人事、人が変わるこの4月に。

「知恵・力」合わせて動け! 

さて昨日、日経新聞の「私の履歴書」3月編が終了した。
ユニ・チャーム会長の高原慶一朗さん。
最後の言葉は、自分の会社に対するメッセージ。
「もっともっと生活に溶け込んだ存在になってほしい」   

「生活に溶け込んだ存在」
メーカーだけでなく、小売業・サービス業にも、
大切なメッセージとなった。

昨日は、夕方から、東京・神田の日本セルフ・サービス協会。
コンサルタントの高野保男さんと打ち合わせ。
サミット取締役からの見事な転身で、
いま、スーパーマーケットの世界で最も忙しいコンサルタント。
忙しいだけではない。
指導している内容が、もっともオーソドックスで、
しかも現実的。

日本を代表する「レイバー・スケジューリング」の権威。

お盆と正月を除くだけで、ほとんど毎日、
日本中を飛び回っている。

来週のコーネル大学RMPジャパンで、
3時限の講義をお願いしている。

高野さんとの話、尽きることはないが、
来週の再会を約して別れ、
神田から日本橋、銀座を歩いた。

そして7時、「厨」という小じんまりした料理屋。

月刊『マーチャンダイジング』という専門雑誌がある。
主幹の日野眞克さんと、
編集長・宮崎文隆さん。
日野さんは㈱ニューフォーマット研究所の社長、
宮崎さんは取締役。

写真右の松井康彦さんを含めて、
全員㈱商業界の出身。

『マーチャンダイジング』は、
ドラッグストアの専門誌で、
三つのコンセプトを掲げる。

第一が、店舗現場主義。
第二は、仮説・実証・検証主義。
そして第三が、トップ直結主義。
トップとはドラッグストアのトップマネジメントのこと。

私は、この雑誌のタイトルがいいと思う。
日野さんのセンスがここに凝縮されている。
商業界OBとして、雑誌経営で成功している稀な事例。
宮崎さんが加勢して、一段と役に立つ専門誌になった。

古い仲間と、美味い肴、旨い酒。
したたかに飲んだ。
「知恵・力」合わせて動け!  
我々も。

銀座の桜も美しかった。

<結城義晴>  

2010年03月31日(水曜日)

明日からの改正労基法施行と「Forbes」世界長者番付

横浜駅西口付近を流れる新田間川の桜。

商人舎オフィスに出社する時には、いつも、
この川べりを歩く。

徐々に、桜が開いて、満開直前。
いい季節です。

今日で、3月も終わり。
明日から、4月。

横浜では、今週末あたりが、
最適の花見のころあい。

さて、明日から、労働基準法が一部改定され、
施行される。
それぞれの会社では、総務部門が、
問題解決を果たしているから大丈夫だろうが、
経営者も管理監督者も、労働者も、
その中身を知っておくことは大事だ。

