結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年04月07日(水曜日)

牛丼値下げ合戦と「業態からフォーマットへの細分化展開」とユニークな経営戦略

2010年桜シリーズ第7弾。

まあるい桜の木。
これもいいですね。

今日から、牛丼値下げ合戦。  
吉野家が並盛380円を、270円に下げれば、
松屋は、320円を250円に。
ゼンショーのすき家は、
一部店舗で280円を250円に値下げする。

私は、こんな時、必ず、試してみる。
この商品、この値段で、
客としてベネフィットは高まったか?

皆さんも、どうぞ。

顧客のベネフィットがそのままで、
顧客のコストが下がるのならばいいのだが、
コストは下がっても、
ベネフィットも下がっていたら、
顧客価値は、変わらない。

何らかの変化がある時、
何らかの動きがある時、
尺度をもっていなければ、
妥当な判断はできない。 

昨日、決算発表した吉野家ホールディングスが仕掛けた。
その決算は、89億円の連結最終損失。

ただし、その前にすき家が昨年12月に、
並盛280円で先行。
それへの対抗策。

吉野家が270円ですき家をくぐったから、
すき家、松屋は250円とした。

なりふり構わぬ値下げか。
計算のもとの周到戦略か。

それも食べてみなければ話にならない。

さて、次々に決算発表と政策公開。

外食産業では、サイゼリヤが過去最高の最終純益。
低価格イタリアンレストラン・チェーン。

スーパーマーケットでは、
ヤオコーが18期連続過去最高営業利益をはじいた。

ショッピングセンターの開発運営のイオンモールは、
9期連続で過去最高純利益。

いずれも、頑固なトップマネジメントが、
ユニークな経営戦略を採り続けて、
この不況の中で好成績をあげた。

「ユニークな経営戦略」こそ、
いま、重要なポイントだ。

「ユニークな営業戦略」は、
すぐにユニークではなくなる。  

真似しやすいからだ。

ユニークな経営戦略は、
真似をしようとしても、
時間がかかる。

ファミリーレストランは、
業態として確立し、
多くの企業が参入した。

しかし、サイゼリヤは、
その業態をさらに分化させて、
価格戦略を優先させ、
同時に商品調達システムも、
時間をかけて、築いてきた。

だから他に類例は見られない。

ヤオコーは、企業理念と商売のコンセプトを明確にし、
そのうえで独特のライフスタイルアソートメントを構築し、
教育システム、マーチャンダイジングシステム、
ロジスティックシステムなど、
トータルシステムを確立してきた。

