結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年05月16日(木曜日)

訃報/「勘治の前に勘治なく、勘治の後に勘治なし」

谷川俊太郎。
「そのあと」

そのあとがある
大切なひとを失ったあと
もうあとはないと思ったあと
すべてが終わったと知ったあとにも
終わらないそのあとがある

そのあとは一筋に
雲の中へ消えている
そのあとは限りなく
青くひろがっている

そのあとがある
世界に そして
ひとりひとりの心に
IMG_4518 (002)

訃報です。

私が渡米している間に、
亡くなられた。

中野勘治さん。
84歳。

元㈱菱食社長で、三菱食品㈱会長。
5月8日午前0時06分、
心不全のため入院先の病院でご逝去。

お元気だったのに、
本当に驚いた。

1939年7月7日、愛知県生まれ。
私よりも13歳年上。

1962年3月に慶応義塾大学商学部ご卒業。
1962年4月に日本冷蔵㈱(現在の㈱ニチレイ)入社。
ニチレイの取締役から常務、専務になられて、
冷凍食品業界に「この人あり」と言われた。
2001年1月、ニチレイの子会社で卸売業の、
㈱ユキワ代表取締役社長就任。

そして2003年10月、そのユキワと、
菱食子会社㈱リョーショクフードサービスが合併。
新会社の㈱アールワイフードサービス誕生。
中野さんはその代表取締役社長に就任。
低温卸売業で年商2500億円規模だった。

さらに2006年10月、菱食の代表取締役副社長。
2003年1月に廣田さんが会長に就任し、
後任社長は後藤雅治副社長が昇格。
2008年3月、その後藤さんのあとを受けて、
中野さんは菱食代表取締役社長に就任。

2011年には㈱明治屋商事、㈱サンエス、
㈱フードサービスネットワークの3社を、
完全子会社化。
さらに連結子会社の㈱リョーショクリカーを吸収。

三菱食品㈱に商号変更するとともに、
三菱食品代表取締役会長へ。

四社合併は中野さんが成し遂げた。

その後、2013年6月、相談役。
それから2015年7月にオフィスKを設立して、
自由に活躍した。

さらに2018年7月、
㈱ロック・フィールドの社外取締役就任。

「生涯現役」が中野さんの持論だった。

1996年、アメリカのFMIが、
「ミールソリューション」のスローガンを掲げた。
中野さんはいち早くそれを取り入れ、
「冷凍食品=弁当の具材」だったものを、
夕食のメインディッシュにすることを訴えた。

これ、私の主張と同期していた。

私は2010年8月にインタビューした。
中野さんは菱食社長だった。
???????????????????????????????

「目下の最大の話題は、4社経営統合です」

「菱食を中心に、
三菱商事傘下の食品卸売企業3社の経営統合」

「㈱明治屋商事は酒類に伝統があり、強い。
㈱フードサービスネットワークは、
低温商品の機能を持つ。
そして㈱サンエスは菓子問屋として強力である。
もちろん菱食は加工食品だけで、
1兆円のスケールを持つ」

「それぞれの機能において、
製造業にも小売業にも
十分な役割が果たせる総合化を成し遂げる」

中野さんは言った。
四社合併は、
「生活編集能力の高い生活者の
ライフスタイル多様化に対応するために、
新しい中間流通として必須の機能である」

この「生活編集能力の高い生活者」だとか、
「ライフスタイル多様化」だとか、
そんな概念は卸売業からは、
出てこないものだったので、
とくに印象に残っている。

私は廣田正さんに、
大変にお世話になった。

㈱商業界の時代には、
新しい事業をコラボしてくださった。
先輩が残した負の遺産解消を、
廣田さんに助力していただいた。

それ以外にも、
廣田さんは日本の食品卸売業に、
多大な貢献をした。

だから私は何度も言ったし、
何度も書いた。
「廣田の前に廣田なく、
廣田の後に廣田なし」

中野勘治さんはそれを見ていて、
面白くなかったのだと思う。

それでも㈱商人舎発足のときには、
廣田さんにも中野さんにも、
快く発起人になっていただいた。

以来、15年。

各所で一緒に仕事をしたり、
交流したりした。
DSCN00364

月刊商人舎2022年9月号。
特別企画は、
「冷食」が主役になるとき

冒頭に私は書いた。

「この8月に、
中野勘治さんから葉書が届いた。
『ついに冷凍食品が
加工食品の主役になりました。
見届けられて倖いです』」

「中野さんの本来の専門は冷凍食品である。
だから冷凍食品の躍進は、
率直にうれしかったのだろう」

この特別企画を編んだきっかけも、
中野さんだった。

そして「冷食」は今、
まさに主役の座を占めるに至った。
DSCN0021-1-448x336 (1)

ずっと言いそびれていた。
遅きに失したかもしれないが、
ここであらためて言い切ろう。
「勘治の前に勘治なく、
勘治の後に勘治なし」

心からご冥福を祈りたい。

合掌。

〈結城義晴〉

2024年05月15日(水曜日)

球体「スフィア」体験とギターセンターで買った「little Martin」

商人舎US研修ベーシックコース。
ご参加の皆さん、
あらためてお礼を言います。
ありがとうございました。

とてもいい研修会でした。
皆さんの学ぶ姿勢が相互に作用しあって、
事務局を含めた今年の50人が、
「学習する組織」となりました。

さて5日目のすべての講義が終わって、
自由研修の時間になった。

それぞれが思い思いにプランをつくって、
よく学びよく遊ぶ。

ショッピングセンターや店舗を訪れたり、
観光したり、ショーを見たり、
街を歩いたり、買物したり。
それぞれが今度は自由に、
アメリカの時間を過ごす。

それもいい学習です。

私たち事務局が行ったのは、
The Sphere。
「スフィア」。
意味は「球、球体、球形」

球形の大型アリーナ。
2万人を収容できる。

昨2023年9月29日、
マディソンアスクエガーデン社によって開業。
高さ336フィート(102m)、
幅516フィート(157m)。
IMG_4392 (002)