時間外労働には、割増賃金が払われる。
いわゆる「残業」だが、
それには最低、基本給の125%が支払われる。

私が社長を務めていた㈱商業界では、
40年近く前から、残業代は5割増しで支払われた。

「サービス残業」というのは、
この2割5分増し、5割増しどころか、
残業したのに一銭ももらわない、支払わないということで、
これは明確に法律違反。

今回の改定は、つき60時間の法定限度時間を超えると、
㈱商業界並みに5割増しの割増賃金を払うようにという趣旨。

さらに法定割増賃金の割増分を有給休暇に振り替えること、
1年に5日分を限度として時間単位で有給休暇を取得することが可能となる。

ただし、この件に関して、あらかじめ、
労働組合または従業員との労使協約が改定される必要がある。

今回の改定の目的は、
「働きすぎ、働かせすぎ」からの脱却。  

ただしこの場合、「働きすぎ」というのは、
時間単位で論議される。
労働者を長時間労働から解放して、
健康で健全な労働体制を組み上げようとの狙い。

だから、決められた時間内に、
集中的に効果的に生産性をあげて仕事することは、
むしろ奨励されている。

そして残業が発生した場合には、
しっかりと支払うし、
残業分の仕事は、さらに濃密なものとならねばならない。

「だらだら仕事」は撲滅し、
適正な時間内に、適正な仕事をし、
経営者はこの適正な業務とその仕組みを設計し、管理して、
健全なオペレーションを構築する。

そういった目的で、
明日から改正労基法が施行される。

経営は一段と厳しくなるかもしれないが、
従業員満足と顧客満足が合致しない限り、
「商業・サービス業の現代化」は果たせない。

法律違反がつづいている限り、
現代化どころか、近代化にも到達しない。  

ただし、特に経営者に限っては、
この範疇にない。

経営者は、本当に厳しいけれど、
年中無休・24時間無休を、
自己責任において果たす。

世の中の問題で一番厄介なのは、
この経営者のスタンスと従業員・労働者の立場を、
混同させ、混合させ、錯覚させ、ごまかしてしまう輩の存在。

この意味において、
「精神論」は近代経営の敵である。  

間違いのないよう。
「この意味において」である。

さて、米国の雑誌『フォーブス』(Forbes)の特別号。  
「ビリオネアーズ」(10億長者)  
[The World's Richest People]
世界で最も金持ちの人々。

今回は、マイクロソフトのビル・ゲイツを抜いて、
カルロス・スリム・ヘルがトップとなった。
1940年、メキシコシティ生まれのメキシコ人。

2007年に世界1位(総資産約8兆3000億円)の富豪となり、
2008年には2位にさがり、
2010年度の最新版長者番付で、再び首位に返り咲いた。
資産総額535億ドル(100円換算で約5兆3500億円)。
テルメックス、テルセル、アメリカ・モービルを所有し、
中米の通信産業を牛耳っている。

第2位は、ご存知、マイクロソフトのビル・ゲイツで530億ドル。
第3位も、超有名なアメリカ人投資家のウォーレン・バフェットで470億ドル。
世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEO。

第4位ムケッシュ・アンバニ、第5位ラクシュミ・ミタルは、
ともにインド人。

注目すべきはアメリカ合衆国のランキング。
1位ビル・ゲイツ、2位ウォーレン・バフェットにつづいて、
3位オラクルのロウレンス・エリソン280億ドル。
そして4位~7位までの名簿。
4位クリスティ・ウォルトン225億ドル、
5位ジム・ウォルトン207億ドル、
6位アリス・ウォルトン206億ドル、
7位ロブソン・ウォルトン198億ドル。  

そうサム・ウォルトンの遺族たちが、
合わせて836億ドルで、  

これは世界第1位にあること。

一方、アジア・環太平洋地区では、
日本の柳井正さんが76億ドルで15位に入り、
16位には佐治信忠さんが75億ドルで食い込んだ。  


柳井さんは小売業ファーストリテイリング、
佐治さんは食品製造業サントリー。

日本でも重厚長大産業ではなく、
消費産業のトップが国を代表する経済人、億万長者である。
経営者の可能性は、無限に広がる。

ちなみに、アジア・環太平洋地区のベスト20には、
インドが10人、
香港が4人、
日本とマレーシアが2人ずつ、
あとは韓国と中国が1人ずつ。

インドやマレーシアは富の集中は激しい。

私は、こんなことを報告し、評論する立場で、
まったく金に縁がない。
しかし、何とか金に困ることもない。

身の丈の生き方。  
それが、私には、いい。

朝に希望、昼に努力、夕に感謝。  
それが、私には、いい。

明日から4月。
希望の4月。

<結城義晴>  

2010年03月30日(火曜日)

ニトリ対ベッド・バス&ビヨンドの決算比較とメーカー40社の2010商品政策

「花冷え」もひどすぎると、
シャレにならねえ。  

江戸っ子のような口調を飛ばしていると、
やっと、あたたかくなりました。
花見日和です。

今週末あたり、東京・横浜は最高の塩梅(あんばい)。

さて、2月期決算が次々に発表されている。
1年間に4回の値下げで客数増を果たした㈱ニトリは、
売上高2861億8600万円で、前年同期比17.3%プラス、
営業利益464億5600万円で、なんと40.4%のプラス、
経常利益474億3000万円で、こちらも39.6%のプラス。
当期利益238億3800万円で、29.9%プラス。  

この売上げと利益を212店舗でつくりだした。

すごいものだ。

しかし、ニトリがベンチマークするアメリカの同業。
ベッド・バス&ビヨンドの2009年度は、
年商72億0834万ドル(100円換算で7208億円)、
営業利益6億7890万ドル(679億円)
純利益4億2512万ドル(425億円)。  

