結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年07月09日(土曜日)

2011梅雨明け宣言とコーネル・ジャパン実行の第3期生全員コメント&結城義晴「心は燃やせ、頭は冷やせ」

関東甲信越は梅雨明け。
気象庁の発表。

去年より8日早いし、
平年よりも12日早い。
観測史上3番目の記録。

九州北部と北陸も同時に梅雨明け宣言。

いよいよ夏本番。

この、カーッという夏、
私、大好き。

冷えたスイカもいいし、
かき氷もいい。

もちろんキンキンの生ビールは最高だし、
冷やの清酒もいい。

ウナギもハモも、
夏野菜もバーベキューもいい。
風鈴も花火も、
海水浴も森林浴も、
みんないい。

夏の朝晩の高原のような涼やかさはいい。

何もしないで、
のったりと漂う午後の昼寝もいい。

ゴルフもテニスも、
ジョギングも散歩も心地よい。

もちろんこの暑い夏に、
懸命に仕事して、
人々に貢献するのが一番いい。

私の場合、
原稿書きは意外にはかどる。

東日本大震災の被災地の皆さんには、
その暑さもこたえるかもしれない。

それでも、
夏には夏の良さがあって、
それを感じ取り、味わって、
生きていくのがいい。

一昨日のコーネル大学RMPジャパン最終講義の続き。

昼食後は、三期生全員の3分スピーチ。
コーネル・ジャパンで何を学んだのか、
何を得たのか。
それぞれに思いを語る。

これが良かった。

㈱よこまち総務部総務課長の横町正俊さん。
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「いちばん学んだことはSTP。
すなわちセグメンテーション、
ターゲティング、ポジショニング」

斎藤祐樹ではないが、我々が、
「持っているものは仲間だった」

㈱いかりスーパーマーケット専務取締役の行光恒夫さん。
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「自分の会社を外から見た。
うちの会社のpositioningを見直せば、
まだまだ可能性がある。

もう一度、自分の価値はなにかを考え直したい。
企業理念、会社の哲学が大事。

今年10月、我が者は50周年を迎える。
あと50年、100周年に、何をやれるか。
それには創業者がどういう思いで会社をつくったか、
を知らねばならない。

改めて自分の会社の社是に自信をもっていい。
それを知らしめるのが二代目の仕事。
学んだことを会社の中で生かしていきたい。」

㈱万代システム部シニアマネージャーの山口成樹さん。
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「30年間、情報と物流に携わってきた。
経営の見方、違う視点が必要であることが、
コーネルの講義を通じて分かった。

震災では物流の問題が表面化した。
震災によって考え方を変えた。

発注しても、ものが来ない。
そういった課題に経営の視点で取り組んでいきたい」

㈱キョーエイ常務取締役の森雅之さん。
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「倉本長治先生が授けてくれた『市民生活を守る砦となれ』の社是が、
わが社のポジショニングである。
社是を胸に、毎月コーネルに来た。

顧客に喜んでもらい、
従業員にも喜んでもらう。

人口減だが、知恵を出して仕事すれば、
マーケットはある。
その中で勝ち抜いて、
お客に喜んでもらえ、
従業員に満足してもらえる店づくりをしたい。

リテール産業は面白い。
継続のために利益をいただける企業づくりする。
その勇気が湧いてきた。

コーネル・ジャパンで学んだことは、
私の誇りです」

㈱ランドロームジャパン取締役副社長の村越淳司さん。
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「以前、結城先生から
『ただ学ぶのではなく、自分の上のレベルで学ばなければならない』と聞いた。
コーネルは講義を聞き、レポートを書き、発表をする。
大学時代以上によく学んだ」

㈱ユニバース営業企画部長の三浦建彦さん。
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「店長の立場で参加し、いまは営業企画の部長。
会社から何を求められているのか、自分の役割は何か。
自分のポジショニングを、今考えている。
人との出会いが、一番大きかった」

㈱タカキベーカリー工務課改善係班長の松本剛さん。
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「保全ばかりの仕事で、流通の仕組みが分からなかった。
しかしここで、自分の会社を知るきっかけになった

コーネル・ジャパンの創設の理念に、
働き甲斐のある会社をつくるという考え方がある。
学んだことを活かして、小売りのことを知っているエンジニアになりたい。
最後に夜の部のお詫びをしたい(?)」

㈱ラルズ第5商品部ゼネラルマネジャーの松尾直人さん。
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「自分を磨く、
それを部下に伝える、
それを実践する。
この3つを学んだ。

明確な方針が必要。
競合との戦い方にしても、
下をくぐれ、利益出せ、絶対負けるな。
それではうまくはいかない。

今回、トップから言われていることが、
理解できた。
それが収穫だった」

㈱いかりスーパーマーケット・レストラン事業部取締役部長の松尾圭祐さん。
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「最後の授業で全員経営のことを理解した。
一人ひとりの人格を尊重し、
大切にするという情の経営姿勢を貫いていきたい」

㈱マルエツ経営計画部長の本間正治さん。
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「現職について、半年後にコーネルに参加した。
見えない不安があった。
しかしポジショニングの考え方で、
ズバッときた。
不安の雲が晴れてきた。
ただし危機感をもって、行動しなければならない。
マルティン・ルターは『この世を動かす力は希望である』という。
社内に希望の種がまけるよう頑張っていきたい」

㈱平和堂店舗運営本部SM第2店舗部長の福嶋繁さん。
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「自分の考え方が大きく変わった。
モノ余り・デフレ時代。
結城先生の『人々の暮らしはいまだ満たされず』に改めて衝撃を受けた。