途中に世界第2位の大きさの観覧車がある。
IMG_4388 (002)

ホテルべネツィアンの敷地にオープン。
IMG_4225 (002)

私たちのホテルからも、
夜には浮き上がって見える。
IMG_4226 (002)

球体の表面の映像は、
くるくると変わる。
IMG_4228 (002)

今、球体の中で行なわれている演目は、
「Postcard From Earth」
IMG_4454 (002)

スフィアのドームの中には、
15万7000の超指向性スピーカーがある。
「ウルトラ・ダイレクショナル・スピーカー」という。

ビーム・フォーミング技術が備わっていて、
一つひとつの席ごとに、
最高の音質と音量が計算され、届けられる。

演目によっては特定エリアを、
特定外国語席として提供することもできる。

さらに席に着いてショーを楽しむ間、
音を深みのある「振動」として体感できる。
「インフラサウンド・ハプティック」、
触覚・超低周波音システム。

入り口からドームの中に入ると、
不思議な空間が現れる。IMG_4393 (002)

目眩がする。
IMG_4394 (002)

そしてエスカレーター。
IMG_4395 (002)

未来の空間に入り込んでいくような印象だ。IMG_4398 (002)

3Ⅾの女性が空中歩行をする。
IMG_4400 (002)

アリーナの急な階段状の客席に着くと、
すぐに場内が暗くなって、
演目が始まる。

「地球からの絵葉書」

宇宙から帰還した宇宙飛行士二人。
目覚めて、地球の美しさを再発見する。IMG_4402 (002)

監督はダーレン・アロノフスキー。
ロシア系ユダヤ人のアメリカ国籍。
55歳。

2010年の「ブラック・スワン」、
2023年の「ザ・ホエール」などを監督。

世界の山岳や海中、
人間の祭りやイベントの映像が、
臨場感たっぷりに描かれる。
IMG_4403 (002)

クラゲの大群。
IMG_4405 (002)

これも海中の微生物。
IMG_4406 (002)

海の生き物の大群。
IMG_4407 (002)

そして魚群。
IMG_4409 (002)

座席にいると振動が直接伝わってくる。
祭りの灯。
IMG_4412 (002)
地球からのメッセージ。

面白かったし、
あっという間に1時間が過ぎた。
IMG_4417 (002)
ラスベガスにまた一つ、
名所が増えた。

そのあとタウンスクエアへ。
ホールフーズが核となったライフスタイルセンター。
研修団で2日目にやってきた。

その一番奥にあるのが、
「ギターセンター」IMG_4452 (002)

アメリカ最大の楽器のチェーンストア。
1959年、ハリウッドで創業。
本部はカリフォルニア州ウェストレイクビレッジ。
304店舗、年商21億4000万ドル(3200億円)。IMG_4453 (002)
楽器のスーパーストア。
つまり超大型店の専門大店。

その中のアコースティック部門へ。

小型のフォークギターを見に来た。

古希を超えて、
小ぶりのギターが欲しくなった。

YAMAHAの小型アコースティック。
なかなかいい。
IMG_4422 (002)

これはミッシェルの4弦ギター、珍しい。
ちょっと食指が動いた。
IMG_4420 (003)

しかしほしいと思っていたのがMartin。
店員も一番先に持ってきた。
IMG_4424 (002)

Martin LX1。
シリアルナンバーは418427。
IMG_4425 (002)

これに決めた。
little Martinという。
IMG_4515

ボディは小さいけれど、
いい音がする。
IMG_4514

Martin & Co.
IMG_4513

ケースに入れてもらって、
すぐに背負った。
IMG_4435 (002)

小さいし、軽い。
IMG_4430 (002)

リトルマーチンを背負って、最高の気分。IMG_4440 (002)

後ろ姿はこんな感じです。
IMG_4443 (002)

1978年に全米を回ったときに、
最後にサンフランシスコに来て、
ギターを買った。

店は1853年創業のシャーマン・クレイ。
1980年代までには約60店舗に増えたが、
2013年に閉鎖した。

そこでオベーションを買った。
1111-1モデル。

はじめに手に入れたのは、
ヤマハの初心者用ギターだった。

今、家には3本のギターがある。
右がオベーション、
真ん中がギブソンJ100。
左がソリッドギターのギブソンレスポールモデル。
DSCN8523-1
ここにリトルマーチンLX1が加わる。

本当にうれしい。
45年半ぶりにアメリカでギターを買った。
45年分、若返った気がした。
IMG_4449 (002)
心からありがとう。

〈結城義晴〉

2024年05月14日(火曜日)

車中の最終講義「Innovation」と2024Basic Courseの終了

突然のように聞こえるかもしれないけれど、
帰国しました。

ラスベガスのハリーリード国際空港。IMG_4502 (002)

朝4時にホテルロビーに集合。
みんな、ちょっと酒臭い。

リムジンバスに乗り込んで、
いつもの最終講義。

外は真っ暗で、
バスの読書灯を点けて、
テキストを読む。

空港までの時間は15分ほど。
テーマはEpilogue2。
「イノベーション」

商人舎US研修に参加したら、
帰国してからやってもらいたいことがある。
それがイノベーションだ。
ドラッカーの1985年の著作。
『イノベーションと企業家精神』
今でも大いに役に立つ。