店舗数は1037店。

店数で4.9倍、売上高で2.5倍。  

しかしニトリは既存店前年比7.4%プラス、
ベッド・バス&ビヨンドは2.4%。  

1店当たり売上高も年商や利益の伸び率も、
ニトリに軍配が上がる。

人口は日本が1億2700万人で、
アメリカが3億人。

ユニクロのファーストリテイリングも、
カジュアル・ファッションチェーン分野では、
世界最大のギャップを射程にとらえたが、
ニトリも負けてはいない。

一方、日経新聞の大手食品・日用品メーカー40社調査。
食品メーカー31社と日用雑貨メーカー9社。  

43%の17社が、小売業から出荷価格の値下げを要求されている。
このうち10社が、2010年度中に応じると回答。
もちろん、コモディティ商品に限るが。

55%の22社が「販促奨励金の積み増し」を求められ、
13社が応じると回答。

早稲田大学商学学術院教授の恩蔵直人さんは、
この販促費を時系列で調べて、
「コモディティ化」を証明した。

ナショナルブランドのコモディティ化は、
2010年も、進行しそうだ。  

しかし、メーカーも考えている。
2009年度に、ほとんどのメーカーは、
「経営資源を売れ筋に集中して、新製品は減らしてきた」

しかし、2010年度には38%の15社が新製品を増やす。
既存売れ筋商品がコモディティ化するならば、
寡占化されるコモディティで計画的薄利多売を成し遂げ、
新製品でノンコモディティを生みだす。

ハウス食品㈱の浦上博史社長は答えている。
「市場活性化には一定量の新商品を、
出し続けることが欠かせない」  

このメーカーの戦略に、小売業はどう応えるか。

ニトリは、ご承知のように、
製造小売業として、独壇場の地位を築いた。
それは、非食品ハードラインを主体とする小売業だから可能だった。

食品・日用品で、それがどこまでできるか。
プライベートブランドも、
メーカーの売れ筋コモディティが、
プライベートブランドとかち合う状況の中で、
いかに自社なりのノンコモディティをつくるか。

ニトリに負けない独自性が求められる。

今朝、枕上で、新聞を読みながら、ひらめいた。

人と同じことをやっていては、
「マス・マーケット」をとらえることはできない。

すなわち、自分がマジョリティに居る限り、
マスは獲得できず、
自分がマイノリティに居ると、
マスを味方につけることができる。

「マイノリティがマスを得る」  

不思議な相関関係だ。

さて、昨日は、
㈱商人舎顧問税理士の宮田昇先生、来訪。
宮田昇税理士事務所の後藤周太郎さんとともに。

商人舎の第二期決算も、無事終了。
「無茶をせず、無理をする」
昨年の標語通りの決算になった。
お客さま、お取引先、商人舎ファミリーの皆さんに、
心から感謝したい。
もちろん宮田先生にも、心から感謝して、
拙著を贈った。

続いて㈱産学社の編集者・新垣宜樹さん来訪。

産学社刊『小売業界大研究』は、
4月上旬から、全国の書店・大学生協の店頭に並ぶ。

もう、ある企業から1000冊の大量お申し込みがあった。
出だし好調、心から感謝。

いわゆる、業界本、就活本。
だから、そのコーナーに並ぶはず。

しかし、そのコーナーに並ぶ他の業界本、他の類書に比べて、
私には、絶対に自信がある。

自分で言うのも恥ずかしいが、
「小売業」に対する愛に満ちた本だ。
静かな愛にあふれた本である。

私は、「商業の現代化」を掲げている。
そのために、元気の良い若者に、
この業界に入って来てもらいたいと考えている。
意志のある若者にも、優秀な若者にも、
この産業に参画してもらいたいと思っている。

そういう気持ちを込めて、書いた。

難しいことを易しく、
易しいことを、面白く、
面白いことをより深く。  

そう思って、書いた。

ご愛読を願いたい。

<結城義晴>  

★追伸

杉山昭次郎先生「流通仙人日記」の「SM競争力強化の視点」もいよいよ、佳境。
スタッフ日記では「第5回USAハードワーク研修会」の報告が。
そして商人舎「商品探偵団」も復活しました。
続々と各ブログの最新記事がアップされています。お楽しみください。

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                <商人舎事務局>

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