イオンモールは、これはもう、
ショッピングセンターのディベロッパーとして、
日本唯一、日本最大。
オンリーワン&ナンバーワン。

だからイオンの総合スーパー・ジャスコは惨憺たる成績だが、
イオンモールは売上高前期比6%プラスの1389億円、
純利益218億円の2%プラス。

さて日経新聞の「消費面」は面白いし役に立つ。
ビジネスの視点からの取材・編集だからだ。

「消費の現場」のコラムでは、
エコス新治SC店に「tonya(問屋)モール」の記事。

トップの「知りたい価格」コーナーでは、
イトーヨーカ堂とダイソー、キャンドゥの100円ショップの価格比較。

さらにコロワイドやサッポロライオンの居酒屋で、
「昼の宴会」需要を掘り起こした事例報告。

こんなことが、編集されている。

一方、朝日新聞は「生活面」をつくっている。
こちらは、生活者の視点から取材・編集。

前にもこのブログで指摘したが、
日経は「経済面」のほかに、
「企業総合面」「企業1面」「企業2面」
さらに「新興・中小企業面」に分化されている。

朝日新聞は「経済面」のみ。

業態のファミリーレストランと、
それを細分化したフォーマットのサイゼリヤ。  

業態のスーパーマーケットと、
それを分化させ特徴を構築したヤオコー。  

顧客には、どちらがわかりやすくて、役に立つか。

さて、昨日は、新神戸からポートアイランドへ。
神戸ポートピアホテルで、
全国調理食品工業協同組合の近畿ブロック会総会・研修会。

同組合は1955年(昭和30年)日本佃煮工業協同組合として発足し、
1971年(昭和46年)全国調理食品工業協同組合と改称。

6月29日を「佃煮の日」として、
共同キャンペーンを展開している。

私の役目は研修会の特別講演講師。
テーマは「食品流通業の変化とイノベーション」  

小売業も製造業も、
細分化されたマーケットごとに、
寡占から「複占」に至る。

その中で商品は、
コモディティとノンコモディティに分化される。

コモディティ重点型の企業と、
ノンコモディティ重点型の企業に分かれてくる。

私の持論を丁寧に展開した。

さらにプライベートブランドの趨勢と、
「商品を開発し、利益を上げるための考え方」。  

最後はイノベーション。

1時間半の予定が、質問への回答を含めて、
1時間50分ほどになった。

ご清聴を感謝したい。

調理食品工業協同組合といっても、
佃煮と煮豆の製造卸の組合からスタートしている。

「蛻変」が必要な企業もあれば、
ノンコモディティ重点で本物の手づくり商品を提供し続けることが良い企業もある。

もちろんベーシック商品のマーケットシェアを高めて、
高収益を上げていくことが良い企業もある。

「ユニークな経営戦略」こそ、
この組合メンバーにも求められている。

講演会の後は、ホテル29階の中華レストランで懇親会。

近畿ブロック会会長の㈱小倉屋柳本社長の柳本一郎さんと写真。

お世話になりました。

フジッコ㈱社長の福井正一さんや㈱廣川社長の廣川雅英さん、
㈱野村佃煮代表取締役の野村憲司さん、前島食品㈱社長の川井功一さん。

関西の佃煮や煮豆、惣菜メーカーのトップの皆さんとの交流。
勉強になったし、楽しかった。

ポートピアホテル29階からの神戸の夜景も、
美しかった。

<結城義晴>  

[追伸]
結城義晴著『小売業界大研究』(産学社刊)への購買お申し込み、
多数、お寄せいただいております。
心より感謝申し上げます。 (㈱商人舎スタッフ一同)

まとめ買いのお申し込みは、
お問い合わせは、
以下へお願いいたします。
電話 045-350-6651
Fax 045-313-1261  

メールでのお問い合わせは、
info@shoninsha.co.jpまで。

このページからのお問い合わせは、
ここをクリックしてください。
㈱商人舎 

2010年04月06日(火曜日)

セブン-イレブンの「エコストア」と「ワンアジア財団」と『小売業界&物流業界大研究』

2010年桜シリーズ第6弾。
[これも姉ヶ崎]  

桜の森の満開の下」  
坂口安吾だが、現在はネットで読むことができる。
変な時代だ。
安吾が生きていたら、
小躍りして喜ぶに違いないが。

今日の日経新聞一面トップ記事は、
「セブン-イレブン」省エネ店舗世界に2万店  

同社が「環境配慮型店舗」すなわち「エコストア」の、
国際標準店を開発していることをスクープ。
5年後に世界全店の約40%、2万店をエコストア化する。
国内は5000店が目安。

このエコストアは現在の店舗投資額より20%ほど高くつくが、
店舗段階の消費電力を約30%削減し、
同時に内装・外装資材の一括購入で店舗コストを抑え、
現在の既存店と同等の投資で済むという設計思想をもつ。

LEDの看板・店内照明、
冷凍機の廃熱利用の給湯設備、
太陽光パネルによる発電、
一部店舗では電気自動車用の充電器も装備する。

もちろん二酸化炭素削減をはじめとした環境対策によって、
21世紀型の「エコ・コンビニ」が誕生することになる。

アメリカのウォルマートは、積極的にエコストアをつくっている。
それを企業のミッションにしている。

現在世界16カ国に3万7500店をネットワークするセブン-イレブンは、
世界最大のブランチを持つ企業。

私の単行本『小売業界大研究』のプロローグは、
ウォルマートとセブン-イレブンとウェグマンズで構成されているが、
前二者が「エコストア」開発の先鞭をつける。

業界発想だけではなく、
全産業を先導するくらいの視点で、
開発を進めてもらいたいものだ。

さて昨日は、午前中、
一般財団法人ワンアジア財団の理事会・評議員会。
私、昨年12月からこの財団の評議員に就任した。

一般財団法人ワンアジア財団    
One Asia Foundation

この財団の理念は定款の第1条に記されている。

「この法人は、将来に向けたアジア共同体の創成に、
寄与することを目的とする」  

「そのために、アジア各国の幅広い経済・教育・文化交流、
及び市民交流等を通じて、
共通の価値観を醸成するとともに、
アジア各国市民の相互理解及び交流促進に向けた活動を行う。」

「なお、この法人に参加するものは、
この法人の次の3つの活動原則を遵守するものとする。
①民族・国籍を問わない。
②思想・信仰・宗教を拘束しない。
③政治に介入しない。」