私はこの本で、
株式会社商人舎のコンセプトをつくった。
41aNJkrveeL._SY445_SX342_

イノベーションの定義。
「イノベーションとは、
人的、物的、社会的資源に対して、
新しい、より大きな富を
生む能力を与える仕事である」

新しくて、より大きな「富」が重要だ。

ドラッカーの言う「富」とは、
「利益」ではない。

英語で”wealth”。
いわば「幸せ」のようなもの。

イノベーションは、
顧客の幸せをつくる。
仲間の幸せを生み出す。
会社の幸せをもたらす。

だからイノベーションとは、
「顧客にとっての価値の創造である。
それは科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」

「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」
小売業や製造業、卸売業の現場の仕事こそ、
イノベーションが必要なのだ。

イノベーションの5つの原理。
第一は、機会を徹底して分析する。
第二は、自分の目と耳で確認する。
第三は、焦点を絞り、単純なものにする。
第四は、小さくスタートする。
第五は、最初からトップの座をねらう。

自分自身の目と耳で確認すること。
伝聞情報ではいけない。

そして焦点を絞って、
単純なところに目をつける。

そのうえで小さくスタートする。
イノベーションは大掛かりなものばかりではない。
小さく始めるところに、
イノベーションの神髄がある。

そして最初から会社にとって、店にとって、
一番重要な改革を行うという志をもつこと。

イノベーションには三つの「タブー」がある。
第一に〈凝りすぎ〉ること。
第二に〈散漫〉になること。
第三に〈未来のためだけに〉行われてしまうこと。
イノベーションは今のために行わなければならない

そしてイノベーションの三つの「成功条件」
第一にイノベーションは、
集中でなければならない。

第二にイノベーションは、
強みを基礎としなければならない。

第三にイノベーションは、
経済や社会を変えなければならない。

クレイトン・クリステンセン。
その『イノベーションのディレンマ』(1997年)
51Ngk5BJi1L._SX331_BO1204203200_

「イノベーションによって成功した企業ほど、
新たなイノベーションにチャレンジしなくなり、
その結果新たなイノベーションを
果たした企業によって淘汰されていく」

これは歴史の教訓だ。

だから破壊的イノベーションも必要だけれど、
持続的イノベーションも必須だ。

自分の強みを基礎として、
シンプルに小さく始め、
それに集中して、
やがて会社を大きく変える。

だからドラッカーは問題解決法を教える。
「最初にすべきことから始めよ」
 First thing first!

「一時に一つのことだけ実行せよ」
Do one thing at a time!

最後の最後は、
「自ら、変われ!」

自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
職場を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。

自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。

5日間のご清聴を感謝したい。

すぐにハリーリード空港に着く。IMG_4455 (002)

チェックインを済ませて、
上松磨代さんとお別れ。
キューティ上松。
ありがとう。
IMG_4498 (002)

飛び立つと砂漠が続く。
そして頂に雪を残した山肌。IMG_4458 (002)

50分ほどでロサンゼルス上空。
雲に覆われている。IMG_4459 (002)

その雲の下に大ロサンゼルス。IMG_4460 (003)

みっしりと住宅がつくられ、
幹線道路が張り巡らされている。
IMG_4461 (002)

空港に近づいた。
IMG_4462 (002)

ロスの生命線はモータリゼーションだ。IMG_4463 (002)

アメリカンエアライン。
IMG_4464 (002)

国際線に到着。
IMG_4466 (002)

佐藤公彦さんが的確に、
この後の行動を説明する。
IMG_4469 (002)

カリスマ佐藤の面目躍如。
こんなに簡潔にレクチャーできる添乗員は、
どこを探しても見つからない。
だから私の最良のパートナー。
IMG_4467 (002)

この国際線ターミナルで、
最後の買物をしたり、
軽い食事をしたり。IMG_4470 (002)

そして今回は不思議なことに、
国内線ゲートから日本に出発する。

連なって歩くと50人の列は長い。
そしてロス空港のいつもの事件?

搭乗ゲートが変更か?

みんなでモニターを見つめる。IMG_4500 (002)

国内線46ゲートから飛び立つと、
ロスは雲に覆われている。
IMG_4474 (002)

私は昨日のブログを書いて、
映画を3本見た。

12時間後に陸地が見えてきた。

房総半島だ。
IMG_4477 (002)

そしてその上空に富士の頂。IMG_4478 (002)

おお、すごい。
IMG_4479 (002)

こんな富士山、見たことがない。IMG_4482 (002)

何枚も、続けて、
スマホのシャッターをきった。IMG_4487 (002)

千葉県の市原市あたりへ近づいた。IMG_4489 (002)

そして無事、羽田空港にランディング。

このジェット機にお世話になった。
いつも思う。ありがとう。IMG_4493 (003)

かくて第12回商人舎US研修ベーシックコース。
大団円を迎えた。

ご愛読、心から感謝したい。
ありがとうございました。
(まだ明日に続く)

〈結城義晴〉

2024年05月13日(月曜日)