店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる。

ドラッカーの『利益は条件である』

様々な教えが学びとなった。
商品よりも人だということもわかった。

コーネルで私に投資していただいた金額の1000倍をお返しします。
社長に言った。

震災の絆と同じ。
コーネルの絆を大事にしていきたい」

㈱阪食営業本部店舗運営部長の廣田亘さん。
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「わが社の千野社長が開講講座で講演した。
荒井先生は『真逆だ』といった。

いろんな角度、いろんな専門知識をもって、
教えていただいたが、
最後は1つのことを言っているように思えた。
どれだけ徹底できるか。
皆で徹底し、修正し、
同じ方向に向かっていけるかが大事」

㈱JR東日本ウォータービジネス商品部部長の浜田剛さん。
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「3.11は出張先の青森で被災した。
水の需要、水の重要性を切実に感じた。
水を柱にした事業展開を大事にしていきたい」

㈱伊藤軒営業部チームリーダーの羽倉修一さん。
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「自分に一番欠けていたのは経営者目線だったことを知った。
2期生の専務が学んだことを活かし、
会社を変えようとしている。
自分はそれを浸透させる役。
この1年、授業と現場の同時進行で学んできた。
経営者目線で仕事していきたい」

㈱ユニバース取締役店舗運営部長の長崎善人さん。
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「私は『実行の長崎』の異名を持つ。
実行=徹底=確認である。
すなわちマネジメント=確認であることを学んだ。

スーパーマーケッには戸籍がない。
食品産業は社会のインフラだといいながら、住所がない。
社会的地位が低い。

その住所を勝ち取りたい」

㈱シジシージャパン商品本部取締役副本部長の辻信之さん。
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「来年以降の中期計画を策定する。
スーパーマーケット(SM)の経営を勉強できたことは大きい。
震災でSMは大きな役割を果たした。
その支援をしていく」

国分㈱東京支社第二営業部長の千木良治さん。
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「卸売業として、スーパーマーケットの知識は財産になった。
価格以外の価値の追求が必要だ大事と感じた。
早速、部署で『価値の創造』をテーマに企画を進めた。
最後に、『300年分のありがとう』を言いたい」

㈱タカヤナギ取締役副社長の高柳智史さん。
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「情の経営と知の経営は心に残った。
学びながら、知識も知恵もまだまだだと感じた。
店長の待遇を高くしたい」

㈱カスミ執行役員商品統括本部デリカ部マネジャーの高橋茂幸さん。
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「過去10年間でビジネスモデルが変わった。
アジアの生産能力向上、インターネットの発達
健康・安心安全、環境、マーケットの2割シュリンク
高額な法人税と、6重苦だ。

10年たつとディープな高齢化が起こる。
今後10年のビジネスモデルが描けるのか。
1店1店の収益性を高めるビジネスモデルが必要」

㈱アンデルセン広島アンデルセン販促企画室係長の髙木明子さん。
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「『試練は買ってでもせよ』と結城先生が言ったが、
日々の業務に追われているなかで学ぶのは大変だったが、
視野が広がった。
聞きかじりの知識でもって、
オーナーの父と喧嘩することが多くなった。
これからも勉強を続け、
10年後にもう一度コーネルで勉強したい」

三井物産㈱食料・リテール本部食品流通部リテール食品室長の小林将人さん。20110708141844.jpg
「小売業と1回2回の商談は話ができるが、3回目から続かない。
だから小売業を学ぶために、自ら立候補して参加した。
アカデミックなことを中心に勉強できた。
商品開発だけでなく、さまざまなテーマがあることが分かった」

三井物産㈱都市開発事業部室長補佐の小竹経一さん。
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「コーネルジャパンで、定義づけを学んだ。

日本における食品スーパーマーケットは何か。
日本のコミュニケーションとは。
日本の経営とは。
そもそもなんなのか。

スタートラインがわからないと、
ゴールもわからない。

自分のスタートはなにか。
それを決めるための講座だった。

スーパーマーケットは『場の提供業』だと思う。

丸暗記でなく、
そもそもこれは何か、を考える。

カタカナ文字をポンポン入れちゃう国

それがコミュニケーションを劣化させる。
アインシュタインは、
自分のグランマに説明できなければ、
ちゃんと理解していない、といった。

3・11以後、日本の心は何か。
コーネルと重なったのも縁がある。

3期生はいったん終わりだが
一生の付き合いをしたい」

㈱万代デイリー部執行役員の黒田久徳さん。
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「コーネルに参加した人とのガチンコ勝負だった。
虫食い状態で聞き及んでいた知識が、つながった。
わが社は、日本一買い物に行きたい店、
日本一働きたい店を標ぼうし、
来年3000億、10年先5000億を目指している。
関西の口火になればいい。
そのために大切で大きな一年だった」

㈱マルエツ教育人事採用教育部長の釜萢直人さん。
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「『心は燃やせ、頭は冷やせ』の言葉を聞いた時、
冷静になることの立ち位置を知った。
先生たちにはぶれがない。
人材開発の立場として、
いかにプレイインぐマネジャーをつくるかがテーマ。

商売することが楽しい
アナログなところで地道に、
ぶれることなく教育に邁進したい。
10年後には働きたい企業の100位に入る企業としたい」

㈱国太楼取締役営業副本部長の尾関篤さん。
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「1年間学んだことを生かし、
長期経営計画をしっかりとつくりたい。
普段チャラけたことを言っているが、3期生の仲間とは、
一生付き合いできればと、まじめに思う」

㈱関西スーパーマーケット第2店舗運営グループマネジャーの岡秀夫さん。20110708141924.jpg
「インフルエンザにかかり、胆石の手術もした。
休んだ授業の二日分のビデオを一人で見るのはつらかった。
会社でやろうとしていることを、
シミュレーションゲームでやったら最下位だった。
これは残念だった。
これからもお互いに負けないように頑張っていきたい」