㈱ダイナムホールディングス社長の佐藤洋治さんが、
私財89億円分の株式を寄付して、
活動が開始された。

理事長は佐藤洋治さん。

アジア各国に共同体創成に寄与する団体が発足しつつある。
現在は、東京、大阪、ウランバートル、
ソウル、北京、バングラデッシュに、
それぞれワンアジアクラブが立ちあがって、
活動しつつ、互いに交流しているが、
この財団はまずこういった団体を、
アジア各国に発足させることを助成する。

さらにアジア各国の大学または担当教授への助成もする。

奨学金制度をつくり、
学術・芸術・スポーツ、文化交流の助成もする。

年間に2億5000万円強の予算を組んで、
積極的な活動に入る。

その後、横浜の商人舎オフィスに戻って、仕事。
間もなく、編集者の二宮護さん登場。
続いて、産学社の新垣宜樹さんも参上。

二宮さんは、3月に『物流業界大研究』を上梓した。
私は、4月に『小売業界大研究』。
ふたり並んで、セットです。

共に産学社刊。
担当編集者が新垣さん。

このブログでは何度も紹介しているが、
二宮さんは、私の大学時代からの親友。
一つ年下だが、
9月2日生まれと誕生日が一緒。

最初に会ったときから、予感がした。
「これは一生ものだ」
その通りになっている。

私の最初の単行本『メッセージ』の編集も二宮さんが担当。
今回の本も、二宮さんが編集してくれた。

そのうえで、自分でも書いてしまった。

『物流業界大研究』の章立て。

Chapter1 物流業界の基礎知識
Chapter2 物流業界の実力地図
Chapter3 物流業界の歴史
Chapter4 物流業界の最新動向
Chapter5 物流業界の主要企業
業界を牽引するリーディング・カンパニーのプロフィール
Chapter6 物流業界の仕事と採用   

このうち第5章に登場する企業がすごい。
陸運は、日本通運(日通)、ヤマトホールディングス(ヤマト運輸ほか)、
SGホールディングス(佐川急便ほか)、セイノーホールディングス(西濃運輸ほか)。
鉄道輸送は、日本貨物鉄道(JR貨物)、
海運は、日本郵船(NYK)、商船三井(MOL)、川崎汽船(〝K〞ライン)。
そして倉庫は、三菱倉庫、住友倉庫、三井倉庫。
倉庫業界は財閥系が占めている。
その他として、山九と日立物流、近鉄エクスプレス。

地味な業界だが他産業のインフラを構築し、
同時に宅配便などは市民生活のインフラを形成している。

それが丁寧に丁寧に調べられ、書かれている。

この本も、書店の「業界もの」「就活もの」のコーナーに並んでいる。

是非の、ご愛読を。

もちろん『小売業界大研究』もお忘れなく。

その後、㈱ロジスティック・パートナー社長の松見浩希さんが加わって、
懇親会。
松見さんは「流通ニュース」および「Lニュース」の編集発行人。

「流通ニュース」はご存知、流通情報を発信するウェブサイトで、
現在、月間100万ページビューを超える業界最大サイト。

「Lニュース」のLは「ロジスティックス」の略。
すなわち「物流ニュース」のこと。
こちらも月間65万ページビューを超える最大サイト。

流通ニュースと物流ニュースを編集発行する松見さんと、
『小売業界大研究』の結城、『物流業界大研究』の二宮。

よくできた取り合わせ。

話もどんどん弾んだ。

特に松見さんが、うれしそうだった。
私との話は、「流通」に特化していくが、
二宮さんが入ると、「物流」にも話題が及ぶ。

もともと松見さんは、物流業界の専門ジャーナリスト。

そばで聞いていた新垣さんも、にんまり。

松見さんが昭和30年の早生まれ、
二宮さんは昭和28年9月2日生まれ、
私が昭和27年の9月2日生まれ。

学年でいえば、1年ずつ違う。
55歳、56歳、57歳。

だから、話題がことごとく噛み合う。

楽しい夜だった。

ありがとう。

<結城義晴>  

2010年04月05日(月曜日)

『小売業界大研究』の類書にない特徴と今年の新人のタイプ「ETC型」

2010年桜シリーズ第5弾。
千葉県・姉ヶ崎の桜。

[ダイナム・マスターズにて]