グループ商品調査結果発表&表彰と総括の「Loyal Customer論」

第12回商人舎US研修会Basic。

ラスベガス5日目の朝。
みんな、慣れてきて、
アメリカンライフを楽しみつつ、
よく学び、よく遊ぶ。

いつものように、
ホテル26階のミーティングルームに、
午前8時に集合。

今日は商品調査結果の発表日。

アメリカのチェーンストアを学びつつ、
実務としてグループで調査と研究を行う。
グループは異なる企業のメンバーを組み合わせる。

だから他社の人たちとの共同作業となる。
意見を交換し、討論もする。

それが商人舎Basicコースの特徴だ。

私が45年前にペガサスクラブのツアーで、
アメリカにやって来たときには、
全員が一人ひとり、調査し、分析し、
作表をして提出した。

私は「グラウンド・ミート」を調べて、
結構、いいグラフをつくって提出した。

優秀賞をとった。

しかし一人で調査する方式でなければ、
もっともっと店や売場を見たり、
考えたり、質問したりできたのにと思った。

そこで商人舎研修では、
チームで共同作業をすることにした。

実地棚卸し作業もペアで行うのが基本だ。
作業や仕事はペアで、あるいはグループで行う。
分業である。

それが人類が考え出した知恵である。
アダム・スミスが最初に発見した。

ペアで調べ、そのペアが2組や3組となって、
グループをつくるならば、
調査時間は大幅に短縮できる。

さらにディスカッションすることで、
分析の中身は何倍にも深まる。
それぞれが他の意見を聞いて、
自分の見解を表明する。

そして、より良い解答を求める。

それが成長につながる。

商人社Basicの調査のやり方と目的だ。

今回は8班に分かれて、
2日目と3日目の視察店舗で、
アイテムごとの商品の価格と、
フェース数、あるいは陳列数を調べた。

ウォルマートスーパーセンター、
ウォルマートネイバーフッドマーケット、
ターゲット。
スミスマーケットプレイス、
ボンズ、
ホールフーズ、
トレーダー・ジョー、
スプラウツファーマーズマーケット、
ウィンコフーズ。

それをPF(プライス・フェーシング)グラフにして、
各社の商品戦略を分析・発表する。IMG_5887

スクリーンに映し出されたPFグラフを示しながら、
考察結果を発表する。IMG_5889

ほかの団員からの質問が飛ぶ。
私も質問したり、補足・訂正したりする。IMG_5893

こちらのチームは、
おそろいのT シャツ姿で登場。IMG_5897
プレゼンテーションも審査対象となる。
息の合った発表内容だった。

ノンフードの調査をしたチーム。
バスティッシュの発表。IMG_5916

団員も積極的に質問する。IMG_5918

質疑応答のやり取りを聞いて、
自分たちの分析と比較する。IMG_5904

スマホでデータを作成したチーム。IMG_5920

ミートカテゴリーで、
各社のひき肉の品揃えを調べた。
大作の発表だった。
45年前の私の調査と同じだった。

パワーポイントでカラフルなグラフとなった。
IMG_5924

品揃えと価格の調査結果だけでは、
分析はできない。

同時にチェーンごとの政策を知ることで、
調査結果に肉付けすることができる。
そしてポジショニング競争の段階になると、
この分析結果は鮮明な違いを見せる。IMG_5931

説明する人とポインターを示す人。
コンビネーションも良い。
IMG_5934

発表を聞く側も真剣だ。
IMG_5930

それぞれのチームが工夫をして、
自分たちの成果を表明する。IMG_5940

8班はスーパーマーケットの部門で分けられる。

⑴青果
⑵精肉
⑶乳製品
⑷冷凍食品
⑸デリ・惣菜
⑹ベーカリー
⑺グロサリー
⑻日用品雑貨

段々慣れてくると、
質問や意見が多くなってきた。 IMG_5943

パワポを使ったチームが3つあった。
来年あたりには全チームが挑戦してほしいものだ。
IMG_5945

8チームがそれぞれに考察した内容は、
とてもよかった。

そして企業ごとのグラフの形が、
部門が違っていても似通っていた。

つまり商品ラインの統一が見られた。
さすがにアメリカの優良企業だ。

そしてポジショニング戦略の売場づくりが、
本当によく理解できる。

発表が終わると15分の休憩。

その間に私を含めた事務局が厳正な審査を行って、
いよいよ優秀チームを発表。
IMG_4383 (002)

緊張感と期待の瞬間がやってくる。
IMG_4384 (002)

亀谷しづえ商人舎ゼネラルマネジャー。
IMG_4385 (002)

いよいよ発表。
IMG_4386 (002)

はじめに敢闘賞。
グロサリーを担当したA班は、
メープルシロップを調査した。
IMG_5948

3位は乳製品担当のG班。
アーモンドミルクを調査して、
パワーポイントで的確にプレゼンした。IMG_5950

賞品はトレーダー・ジョーのPB。
日焼け止めスプレー。IMG_5953

2位は精肉担当のD班。
牛肉ミンチを調べた。

賞品は結城義晴の著書。
『チェーンストア-商業ビジョン』と、
『コロナは時間を早める』IMG_5955

そして1位はノンフード担当。
バスティッシュ・メガサイズを調査して、
米国チェーンストアの商品政策を整理した。IMG_5963

商品は月刊商人舎1年分の購読権。
IMG_5960

それから理解度判定テストの結果発表。
100点満点の優秀者が5人出た。IMG_5966

今回は全体にテストの結果が良かった。
90点以上の人が多かった。
私は嬉しかった。

その優秀者5名。
本当におめでとう。IMG_5973

表彰が終わると、最後の講義。IMG_5974

チェーンストア理論に関して、
一番大切なエッセンス。
それから最後は、
ロイヤルカスタマー論。IMG_5977
私自身、感動しつつ、
最後の講義を終わらせた。

ロイヤルカスタマーを増やす。
それが日々の仕事であり、
最大の成果をもたらす戦略である。

ご清聴を感謝して、
総括講義を終わった。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年05月12日(日曜日)

