結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月06日(土曜日)

リオ五輪開会式と広島平和記念式とコモディティ化現象

リオデジャネイロ・オリンピック。
始まった。DSCN7717-6

開会式のショーは、もう恒例となったが、
その国の歴史などを学ぶことができる。

南アメリカの新大陸に、
ヨーロッパ人が押し寄せる。
荒海を乗り越えて、
ポルトガル人が、
ブラジルにやってくる。DSCN7720-6

そして国をつくる。

その労働力として、
アフリカから奴隷を連れてくる。DSCN7726-6
南アメリカでの奴隷制は、
400年も続いた。

それから日本人もやってきた。DSCN7729-6

日系移民はブラジルの産業づくりに貢献した。DSCN7731-6

このショーで、
次のオリンピックの国、
日本が紹介されているとき、
その日本の広島では、
第71回目の「原爆の日」を迎え、
式典が開かれていた。

広島平和記念公園。
「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」
約5万人が参集。

世界から91カ国と、
欧州連合代表部も参列。

今年の5月、オバマ米国大統領が、
はじめて広島を訪れた。
「核保有国は核兵器のない世界を
追求する勇気を持たなければならない」

松井一実広島市長は、
平和宣言を読み上げたうえで語った。
「核兵器廃絶に向け力を尽くす」

安倍晋三首相も、
「唯一の戦争被爆国として
非核三原則を堅持しつつ、
核拡散防止条約体制の維持
および強化の重要性を訴えていく」

午前8時15分、原爆投下時刻に、
平和の鐘が鳴って、黙とう。

そのとき、リオ五輪開会式では、
ショーの日本移民の部分が、
クライマックスを迎えた。DSCN7735-6
この演出は素晴らしかった。

そしてリオの大都市化。DSCN7737-6

人口が増える。
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リオデジャネイロの街の夜景を紹介。DSCN7739-6

そして最後はダンス、ダンス、ダンス。DSCN7747-6

リオのカーニバル。
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花火、花火。
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世界中の人々が、
花火の美しさに魅了された。
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そして開会式のハイライト。
選手団入場式。

まず、オリンピック発祥の地ギリシャ。
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104番目が日本。

ただし、今回も、
その選手団のユニフォームは、
いただけなかった。

全員、浴衣、というのはどうだろう。
リオのカーニバルにひっかけて、
阿波踊りスタイルなんてアイデアもあったと思う。

ユニフォームはポジショニング競争。
自分らしさを出して、しかも、
とんがっていなければいけない。
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政治家・橋本聖子が先頭に立っていたが、
これも感心できなかった。

旗手は陸上十種競技の右代啓祐。
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最後の入場は、
ブラジル選手団。
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いつもこの入場行進を見ていて思う。
世界にはこんなにたくさんの国がある。
そしてそれぞれに生活を営み、
それぞれの産業と経済をもっている。
その経済は一様に、
グローバル化に向かっている。

それでいいのだろうか、と。

ふたたび花火。
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すばらしい開会式だった。
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ブラジルも南米も、
このオリンピックを契機に、
健全に、自分らしく発展してほしいと、
本当に思った。
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8月21日まで、
各競技が展開される。
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選ばれたアスリートたち。
だから「選手」というのだろうが、
その健闘を期待しよう。

さて、日経新聞「ビジネスTODAY」欄。

「化学、リストラ第2幕」
サブタイトルが重要だ。
「速まるコモディティー化」

三菱ケミカルホールディングス。
中国とインドで、
合成繊維原料PTA事業からの撤退を発表。
小酒井健吉・最高財務責任者の発言。
「ビジネスモデルががらりと変わってしまった」

PTAはかつて三菱ケミの稼ぎ頭。
11年3月期の売上高は2500億円、
5~10%の営業利益率。

しかし状況は5年で一変。
11年段階の利幅は1トンあたり200ドル超。
しかし、中国企業が相次ぎ参入。
利幅は70ドルに縮小。
採算ラインの120ドルを大幅に下回る。

しかし中国大手企業幹部の一言。
「まだまだ投資を続けますよ」

世界の生産能力は、
需要より5割近くの過剰状態。
なのに衰えを知らない中国勢。

5年前は日本や欧米メーカーが上位を占めた。
しかしいまは1位・2位が中国企業だ。

日本の化学工業の大手企業は、
2010年ごろからリストラに着手した。

三菱ケミ、住友化学、旭化成が、
エチレン設備を停止して高機能素材へシフト。

これがリストラ第1幕。

「いまや高機能素材にも
コモディティ化が押し寄せる」

住友化学も高機能素材のリストラに着手。
「世界中で増産が進み、
1社で踏ん張っても難しくなる」

韓国LG化学も積極投資を始めた。

「目線はさらに高収益が見込める素材へ向く」

しかし高収益商材は、
中韓勢が追い上げに動く。

「付加価値を高めるスピードを上げていかないと
コモディティ化のワナは逃れられない」

日経新聞は今日の言葉で、
「コモディティ化」を定義する。

「製品の機能や品質で
他社と区別ができなくなると
価格だけの競争に陥る」

「この状況を脱するために
高付加価値商品へシフトしても
新興国企業の追い上げを受け
再び価格競争に巻き込まれる。
これが果てしなく繰り返されることが
コモディティー化のワナ」