Everybody! Good Monday![vol14]
2010年第14週、4月第2週の始まり。

第14週というと、先週が13週目。
すなわち今年最初の週から勘定すると、
先週で第1四半期が終了し、
今週から第2四半期に入ることになる。

ウィークリーマネジメントを基本にし、
13週ごとのクオーターを基準にすると、
今週から第2クォーター。

第1クォーターは、13週間の91日。

第2クォーターも、
第3、第4クォーターも、
13週91日間。

この間、土曜日も日曜日も13回ずつある。

私は、ビジネスはこの期間設定で展開されるのが、
まったくもって科学的であると思う。

1月は31日で、2月は28日、そして3月は31日。
これで月間の数値を比較していくと、
どうしても前年同月比でしか、
判断できない。

1月と2月はどんな営業状態だったのか、
2月と3月は経営状況がどう変わったのか。

それを前年の数値との比較でみていくのは、
どうも、靴の上から足を掻いているようで、
心もとない。

さて、産学社から発刊された『小売業界大研究』。  
結城義晴著。

全国の書店に並び始めた。
本屋の「業界本」「就活本」のコーナーに並んでいる。
是非、手にとっていただきたい。

おりしも4月1日から、
大企業の2011年春の採用選考活動が解禁となった。
「就職氷河期並み」の来年、
逆に小売業・サービス業は、
人材採用の好機を迎えた。

㈱商人舎にも、直接、本の注文が入り始めた。
[まとめ買いの場合は、㈱商人舎(tel 045-350-6651)にお申し込みください]  

有難いことです。

本来、これから小売業に就職しようという学生向けの本だが、
それはすなわち「ベーシック小売業の本」となり、
「小売業の基礎知識の本」となる。

私もそのつもりで書き下ろした。

編集者の二宮護さんや新垣宜樹さんからも、言われた。
「知っていることを、そのまま、
わかりやすく書いてください」

だから、プロローグは「21世紀は小売業の時代」となっている。

小売業・商業が現代化を果たせば、
確実に小売業は日本の21世紀の基幹産業となる。

ポール・クルーグマンが、
『フォーリン・アフェアーズ』誌に書いて、大反響を呼んだ論文が、
『良い経済学 悪い経済学』と題して、
日経ビジネス人文庫から発刊されている。
その第1章「競争力という危険な幻想」が、この論文。

クルーグマンは、
「国家の競争力」という概念は幻想である、
と切って捨てる。  

「一般に国際市場で競争している製造業の企業を支援する発明に重点がおかれ、一般に国際市場では競争していないサービス業の商品が軽視される傾向が、少なくともある程度出ている」

「しかし、今では雇用と付加価値の生産でみて、サービス業は圧倒的な地位を占めている」

「製造業ではなく、サービス業の生産性伸び率が低いことが、アメリカ国民の生活水準が停滞していることの最大の原因になっている」  

ここで指摘されるサービス業には、小売業も組み入れられる。
サービス業の商品とは「小売業の店舗や売り場」をも示す。

すなわちノーベル経済賞受賞のクルーグマンは、
「サービス業基幹産業論」を唱え、
その生産性伸び率の向上を、
国民生活水準停滞脱却の道であると指摘しているのである。

私が「21世紀は小売業の時代」を表明するのも、
クルーグマンと同じ視点からである。

『小売業界大研究』に話を戻すと、
この本の構成は8つに分かれる。

Introduction 21世紀は小売業の時代
CHAPTER1 小売業とは何か
CHAPTER2 小売業の歴史と動向
CHAPTER3 チェーンストア 
CHAPTER4 小売業態別動向 
CHAPTER5 小売業のグループ系列をつかむ
CHAPTER6 小売業200社完全網羅
CHAPTER7 小売業の仕事  