Las Vegas「テスト&講義」と新しいSC巡りの「おまんまうまいよ」

商人舎US研修Basic。
4日目の佳境に入った。

マザーズデーの日。

今朝は8時から理解度判定テスト。
IMG_5759

結城義晴の講義から、3つの設問。
IMG_5760

いずれも記述式で、
講義で学んだこと、
アメリカの視察を通じて理解したことを、
自分自身の言葉で回答する。
IMG_5762

このテストのために、
団員たちはそれぞれ、
講義テキストを読み返して復習していた。
IMG_5764

大事なことは、点数ではない。
学んだことの理解度を自ら、
知るためのテストだ。
IMG_5768

だから、結果は本人だけに返す。
理解の足りなかったことを改めて、
復習してほしいと思う。

テストのあとは、結城義晴の講義。
IMG_5770

まずテストの回答の解説。IMG_5774

それから商品問題の講義。
コモディティ化現象と、
プライベートブランド。
そしてオーガニックマーチャンダイジング。IMG_5780

プライベートブランドにも、
それらが登場してきた理由と、
分類と定石がある。
それを知らねばならない。IMG_5786

2時間15分。

そのあと団員たちは、
商品・価格調査のまとめをする。
IMG_5797

団員たちは8チームに分かれて、
2日間、視察店舗で対象商品の
価格とフェイス数を調べた。
IMG_5794

それをPF(プライスフェイシング)グラフに起こし、
各社の商品戦略を議論して分析する。
IMG_5789

明日はその発表が行われる。
その分析を事務局が評価して、
優秀チームを表彰する。
IMG_5792

テスト、講義、商品調査まとめで、
午前中は終了。

午後は最後の店舗視察だ。
今日は最新のショッピングセンター2施設を回る。

1施設目はダウンタウン・サマリン。
IMG_5812

ライフスタイルセンターとパワーセンターが、
コンバインされた商業施設だ。

ライフセンターの核店舗は2つの百貨店。
全米第1の百貨店メイシーズ。
IMG_5815

そして地方百貨店のディラード。
IMG_4350 (002)

ほとんどの百貨店がメイシーズに買収された。
その中で残ったのがこの会社。IMG_4351 (002)

百貨店としての特徴はない。
けれど何とか生き残った。
IMG_4352 (002)

今日は土曜日ということもあって、
フリーマーケットが開かれていた。
IMG_5813

ランチは、
シェイクシャック。
ニューヨーク発祥のグルメバーガー。
ライフスタイルセンターの北のはずれにある。
IMG_5809

一人ずつ自分でオーダーする。
端末でオーダーすることも勉強になる。
IMG_5799

私はシュルームバーガーをオーダー。
IMG_5804
マッシュルーム入ったバーガーだ。

団員から咳止め薬をもらった。
出発前に風邪をこじらせた。
そのせいで声を張り上げて講義すると、
咳が出る。
それを見かねて漢方薬をくれた。
IMG_5806
ありがとう。

ライフスタイルセンターの街並みを歩く。

ビクトリアシークレットとピンク。
そしてバス&ボディ・ワークス。
IMG_4348 (002)
かつてのリミテッドの3つのフォーマット。

ライフスタイルセンターを抜けると、
パワーセンターがある。
その南端にあるのが、
トレーダー・ジョー。
IMG_4367 (002)

1万平方フィートの小型店。
品揃えは約3000SKU。
IMG_5817
商品は100%本部供給、
しかし売場づくりは店舗に任される。

この店は花売場のあとに精肉売場が出てくる。
IMG_4355 (002)

青果はそのあとだ。

マザーズデイの前日。
IMG_5842

店は花を買いに来た人たちで大混雑。IMG_5825

屋外花売場もつくった。
今日1日で500ケースを売る。
IMG_5856

そんな多忙のなか、店内ツアーをしてくれた。
IMG_5827

さすがに300坪ほどの狭い店内。
団員たちは3グループに分かれて
時間差で店内を巡る。
IMG_5829

スタッフたちの自信にあふれた説明。
IMG_5845

トレーダー・ジョーが唯一無二の存在であることに、
誇りを持っていることがわかる。IMG_5834

皆、真剣に聞き、メモを取る。
IMG_5854

ツアーが終わって、店外で質疑応答。
IMG_5836

団員たちからは次々に質問が飛んだ。
それらに対して丁寧に答えてくれた。
IMG_5838

ニューアイテムの菓子の試食まで用意してくれた。
疲れた体に甘い菓子はおいしかった。

IMG_5860

記念撮影のため、
ベストポジションまで移動。
IMG_5867

全員でポーズ。
IMG_5865

ノリノリのギャリーさんと、
ツーショット。
奥さんは日本人で、
片言の日本語で接してくれた。IMG_5869

それからアウトレットセンターへ。
ラスベガス・プレミアムアウトレット。
IMG_4378 (002)

青い空にオープンエアーのモール。IMG_4379 (002)

土曜日の今日は顧客も多い。IMG_4377 (002)

店舗が業態からフォーマットに変わったように、
ショッピングセンターも古典的な4つの分類から、
新しい4つの分類に移行している。
そのなかの3つを最後の最後に訪れた。

ホテルに戻ってから、
夕食はオリジナル料理。
ベッドフォード 、
バイ マーサ・スチュワート。
元祖カリスマ主婦の店。

最初に出るパンが面白いし、じつに美味しい。IMG_5871

クラブケーキとオイスター焼き。IMG_5874

焼きアスパラガスとサーモン焼き、
ローストチキン、そしてホタテのリゾット。IMG_5877
すべての料理が、
ユニークで美味かった。

ビールはIPA、
ワインはジンファンデル。

こちらも美味。

今夜は日穀製粉㈱のお二人とご一緒。
柳澤賢次さんと丸山祐紀さん。IMG_5886

講義をして、視察研修をして、
それから美味しいディナー。

平櫛田中の言葉を思い出した。
「きょうもおしごと
おまんまうまいよ」

〈結城義晴〉

2024年05月11日(土曜日)

