結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年05月25日(火曜日)

アメリカ視察ベーシック編と「虫の目・鳥の目・魚の目」

アメリカにやって来てから1週間。

ネバダ州ラスベガス。
ホテル・フラミンゴ。

外は快晴のように見えて、
5月末のラスベガスにしては、
驚くほど寒い。

dscn4603.JPG

そのころ日本の成田空港。
㈱商人者エグゼクティブ・コーディネーター鈴木敏さんの引率のもと、
第7回商人舎USAベーシック視察研修会一行は、結団式。
dscn0233-1.jpg

そして全員で記念写真。
dscn0246-1.jpg

私はテキサス、ニューヨークからラスベガスに移動し、
一行とともに浅野秀二先生と合流。
dscn0260-1.jpg

すぐさま訪れたのが、ウォルマート。
dscn4610-2.jpg

2009年度年商4056億ドル(100円換算で40兆円)、
世界の店舗数7873店。

その4月リニューアルオープンの最新店。

入口には、このブログではもうおなじみの大パネル。
「Thousands of Rollbacks」
dscn0267-2.jpg

店づくりもさらに洗練された。
dscn4609-3.jpg

店舗中央には天井にダクトが通っている。
dscn4605-3.jpg

食品部門の天井は、やや高く。
dscn46072.jpg

非食品部門の天井は、低くて、
まるでライバルのターゲットのよう。
dscn4606-3.jpg

しかし商品は適切にアソートメントされ、
オペレーションは行き届いている。

このラスベガスエリアでのシェアは、
グループ全体で25.4%。
毎年、占拠率が上がって、
現在、第2位。

テキサス州ダラスでは、34.5%で断トツの第1位。

ここ、ラスベガスでは1位を追う者。

ウォルマートは、追うときに強い。
上出来の店に「数千の風」が展開され、
この店も絶好調。

私たちが次に訪れたのは、スミス。
全米第二位の小売業クローガーの傘下で、
ここアリゾナ州での店舗展開はスミスが担当している。

dscn0270-3.jpg

クローガーは、年商760億ドル(7兆6000億円)、
スーパーマーケットの総店舗数2469店。

このエリアでは、マーケットシェア25.9%で、
ウォルマートを抑えて第1位。
すごい企業であることは間違いないが、
このスミスのフード&ドラッグは、かつての主流タイプで、
現在は、どうしようもなく、古い印象。

アメリカの顧客は、手厳しい。

ウォルマートやターゲット、コストコといった低価格路線の店舗と、
ホールフーズ・マーケットに代表されるまったく新しい店との間の、
中途半端なものは許さない。

私の視察研修会では、ほとんど必ず、
地域シェア第1位と第2位の企業の店舗から視察を始める。

それが地域のスタンダードを形成しているからだ。

今回の「Basic編」原理原則講座でも、
この方針は変わらない。

その成果はツアー全体を通じて表れてくる。

ホテルに戻って、夕方6時半から講義。
dscn0276-21.jpg

3時間のところ、30分ほど延長して、
10時近くに終了。

サンプルを持ち込んで、丁寧な解説。
原理原則編というのは、最も難しい講義。
dscn0278-2.jpg

しかしよく聞いてくれてた。
ベーシック編では、5つのチームに分かれて、
調査をし、発表してもらう。
dscn0284-2.jpg

それが一番よいのだと思っている。

今回初めて展開したベーシック編。
はじめの言葉の第一は、
創意を尊びつつ良いことは真似ろ。

ご存知、倉本長治の『商売十訓』
これがアメリカでの根本の姿勢となる。

第二は井上ひさし&林廣美、結城義晴。

「むずかいしいことをやさしく。
やさしいことをおもしろく。
おもしろいことをよりふかく」

商人舎のモットー。

今月5月の標語でもある。

第三はピーター・ドラッカー。
「基本と原則を補助線にせよ」
これもアメリカに臨むときの姿勢。

これまでの原理原則を補助線として、
アメリカ小売業をポスト・モダンの視点からとらえる。
そして第4は、「虫の目」「鳥の目」「魚の目」

「虫の目」とは、現場を見る力。

細部まで丁寧に「見極める能力」。

これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。

全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。

これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。

時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。

これを支えるのは、経験と見識。

そして、「四つ目の目」は、

謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。

これらが成果となって表れるにちがいない。
明日、明後日は、怒涛の視察コース。
そして調査のまとめ、討議。
最後に発表。

この発表の成果を全員で共有して、
このセミナーは目的を達成する。

本当に楽しみだ。

乞う、ご期待。

(明日につづきます)