日本製粉㈱東京支店食品営業部マネジャーの池尾良さん。
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「志や理念、共通するものをもたないとチームとして成り立たない。
スーパーマーケットに戸籍がないことを知った。
その地位向上のために、メーカーは、
おいしくて楽しい商品の開発を通して、
支援していきたい」

㈱紀ノ國屋取締役経営企画室長の阿部智則さん。
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「昨年7月に赴任してすぐに参加したが、
1年間で素晴らしい知識を得た。
シミュレーションゲームでは、
数字をみただけで『おかしい』とわかるプロばかり。

紀ノ国屋を立て直したのは阿部だといわれるように、
負けずに頑張りたい」

㈱ジョイス取締役兼常務執行役員経営計画室長の阿部修さん。
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「会社は利益を残す。
モノづくりは目に見えるが、小売業はみえない。
しかし、いろんな付加価値を提供していることが理解できた。
理念から始まり、意思決定までの勉強好きの流通業の一人として、
実行の3期生をあらためて貫きたい」

㈱マミーマート総合企画室長の青木繁さん。
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「習ったことを即実行と、最初の授業でノートに書いた。
目からうろこの授業ばかりだった。
52週MDは、具体的に実行している。
骨格、骨組みが身についたので、
これからは筋肉をつけていきたい」

最後に荒井伸也首席講師より総括メッセージ。
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荒井流の「ポジショニング」の意味づけ。
そしてスーパーマーケットの競争の原則。
すなわち1店ずつの商圏の中で一番になること。
荒井先生の主張はいつも、
スーパーマーケットの本質を語っている。
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そして最後の最後は、副学長のラスト・メッセージ。
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私は4つの話をした。
第1は、ウォルマートの最年少取締役ケビン・ターナーの話。
「我々は世界最大の企業をつくろうとは思っていない。
地域の1店1店を最良の店舗にしようとだけ考えている」

第2は、徹底の意味。
「徹底」とは「細かく、厳しく、続ける」こと。

第3は「商人としての本籍地と現住所」の話。

そして最後の「贈ることば」。
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「心は燃やせ、
頭は冷やせ」

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1年間のご清聴、
心から感謝。

しかしまだ、コーネル・ジャパン第3期、
4つ残っている。
第1は7月下旬のニューヨーク州イサカへの卒業旅行。
第2は長期経営計画策定という卒業論文。
第3は3月分補講のロジスティックス編。
ヤオコーとロヂャースのセンター実習がある。
第4はこれまた4月分補講のレイバースケジューリングシステム編。
こちらはサミットでの店舗実習。

「コーネル・ジャパン実行の第3期」

まだまだ続きます。

<結城義晴>

2011年07月08日(金曜日)

新スパ・横山清/日スパ・川野幸夫/AJS・荒井伸也に共通する「試練と成功」

「東日本大震災のためにやむを得ずこうなった」
私はこんな言い訳は、死んでもしない。

「大震災が起こったから」
何の関係もないことに関して震災を理由に中止したりしたら、
それこそ震災から復旧・復興しようと努力している人々に申し訳ない。

しかし、それを言い訳にする輩が、結構多い。

もしも、「震災のために」という理由を持ち出す案件があったら、
必ず、疑って、問いただしてみるべきだ。

卑しい魂胆が見え隠れするに違いない。

さて小売企業50社の2011年3~5月期決算
日経新聞の記事。

営業利益は全体で前年同期比22%増。
6連続四半期の増益。

セブン&アイ・ホールディングスは、
営業利益が30%増の682億円。

総合スーパーおよびスーパーマーケット事業の営業利益が、
144億円と3倍増。
イトーヨーカ堂も55億円で5倍弱。

震災の影響で、商品の供給不足が起こった。
それに消費者の買い溜めもあった。
特売やチラシも控えた。
そんな理由が重なって、
粗利益率が1.6ポイント改善。

イオンの営業利益も30%増、
283億円。

こちらも総合スーパーおよびスーパーマーケットの粗利益が改善し、
販管費が削減された。

コンビニは、
ローソンの営業利益が128億円で、15%増。
ファミリーマートは5%増の91億円。

震災特需に見舞われた。
弁当・惣菜など中食販売も好調。
ただし営業利益は向上したものの、
最終損益は特損計上の企業が多発。

特に被災した店舗や商品の損害が発生した上、
今期から資産除去債務会計が適用され、
将来の店舗撤退費用が前もって計上された。

セブン&アイは資産除去債務で225億円、
震災関連で181億円の特損を計上。

営業利益向上、最終利益落ち込み。

これが第1四半期の特徴だった。

さて、昨日はコーネル・ジャパン最終講義の日。
一昨日に引き続き、㈱国分の別館会議室。

廊下には、「国分三〇〇年のあゆみ」のパネルが飾られている。
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この日は、業界を代表する経営トップから、
ビジョンや理念、哲学を学ぶ重要な講義。

最初の講師は、
新日本スーパーマーケット協会会長の横山清さん。
この協会が創立50周年を記念して、
コーネル・ジャパンを発足させ、主催している。

横山さんは、いわば産業内大学のオーナー。
さらに八ヶ岳連峰経営を標榜する㈱アークスの社長であり、
その旗艦企業ラルズの会長。
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テーマは「人と人は縁、企業も円」
サブタイトルは「新たなる理念と目標に向かって」

今年、喜寿を迎える横山さん。
77歳になるとは思えないエネルギッシュさ。

このお年で、新たなる理念を目標を掲げ、
人々を引っ張る。

「熾せ、創発の力」
「創発」とは、
「個人が単独で存在するのではなく、
適切にコミュニケーションを行うことによって、
個々人の能力を組み合わせ、
創造的な成果を生み出すことが出来る」ということ。