「新興国は経済成長を続けるために
高機能品に力を入れており、
コモディティー化のスピードが速まっている」

私が問題意識のひとつはいつも、
「コモディティ化現象」にある。

それがケミカルの世界で、
どんどん進む。

食品でも日用雑貨でも、
衣料品でも進む。

しかしこのコモディティ化現象は、
世界中を見渡すと、
生活の向上を意味する。

製品が低価になり、
世界中のすみずみに供給される。

飢餓や貧困は、
コモディティ商品によって、
救われる。

一方、それを提供する企業は、
低収益に陥り、企業統合が進む。

ただしコモディティ化は、
実に平和を意味している。

核廃絶を断行し、
それを飢餓と貧困への対策に向ける。

リオ五輪と広島平和祈念と、
コモディティ化現象から、
そんなことを思った。

〈結城義晴〉

2016年08月05日(金曜日)

「一番困っているところに、イノベーションは眠っている」

第31回オリンピック競技会。
南米大陸初のリオデジャネイロ五輪。

今日8月5日に開幕して、
21日に閉幕。

日本とはちょうど12時間の時差だから、
昼夜正反対となる。

開会式は日本時間の明朝6時。

ニューヨークが13時間差だから、
ちょっと意外だが、
リオはそれよりも東にある。

アメリカ大陸が北から南に向かって、
傾いているからだ。

大会開催前からなんだかんだ、
不安材料が報じられているが、
始まってしまえば何とかなるし、
世界中から注目されつつ、
熱狂が巻き起こるに違いない。

私はこの面で楽観的だ。

サッカー男子は、
開会式前に試合が組まれて、
ジャパンはナイジェリアに、
5対4で惜敗というか、完敗。

前途多難のスタート。

それでも17日間、
競技者自身はもとより、
現地での応援者たちも、
日本でのテレビ観戦者たちも、
最高の精神と肉体、
最高の技術とパフォーマンスを、
存分に堪能することができるだろう。

古代オリンピックが、
大会期間およびそれに先立つ移動期間を、
休戦としたように、
この期間だけでも、
世界中から戦争、戦闘とテロを、
止めることはできないものか。

今日は、商人舎スタッフそろって、
暑気払いの打ち上げ。
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横浜駅東口のベイ・クォーター。

Le Bar a Vin 52。
ル・バーラ・ヴァン・サンカン ドゥ。
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成城石井のワインバー。

スパークリングワインから始めた。DSCN7701-6
生ハムとチーズ。

もう1本スパークリング。
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編集スタッフ鈴木綾子。

そして白ワイン、赤ワインに、
ラム・サーロイン、ムール貝、
ズワイガニのパスタなどなど。

月刊商人舎7月号は万代スタディ。
8月号も責了して、よく働いた。

「自分がやる」という気分が、
横溢していた。

だからみんな、満足。
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もう一枚、満足の写真。
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さて、朝日新聞一面『折々のことば』
一番困っている産地にこそ、
いままでにはないなにかが
眠っているはずなんです。〈松下弘〉

「コム・デ・ギャルソン」の布地を、
一手に任されたテキスタイルデザイナー。
それが故松下弘さんとその会社・織物研究舎。
「アバンギャルドな生地職人」の発言は、
1994年11月号の『広告批評』に掲載。

しかし松下は、コムデとヨウジヤマモトの、
両者のテキスタイルを担当して、
双方の緊張感を演出してもいた。

コム・デ・ギャルソンは、1969年、
伝説のデザイナー川久保玲さんが、
26歳で立ち上げたブランド。

“Comme des Garçons”。
直訳は「少年のように」だが、
真意は「少年の持つ冒険心」

川久保さんは慶応義塾大学文学部を出て、
旭化成に入社、宣伝部に配属。
しかし3年で退職し、
フリーランスのスタイリストとなる。

その後、スタイリストとして、
どうしても必要だと感じる洋服が、
どこを探しても見つからなかった。
そこで仕方なく、
自分自身の手で洋服をつくった。

以来、ケースバイケースで服づくりを始めた。
スタイリストの役目から、
デザイナー・パタンナー・縫製・仕上げまで、
全部、自分自身で手掛ける。

1973年、30歳で、
㈱コムデギャルソン設立。
現在も代表取締役兼デザイナー。

2016年5月期決算で、
売上高約200億円、
従業員数600名。

その川久保さんの要求にこたえた松下弘。
「売れている産地からは
新しいものは生まれない。
これまでなかったような何かをと
話をもちかけても見向きもされない。
苦しんでいる産地、
弱りきっている産地 だと、
少々むちゃな提案にも、技を生かし、
工夫を重ねて協力してくれる」