<結城義晴>

2010年05月24日(月曜日)

ウォルマートの「数千の値下げ」の風に影響されぬ者たち

Everybody! Good Monday! [vol21]

2010年第21週、5月の第5週です。
5月は6つの週にまたがっていて、
だから今週は5月第5週で、しかし最終週ではない。

大相撲の大関・魁皇が通算1000勝。
私、最近「1000」という数字に敏感だ。

これで魁皇は、史上2番目の記録達成者。
元横綱・千代の富 士の1045勝に次ぐ4ケタ勝利者。
双葉山も大鵬も、ここまでは来ていない。
そして一番まで、あと45勝。

毎場所10勝ずつ稼いだとして、5場所でトップ達成。
現在は年間6場所制だから、1年以内に実現する可能性が出てきた。

こういった記録において、本当に大変なのは、
これから最後の詰めの段階。
富士登山でも8合目からが一番大変。
魁皇にとっては、敵は己の怪我のみ。

魁皇の初土俵は昭和63年春場所。
出身は福岡県直方市、私の同郷。

同期には貴乃花・若乃花、曙などそうそうたる顔触れが揃っていて、
「花の63組」といわれた。
横綱にはならなかったが、
通算勝利数で同期のスターたちを抜いた喜びは、
ひとしおのものだと思う。

怪我をしても、病気をしても、負けが込んでも、
一つひとつ階段を上るように、毎日毎日、努力する。

仕事でも事業でも、
これが一番。

私のブログも。

一足飛びの飛躍は、
そうそうあるものではない。

「破壊的イノベーション」は起こりにくく、他力本願の要素も大。
「継続的イノベーション」は自ら生み出せる自力本願。

今週も、自力本願で、仕事に励みたい。

さて私は、フラミンゴ・ラスベガス。
久しぶりのひとり旅を満喫。

今日の午後、商人舎Basic視察研修会の面々が到着する。
総勢49名の大所帯。

このラスベガスに居座って、
ストア・ウォッチングとストア・コンパリゾンを繰り広げる。
私の講義時間は、3時間を2回。
さらにバスの中でも浅野秀二先生と交互に語りつづける。

「虫の目」「鳥の目」「魚の目」。
Basicコースでは、「虫の目」の考え方、使い方も研修する。
それが原理原則コースの趣旨の一つ。
さてこれまでの1週間のアメリカ小売業・消費産業動向のおさらい。

まず、ウォルマートが中心にいることは間違いない。
世界最大の消費大国のメリーゴーランドの軸は、
ウォルマート。

そのウォルマートが「Thousands of Rollbacks」を展開。

dscn4336-2.jpg

3月末から始めて、もう2カ月になろうとしている。

結果として、2月1日から始まった2011年度の第1四半期決算は、
売上高が前年同期比6.0%増の935億ドル、純利益33億ドル。
きっちり3カ月で9兆3500億円の売上高(1ドル100円換算)、
日本でいう営業利益が1カ月平均1100億円で、第1四半期3300億円。
売上高、利益過去最高のクォーター記録。

マイク・デュークCEOは「プロジェクト・インパクト戦略」の成果を強調。

その中心的な政策が「Thousands of Rollbacks」。
「何千もの値下げ」

dscn4389-3.jpg

『千の風になって』という歌があるが、
原詩には “I am a thousand winds that blow” とある。
それをウォルマートは、「Thousands」とした。