類書と異なる点は、
まず第一に「流通業」ではなく、
「小売業」であること。

「商業」といえば、小売業と卸売業。
流通業となれば、商業に物流業なども含まれる。
すなわち小売業・卸売業・物流業等々。

この中で「小売業」に焦点を絞った。 

第二に、チェーンストアを章立てし、
わかりやすく表現したこと。
しかしこれは、筆者自身、苦労した。
難しかった。
チェーンストアを16ページで表現することが。

しかし、それだけ簡潔に、
「チェーンストア」を表したことにもなる。

第三の特徴は、「小売企業上位200社+4社」を、
完全網羅で簡潔に紹介したこと。

200社売上高ランキング表も入っている。

これも、これまでなかった章となった。
毎年の改訂版の手直しが大変だが。

全編、結城流、結城節の本だが、
「である」調であるため、
このブログとは異なる調子の本である。

さて、今週は、
花見、花見のイベント。
雨が降ったり、曇ったり、晴れたり。
しかし日本人は、桜好き。
花見気分を、お客様と共有したい。

ゴルフ好きには、木曜日からマスターズが始まる。

売上げや利益の数値は、前年対比では、
はかばかしくない企業が多いかもしれないが、
前4週単位、前13週単位との比較をしてみよう。

そのうえで、期中内対策の手を打ちたい。

日経新聞の「クイック・サーベイ」のコラム。  
日本生産性本部の発表による今年の新人のタイプ。
2010年新入社員は「ETC型」  
「人と直接、対話する機会が足りないのが心配」
しかし「情報技術の活用には長けている」

2009年は「エコバッグ型」で、
2008年は「カーリング型」だった。  

前者は「使うときに大きく広げる必要がある一方で、
環境保護意識が強く、無駄を嫌う」
後者は「そっと背中を押し、
ブラシでこすって働きやすい環境を整えねばならないが、
磨けば光る」

新人を「迎え入れる側の気持ち」を聞いたアンケートへの回答が面白い。
「先輩・上司としての自覚が出る」37%
「組織が活性化する」22%
「組織にいい意味で緊張感が出る」19%

新人を迎え、新しい環境になる。

今月の商人舎標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

今週も、Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2010年04月04日(日曜日)

ジジと三ッ沢のお花見[2010日曜版⑭]

お花見のキセツです。
まっさかり。

ユウキヨシハルのおとうさん、
シゴトのあいまに、
お花見にいきました。

オフィスのちかく。

三ッ沢コウエン。

ヨコハマでも、
いちばんサクラがいいところ。

おとうさんは、
ちいさいころ、
このちかくで、
そだちました。

2年まえ、
目のシュジュツをして、
光をみることができるようになってから、
とくに、お花はすきです。

そのなかでも、
サクラの花は、
だいすき。

シュジュツをしたのが、
ちょうどサクラのキセツで、
ビョーインからもみえたし、
メグロ川のさんぽでも、
サクラをたのしんだ。

三ッ沢はひろい。

グランドのまわりには、
サクラの花がマンカイ。

青少年の家というのがあって、
そのあたりが、いちばんいい。

夏にはここで、
キャンプファイアーも、
できます。

でもいまは、
サクラ。

むかしここには、
ヒョウータン池があった。
そのちいさくなったいけのほとりのサクラ。

サクラ、さくら、桜。

みあげると、マンカイ。

こんなサクラもいいけれど、
ボクもおとうさんも、
べつのものもすきです。

へそまがりなんです。

サクラがわき役になっているのも、いい。

こんなもの、いいですね。

ちいさなサクラの花。

それから、
サクラの花は、
ニンゲンの手で、
また、かわります。

いけられたりします。

ヨコハマの「今半」のいけばな。

それから、だいじなこと。

サクラの花をみていると、
ほかの花が、
いっしょうけんめいに、
さいていることが、
わかります。

いまの主役は、
サクラかもしれないけれど、
それだけではない。

カダンの花も。

しぜんの花も。

おとうさんは、
ショーバイやビジネスを、
ずっと、みてきました。

マーケティングというそうです。
そのセンモン家のはしくれだそうです。

そうしたら、
すこしずつ、
ほかのものも、
みえてきました。

お花見も、
お仕事も、
いっしょなのだそうです。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年04月03日(土曜日)

岩崎夏海著『高校野球女子マネージャーがドラッカー…』のintegrity(真摯さ)

2010年桜シリーズ。

今日、明日。
東京・横浜、満開。
絶好の花見日和。

楽しんでください。

第82回選抜高校野球大会は、
いよいよ決勝。

東京の日大三高と沖縄の興南高校での決戦。

3月14日の日曜日の晩、
NHKの高校野球解説者の鬼島一司さんと酒を飲んだ。
鬼島さんは、慶應義塾大学野球部前監督。
慶応普通部から慶応大学と野球一筋だが、
良識ある有能な経営者でもある。

共通の友人や知り合いも多く、
話は弾んで、楽しい夜だった。

その時に、私が提案したこと。

最近、話題になっている岩崎夏海さんの本。
「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』をよんだら」  