製品・商品、素材・原材料から、
ものの考え方、ノウハウ、
さらに人材や組織まで、
一番困っているところに、
イノベーションは眠っている。

糸井重里の『ほぼ日』
巻頭の「今日のダーリン」

「前橋ビジョン発表会」なるイベントに出て、
糸井さんが興奮している。

日本のほとんどの地方都市。

どこの土地に行っても、
「東京やら大阪やらにはない
水と緑の美しい町だ」と、
同じように自慢している。

つまり、それは、
その土地ならではの魅力がない、
ということでもある。

糸井は嘆く。
どこの地方に行っても、
その土地の名産品を
ジャムにしたりしている。

それをジャムにして
「第六次産業化」とか言っても、
食べる人にとっての
魅力あるものとはかぎらない。

「うちのイチゴがいちばんうまい」
どこでもそんなことをいう。

しかし、しかし。

どこも「おんなじ」なのだ。
そんな「おんなじ」時代が、
ずっと続いている。

これを、コモディティ化現象という。

ひとつの地方都市が抱えている問題は、
日本中の地方都市の
解決したい問題である。

土地の歴史だの名産だの
特長だのをいくら書き出しても、
はじめないことにははじまらない。

いちばんの問題は、
「だれかがやればいいのに」と、
批判や評論ばかりしている
「その土地のみんな」だ。

そこで前橋の「ビジョン発表会」

内容の完成度ではなく、
「おれがやる」という当事者が、
たくさん集まっていた。

市役所、企業人、
若い人たち、お年寄りが、
日本中の地方都市の
先頭になろうと決めたという。
まだ、はじまってもいない夜に、
ぼくは興奮した

松下弘が言う「一番困っているところ」
糸井重里の「おれがやるという当事者」

この二つが、何かをつくりだす。

わが商人舎も、
織物研究舎や「ほぼ日」のようでありたい。

〈結城義晴〉

2016年08月04日(木曜日)

第3次安倍第二次改造内閣と「大統領選挙の夫人選挙」

月刊商人舎8月号を責了して、改めて、
暑中、お見舞い申し上げます。

こう、あいさつできるのも、
明後日まで。

今度の日曜日はもう立秋。

その立秋の直前に、
ダッタンそば茶。

日穀製粉㈱から送られてきた。DSCN7683-6

飲んでみると、なかなかいける。
ルチン30㎎を含んで、
ノンカロリー・ノンカフェイン。
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緑内障、境界型糖尿病の私には、
ちょうど良い。