これは社員、従業員のパワーの総量を引き上げ、
相乗効果によって、その総力を飛躍させるということ。

「八ヶ岳連峰経営」
従来の経営は「富士山型」だった。
つまり「縦の連携」。
それに対して、
特に高い山はないけれど、
調和がとれた連峰による経営。

4つのポイントがある。
①グループ全体の戦略・指針を決定する
②グループ各社の資本を統括し、
対外的な企業価値の向上を図る
③営業活動は子会社各社が担当する
④子会社の株式を100%所有する

これによって、ホールディング・カンパニーは力を得、
子会社は地域密着を実現させることができる。
そのうえ、「マルチ・フォーマット戦略」と、
「マルチ・バナー戦略」の併用が可能となる。

横山流経営は、
最先端すぎるくらいの理論に裏打ちされている。

独特の言い回しを編み出し、
新しいコンセプトのもとに、
まさに時代を切り拓く。
㈱ユニバースとの合併を発表したばかり。
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「覇権主義でもなんでもない」

「自分だけでやれないこと」を人とともにやる。
しかし人とやるのも難しい。

「何とかなるか」といえば、そうはならない。
しかし「できないことは言わない」。

当意即妙の話しぶりだが、
横山さんらしい含蓄のある講義となった。

「変革は辺境から生まれる」し、
中小企業からとんでもない会社が出てくる。

近未来のスーパーマーケット産業への予見も、
語ってくれた。

次は川野幸夫さんの講義。
日本スーパーマーケット協会会長にして、
㈱ヤオコー会長。
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テーマは「何屋になるか」

まず、川野さんがこの世界に入った動機。
実家は埼玉県小川町の八百屋。
そこから総合食品店となり、
この地区では一番の繁盛店だった。

しかし、家は継ぎたくなかった。
なぜか。

父母は毎日、ペコペコお辞儀ばかりしている。
そのうえ商品を仕入れて売る。
いったいどんな価値をつくっているのか。

「私自身に士農工商の意識があった」

川野さんは社会派の弁護士になって、
世に貢献したいと考えた。

東大法学部に入った昭和37年、
実家はセルフサービスの店から、
本格的なスーパーマーケットになった。

「何か手助けはできないか」と考えた。

そこでスーパーマーケットの理論を学び、
知識や情報をまとめて、母に伝えようと考えた。

時あたかも、林周二著『流通革命』がベストセラーになり、
渥美俊一は流通革命論を説き始めていた。

「革命とは主権が変わること」

それまでイニシアチブを持っていたのはメーカーで、
それを「小売業に取り戻せ」というのが流通革命の本質だった。

「主権を小売業が持たねば、
国民生活は豊かにならない」

「まさにその通り」だと思った。
そこで川野さんは「宗旨替えをした」

「今日私があるのはこの宗旨替えのお蔭」
今日のヤオコーがあるのも、川野幸夫の宗旨替えのおかげ。

「自分が生きる目的をしっかり持て」
川野さんはそう訴えた。
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このお二人の話を、31名の三期生たちは真剣に聞いた。

首席講師の荒井伸也さんも、いつもどおり聴講。
ご存じ、オール日本スーパーマーケット協会会長。
31人の第3期生のためだけに、
スーパーマーケットの3協会のトップが勢ぞろい。
なんともぜいたくな空間、ぜいたくな時間。
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講義の後は、1時間のQ&Aタイム。
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まっさきに手をあげたのは㈱キョーエイの森雅之さん。
フード&ドラッグの取り組みについての質問。
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川野さんも横山さんも、
数字をあげながら、
現状の取り組みと課題を語ってくださった。
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次々に三期生から質問が飛んだ。

関西スーパーマーケットの岡秀夫さんは、
経営戦略についての率直な問いを投げかけた。
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三期生の問いに、お二人とも、
丁寧に、真摯に答えてくださった。
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最後に荒井さんも、Q&Aに参加。
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こうして瞬く間に、午前の講義は終了。
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10カ月に及ぶ講義の総まとめの授業だった。

最後に私は「経営者の条件」を語った。
産業内大学でも、セミナーでも、
提供できない経営者の条件。
それは「試練」である。
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「試練は買ってでもせよ」
試練を潜り抜けねば、
本物の経営者にはなれない。

横山清、川野幸夫、荒井伸也。
それぞれに異なる試練を経てきた。
それぞれに異なる哲学や理念、
政策や戦略を打ち立ててきた。
そして成功してきた。

試練を経て成功した。
これだけが共通していた。

試練そのものは異なる。
哲学・理念、戦略・政策も異なる。

これが大事なことだ。
それを「ポジショニング」という。

これこそピーター・ドラッカーの「自らの強み」につながるものである。
(明日に続きます)

<結城義晴>

2011年07月07日(木曜日)

七夕の期待感とディスカウントストアづくりの条件、そしてコーネル・ジャパン最終講義

七夕です。

東京地方は、あいにくの曇り空。
朝はパラパラと小雨模様だった。

まことに残念なことに、
天の川は見えないかもしれない。

それでも七夕となると、
朝からロマンティックな気分。

いい一日になりそうだという期待感がわく。
この期待感こそ、七夕のメリット。

さて、今朝の日経新聞の記事。
「ディスカウント店拡大」の見出し。

イオン、セブン&アイ・ホールディングス、
そしてダイエーの取り組みを概括した。
ただしこの記事中、ダイエーの場合は、
ビッグ・エーの関西進出を取り上げていて、
内容は異なる。

この記事で触れるべきものではないと思う。

イオン、セブン&アイのディスカウントストアと、
ビッグ・エーは明らかに異なる業態。
しかも1980年から30年以上もかけて、
173店舗にまで増やしてきた小型店タイプ。
これは一定の成果を上げている。
問題はイオンとセブン&アイ。