<ダイヤモンド社刊>  

<カバーを外すとこの表紙になるが、これがエッセンシャル版と似ていて、私は好きだ>  

実況放送の中で、
この本をちょっと紹介したらいかが?
「きっと、受けますよ」

高校野球の女子マネージャーが主人公。
東京都立程久保高校の川島みなみ。

マネージャーになって、
チームを甲子園に出場させるという目標を立てる。

そしてまず『広辞苑』で、マネージャーの意味を引く。
さらに大型の書店で、マネージャーのための本を探す。
店員が教えてくれたのが、
ピーター・ドラッカーの『マネジメント』エッセンシャル版。
もちろん上田惇生先生翻訳。

そこからみなみによる野球部の改革が始まる。
いつも『マネジメント』を読み返し、自分で考え、
その通りに実行していく。

まずマネージャーに必須のintegrity(真摯さ)の自覚。
マネージャーとして、
「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」  

つぎに野球部の「定義づけ」からスタートする。
それは野球部の「顧客」を見つけだすことから導き出される。

そしてmarketingの展開。
communicationの実践。
innovationの模索。  

結果の追求。

3時間ほどで、一気に読むことができる。
考え、学び、そして泣ける。

鬼島さんにお勧めしただけでなく、
高校野球の監督・コーチ・マネジャー、
会社経営者・マネジャー・店長。

皆さんにお勧めしたい。

鬼島さんが、いつ、どの瞬間に、
この本のことを触れるか。

カメラがベンチできびきびと動く女子マネージャーを捉えた時、
きっと鬼島さんが、『マネジメント』に触れるに違いない。

楽しみにしながら、中継を見ている。

さて、ユニクロの3月の国内既存店売上高。
マイナス16.4%の前年同月比。  

前年比二桁マイナスは2007年9月以来というから、
ちょうど私が㈱商業界社長を退任した時。

私は、その前月の8月12日から、2年半、
このブログを連続更新している。
ユニクロも同じ時期、
大きなマイナスなしに、躍進を続けた。

NHKニュースをはじめ、
今朝の朝日新聞・日経新聞まで取り上げた。

ユニクロの前年二桁割れが、
「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」の類のニュースになってきた。

「身も蓋もない」論者の私は、
クリステンセンのいう「破壊的イノベーション」から、
「持続的イノベーション」への転換が進んでいると見る。

もうひとつ、与謝野馨元財務相が自民党離党。  
与謝野鉄幹、与謝野晶子の孫という名門。
平沼赳夫、園田博之代議士とともに、
新党を立ち上げる協議を始めた。

鳩山邦夫元総務相も、合流の気配を見せる。

参議院選に向けて、
二大政党制が放棄され、
政界再編が画策され、進捗するのか。
はたまた一党ガリバー&小党乱立となるのか。

マネジャーだけでなく、
政治家にこそintegrityが求められることは、
論をまたない。

「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」  

<結城義晴>  

2010年04月02日(金曜日)

メッセージ「寡占は進み、複占に至る」と「新たな本質的機能」

桜シリーズ第3弾。
近所の桜。

横浜・妙蓮寺付近。

日本全国どこでも桜は美しい。
だからよい。

対比的に、こんなのも、いい。

なんでも対比させる。
私の趣味みたいなもの。
いや習性みたいなものになっている。

古くは、三越とダイエー。
ダイエーと西友。
イトーヨーカ堂とイオン。
(『販売革新』編集長時代、古淵の競合に「イイ戦争」というタイトルを付けた)
ユニクロとしまむら。
関西スーパーとニッショー。
サミットとヨークベニマル。
ヤオコーとアークス。

ウォルマートとカルフール。
クローガーとセーフウェイ。
ホーム・デポとロウズ。
ウォルグリーンとCVSファーマシー。

それにホールフーズとトレーダー・ジョーズ。
最近ではマーケットサイドとフレッシュ&イージー。

ひとつの事例を記事にすることを「報告」といい、
二つの事例を記事にすることを「比較」と呼び、
三つ以上の事例を記事にして考えるとはじめて「分析」となる。
「分析記事を書け」  