昨夜というか今朝というか、
3時ごろまで商人舎オフィスで、
月刊商人舎8月号の責了業務をしていた。

疲れ切ったが、
なにかをつくり上げる瞬間は、
どんなときにもいいもんだ。

その疲れを和らげてくれた。

さて安倍晋三首相が組閣。
今回は第3次安倍第二次改造内閣。
NHKの表現だが、ややこしい。

第1次安倍内閣は、
安倍自民党総裁が、
第90代の内閣総理大臣となって、
2006年9月26日から2007年8月27日まで。

2007年7月29日、
第21回参議院議員通常選挙が実施され、
自由民主党・公明党は歴史的惨敗。

そこで第1次安倍改造内閣を発足させたが、
この年の8月27日から9月26日までの
短命政権となった。

9月10日召集の第168回国会会期中に、
突然の辞任表明。

第2次安倍内閣は、
再起した安倍総裁が、
第96代内閣総理大臣に任命され、
2012年12月26日から2014年9月3日まで。

首相および全閣僚が変わらない内閣として、
617日の戦後最長記録を更新。

そして第2次安倍改造内閣は、
すぐさま2014年9月3日に発足して、
2014年12月24日まで。

11月21日に衆議院解散、
そして12月14日、
第47回衆議院議員総選挙ののち、
第3次安倍内閣が発足。

このとき安倍総裁は、
第97代内閣総理大臣に就任。
2014年12月24日から、
2015年10月7日まで続く政権。

そして第3次安倍改造内閣は、
昨2015年10月に発足し、
さらに昨日の2016年8月3日に、
二度目の改造内閣としてスタートした。

だから第3次安倍第二次改造内閣。

戦後の総理大臣で、
第3次内閣まで続いたのが、
吉田茂、鳩山一郎、池田勇人、佐藤栄作、
そして中曽根康弘、小泉純一郎。

安倍晋三総理は、
第3次内閣まで続けたという点では、
この名首相たちの仲間に入る。

首相になってから一度退任し、
再起した首相は戦後、
吉田茂と安倍晋三しかいない。

それほどの名総理かと問われれば、
すんなりとは頷けないが、
それでも長期政権の強みを生かして、
まっとうな政治をしてもらいたい。

朝日新聞デジタル。
村山富市第81代首相(92歳)の発言。
「いろんな総理大臣がおりましたけども、
この安倍さんというのは
最悪の総理大臣です」

「本音を隠して都合のいいことばかり言い、
国民をだまし て選挙に勝とうと。
こんな魂胆を持っている総理は初めてです」

「私はもうあまり
先が長くないかもしれませんけどね、
今のような政権が続く限りは
死んでも死にきれない気持ちなんですよ」

元首相のこんな発言があることは、
書いておこう。

丸谷才一のエッセイ集
『腹を抱へる』(文春文庫)
index

そのなかの「男の運勢」
大庭みな子さんとの会話。
1968年『三匹の蟹』で芥川賞受賞の女流作家。

丸谷さんも同じ1968年に、
『年の残り』で第59回芥川賞を受賞している。

「彼女によると、
アメリカの大統領選挙で選ばれるのは
大統領ではないのださうである」

丸谷さんは旧仮名遣いだ。

「あれは実は大統領夫人が
選ばれるのだと言ふ」

丸谷さん、
「このときばかりはキョトンとした」

「アメリカ人は大統領選挙の時期になると、
勤めさきでも、パーティでも、家庭でも、
寄るとさはると大統領夫人の品さだめをする」

考えてみると当然のこと。
「アメリカ中の女は
候補夫人に注目してゐるし、
アメリカ中の男もまた
候補夫人に関心がある。
そこでかういふことになるのだ」

「そしてこの、全国民的討議の結果、
大統領夫人としては
誰がいいかといふことが決められる。
その結果、付随的に、あるいは自動的に、
彼女の亭主が大統領といふことになる」

ケネディが大統領になれたのは、
ジャクリーンのおかげ。

エリノア・ルーズベルトが
大統領夫人に当選したから、
その結果としてルーズベルトが大統領…。

現在のアメリカ大統領も、
ミッシェル・オバマ夫人が、
当選したと考えていい。

私はそれに賛成。

丸谷さん、つぎに、
日本の首相を例に出す。

三木睦子さんが、
三木武夫を総理大臣にした。
佐藤寛子さんが、
首相夫人たるべき人だったから、
佐藤栄作が首相になった。

なるほど。

とすると、安倍昭恵さんが、
こんな第3次安倍改造長期政権を、
誕生させたことになる。

うなづけるものはある。

例外はある。
小泉純一郎元首相。
だからだろうか、
小泉さんは、なぜか、
すごいと感じさせる。

それなら現在のアメリカ大統領選は、
どう考えたらいいのか。

民主党候補のヒラリー・クリントンは、
1992年と1996年に、
二度、ビル・クリントンを大統領にした。

今回の2016年は、
今度はビル・クリントンが、
国民から選ばれることになるのか。
それともヒラリーが選ばれるのか。

一方の、共和党候補ドナルド・トランプの、
メラニア・トランプ夫人。
ユーゴスラビア出身の元モデル。

ミシェル・オバマのスピーチを盗用したり、
学歴詐称との疑いをもたれたり。

女性の国家元首は、
イギリスのテリーザ・メイ首相、
ドイツのアンゲラ・メルケル首相。

ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は、
現在、職務停止中で、
リオ五輪が開催されてしまう。

丸谷才一さんのエッセイ、
初出は1977年だから、
やはり、ちと古い。

鉄の女マーガレット・サッチャー英国首相は、
1979年にその地位に就いているのだから。

大庭さんはアメリカ生活が長くて、
デビュー作の『三匹の蟹』も、
アメリカ市民の生活を主題としている。

1970年代のアメリカ合衆国の、
男性中心社会の良さであり、
ファーストレディ物語の中の、
アメリカンジョークでもある。

しかしこの時代、一方でアメリカは、
ベトナム戦争の泥沼の中にあった。

政治も経営も、
文学も仕事も、
二つのサイドから、
見るのがいい。

第3次安倍第二次改造内閣と村山発言。
大統領選挙と夫人選挙。
そして70年代アメリカの繁栄とベトナム戦争。

そうして、考える。
そんな季節でもある。

では、最後に、ふたたび、
暑中、お見舞い申し上げます。

〈結城義晴〉

2016年08月03日(水曜日)