数千のロールバックの風が今、
数千のウォルマート店頭から発信され、
アメリカ中を吹き荒れている。

この数千の風に立ち向かう者は、吹き飛ばされる。
「レッド・オーシャン」だからである。

チャン・キムとレネ・モボリュニュがいう「ブルー・オーシャン」を行く者には、
数千の風の影響が少ない。
あるいは、影響が全くない。

むしろこの風を追い風としている。

コストコ、
dscn4381-3.jpg

アルディは、
dscn4413-3.jpg

ユニット価格がウォルマート以上に低価だから、
ものすごい追い風となる。

トレーダー・ジョーは「良いものが安い」から、
これまたすごい追い風。
dscn4462-2.jpg

ちなみにトレーダー・ジョーこそ、
現代のエブリデー・ロープライス実現者。

こうみると基本的にエブリデー・ロープライス政策をとる者に、
追い風が吹いていることになる。

一方、ホールフーズは、「価値の高いものを値下げした」。

dscn4155-3.jpg

ハイ&ローでは、特別の価値を有する者が、
顧客マインドに合わせて営業政策を変えることで、
この「数千の風」を追い風としている。

dscn4188-3.jpg

Walmartの「Thousands of Rollbacks」。
ウォルマート流「「千の風となって」。

ただしここでいう「エブリデー・ロープライス」は、
単なる安売りではない。
バッタ仕入れのその場だけの廉価販売ではない。

仕組みに よって、低価格を出し続け、
サプライヤー、リテイラー、カスタマー、
三者にご利益をもたらすことである。

千でなくともよい。
百でも、十でも、
たとえ一でもいい。

エブリデー・ロープライスである必要はない。
オーガニックであることもない。
サプライヤー、リテイラー、カスタマー。
三者ともにご利益のあずかれる価値を生み出す風。

ウォルマートはそれを、
自身のアイデンティティそのもので生み出しているのだ。
あなたは、
「風になれるか?」
「風にのれるか?」

では、今週も。

Everybody! Good Monday!

(明日につづきます)

<結城義晴>

2010年05月23日(日曜日)

ジジと「鳥の目」[2010日曜版vol21]

ユウキヨシハルのおとうさん、
シュッチョーです。

とおいところ。

dscn3772-3.jpg

テキサスのダラス。

dscn4272-3.jpg

それからニューヨーク・マンハッタン。

dscn4431-3.jpg

ボクは、おるすばん。
いつものことだけど。

dscn3770-3.jpg

ニューヨークに来たら、ここ。
スチュー・レオナード。
その「ポリシー・ロック」。

dscn4473-3.jpg

Rule1  The Customer is Always Right!

Rule2  If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.

原則1 顧客はいつも正しい。

原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、

原則1を読み返せ。

ユニオンひろば。
dscn4510-3.jpg

たかいビルもある。
dscn4515-3.jpg

でも、きのうで、
ニューヨークは、
おわり。

dscn3767-3.jpg

あさ、ホテルをしゅっぱつ。
dscn4524-3.jpg

さいごに、バスのなかで、
みんなとおわかれ。

dscn4530-3.jpg

みなさんありがとう。
また、ごいっしょしましょう。


それからこんどは、ひとりたび。
また「鳥の目になって、
とびました。

dscn3774-3.jpg

大西洋。
dscn4532-3.jpg

 山と川。

dscn4538-3.jpg

 グランド・キャニオン。

dscn4542-3.jpg

これはちょっと、すごい。
dscn4543-3.jpg

アメリカって、ひろい。

dscn4549-3.jpg

またおおきくて、ふかい川。
dscn4562-3.jpg

そして渓谷がみえてきた。
ラスベガス渓谷。

dscn4574-3.jpg

ながい旅のはなしをきいていると、
ボクはねむくなります。

dscn3784-3.jpg

ラスベガスのショッピングセンター。
おとうさんがめざすのは、ここ。

dscn4578-2.jpg

サバクのなかの渓谷のまち。
dscn4584-3.jpg

やっと、つきました。
dscn3782-3.jpg

空港のロビーに、スロットマシン。
ここまで、やります。

dscn4589-3.jpg

ラスベガスから、カンゲーされた。
dscn4592-3.jpg

街は、カラリとはれあがる。
dscn4593-3.jpg

おへやもゆったり。
dscn4595-3.jpg

おとうさん、
おちついてください。
ゆっくりしてください。
つかれきってるんだから。

dscn3775-3.jpg

でも、そうではなかった。
dscn4600-3.jpg

リオ・セッコ。
ゴルフクラブ。

dscn4602-3.jpg

おとうさんは、ひとりでも、いきます。
dscn3776-3.jpg

でも、いいでしょう。
しごとばかりしてるんだから。
おとうさんのごほうびです。

げんきで、
かえってきてください。

ボクは、まってます。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年05月22日(土曜日)