商人舎Basic研修のチェーンストア3.0と「Positioning戦略」

商人舎US研修Basicコース。 

ラスベガスに来て3日目。
いつものように朝8時から結城義晴の講義。

ホースシューホテルの最上階、
26階にあるミーティングルームが会場。
IMG_5549

今日もさわやかな快晴。
ラスベガスにしては気温は30度以下で、
快適な視察日和が続いている。IMG_5553

朝8時から10時半までの講義。
休憩なしで、一気に話す。IMG_5540

今日はこのセミナーの中心テーマの講義だ。
私の持論の業態からフォーマットへの考え方、
チェーンストア2.0とチェーンストア3.0、
そしてポジショニング戦略の内容を、
見てきたばかりのアメリカの事例を引き合いに出しつつ、
熱を入れて、丁寧に講義した。IMG_5544

ウォルマートスーパーセンターの、
コンバインの中身は、
図を書いて説明する。
スーパーセンターこそ、
歴史的なフォーマット開発だった。
IMG_5562

かつてのチェーンストアは、
店数と売上高、適正規模と、
標準化された品揃えで、
わかりやすかった。

しかし、チェーンストア3.0では、
フォーマットやポジショニングという、
概念的な理解が必須となる。
アメリカの店を見て、そのうえで説明を聞くと、
格段に理解は進む。IMG_5546
一気呵成の講義が終わると、
疲れ切ってしまう。

それでもよく理解してもらった。
ご清聴を感謝したい。

3日目の最初の視察は、
ホールフーズ。
IMG_5567

ストリップの近くにある、
タウンスクエア・ラスベガスの核店舗だ。

このショッピングセンターは、
新しいライフスタイルセンター。
IMG_5605

街並みを再現している。
IMG_5609

物販だけでなく憩いの施設もある。
IMG_5610

遊具のある子どもの遊び場。
IMG_5612

芝生の公園。
IMG_5611

アップルストア。
ここはいつもお客でにぎわっている。
IMG_5613

ホールフーズでは、
2班に分かれて、
店内ツアーをしてもらった。

各部門の担当者が説明してくれて、
キューティ上松が通訳。
今回は、小型マイクを使った。
IMG_5569

青果部門では商品調達に関して、
重要な考え方を教えてくれた。
IMG_4235 (002)

ミート&シーフード部門。
「Animal Welfare」や水産物の「MSC」の取り組みを、
きちんと説明してくれた。
IMG_5575

デアリー部門ではプライベートブランドの
「365」の丁寧な紹介。
IMG_5581

インストアベーカリー部門。
ホールフーズではケーキやクッキーを強化している。IMG_5568

ホールフーズでは、
チーズとチョコレートと、
ワイン・ビールを一つにくくって、
「スペシャルティ部門」と呼んでいる。

全員が用意したペーパーを見ながら、
一所懸命に説明してくれた。
IMG_4233 (002)

ここでは「チーズの王様」と彼らが自慢する、
パルミジャーノ・レッジャーノを試食。IMG_5587

デリ・惣菜は「プレップ部門」と呼ばれる。
対面デリとスープ&ホットデリバーを担当する。IMG_5601

対面コーナーで提供している
ピザを試食。熱々で美味。IMG_5589

「ホールボディ」と言われるHBC部門。
IMG_5614
バスボールの商品をもらって、
団員は大満足。

最後にQ&A。
1斑目はレンゴー㈱の勝村佳代さんが質問。IMG_5593

ランチはホールフーズのデリ。
デリ部門に併殺された、
美しいイートインコーナー。
IMG_5641

団員たちもオーガニックデリを味わう。IMG_5643

ホールフーズは
オーガニックスーパーマーケットとして、
さまざまな基準を設けている。
IMG_5616

店内ツアーを通じて、
ホールフーズの理念やマーチャンダイジングを学んだ。
IMG_5618

次に向かったのは、
ウォルマートのスーパーマーケット。
ネイバーフッドマーケット。
ディスカウント型フード&ドラッグ店舗。IMG_5649

青果売場の平台は単品量販。IMG_4267

店内ではピッキングするスタッフが多い。
このスーパーマーケットは、
ネットスーパーのデポの機能を果たす。
IMG_4266

ウォルマートのネット販売は、
コロナ禍の最中に急伸した。
IMG_4269

団員たちは今日も商品調査。
ミート担当グループは、
ミンチを調べている。
IMG_4249 (002)

ノンフード担当グループ。
IMG_4248

加工食品担当グループ。
IMG_5656

ベーカリー担当グループ。IMG_5654

今週末の日曜日は「マザーズデイ」。
ネイバーフッドマーケットでは、
青果導入部とレジ前で花を展開。IMG_5658

チェックスタンドは完全セルフに変えた。
その人員をピックアップに回した。
IMG_4260 (002)

ターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルを展開する。
この店はディスカウントストア業態。
IMG_4319

入口ではマザーズデイ向けの花。IMG_5673

生鮮は必需に絞った展開。IMG_5698

ベーカリーの品揃えも限定的だ。IMG_5700

それでも加工食品や冷凍食品は、
ウォルマートとは違ったテーストを出す。IMG_5699

アパレルはターゲットの強みだ。IMG_5706

マネキンとパネルを多用して、
訴求力のある売場づくりをする。
これはウォルマートとは全然違う。
IMG_5685

マタニティのコーナー。
リアルなマネキンが実にいい。
IMG_5690

家電売場もハイセンスなイメージ。
IMG_5682

ウォルマートが青を基調にした店づくりなら、
ターゲットは赤を全面的に強調する。

ウォルマートがスケルトンなら、
ターゲットは天井を貼る。
ウォルマートがコンクリートの床なら、
ターゲットはPタイルを敷く。IMG_5707
その違いがポジショニングの差異を演出する。
だから一度でも、
ウォルマートとターゲットの違いを体験したら、
間違える者はいない。