みなとみらいの花火と「第45回日本の卸売業調査」

昨夜の横浜みなとみらい。
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第31回神奈川新聞花火大会開催。
午後7時から8時まで。
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私は実家に戻って、
90歳になる母と一緒に、
花火を楽しんだ。
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今日の8月3日現在の順位。
このみなとみらいの花火大会は、
人気花火大会ランキング関東第1位、
行ってみたいランキング関東第1位、
行ってよかったランキング関東第1位。
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打ち上げ数約1万5000発。
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実家からは、
横浜高島屋や横浜そごうの向こうに、
花火が上がるのが見えた。
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夏の夜の花火。
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よくぞ、日本に生まれけり。
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シンプルなものがいい。
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これも美しい。
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これも、またいい。
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日本煙火芸術協会会員の作品(尺玉)と、
音楽に合わせて打ち上げられる花火が、
横浜みなとみらいの目玉。

フィナーレは、
スカイシンフォニーinYOKOHAMA。
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7時35分から、8時まで。
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次々に打ち上げられる。
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この夜の空には雲がかかっていた。
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その巨大な雲をも花火色に染めて、
最後の輝き。
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堪能した。

ちょっとだけ、
親孝行もできた気がした。

さて、「第45回日本の卸売業調査」
日本経済新聞社が毎年、実施している。
958社を対象に実施し、
583社から回答を得た。

前年度との比較可能な
全業種の卸売業530社。
その総売上高は前年比4.6%増、
営業利益も28.2%増。

前年は減収減益だったが、
一転して2年ぶりの増収増益。

卸の増収増益は、うれしい現象だ。
製造業と小売業の板挟みにあって、
割を食うのが卸売業だからだ。

その卸が業績がいいというのは、
全体に調子がいいということ。

実情は、前年が消費増税直後だったから、
その反動増という理由。

それから食品を中心とした値上げが寄与。

医薬品卸は、
大型新薬の取り扱いで業績が伸びた。

業種別にみると、
食品卸が4.5%増。
医薬品卸は8.7%増。

卸売業は全13業種がある。
そのうち前年は9業種がダウンしたが、
今年はそのダウンが5業種に減った。

詳細は日経MJに掲載されているが、
その特集を見ていると、
感慨深い。

昨年12月の月刊商人舎の特集は、
「流通革命論の軛を断つ」
林周二著『流通革命』は1962年の発刊。
その「まえがき」は名文。

「流通機構には、近い将来
かならず大きな変革がくる。
いやこの変革はすでにはじまっている。
この変革が完成した暁には、
流通機構そのものの
国民経済的意義が変革され、
販売の社会的意義が
まるで変ったものになるであろう。
そしてこの変革の意義を自覚した者は栄え、
自覚しない者は滅び去るときが
近い将来にやってくるであろう」

この本の中で
「問屋滅亡論」が語られる。

「現在問屋を通過している
消費財中の相当部分は、
メーカーから巨大小売連合の倉庫などへの
直卸形態へ移行するようになるだろう」

「量産メーカーとスーパー・チェーンとの
直結が完成したとき、
この部分にあっては
問屋機構は大幅に排除され、
それに代って
運輸、倉庫、情報の三機能に徹した
合理的な中間機構が設置されるだろう」

「第45回卸売業調査」だから、
第1回は1971年。
『流通革命』発刊の9年後。

「ある種の商品領域に関しては、
『問屋を排除するどころか、
逆に能率のよい共同チャネラー的性格をもつ
共同集荷=倉庫=配給業者としての、
また強力な技術情報と宣伝センターとしての
超卸業者を作ること』が必要である」

今回調査の卸ランキングでは、
1兆円の売上高を超える企業が7社ある。

第1位 メディパルホールディングス
3兆0282億円

第2位 アルフレッサホールディングス
2兆5764億円

どちらも医薬品卸売業。

第3位 三菱食品 2兆3830億円
第4位 スズケン 2兆2283億円

ここまでが2兆円超。

第5位 日本アクセス 1兆8994億円
第6位 国分グループ本社 1兆6382億円
第7位 東邦ホールディングス 1兆3085億円

1兆円に達しない卸売業も、
第8位 加藤産業 9261億円
伸び率20.0%

第9位 三井食品 7929億円
第10位 あらた 6767億円
三井食品とあらたも、
それぞれ5.2%、5.9%の伸び率。

54年前に書かれた『流通革命』のとおり、
「超卸業者」は成長を続けている。

もちろんノンコモディティ領域では、
専門卸売業が立派に役割を果たす。

小売業も卸売業も日本では、
オーバー・カンパニー状態である。
それは林周二の指摘通りだ。

その淘汰は進みつつ、
時代の要請を受けて機能充実を図る卸売業は、
ますます発展を遂げる。

1985年から始まった、
みなとみらいの花火を眺めつつ、
1962年からの54年間に、
思いを馳せた夜だった。

〈結城義晴〉

2016年08月02日(火曜日)