13店を駆け回った「ダラスの熱い日」と「ロールバックの嵐」

今、ニューヨーク時間午前6時半。

このブログを書き終わったら、
セントラルパークでも散歩しようか。

とにかく疲れた。
万代ドライデイリー会の面々は、
帰国の日となってしまった。

テキサスからニューヨークにやってくると、
あっという間に時間は過ぎる。

ニューヨーク人は、こんなに、せっかちに動くのか。
こんなにスピーディな時間の中に身を置いているのか。

ここにやってくると私たちも、
ニューヨーク人と同じ感覚になってしまうのか。

それとも旅の終わりは、短く感じられるのか。

もし旅の終わりのほうだとすると、
人生の旅の終わりも、
こんなふうに疾風のように過ぎてゆくのか。

ニューヨークという街は、
そんなことを私に考えさせる。

さて、そのニューヨークを去る前に、
ブログはテキサス州ダラスでのエピソード紹介。
大事なこと、面白いことがたくさんあったが、
その一端をお披露目しておこう。

まず何と言っても、ウォルマート。
dscn4324-2.jpg

ロールバックの嵐。
ロールバック攻勢に出ている。

名づけて「Thousands of Rollbacks」
dscn4336-2.jpg

ウォルマートはエブリデーロープライスを基本とする。
その基本方針の上に、ハイ&ローを一部、混ぜる。
それがロールバック。

しかしいま、2か月にもわたって、
「ロールバックの嵐」を巻き起こしている。
当然ながら、周りには凄い影響が出ている。

その真相は、この旅の終わりに解明しよう。

さて、ウォルマートの環境対策店舗のマッキーニ店で、
佐藤雄介さん、32歳に出会った。

dscn4393-2.jpg

西友から出向で、研修に来ているとのこと。

㈱万代の黒田久徳さんと3人で写真。
dscn4395-2.jpg

佐藤さんは、㈱若菜に入社し、現在はウォルマートに出向中。

この店ではアシスタントマネジャーとして研修を受けている。

マネジャーは31歳のクリスさん。

佐藤さんは、他のアソシエーツから本当によく声をかけられるし、
自身も声をかける。

溶け込んでいる。

楽しみな人だ。
さて、そのウォルマートの攻勢に対して、
有力ナショナルチェーンはいかに。

スーパーマーケット業界第二位のセーフウェイ。
ダラス地区では「トムサム」が頑張っている。
ニューライフスタイルストア。
dscn4364-2.jpg

店舗入り口で、価格比較。

dscn4368-2.jpg

相手はアルバートソン。

同じ商品を同じ量買うと、
トムサムならばアルバートソンよりも、
「21ドル90セント」節約できる。

「Wow!」とある。
dscn4369-2.jpg

ウォルマートでなく、アルバートソンを狙い撃ちしているところが、
セーフウェイの現状を表している。

では、クローガーはどうか。
全米第二位の小売業でスーパーマーケット第1位。
dscn4374-2.jpg

これがひどい。
特にこのダラス・プラノ地区では。
「メイン・ストリーム」と呼ばれる主流の店づくりや営業政策は、
もう、消費者たちから無視され、拒否されてしまっている。

それに気づかぬはずはない。
気づいても、全軍を動かせないのだと思う。

「店が死んでいる」  

死んだ店に「卵1パック88セント」の立て看板。
dscn4372-2.jpg

この卵だけが、唯一売れている。
しかし店は瀕死の状態。

「2年前から、まったく変わっていませんね」
万代の黒田さんがつぶやいた。
dscn4373-2.jpg

アルバートソンが三分割される寸前には、
こんな状態が続いた。

私はそれを『販売革新』誌に書いた。

いま、クローガーのこのエリアの店が、
あの時のアルバートソンのようになっている。

そこにウォルマートの「ロールバックの嵐」。

弱いところを叩きまくる。

それがアメリカのカットスロート・コンペティッション。
ただ単に競争が激しいのではない。
弱い企業、弱っている店を、徹底して叩く。
それが「喉をかき切る競争」の本質だ。
そうしなければ自分が生き残れないからである。