私は、ディスカウントストアは、
新店で利益が出ること
が、
条件だと言い続けている。

すなわち、既存店の廃物利用で、
1年目に何とか利益が出るというのでは、
絶対に長続きはしない。
フォーマットとしての標準もできない。

イオンは前向きだ。
8月に新会社イオンビッグを設立する。

別会社にして、
会社ぐるみで徹底したローコストを目指さねば、
ディスカウントストアはできない。

そのうえで、ディスカウントこそ、
お客を喜ばせる唯一最大の方法論であることを、
信じ込んだ人間だけで会社を運営する。
たとえ石もて追われても、
「ディスカウント命」というくらいの会社にしなければならない。

その意味では、イオンビッグの試みはまずは正当。

この会社で展開するのが「ザ・ビッグ」
現時点で、イオン・グループ全体で、
約110店のディスカウント型店舗を展開している。
年商は約2000億円。

これを2013年度には約2倍の200店、
年商約5000億円に増やす計画。
店名も「ザ・ビッグ」に統一していく。

品揃えは通常の総合スーパーから3~4割絞り込む。
イニシャルコストを抑え、
人件費などオペレーションコストを削減し、
20~25%安く販売する。

重要な点は、ディスカウントストアは、
シングル・フォーマット経営戦略であること。

一方、セブン&アイは、
イトーヨーカ堂で「ザ・プライス」の出店を再開。
今年度から3年で10店程度出店し、
既存店と合わせて約20店とする。

「ザ・プライス」は2008年8月から始め、
2009年7月までに10店ほどつくった。
不調の総合スーパーの業態改革策。

もちろんセブン&アイほどの図体になれば、
ディスカウント部門を持つことのグループメリットもある。

だからその意味での再開は理解できるが、
はたしてこの企業グループの体質に合うのかは疑問。

日本のディスカウント型スーパーマーケットで成功を見ているのは、
オーケーやCGCジャパンのビッグハウス
北海道アークスのビッグハウスは、
粗利16.2~16.3%、税前利益3.2%の収益構造を持つ。
こちらは新店でも利益を出すことができる。

それが重要な点。

ディスカウントストアのチェーン化は、
すでに方法論が確立している。

その方法論を、
如何に、どこまで、
徹底できるか。

ここに焦点がある。

一時的に個店の収益改善などするという発想だったら、
初年度は利益が戻っても、
すぐに以前よりも低収益に逆戻りする。

さて昨日、今日の2日間、
コーネルRMPジャパンの7月講義。
この震災で3月、4月の授業を延期したため、
秋にその補習が控えているが、
本来のカリキュラムでは、
7月の授業が最後となる。

講義会場は今回、
東京日本橋の㈱国分の別館会議室。

国分は創業300年。
演壇の横にそのマークが記されている。
「国分、300年ぶんのありがとう。」
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はじめに座学の最終講座となる今月の授業で
何を学ぶのかを副学長がガイダンス。
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第一講座は、諸江幸祐さんによる「有効な戦略としてのM&A」。
諸江さんは㈱YUMEキャピタルの代表。

ゴールドマンサックス証券時代、
流通専門アナリストとして何度も第1位に輝いた人。
私が最も信頼するアナリストの一人。
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アークスとユニバースの合併というホットな話題があり、
まさに、時宜を得た講義となった。
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M&Aの基本的な考え方や基礎知識を、
丁寧に講義してくれた。
ここまでわかりやすく説明できる人は、
そうはいない。

しかもスーパーマーケットのケーススタディを、
数字を交えて展開してくれた。
それがとてもよかった。

第2、第3講座は櫻庭周平さんの「長期経営計画づくり」。
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コーネル・ジャパンは最後に、
受講生が自社の長期計画を作成し、
修了課題とする。

そのガイダンスを含めて、
講義していただく。
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二時限、180分の講義だが、
それでも足りないくらい。

充実した講座だった。
授業終了後、帝国ホテル「光の間」へ。
新日本スーパーマーケット協会の懇親会に合流。

日本チェーンストア協会会長の清水信次さん、
日本生活協同組合連合会前会長の山下俊史さん、
新日本スーパーマーケット協会会長の横山清さん、
オール日本スーパーマーケット協会会長の荒井伸也さんが勢揃い。
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85歳でお元気な清水さんを励ましたら、
逆に励まされてしまった。
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㈱スズキヤ社長の中村洋子さんと、
㈱リウボウストア社長の茂木信太郎さん。
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㈱阪食社長の千野和利さん。
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㈱マルト商事社長の安島浩さん。
東日本大震災に被災し、
フクシマ原発被害にも見舞われた。
しかし、安島さん、本当に健闘している。
心から支援を誓って、
固い握手。
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㈱紀ノ国屋ファウンダーにして、
協会副会長の増井徳太郎さん。
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小西酒造㈱社長の小西新太郎さん。
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中締めは、山下さん。
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関東一本締めで、決まり。
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中締めが終了してから、
コーネルRMPジャパンの交流が本格化。
第2期生の㈱成城石井社長・原昭彦さんと、
第3期生のランドローム・ジャパン副社長の村越淳司さん。
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コーネル・ジャパン3期生関西チームの面々。
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そして最後に壇上をお借りして、
コーネル・ジャパンそろい踏み。
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なんだかすごい集団になってきた。
うれしい限り。

私の「七夕の期待感」は、
コーネル・ジャパンのこの集合写真に表れた。
(続きます)

<結城義晴>

2011年07月06日(水曜日)

『店ドラ』4刷とM&A投資枠とアークス&ユニバース統合問題と「どきどきワクワクする事業」

鹿児島県薩摩川内市の中甑観測所で、
1時間に88.0ミリの雨を観測。
これは観測史上最大。

鹿児島出水市や阿久根町などで、
避難勧告。

お見舞い申し上げたい。

天変地異に対しては、
風に柳のごとく、
やり過ごすしかない。
じっと耐えるしかない。

それが人間の知恵というもの。

いまこそ、知恵を発揮しなければならない。

さて、今朝、イースト・プレス社からうれしいニュース。
『店ドラ』(てんどら)の4刷が決まった。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
4回目の増し刷り。