8月の商人舎標語は「良きウェザー・マーチャントたれ!」

8月2日の火曜日。
Weekly商人舎は日替わり連載。
火曜日は常盤勝美の2週間天気予報。

その常盤さんが指導するのが、
「ウェザーMDのポイント」

「週前半は変わりやすい天気のため、
突然の雨によって、
客足動向が急変することもありそう。
レーダー画像等で、
こまめに雨雲の動きをチェックし、
早めに値引きをする判断や、
店舗入り口にマットを敷く準備など
徹底していただきたい」

いいねえ。

昨日から今朝までに読んだ本。
第155回芥川賞の『コンビニ人間』
村田沙耶香著。
同じく第155回になる直木賞作品が、
『海の見える理髪店』、荻原浩著。
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どちらも小売りサービス業が舞台。
偶然だが、私はうれしい。

芥川賞は純文学、
直木賞は大衆文芸。

しかしその境目が、
だんだん、薄くなっていく。

とくに私は『コンビニ人間』に、
感慨深いものを感じる。

かつては「深夜スーパー」と言われた。
業界ではCVSと略語で示されたり、
アメリカの業界誌の用語を使って、
Cストアと言われたり。
「コンビニエンス」と略されたり、
もっと短く「コンビ」と称されたり。

CVSが一番、普及しそうだった。

私が編集長として年刊で出していたのが、
「コンビニエンスストアのすべて」
それを季刊にし、隔月刊にし、
そして2002年、月刊化した。

その季刊化の際に、
タイトルを『コンビニ』に決定した。
経営専門誌だが、
「季刊コンビニ」から「月刊コンビニ」へ。

それが今、『コンビニ人間』と題されて、
芥川賞作品となる。

うれしい限りだ。

『コンビニ人間』は、
そこで部品のようになって働くことに、
唯一のアイデンティティを見出した、
36歳で独身のアルバイト店員に起こった、
不思議な出来事。

『海の見える理髪店』は、
海辺の小さな町にある古い理髪店を、
若いグラフィックデザイナーの男が訪れる物語。
腕のいい老いた理髪師と、
髪を刈ってもらう若者。
最後に明かされる真相。

どちらの作品も、
商売と店の描写が秀逸。
ぜひ、読んでみてください。

今日は『明治マーケティングレビュー』も、
届けられた。
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株式会社明治の機関誌で、
1年に4回の発刊。
現在、vol22。
しかし私の連載は第34回を数える。

前身は『明治乳業マーケティングレビュー』
その時代から、私は書き続けている。
「小売業のスーパーマーケティング」

今回は、「イータリー化現象」を書いた。

「イータリー化現象」とは、
イタリア発の「イータリー」のようになる現象。
つまり「リテールとフードサービスの融合化」

それが、ニューヨークのような、
世界一ホットなエリアでは、
急速に他者に伝播していく。

「ル・ディストリクト」へ、
「ロブスター・プレイス」へ、
「ジョバンニ・ラナ」へ。

最後の一文。
「もう二度とウォルマートのごとき
怪物は生まれません。
その揺り戻しが、
第3フェーズの『イータリー化現象』の
内食と外食の融合なのだと思います」

これも手に入る方は、
読んでみてください。

さて8月の商人舎標語。
それは月刊商人舎8月号の、
[Message of August]

良きウェザー・マーチャントたれ!

良き漁師は天候を予測する。
良き農夫も日々の気候の綾を知る。
良き水夫はその変化を事前に察知する。

そして良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
すなわち天候条件で顧客心理を読み取る。

しかし昨今の日本の商業は、
ああ、お天気産業よ。
いつもいつも、私を嘆かせる。

お天気次第の売上げ・利益。
天候に決定的な影響を受け、
それに従属したような産業。

そのくせ、天候不順を乗り越えられない。
企業や店の商品力が、天候の変化に勝てない。
オペレーションはその後追いしかできない。

だからウェザーMDの必要性が叫ばれる。
しかしそのお天気販促は表層的だ。
季節プロモーションは画一的だ。

平和産業、
人間産業、
地域産業。

そして、
ああ、
お天気産業よ。

顧客の生活は環境とともに変わる。
何が食べたいか、どう生きたいか。
暮らしは、時々刻々、天変地異の中にある。

天候変化が生活心理をつくり、
購買行動を変え、
新しい消費を生み出す。

良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
天候に応じて顧客心理の変化を読み取る。
〈結城義晴〉