㈱商業界での編集長、編集統括、社長時代には、
記者たちにこんなことを言っていた。
しかし、私自身は、「対比と比較」が大好きだった。

あまりに対比が好きで、
「寡占から複占へ」などといった概念を打ち出してしまった。

「寡占は進み、複占に至る」

 1
最後にお客は、
二つのものから一つを選ぶ。
だからこそ、その二つのものに価値が実在する。
マーケットは、二つのものをつくり、運び、お客の前に提示する、
二つの異なる機能を選択する。
 2
かくして、さまざまなジャンルごとに二強時代、
あるいは二良時代がやってくる。
きわだった対極をなす二者が、無個性の三番手を振り落とす。
巴戦の中から、中途半端な一極が自滅していく。
これが「寡占」から「複占」への移行である。
 3 
ただし、
不思議なことに、
「独占」は許されない。
独占の禁止・禁欲は経済の公平原則ではなく、
人類の生存原理なのである。
 4
アメリカのGMSはシアーズとペニーだけになった。
DSはウォルマートとターゲットがKマートをふるいにかけている。
イギリスの消費者はテスコ派とセインズベリー派に二分されていたが、
外資ウォルマート&アズダが世界レベルの二強として、
イギリスをローカルと見立てた場合のセインズベリーを抜きつつある。
 5
日本の「総合」と呼ばれる分類はイトーヨーカ堂とイオンに。
だからダイエーも西友も、変身を迫られている。
すなわち商売変えである。
あらゆる製造業、卸売業において、
寡占が進み、複占が現れる。
 6
ボランタリーチェーンにもフランチャイズチェーンにも、
それぞれの業種・業態ごとに寡占から複占への推移が見られる。
さらにすべての商圏、すべての商勢圏で、
二者による複占化が進捗する。
ここでは、チェーンのサイズや企業の売上げ規模は影響しない。
 7
お客たちはその分かりやすい豊かさを喜んでいる。
マーケットもそのシンプルな構造改革を望んでいる。
二神教時代の神の手が、それを導いていく。
全体最適への引力が、
多くの産業分類のなかで「複占への淘汰」を促している。
 8
耐久性のあるフォーマットでは、しばし、
二者による「競争と協調」の調和が生まれる。
しかし複占の次にはやがて、周期的に、
「小売りの輪」のごとき、
業態自体のビッグバンがやって来る。
 9
二十一世紀の今、
私たちはこの歴史的転換の主体者になろうとしている。
私たちはこの歴史的現象の証人になろうとしている。  

『メッセージ』(結城義晴著・㈱商業界刊)より  

さて、4月に入って、初日の昨日、
東京株式市場は、今年最高値を記録。
日経平均株価は1万1244円の終値。

ニューヨーク株式市場でも、
1ドル94円で、
7カ月ぶりの円安ドル高。

昨2009年の国内新車販売台数は、
約488万台で、前年比3.8%のプラス。
4年ぶりと、オリンピックのように前年を上回った。

朝日新聞の「経済気象台」。  
コラムニストの深呼吸氏が書いている。
「新たに生まれる欲が充足されない状況に、
不満を漏らす人は少なくない」
その結果、「過剰な機能の商品であふれる状況に慣らされるうちに、
本質的な機能だけでは満たされず、
過剰な機能がないと不安や不満を抱く消費者体質が形作られていった」 

だから「トレード・オフ」は有効だった。

「地球環境保護につながる機能が、
新たな本質的機能として注目されている」  

深呼吸氏は、「新たな本質的機能」を語る。

そして「本質的な機能」が、
「過剰な機能を過剰な機能として認識させる」

「新たな本質的機能」が認められる状況こそ、
「パラダイムの転換」を意味する。

「満足しないマインドを育て、消費に結びつけてきた産業界は、
今度は皮肉にも環境保護に満足しないマインドを相手にすることになる」

いかにも朝日新聞のコラムらしい終わり方だが、
これは当たっている。

そして小売業や商業に携わっていると、
このことがよく実感できる。

製造業の、それも商品開発に携わっていると、
このことへの反論とともに、一抹の反省の念も生まれようか。

そして一消費者の立場でものをみると、
まさしく妥当な論述と認識することができよう。

私たちは常に「本質的な機能」を、
見つめていなければならない。  

さて、最後に昨日のこと。
夜は、東京・池袋の立教大学キャンパス。
3号館の研究室にくっついている打ち合わせ室で、
新年度結城ゼミのキックオフ・ミーティング。  
その後、キックオフ懇親会。

左から、西脇紀男さん、佐藤大輔さん、
山本克己さん、渋木克久さん。
全員参加で始まったが、
猪股信吾さん、児玉桜代里さんのお二人が、
仕事に戻ったので、
写真では私を入れて5人。