一方、サンアントニオからやってきたHEBセントラルマーケット。

dscn4298-2.jpg

「ラ・ボッカ」で迎えてくれた。

アルゼンチン大特集中。

dscn4300-2.jpg

店員さんも笑顔を投げかけてくれた。

dscn4296-2.jpg

「ノー・ピクチャー!」だけれど。

しかし屋外では「ピクチャー・オーケー」。
dscn4302-2.jpg

なぜかおそろいのポーズ。
dscn4303-2.jpg

カメラのレンズの先は、
「スプラウツ・ファーマーズマーケット」  dscn4301-2.jpg

ファ-マーズマーケットのフォーマットも完成されつつあって、
安定した顧客を確保している。
少なくともクローガーよりも確かだ。
dscn4304-2.jpg

考えされられることは、多い。

競争とは。
その中で自分のポジションを築き、確保することとは。

少なくとも、規模の大きさでないことははっきりしている。
こんなことを思いながら、
夜は「モートンズ」でステーキ。
dscn4318-2.jpg

お疲れ様。

我々よりも、この地の商業者のほうが疲れているに違いない。

何しろウォルマートの「ロールバックの嵐」の真っ只中で、
仕事しているのだから。
(明日に続きます)  

<結城義晴>  

2010年05月21日(金曜日)

テキサスからニューヨークへの「鳥の目」

オースティンから、
鳥のように飛び立った。

dscn4259-2.jpg

ここは田園地帯。

それから1時間後、ダラスへ。

dscn4262-3.jpg

そのサバ―バンエリア。

dscn4265-3.jpg

典型的な新興住宅地。

dscn4267-3.jpg

道路網が整備されている。

特にダラスは。

dscn4269-3.jpg

土地が余っている。

dscn4270-3.jpg

エイリアンが描いた絵のよう。

dscn4272-3.jpg

いや、人間が描いたもの。

その中をフリーウェイが走る。

新興住宅地サバーバンの中に小型商業集積。
ネイバーフッドショッピングセンター。

dscn4273-31.jpg

スーパーマーケットが核となった商業集積。
住宅に囲まれた理想的立地。

こちらはリージョナルショッピングセンター。
大型商業集積で、エンクローズドモール。
すなわち屋根付きショッピングセンター。dscn4277-3.jpg

「鳥の目」で見るとよくわかる。

dscn4276-3.jpg
商業施設の周囲を広大な駐車場が取り囲む。
だからどこからでも目的の店に行くことができる。
極めて理にかなった便利さがある。

物流センターも。dscn4275-3.jpg

立体交差も。dscn4279-3.jpg

ダラス空港で、ミゾグチ先生とお別れ。

再会を約して固い握手。

dscn4424-4.jpg
3時間後、ニューヨークへ。
写真の中央に小さく「自由の女神」。

dscn4428-3.jpg

マンハッタンが近づいてくる。

dscn4430-4.jpg

ほら見えた世界最高峰のビル群。

dscn4436-3.jpg

マンハッタンの南端。dscn4431-3.jpg

そして高層ビルの街の北側へ。
dscn4433-3.jpg

その周辺に広がる住宅密集地。

dscn4437-3.jpg

その中に降り立つ。

ご存知フェアウェイマーケット。

dscn4461-3.jpg

自由の女神は、驚くほど近くに見えた。

dscn4442-3.jpg

全員で写真。

背景に自由の女神が見える。

dscn4444-3.jpg

旅は続く。

「鳥の目」の大切さを知った。

もちろん「虫の目」も、

そして「魚の目」も大切。

しかし、何よりも「心の目」。

(明日に続きます) 

<結城義晴>   

2010年05月20日(木曜日)