地球は温暖化してきている。

日本も亜熱帯化しているのか。
今朝の横浜でも、
スコールのような激しい雨。
それは日本中を襲う。

だからいま、
顧客の立場に立って、
天候の変化に対応し、
同時に顧客の生活に敏感に反応できる商人が、
顧客の支持を受け、活躍できる。

それが良きウェザー・マーチャントです。

よろしく。

〈結城義晴〉

2016年08月01日(月曜日)

千代の富士「いま強くなる稽古と3年先に強くなるための稽古」

Everybody! Good Monday!
[2016vol31]

2016年第32週。
今日から8月。

梅雨が明けるともう、
夏の終わりへ、まっしぐら。
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この季節、大好きです。
夕方の空は美しい。
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Weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。
今月のイベントを整理してある。

「第31回オリンピック競技大会」
南米ブラジルのリオデジャネイロで、
8月5日(金)~8月21日(日)の17日間。
実施競技・種目は28競技306種目。

世界中の注目の中で、
4年に一度の夏の祭典が繰り広げられる。

しかしブラジル各地では、
ジルマ・ルセフ大統領に、
退陣を求めるデモが展開されている。

ジルマ大統領は、
政府会計の粉飾に関わったとして、
弾劾手続きの対象となり、
今年5月12日から、
最大180日間の職務停止処分中。

そのなかでのオリンピック開催。
同国初の女性大統領も風前の灯火。

日本では、8月7日(日)、
第98回全国高校野球選手権大会開幕。
夏の甲子園大会は15日間。

オリンピックに甲子園大会が、
すっぽり包まれて、
日本の盛夏が過ぎていく。

さらに8月11日(木曜)は、
山の日の祭日。

8月13日(土曜)が、
盆入りの迎え火の日、
8月16日(火曜)が、
盆明けの送り火の日。

地域差はあるし、
勤める会社の考え方次第だが、
お盆日程でいえば、
13日から16日の4日間。

山の日と12日(金)を連休にすれば、
6連休が2016年のお盆休暇となる。

あるいは11日から15日までの5日間か。

当然、お盆商戦は最長6連戦が想定される。
頑張りたい。

それにしても東京都知事選挙。
夜8時を過ぎたら、もうNHKから、
「小池百合子さん、当確!!」

ああ、つまらん。

だれが当選したという話ではなく、
選挙の後の開票のドキドキワクワクがない。

即日開票でも、
「その日の24時を過ぎるまで、
勝手に当確を打ってはいけない」てな法律、
つくれないものか。

現在のままでは選挙の楽しみが、
相当に喪失される。

しかし投票率は全体で59.73%。
前回都知事選の46.14%を、
13.59ポイントも上回った。
さらに衆参同一選だった、
平成12年の62.67%に次いで、
2番目に高かった。

小池百合子さんの政党遍歴。
1992年の第16回参議院議員選挙で、
細川護熙の日本新党から立候補し、当選。

1994年、日本新党解党で、
新進党結党に参加。
新進党では小沢一郎の側近。

1997年の新進党解党後は、
自由党の結党に参加。

2000年、自由党分裂で、
小沢と決別し、保守党結党に参加。

2002年、保守党を離党し、
保守クラブを経て、
自由民主党入党。

自民党では小泉純一郎に近づき、
麻生太郎内閣、安倍晋三内閣でも、
環境大臣、防衛大臣などを要領よく歴任。

自民党総務会長と党務を担っていたが、
今回は自ら東京都知事選に立候補するも、
その自民党の推薦を得られなかった。

それでも強引に、単独で立候補。
それが逆に奏功して、当選。

閃光に鳴物入の白雨かな  
〈朝日俳壇より 木更津市・本郷政信〉
稲畑汀子選評。
「夕立に遭った。
閃光に鳴り物入りと
恐怖心をとらえて妙」増田寛也さんは、
自民・公明・日本のこころの推薦。
鳥越俊太郎さんは、
民進、共産、社民、生活推薦。
ともに惨敗。