視察の最後は、
トレーダー・ジョー。IMG_5741

マザーズデイのブーケ。IMG_5742

コーン1本69セント。
安くて楽しいプレゼンテーションだ。IMG_5745

新商品のエンド。
IMG_E3999

手書きボードは各店専属のアーティストが作成する。IMG_5748

簡易型だが、デモンストレーションコーナーも復活。
IMG_5747

顧客とのコミュニケーションは、
トレーダー・ジョーの特徴であり、
強みであり、生命線を握るものだ。

おまけは、同じ商業施設内にあった、
シーフードシティ・マーケット。
フィリピン系のスーパーマーケット。
IMG_5710

名前の通りに鮮魚をフューチャーした店だ。IMG_5720

しかしゾーニングもレイアウトも、
定石に沿っていない。IMG_5729

それでも一定の顧客がいる。
多民族国家アメリカ。
スーパーマーケットにもニッチな店がある。
しかし原則を外したら、
絶対に長続きしない。
IMG_5735
今日も一日が充実して終わった。

夕食は中華にした。
そのためにホテル「パリス」を抜ける。IMG_4337 (002)

さらに「ベラージオ」の噴水ショー。IMG_4339 (002)
新しい概念を理解し、納得するためには、
先行事例を学ぶのがいい。

チェーンストアの場合、
それはアメリカにある。

アメリカに感謝したくなる。
ありがとう。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年05月10日(金曜日)

商人舎5月号発刊とBasic in Las Vegas2日目の店舗観察・調査

月刊商人舎5月号、本日発刊!202405_coverpage-448x635

警告特集
最高益の「塞翁が馬」
絶好調決算の直後に待ち受けるもの

[CoverMessage(表紙の言葉)]
絶好調の本決算である。次々に過去最高益、増収増益が報告される。とくに食品を主体とするスーパーマーケット、そしてそれを主力とする総合スーパー。コンビニは伸び切った観があるものの、これも好調。しかし全体を見ると、そのベースにあるのは食品の値上げ効果である。1品単価がアップして、客数が減るという、危険な兆候が見えるチェーンもある。そしてこの「円安」。そろそろアベノミクスも正しく評価しなければならない時が来た。浮かれてはいられない。1ドル160円のラインまで浮上して、これには何の光明も見えない。深刻さは底なし沼のようだ。消費者の「節約意識」はますます強くなる。禁欲円購買がごくごく当たり前のものとなる。「円安不況」である。「人間万事塞翁が馬」。禍福は転々とする。良いことが起こると、それが原因となって、ひどく悪いことが起こる。今、まさにそのときだ。経営者は、店長は、リーダーは、何を、どう考え、どう行動するか。警告を発しつつ、提言しよう――。

[Contents(目次)]
202405_contents-448x600

結城義晴、島田陽介、林廣美。
三人の期待を込めた警告。

受け止めてほしい。

それから、
[特別企画]
ベイシアのベールを剥ぐ!?
不思議なチェーンストアだ。ユニークな会社である。群れない企業。わが道を行く戦略。非上場企業である。その経営実態はベールに包まれている。にもかかわらず、存在感がある。通常ならば、埋没してしまう。しかし㈱ベイシアは業界から、競争相手から、ずっと意識されてきた。グループの㈱カインズは日本一のホームセンターとして躍進を続け、㈱ワークマンはユニクロを凌ぐほどの突出した成長を見せた。本誌はベイシアそのものにも、注目してきた。今回、二人の本部長がインタビューに応じてくれた。その発言をもとに少しだけベールの内側を覗いてみよう。
202405_beisia-zadankai_oosawa202405_beisia-zadankai_oota

真夏の営業企画
円安不況に全社・全店・全部門を結集しよう
円安によるインフレや生活コストアップが家計を圧迫している。今春の賃上げラッシュを超える生活費高騰——。消費者全般の生活不安心理は高まるばかりだ。最大の商機である夏季商戦にチェーンストアはいかに営業企画を組み立てるか。いかに実行するか。その基本的な考えを提案しよう。
202405_eigyo-kikaku-768x384

[新店の注目点]
「そよら横浜高田」の期待値
202405_soyora-1
ご愛読をお願いします。

さて、
商人舎Basic in Las Vegas。
2日目の朝。

砂漠の街に朝日が昇る。
IMG_4042

今日から毎日、
午前中は結城義晴の講義。
その第1回。

26階にある会議室。IMG_5359

このベーシック編の主旨からはじめて、
アメリカの経済と社会、小売業の基礎データ、
そして小売業界の趨勢など、
鳥の目と魚の目で講義する。IMG_5365

さらにウォルマートについては、
とくに丁寧にその思想から営業の考え方まで。
EDLPやロールバック、
さらにアプリ開発の10の機能など、
最新情報をわかりやすく説明する。IMG_5370

最後はすでに訪れた企業と、
今日訪問する企業。

会社の全体像を講義で話し、
そのうえで店を訪れる。IMG_5371
10時半まで2時間半の講義。
いつも脱線してしまうが、
それが面白い。

講義が終わると、
専用バスで2日目の視察に向かう。

スミス・マーケット・プレース。
IMG_5376

ウォルマート対策のための、
非食品強化型の店舗。

入口の花卉売場は本当に素晴らしい。
IMG_5379

素晴らしいプレゼンテーション。
IMG_4047 (002)

導入部は広い広い青果売場。
これならばウォルマートと戦える。
IMG_4048 (002)

デリカテッセンの核売場。IMG_5385

ここ「ボアーズヘッド」が導入されている。
訳せば「イノシシの頭亭」。

1905年創業のミートデリとチーズの専門ブランドで、
クローガーやパブリックス、さらにスプラウツなどの、
有力スーパーマーケットが導入している。
IMG_4061 (002)

シーフードとミートの対面売場。
スミスは対面売場を重視している。
IMG_5387

非食品は、家庭用品からアウトドアグッズ、
アパレルまでを強化。
IMG_5407

ベビー・子ども服ブランドの「カーターズ」も展開する。
IMG_5410

ここでランチ。

ピザにした。
この大きな1品が10ドル。
IMG_4054 (002)