ローカルスーパーマーケットHEBの新店にスーパーセンターの可能性を見る

テキサスに入って三晩。

あっという間に過ぎた。

こうして浦島太郎になってしまうのかという錯覚すら覚える。
さて昨日の続き。

HEBの最新店に訪れた。

dscn4257-3.jpg

私はこの店を名付けた。

「HEBプラス・マイナス」  

HEBの正式名称は、
HEバット・グロサリー・カンパニー。

年商150億ドル(1ドル100円換算で1兆5000億円)、
店舗数317、従業員4万5000人のテキサス有数の企業。

1905年の創業で、フローレンス・バットという女性が夫とともに、
テキサス州カービルで総合食品店を開いたのが始まり。
グロサリーストアといった。

その息子のハワード・バット、孫のチャールズ・バットと受け継がれ、
順調に成長してきたが、100億ドルを超えるにもかかわらず、
非上場。

そのHEBの「対ウォルマート作戦」のフォーマットが、
このHEBプラス。

入口をはいってみよう。

「カート・フォー・カート」と掲示がある。
dscn4249-3.jpg

反対には「アイル・フォー・アイル」

dscn4250-3.jpg

全ての通路にカートで入って、買物しよう。
ほかにこんなに安い店はない。

そんなアピールがある。

まず、HEBの最有力部門の青果。dscn4230-3.jpg

いかがだろう。
dscn4226-3.jpg

青果部門の面積の広さ、品目の多さ、その鮮度、価格で、
スーパーマーケットの勝負は決まる。
圧倒的なパワーの青果売り場。

dscn4229-3.jpg
これでは、ウォルマートもかなわない。
そう、ウォルマート対策の第一は生鮮、とりわけ青果である。

dscn4227-3.jpg

HEB はこの店でもそれを見せつけている。

だからバナナもこんなに売れている。dscn4231-3.jpg

青果から鮮魚、精肉の対面売り場へ。dscn4234-3.jpg

ウォルマートはこの部門、対面では売らない。
ウォルマートと違うことができるか否か。
それが「ウォルマート対策」

dscn4225-3.jpg

このエリアはメキシコ系アメリカ人が多く住む。
だから精肉の対面売り場は、メキシカン仕様。
良くできている。

ベーカリーの売り場にも、トルティーヤが積み上げられている。dscn4232-3.jpg

デリの売り場。

dscn4233-3.jpg

バックヤードに入ると、なんと珍しいコンベア方式。

dscn4248-3.jpg

リーチインケースには乳製品、冷凍食品。
dscn4239-3.jpg

広い通路上には、アイランドディスプレイ。dscn4236-3.jpg

ロープライスを訴求するプライスカード。
dscn4221-3.jpg

さてこの店。
HEBプラスの、弱点だった非食品を絞り込んだ。

だからHEBプラス・マイナス。
dscn4220-3.jpg

パレット陳列の迫力。
dscn4235-3.jpg

家庭用品もライン陳列で美しい。
dscn4240-3.jpg
ビューティケア売場。
dscn4242.JPG
季節の花が並ぶ売場。
dscn4246-3.jpg

衣料も価格訴求の投げ入れ陳列。
dscn4247-3.jpg

POPやサインもわかりやすい。
dscn4238-3.jpg

ファーマシー売場。
dscn4244-3.jpg

レジ前の通路は広い。店内はローコストなつくり。
dscn4245j3pg.jpg

さてこの店。
HEBプラスの弱かった非食品をカットした。

だからHEBプラス・マイナス。
dscn4255-3.jpg

すごく良くなって、
これならもう「スーパーセンター」と呼べる。

現在、スーパーセンターは、ウォルマートとターゲット。

ウォルマートはハードライン出身のスーパーセンター。

ダーゲットはソフトライン出身のスーパーセンター。

なぜか食品出身のスーパーセンターはない。

HEBのプラス・マイナス。

これが食品出身のスーパーセンターになるかもしれない。

私はそんなことを思った。

ちょっとほめすぎたかもしれない。

なにしろローカルチェーンには、
アメリカでも、日本でも頑張ってもらわねばならないからだ。

[続きます]
<結城義晴>

2010年05月19日(水曜日)

ホールフーズ旗艦店とHEBセントラルマーケット写真報告と現状分析

日本からアメリカにやってくる。
初日は、実に長い。

日本で出発の朝、6時に起床すると仮定しよう。
今回の私のように、正午近くの便に乗って11時間半。
すると例えばダラスの午前9時ごろに到着。
それからオースティンなどに乗り換えてやってくると、
正午過ぎになる。
この時間は日本では、深夜の2時過ぎ。

そこから視察をして、
夕方にホテルに入り、
セミナーで語り、
夕食をとって、
酒を飲み、
部屋に帰って、
ブログを書く。
夜の12時に書き終わったとして、
日本時間は午後2時。