結局、既成政党は、
揃いも揃って討ち死に。

政党遍歴の末、
政党に頼れなくなった小池さん。

時代は変わった。
既存政党はそれを、
身に染みて感じ取らねばならない。

小池新知事は、リオ五輪の閉会式に、
「知事の公務として出席する。
ビジネスクラスでとんぼ返りになる」

都知事選には投票権を持たないが、
大韓民国以上の予算を有する東京都。
東京のため、日本のために、
頑張ってほしい。
少なくとも任期満了までは。

アメリカでは、
ヒラリー・クリントン女史が、
民主党から史上初の大統領候補指名を受け、
「ガラスの天井」の打破に挑戦する。

アメリカのヒラリー・クリントン、
ブラジルのジルマ・ルセフ、
東京の小池百合子。

そしてイギリスのテリーザ・メイ。

山あり、谷あり。
活躍を期待しよう。

峰雲の如きうねりの月日かな
〈朝日俳壇より 船橋市・斉木直哉〉
大串章選評。
「人生には山あり谷あり、
強く生きてゆかねばならぬ」

さて第38代横綱・千代の富士貢。
膵臓がんで逝去。61歳。

まことに、もったいない。
これから人間として円熟し、
相撲界の発展に寄与したはず。

幕内優勝回数は、
白鵬37回、大鵬32回、
千代の富士31回。

182センチ、120キロ。
小さな大横綱。
角界初の国民栄誉賞受賞。

その千代の富士の言葉。
「いま強くなる稽古と、
3年先に強くなるための稽古を
両方しなくてはいけません」

昨年11月に逝った北の湖敏満理事長も、
昭和28年生まれで、62歳の早世だった。

力士の寿命は、
日本人平均に比べて短い。

しかし彼らは土俵の上で、
濃密な人生を送ったのだろう。
ご冥福を祈りたい。

私自身の8月は、
1年で一番、余裕のある31日間。

海外出張はない。
㈱商人舎夏季休業は、
11日から16日まで。
つまり最大の6連休。

それでも毎日更新宣言ブログと、
月刊商人舎9月号は休まない。

「いま強くなる稽古と、
3年先に強くなるための稽古を
両方しなくてはいけません」
商売も商人も、一流は同じ。

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年07月31日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その12】ひまわり

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。

その正反対の世界。
明るい明るい夏の花が、
ひまわり。20110807124814向日葵、日輪草、日車、日回り。
日本語では多様な表現をする。

太陽の動きを追うように花が回る。
だから日まわり。

英語でsunflower。
太陽の花。

学名はHelianthus annuus。
キク科の一年草。

「一年草」は、
種子が発芽して、
1年以内に生長して開花・結実、
種子を残して枯死する。

一方、「越年草」は、
秋に発芽して、越冬し、
翌年に枯れる。
「二年草」ともいう。

さらに「多年草」は、
数年に渡って枯れず、
毎年花を咲かせる。

ひまわりは一年草。

キク科の花は、
小さい花が多数、集まって、
1つの大きな花となっている。
20110801163559

その小さい花を「小花(しょうか)」と呼ぶ。

ひまわりは、
外輪に黄色い花びらがあり、
内輪には花びらがない花がある。
外輪が「舌状花」、
内輪は「筒状花」

原産地は北アメリカ大陸の西部。img_category_Sunflower

だからだろうか、
西海岸のナゲットマーケットは、
ファサードにひまわりのデザインを使う。

もともとは、
ネイティブアメリカンの食用作物だった。

現在も、地球規模でみると、
大豆につぐ寒冷地油料作物である。

1492年にクリストファー・コロンブスが、
アメリカ大陸を発見。

その後、ヨーロッパ人が大挙して、
新世界に押し寄せた。

押し寄せた欧州人のうちのスペイン人が、
1510年にヒマワリの種を、
母国に持ち帰って、
マドリード植物園で栽培開始。

その100年後、
ヒマワリの種子はフランスへ、
さらにロシアに伝わって、
食用植物としての価値を得た。

日本には17世紀に伝来。

種子は絞って、搾油される。
それがヒマワリ油。
不飽和脂肪酸を多く含む。

現在のひまわりの生産ランキングは、
第1位 ウクライナ、
第2位 ロシア。
旧ソビエト連邦の両国が、
1000万トンを超える生産量で、
圧倒的なトップ。

第3位アルゼンチン、第4位・中国、
第5位ルーマニア、
合計しても、
ウクライナやロシアにかなわない。

そのウクライナのひまわりの群生が、
忘れられない映画。
1970年の『ひまわり』
イタリア・アメリカ・フランスの合作。

主演はソフィア・ローレン、
そしてマルチェロ・マストロヤンニ。
監督はヴィットリオ・デ・シーカ。

第二次世界大戦の戦前戦後を挟んだ、
イタリア人男女の行き違いの物語。

ヘンリー・マンシーニの音楽が、
実によかった。img20130813091839072
見渡す限り一面のひまわり。
その一本一本の一年草の下に、
雪の中で死んでいった兵士たち、
一人ひとりが眠っている。

別の丘には、見渡す限りの十字架。

ソフィア・ローレンのたくましい美しさ。
ひまわりそのもののような存在感。
戦争に引き裂かれた女と男。

明るい太陽の花。
その群生。
00014764_72B

明るいなかの悲しさ。
大群生のなかの孤独。
ひまわりと十字架。

夜が見える猫の目と、
太陽の花。
DSCN8963-2016-4-10-66666
コントラストはいつも、
たしかな芸術の方法なのです。

〈『猫の目博物誌』(未刊)より by yuuki〉

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