それを対面売場の店員さんに渡す。
IMG_4055 (002)

そして焼いてもらう。IMG_4056 (002)

焼きたてのピザができ上がる。
それにモッツァレラチーズサラダ、
フライドチキン、コーンなどを加えた。
豪勢なランチだ。

現地在住のキューティー上松といただく。
IMG_5381

皆がこのフードコートで食事。
IMG_4067 (002)

班ごとの調査の結果を議論しながらのランチだ。
IMG_4066 (002)

次に向かったのは、
ボンズ。
セーフウェイ傘下から、
アルバートソン傘下へ。
ロサンゼルスとネバダのチェーン。
IMG_4103 (002)

ここも入口の花売場には力を入れる。
IMG_4079 (002)

しかし極端に客数が少ない。IMG_4081 (002)

ミート&シーフードの対面売場。
スミスに負けないように設けているが、
客数が少ないのでうまく機能していない。
IMG_4086 (002)

その客数が少ない理由の一つが、
このクラブメンバーへのディスカウント価格。
7.99ドルと表示されているが、
レギュラー価格は8.49ドル。
IMG_4090
つまりは二重価格になっている。
それが顧客の信頼を損ねている。

店舗奥主通路沿いに、
ファーマシーがある。
調剤薬局。
IMG_4091 (002)

冷凍食品のアイルには顧客が一人もいない。
床はピカピカだけれど。
IMG_4097 (002)

ピックアップサービスもしていて、
駐車場も設けられているが、
その発注は来ないのだろう、
店内でピッキング作業をしている従業員は、
一人もいなかった。IMG_4101 (002)

ウォルマート・スーパーセンター。
 今日もやってきました。IMG_4111 (002)

入口のスイカ売場。
1個4.68ドル。安い。
IMG_4112 (002)

楽しい演出の青果部門。IMG_4115 (002)

デリは対面売場だ。
エブリデ—ローコストだが、
必要な部署には人を割く。IMG_4118 (002)

そして驚くほど多くのピックアップ作業が行われている。IMG_4123 (002)

ミート売場の平ケースの間の島陳列。
両サイドがバンズ、
そして真ん中右がケチャップ、
左がマスタード。
平台にはソーセージが販売されていて、
ホットドックができ上がる。IMG_4140 (002)

主通路沿いには、
アメリカ国旗を模したプレゼンテーション。
IMG_4141 (002)
ウォルマートは安いだけではない。
楽しい売場づくりがその真骨頂なのだ。

スプラウツファーマーズマーケット。
ナチュラル&オーガニックのスーパーマーケット。
IMG_5430

団員たちはバスから降りると、
すぐにファサードを撮影する。
記録のためだが、結構目立つ。

そして50人ほどが、
400坪ほどの店内に入って、撮影する。
すかさずスプラウツの店長がやってきて、
「No Photo!」
IMG_5426

店の入口から奥までが見通せる。
奥壁面には農場の絵が描かれている。IMG_4160

その前面のチェックスタンドまでは、
バルクフードの売場。IMG_4162 (002)

隣接しているのが、
トータルワイン。
ワインとリカーの専門大店。
IMG_5436

27州に230店ほどを出店している。IMG_5431

ウィンコフーズ。
倉庫型のディスカウント・スーパーマーケット。
スーパーウェアハウスストアと呼ぶ。IMG_5484

導入部はウォール・オブ・バリュー。
「価値ある壁」。
巨大なラックに陳列された超特売商品の売場。IMG_5440

このウォールを抜けると、
広大な生鮮売場が現れる。

クレートや箱陳列でローコストの運営。
IMG_5445

ミート売場は対面とセルフ。
シーフードも充実している。IMG_5455

デアリー(乳製品)やフローズンは、
すべてリーチインケース。IMG_5458

団員たちは各社の価格戦略を分析するために、
真剣に商品を調査する。IMG_5461
従業員持ち株制度を導入する。
2万人のアソシエーツが、
自分の会社の株をもって、
モチベーション高いオペレーションを見せる。

ホールフーズ。
郊外の住宅地のショッピングセンターの核店舗。IMG_5486

毎年訪問している店だが、
内装を変えた。

そして残念なことだが、
青果のボリューム感がなくなった。 IMG_5489

それでも高いレベルで管理された、
美しい店であることは間違いない。

石鹸コーナーでお土産を検討する団員。
IMG_5491

私も匂いを嗅いでみる。
IMG_5492

団員たちの商品調査は、
ホールフーズでは真剣さが増す。
IMG_5501

ホールフーズは、
ロングテールの品揃えだからだ。IMG_5506
ホールフーズのこの店の退潮ぶりには、
ちょっと驚いた。

いったんホテルに向かって荷物を下ろし、
最後はイータリー。

2018年12月にオープン。IMG_5530

みんなの目が輝く。
IMG_5511

イータリーは、
イート(EAT)とイタリー(ITALY) を合わせた店名。
イタリアの産物産品・料理を、
「学び、食べ、買う」がコンセプト。

創業者のオスカー・ファリネッティは、
市場であって、食堂であって、
なおかつ学校のような店をつくろうと考えた。

ラスベガス店は、開業当初に比べると、
リニューアルされて食べる機能が強化された。
IMG_5513
の分、学ぶ機能が弱体化した。
これは問題だと思う。

それでも団員たちはそれぞれに、
イータリーを楽しんだ。

ラスベガス2日目は、
講義から始まって、
店舗の観察や調査に全力を挙げた。

充実した1日を過ごして、
私も団員もみんな満足した。
(つづきます)

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2024年5月
« 4月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.