日本からのフライトの中で、
少しでも寝ておかないと、
32時間くらいぶっ続けで起きていることになる。

私の場合、飛行機で少し寝る。
1時間か2時間くらいか。

あとは起きている。

しかし、アメリカに来て初日に頑張って、
その晩、ぐっすりと寝ると、
まったく元気に動き続けることができる。

ところが今回は、違った。
初日夜には、すんなりブログを書いたが、
その後も部屋で仕事をした。
結局、テキサス時間午前4時に寝た。
そして7時前に起きた。

それでも、バスの中でも語り続け、
店舗はくまなく見て歩き、
時にはインタビューし、
質問に答え、
何より頭をフル活動して、
考察する。

アメリカが私に、
異様な刺激を与えてくれる。

さて、そんな長い初日の次の日。

オースティンは、からりと晴れ上がった。
いや、灼熱の夏のような気候。

朝、8時出発で、まず、
ホールフーズの旗艦店を再訪。  

陳列作業が終了していて、
見事の一言。

ホールフーズの2009年実績。

売上高80億3200万ドル。
100円で円換算すると8032億円。
伸び率は0.9%と落ち込んだ。

2008年はワイルドオーツを買収したから20.6%伸びた。

既存店伸び率は、マイナス 3.1%。
これもピークの2004年度には20.8%もの劇的伸長率を示した。

粗利益率は、34.3で堅持。

純利益は1億4700万ドル、147億円。

期末店舗数は、284で、
期中新店15、閉鎖店6。
この面ではノーマルな成長。
しかし現場には明らかに活気が戻っている。

CEOのジョン・マッケイが「基本に戻ろう」と呼び掛け、
アソシエーツがそれに応えた。
写真でお楽しみいただこう。

本社の下の旗艦店。
dscn4194-3.jpg
店を入ると圧巻の青果部門。
dscn4154-3.jpg
朝8時、開店時品揃え100%が完成していた。
dscn4153-3.jpg
葉物野菜とニンジンを組み合わせた典型的な前進立体陳列。
dscn4155-3.jpg
オーガニック野菜もピンピンとしていて、美しい売り場になっている。
dscn4156-3.jpg
下段キャベツの陳列。見てください。

dscn4158-3.jpg
青果部門はワンウェイコントロールになっている。
dscn4160-3.jpg
これも美しい前進立体陳列。
dscn4161-3.jpg
バナナは必ず青果部門の最後にある。
マグネットの役割を果たす。

dscn4164-3.jpg
天井は高く、ダクトがむき出しだが、ホールフーズらしく、美しい。
プロペラ方式のファンがゆっくりと回っている。
dscn4162-3.jpg
鮮魚売り場は作業通路が一段と高くなっている対面方式。
dscn4165-3.jpg
氷の上に生魚を美しく並べる。
dscn4166-3.jpg
スモークシーフード売り場。
この商品が美味。
そのうえサンプルを要求すると、いやな顔一つ見せず、
本当にどれでも食べさせてくれる。
dscn4168-3.jpg
シーフードの前にはフードコート。店内主要カテゴリーの前には、
必ずフードコートが設けられている。
dscn4167-3.jpg
広い通路と美しい店内、美しい商品陳列。そのなかで試食もするが、
完食もしてもらう。
それがホールフーズの政策。

dscn4169-3.jpg
オーガニック満載の乳製品売り場。
dscn4170-3.jpg
そして精肉部門に続く。ここにもフードコートがある。
dscn4173-3.jpg
精肉も対面売り場で、顧客の注文に応える。
dscn4174-3.jpg
コーヒーの売り場。
dscn4175-3.jpg
コーヒーからケーキ、菓子の対面売り場につながる。
dscn4177-3.jpg
ビールは専用のセラーがあって、冷やして売られる。
dscn4186-3.jpg
水のプライベートブランド。
パッケージからもおわかりのようにファイターブランド。
競争的価格を出す、価格パワーを持つ商品。
ホールフーズがディスカウントを始めた。
それを象徴する商品。
dscn4188-3.jpg
店舗左奥から見た広大なデリの売り場。
dscn4178-3.jpg
左が寿司、右が対面の丼もの売り場。
dscn4179-3.jpg
生ジュースとアイスクリーム売り場。
dscn4180-3.jpg
デリ売り場は、朝食、昼食、夕食向けに店舗入り口にある。
dscn4191-3.jpg
朝一番からにぎわっている。
dscn4193-3.jpg
オールフーズ旗艦店が元気になった。