2週間前には、
版元にも取次にも書店にも、
在庫がなかった。
3刷によって、
何とか手に入るようになったものの、
また市場から在庫が消えつつある。

そのうえで、
昨日の日経新聞一面に広告が載った。
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そこで、4刷決定。

新製品は売れ始めた時に、
広告を打ったり、特売を展開したりする。

これを「マス化特売」という。
故渥美俊一先生の用語。
つまりマスにするために、
売れ始めたら特売を積極展開する方法。

いま、出版業も、
最初から派手な宣伝をして新刊本を売り出すことはしない。

あの『もしドラ』もそうだった。
マーケットである程度の話題になり、
売りの加速がついてから、
宣伝広告を始める。

『店ドラ』も同様。

もちろん『もしドラ』には足元にも及ばないが。

昨日は朝から、東京・大門。
カスタマーコミュニケーションズ株式会社(CCL)で、
西川宏明社長と打ち合わせ。

私、この会社の非常勤取締役を3年、務めている。
直近の課題とその問題解決の報告を受けて、
意見交換。

ドラッカー先生がジャック・ウェルチに教えたこと。
ウェルチはジェネラル・エレクトリックCEOだった。

「どきどきワクワクする事業だけ、
自分の会社でしなさい。
どきどきワクワクしない仕事は、
他者に任せなさい」

CCLもそんな会社にしていきましょう。

その後、新宿・清水橋の伊藤園。
もう恒例となった「春の大陳コンテスト」審査委員会。
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今年3月1日から5月末までの期間に、
大陳コンテストが実施された。
そう、東日本大震災の真っただ中のプレゼンテーション・コンテスト。
参加企業には感謝したい。

結果は『食品商業』誌上で発表される。
今回は東日本大震災特別賞を設けた。
お楽しみに。

最後に、審査員全員で雑誌用に写真撮影。
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並んで、商品を手に持って、
それを取り換えて。
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カメラマンに向かって。
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はい、ポーズ。
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右から本庄周介副社長、
江島祥仁副社長、
本庄大介社長、
松井康彦㈱商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、
三浦美浩『食品商業』編集長。

お疲れ様。
ありがとうございました。

その後、江島祥仁副社長の部屋で懇談。
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本庄社長も加わって、
震災の話をした。

伊藤園は、商品集荷に努めたり、
ルートセールスで直接商品提供をしたり、
現場が大活躍だった。
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「神は現場にあり」

さて今朝の日経MJ一面に、
「アークス悲願 10年目の本州」の記事。

「青森のユニバース買収」と見出しにあるが、
むしろこの件は、アークスという持株会社のもとに、
ユニバースが参加し、統合が進み、
北海道から本州の北端に展開したとみるべきだ。

食品スーパーマーケット業界の新ランキングが出ている。
第1位は、ライフコーポレーション(年商4808億円、経常利益98億円)
第2位が、新アークス(年商4061億円、同142億円)
第3位、バロー(年商3791億円、同127億円)
第4位、ヨークベニマル(3433億円、102億円)
第5位、マルエツ(3322億円、57億円)
第6位、ベイシア(3224億円、112億円)

ライフ、ヨークベニマルは自社店舗開発による成長を基本とする。
アークス、バローはM&Aも積極展開する。

日本のスーパーマーケットでも、
合併や企業買収、企業統合は、
有力な経営手段となっている。

表では新アークスが第2位に入ってくるし、
経常利益は業界トップとなる。

記事には横山清社長のインタビューがある。
MJは横山さんを、
「人情家と合理主義者の2つの顔を持つ」と表現し、
横山流連邦経営を、
「人の和」と「合理性」のバランスと分析する。

全体を見ると、やや、
「横山さんに偏った特集」の感は否めない。

その横山さん、
「縮小拡大」を訴える。
すなわち、
「縮小傾向にある市場で、
規模拡大で生き残りを目指すこと」。

この背景には、
「範囲の経済」と「クリティカル・マス」の仮説が、
横たわっている。

今回、範囲を北海道から北東北に広げた。
しかしこのエリアの広がりとともに、
地域内シェアの向上も実現させねばならない。

アークスの企業群にも、
ユニバースにも、
その原動力がある。

傘下のラルズは札幌を中心とするエリアで、
62店舗、年商1156億円。
ユニバースは青森・岩手エリアで、
47店舗、年商1025億円。

横山さんは、特にユニバースに期待する。
「ユニバースは統合効果を活かせば、
売上高を2倍の2000億円に引き上げられるだろう」

日経新聞の一面トップ記事。
「M&A攻勢へ5兆円」
日経MJと連動するかのようだ。

「きょうのことば」にまで、
「M&A投資枠」を取り上げた。

「企業が将来のM&A(合併・買収)に向けて
準備している投資枠のこと」

設備投資や研究開発費とは別の投資枠で、
企業買収のほか、新事業への進出投資なども含まれる。

2000年代半ばから、
このM&A投資金額を明示する企業が目立ってきた。

今回、日経新聞が企業の発表や取材をもとに、
今期以降のM&A投資枠計画を集計した。
投資枠を表明している上場企業は26社。
電機や化学、食品から小売業まで。

日本企業が手掛けたM&A件数は、
2005年度がピークだった。
なんと2050件。

その後、5年連続減少。

そして2010年度は1697件(トムソン・ロイターまとめ)。

M&A投資を控えた結果、
2011年3月期末の上場企業の手元資金は約69兆円。
これは過去最高を記録。

昨年度の日本企業が買い手のM&A総額は、
3兆9000億円。
これは金融機関のM&A分を除く。
対して日経が集計した26社の合計は5兆円。
昨年度を上回る。

アークスとユニバースの統合は、
この日本経済全体の動きの一つということになる。

私は大企業も中堅企業、中小企業も含めて、
企業には「大きくする派」と「良くする派」があると思う。

もちろん大きくする派が良くすることに無頓着ということではない。
良くする派が成長を無視していいわけでもない。
横山さんも語っている。
「食品スーパーは業界が大きく変わる分水嶺にある。
生活者のためにもM&Aという経営手法は必要になってきた」