第二期生は6人の結城ゼミとなる。
立教大学院ビジネスデザイン研究科では、
比較的高齢のメンバーが集まった。

なんとなく、かつての編集長会議のような気分。
そういえば、商業界には6人の編集長がいた。
毎月、その6人と編集長会議で議論をしていた。

この夜も、とても、活発な論議が展開され、
私、またしても、飲みすぎた。

しかし、心身共に、若返った気がする。
有難いことだ。

1年間よろしく。
今月の標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

そして、「分析論文を書け!」

<結城義晴>  

2010年04月01日(木曜日)

4月の標語「知恵・力」合わせて動け! と月刊『MD』との懇親

[お知らせとお礼]
第7回商人舎アメリカ視察研修会Basic編は、
今年5月下旬に開催されますが、
昨日、満員となりました。
ありがとうございました。

お申し込みを締め切らせていただきます。

なお、次の開催は、Special編で、
今年10月上旬から中旬にかけて、
オースティン・ダラス&ニューヨークの予定です。

ご期待ください。  <商人舎事務局>  

今日から、4月。
待ちに待った卯月です。

東京・銀座の夜。

その桜並木。

<しばらく桜シリーズを続けます>  

さて、恒例の4月の商人舎標語。
過去の標語も、ときどき見てください。
2008年6月から初めて、
この2010年4月の標語で、23回目となります。

いちばん最初は、
「節約、倹約。もったいない」  
1年と11カ月を経過した現在も、
この標語は、活きています。
顧客のマインドは、そのまま。
昨日の日経MJは「3ケン消費」を提示しました。
堅い消費、賢い消費、嫌いな消費。

さて、今月。
組織が変わる。
人事も変わる。
人も変わる。

だから店でも会社でも、
新しいチームワークが必要となる。

そこで。
「知恵・力」合わせて動け!  

「チエ」と「チカラ」は頭韻を踏んでいます。
頭韻とは「連続する単語が同じ音の子音または文字で始まるもの」

それを合わせる。
合わせつつ動く。

「合わせる」というイメージが、
エ」「カラ」の頭韻で増幅される。

いかがでしょうか、今月の標語。

「あれっ」と気づく方もいるでしょう。

そう、これは倉本長治先生の言葉を短くアレンジしたものです。

『商売十訓』の第6訓にあります。
「お互いに知恵と力を合わせて働け」  
これ、私、大好きです。

「チームワーク」を意味しています。

それを、私流に五・七調で、短縮し、変更した。
組織、人事、人が変わるこの4月に。

「知恵・力」合わせて動け! 

さて昨日、日経新聞の「私の履歴書」3月編が終了した。
ユニ・チャーム会長の高原慶一朗さん。
最後の言葉は、自分の会社に対するメッセージ。
「もっともっと生活に溶け込んだ存在になってほしい」   

「生活に溶け込んだ存在」
メーカーだけでなく、小売業・サービス業にも、
大切なメッセージとなった。

昨日は、夕方から、東京・神田の日本セルフ・サービス協会。
コンサルタントの高野保男さんと打ち合わせ。
サミット取締役からの見事な転身で、
いま、スーパーマーケットの世界で最も忙しいコンサルタント。
忙しいだけではない。
指導している内容が、もっともオーソドックスで、
しかも現実的。

日本を代表する「レイバー・スケジューリング」の権威。

お盆と正月を除くだけで、ほとんど毎日、
日本中を飛び回っている。

来週のコーネル大学RMPジャパンで、
3時限の講義をお願いしている。

高野さんとの話、尽きることはないが、
来週の再会を約して別れ、
神田から日本橋、銀座を歩いた。

そして7時、「厨」という小じんまりした料理屋。

月刊『マーチャンダイジング』という専門雑誌がある。
主幹の日野眞克さんと、
編集長・宮崎文隆さん。
日野さんは㈱ニューフォーマット研究所の社長、
宮崎さんは取締役。

写真右の松井康彦さんを含めて、
全員㈱商業界の出身。

『マーチャンダイジング』は、
ドラッグストアの専門誌で、
三つのコンセプトを掲げる。

第一が、店舗現場主義。
第二は、仮説・実証・検証主義。
そして第三が、トップ直結主義。
トップとはドラッグストアのトップマネジメントのこと。

私は、この雑誌のタイトルがいいと思う。
日野さんのセンスがここに凝縮されている。
商業界OBとして、雑誌経営で成功している稀な事例。
宮崎さんが加勢して、一段と役に立つ専門誌になった。

古い仲間と、美味い肴、旨い酒。
したたかに飲んだ。
「知恵・力」合わせて動け!  
我々も。

銀座の桜も美しかった。

<結城義晴>  

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