わたしはそれだけで嬉しくなった。
まさに世界最高峰の店の復活である。
次に訪れたのが、
HEBが展開するアップグレード・フォーマット。
「セントラルマーケット」  
その第一号店。1994 年オープンの店。

HEBの2009年度年商150億ドル、1兆5000億円。
売上げ伸び率2.4%。
店舗数317店。

3つの戦略的フォーマットを持つ。
第一が、フード&ドラッグ(H.E.B Food Store)。
生鮮食品の強さの上に、ドラッグストアをコンビネーションさせた。
店舗面積は1400坪から2500坪。
平均1週間70万ドルの売上高で、
そのうち、トップの20店舗は週100万ドルを稼ぐ。
すなわち年間約50億円。

第二の戦略フォーマットが、セントラルマーケット(Central Market)。
都市部の超大型グルメスーパーマーケット。
青果部門は全米有数のパワーを持つ。
そのうえでプリペアード・フードとグロサリーのスペシャルティ・プロダクト。
第三が昨日訪れたHEB プラス(plus)。
フー ド&ドラッグに、さらに非食品をプラスアルファしたコンビネーションタイプ。
11万~20万スクェアフィート(3000~5600坪)で、
1 週間80万~100万ドルの売上高。
円換算すると40億円から50億円の年商。

さて2番目のセントラルマーケットの第1号店、
最近、リニューアルした。

dscn4216-3.jpg
「アルゼンチンへのパスポート」と題したキャンペーンで、
店中がアルゼンチンモード。
dscn4210-3pg.jpg
青果部門の初めにオーガニック。緑色のPOP。

dscn4215-3-3.jpg
ワンウェイコントロールの店。
dscn4213-3.jpg
両サイドに高めの什器。
dscn4214-3.jpg
青果から鮮魚へ。器用な手さばきで魚をおろす。
dscn4196-3.jpg
精肉売り場は畜種別の対面コーナーが主力。
dscn4198-3.jpg
ワイン部門にはアンデス山脈の大きなボード。
アルゼンチンのキャンペーンの一環。
dscn4200-3.jpg
バルク売り場も、アップスケールタイプの店には不可欠。

dscn4201-3.jpg
チーズ売り場。すっきりしたデザインだが、
私はリニューアル前のほうが断然、好きだ。
dscn4202-3.jpg
ケーキ売り場も対面。
ワンウェイで顧客を引っ張るために対面コーナーを随所に設ける。
dscn4206-3.jpg
フレッシュパスタのコ-ナー。

dscn4207-3.jpg
最後にテイクアウトのデリ売り場。
この先に広大なフードコートが広がる。
dscn4208-3.jpg
さてどうだろう。
不思議なことに、魅力が半減した。
私の目にはそう映った。

なぜか。

古都の寺。

例えば奈良の薬師寺。
五重塔が二つある。
一方は焼失して、それが復元された。
もう一方は、奈良時代から残った国宝。

この場合、古いほうが圧倒的に良い。

セントラルマーケット第一号店のリニューアル。
新しい五重塔のような感じになっている。

誠に残念。

それでも、商品も人も変わらない。
だから徐々に、良くなっていくのだろうが、
店そのものは、この場合、
古いほうが良かった。

店とは不思議なものだ。
もしかしたら、
生きているのかもしれない。

人間のように、
生物のように。  

生きているものの皮をはいで、
無理やり新しいものにするのは、
その生命力を 削ぐことになる。

もちろん古くて老衰しそうな生物に、
新しい血を降り注ぐことは必要だ。

その判断が、実はとても 難しい。

「むずかしいからおもしろい」  

さて話は オースティンに戻る。

セントラルマーケットの前で全員で写真。

dscn4218-3.jpg

その後、私たちは急遽、予定を変更して、
「HEBプラス」の最新店に行った。

それが良かった。
HEBという企業の今後の姿勢を表していた。
[明日に続く] 

<結城義晴>  

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年10月
日月火水木金土
« 9月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

  • ホームに戻る
  • トップに戻る
  • 友達・上司・部下に知らせる

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.