M&Aによって、規模の経済を展開することで、
顧客にご利益を提供できるという考え方。

私もまさに分水嶺に来ていると思う。
「良くする派」がどんな構想を描き、
どんな経営手法を採用するかが問われている。

どちらにしても、
「自分でどきどきワクワクする仕事」に徹したい。

<結城義晴>

2011年07月05日(火曜日)

菱食・廣田正の「大衆を魅了するリーダーシップ論」

~あ。
復興担当大臣の辞任。
松本龍。

わずか9日間の任期。

関東大震災後に設置された帝都復興院。
山本権兵衛内閣が、
内務大臣後藤新平を指名し、
後藤が総裁となって現在の東京がつくられた。

後藤は元鉄道院総裁・東京市長、
復興院幹部には後藤の腹心やブレーンが集結。

震災が起こったのは1923年9月1日、
帝都復興省案が立案され、
復興院設置は9月27日。

東日本大震災は3月11日、
復興対策本部は6月27日発足、
復興担当大臣辞任は7月5日。

当事者意識のなさに、
言葉もない。

不幸な日本。
不憫な日本人。

今月の商人舎標語。
「明日のために今日を決める」

まるで、この辞任を予感し、
皮肉るような今月の標語となってしまった。

ピーター・ドラッカー先生の言葉。
「未来を築くために初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである」

復興のための心構えは、
ここにある。

国の代表として、
今日、何をなすべきかを決めたことが、
「辞任」とは、
明日のことも、未来のことも、
考えていないばかりか、
今日の責任さえ感じていない。

言葉がない。

日本経済新聞社の2011年夏のボーナス調査中間集計。
企業の平均支給額は前年比4.6%プラス。

その日経新聞が伝える夏のボーナス商戦、
スタートは好調。
ただし東日本大震災の影響で、
冬の賞与支給額は「下振れ」の予想もあって、
「不透明」。

いまこそ、復興本部のキリリとした対策が、
ボーナス支給や消費活性化に貢献する時なのだが。

さて昨日午前中は、三菱食品株式会社へ。
6月末まで「株式会社菱食」だった。
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7月1日から社名を変更し、
三菱食品株式会社。
5階フロアは、
ランの品評会のようだった。
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菱食時代は31年10カ月。
私はずっと、ジャーナリストとして、
この会社を見てきた。

「日本橋、京橋、平和島」
食品産業界での通称。

日本橋が国分、
京橋が明治屋、
平和島が菱食。

それぞれの本社があるところの名称を使って、
称した。

明治屋は三菱商事の傘下に、そして三菱食品に。
菱食も名を変えて、三菱食品に。
だから今は、日本橋と平和島。

その平和島の菱食の約32年間は、
廣田正の時代だったといってよい。

もちろん役員、社員、従業員一丸となって、
食品卸売業の社会的な存在感を示すことに邁進してきた。

「新物流」を構築し、
リテールサポートを実現させてきた。

いま、三菱食品は中野勘治会長のもと、
新時代に向けて船出した。

その三菱食品の基礎を築いたのが、
廣田菱食だった。

昨日は、その廣田正さんと面談。
2時間余りの有意義な時間。
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廣田さんはまず、語る。
「政治も会社も、官民ともに、いまこそ、
リーダーの存在が重要になっている」

では、いま、真のリーダーとは何か。
「大衆を魅了するリーダーシップ」
廣田さんの言葉は的確。

組織をリードするだけのリーダーでは足りない。
大衆を魅了し、大衆を先導するリーダーシップこそが、
いま必要とされる。
皆さんの周辺のリーダー。
「大衆を魅了しているか」

米国スーパーマーケット産業の趨勢。
日本のチェーンストア業界の過去・現在・未来、
スーパーマーケット業界の統合の意味合い。
食品卸売業界の来し方・行く末。
政治と大震災対策の問題点。

廣田さんにも講師をお願いしているコーネル・ジャパンの話。

話題は様々な領域に及んだ。

そして廣田さんの見識の高さに、
今更ながら感服しつつ、
私はこの時間を楽しんだ。

感謝します。
「なだ万」のお弁当もおいしかったです。

三菱食品を辞して、
東京タワーのたもとへ。
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機械振興会館。
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社団法人流通問題研究協会のIDR研究交流会。
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今日は、玉生弘昌さんの講演。
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㈱プラネット代表取締役社長の玉生さんは、
今期からこの社団法人の会長に就任。

冒頭に前会長の三浦功先生がご挨拶とメッセージ。
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三浦先生は協会の相談役理事に就任。

社団法人流通問題研究協会は、
47年前に誕生した。
創立会長は当時、一橋大学商学部長の深見義一先生。

三浦先生は、創立の時からこの協会に関係し、
中核となって活動を担ってきた。

「これからは流通を、
ライフラインとライフスタイルに区分して、
その相乗効果を考えるべきです」

素晴らしい。
この考え方に、
私、大賛成。

「安全安心のライフライン流通を前提にして、
自分らしい生活を創るライフスタイル流通が、
役割を果たします」

いまから30年も前、
流通産業研究所所長理事長の上野光平先生が主張した。
生活マネジメントの軸と、
生活エンターテインメントの軸。

生活マネジメントの軸がライフライン、
生活エンターテインメントがライフスタイル。

私が主張する「コモディティ&ノンコモディティ」と、
この考え方はシンクロする。

三浦先生に続いて玉生さんの講演。
「流通業界の安全を支えるネットワーク」
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地震と原発・放射能の問題が整理され、
今後の対策が提案された。

「精緻なシステムは危機に弱い。
ルーズなシステムのほうが危機に強い」

「中央集権より現場自立。
中央依存より相互依存」

「いざという時の現場力」
その現場力発揮の三つの条件。
①組織目的の共有化
②企業価値の共有化
③解決方法の共有化

そして結論は、
「システムは共同で、
競争は店頭で」

玉生さんらしい問題提起と提案。
素晴らしかった。
まさに大衆を魅了するリーダー。

その後、夕方、
立教大学池袋キャンパスへ。
F&Bマーケティングの講義。
今日はゲストスピーカー。
この講座も充実。

最後は常連メンバーとともに、
一軒め酒場」へ。
4人で、飲んで食って6000円也。

充実した暑い夏の一日だった。

心に残るは廣田正さんの言葉。
「大衆を魅了するリーダーシップ」

心から感謝。

<結城義晴>

2011年07月04日(月曜日)

ヤマト運輸の「安全第一・効率第二」と村上春樹の「非現実的な夢想家でなければならない」

Everybody! Good Monday!
[vol27]

2011年第27週、7月第2週。

今月の商人舎標語。
「明日のために今日を決める」

「未来を築くために初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである」
ピーター・ドラッカー教授の『創造する経営者』からいただいた今月の標語。

「明日をつくるために」
「今日なすべきこと」

基本的なスタンスはここにある。

課題は、きっと、誰でもわかっている。
その課題や問題解決の順路と手順はいかなるものか、
そしてそのために今日何をすべきか。
これこそリーダーシップの根本である。

それが今月の商人舎標語。

さて今週のメーンイベントは、
木曜日の七夕。
7月のことを文月(ふづき、ふみづき)というが、
それは七夕に、
様々な願いを書きつけるところからきているという説が有力。

したがって7月は、
七夕から名づけられた月ともいえる。

ウィキペディアでは、
「現代の七夕祭り」を、次のように評する。
「神事との関わりも薄れ、もっぱら、
観光客や地元商店街等への集客を
目当てとしたものとなっている」

「商店街との親和性が高く、
戦後の復興期以降、
商業イベントとして
東日本を中心に日本各地で開催されてきた」

「昼間のイベントと、
夕方から夜にかけての花火」
この組み合わせがほとんどで、
「伝統的あるいは神事としての七夕の風習」には、
無頓着。

そのものずばりの表現で、
私はこういう割り切った物言いが好きだ。

ただし今年は違う。

七夕の今週くらい、
日本中の人々が、
「新時代」への願いを込めて、
「文月」らしい生活をしてみるのもいいだろう。

さて日経新聞のコラム『時流地流』
今朝のタイトルは、
「安全第一の虚妄を脱するには」

ヒロシマとフクシマ。
ヒロシマ、ナガサキの経験があるにもかかわらず、
フクシマが起こった。

「原子力に対する日本の拒否感はなぜ消えたのか」
それがコラムニストの問題意識。

作家・村上春樹の答えは、
「コスト、利益優先の『効率』だ」

同じ村上姓の村上龍が、
ヤマト運輸元社長・故小倉昌男の言葉を紹介。
「全国の工場や現場に『安全第一』の標語が掲げられる」が、
「安全第一」だけでは効き目が薄い。

小倉氏は、安全対策の徹底のためには、
「安全第一、効率第二」と、
書かねばならないという。

「効率第二」の念押しの仕方がヤマトらしい。
私も極めてリアリティのある見識だと思う。

コラムニストの主張は、
「効率第二は戦後のパラダイムの転換を意味する」
しかし日経新聞紙上だけに、
「非現実的との批判も出よう」と、
「効率第二」と言い切ることに、
ちょっと慎重。

小売業やサービス業ならば、
「顧客第一・効率第二」

ドラッカー教授は、
企業の目的を「顧客の創造」と断じる。

そう、顧客第一であることが、長い目で見ると、
効率をよりよくすることへの最短方法である。

今回のフクシマでも、東電はいま、
「安全第一」であったほうが、
最終的な「効率」につながったと、
実感しているに違いない。

コラムの結論は、
村上春樹の東日本大震災に対してのコメントに委ねられる。
『非現実的な夢想家でなければならない』

この言葉を引用して、
「作家の情緒論として切り捨ててよいのだろうか」と結ぶ。

結論は私の考えとはやや異なるかもしれないが、
「非現実的な夢想家」
に関して、
七夕の週の態度としては、良いかもしれない。

今週は私たちも、
村上春樹になりきってもいいだろう。

では、今週も、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年07月03日(日曜日)

窓辺のジジ[2011日曜版vol27]

ジジです。
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きょうは窓辺に、
たたずんでいます。
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きもち、いい。

そして空をみます。
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鳥になりたい。
空をとびたい。
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いつも、おもっています。
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ふかくは、かんがえていないのですが、
なんとなく、鳥になれたら、
きもちいい、だろうと。
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そんなふうにおもったこと、
ありませんか?
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空をとんで、
海をみにいく。
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ただ、なんとなく、
海のほうへむかう。
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そうおもうだけで、
きもちがなごんでくる。
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いかがですか?
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海が、みえる。
街も、みえる。
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空をとんで。

窓辺にいると、
そんなふうに、
かんがえます。
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足をそろえて。
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耳をそばだてて。
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風の音をきく。

そうすると、
とびあがれる。
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だれでも、
とぶことはできる。
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スカイツリーのうえを、
舞うこともできる。
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あなたは、そう、
おもいませんか?
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<『ジジの気分』(未完)より>

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