結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年11月18日(水曜日)

サミット田尻一社長と吉野家・安部修仁社長の商売人のリアリティ

【巻頭のお知らせ】  
本ホームページ「エコバッグ研究会」がToday!になっていて、
ホールフーズ特集」を掲載中。
これが、面白い。  
  

今日から関西へ。
静岡までは、曇り空。
以西は、真っ青な晴れ空。

富士は雲に隠れて見えないが、
晴れたら、芦ノ湖を見下ろすこんな姿。
hakone fuji

朝、目覚めて、さまざまなニュースに目を通す。
そのなかに、いい話を見つけると、
元気が出てくる。
一日が豊かになる。

そんないい話を、いくつか。

まず、一番目に裁判員制度。  
この5月から始まった。

その裁判員へのアンケート調査を各裁判所が行った。
それを最高裁が集計して公表。

嬉しいのは、裁判員を経験した人ほぼ全員が、
「良い経験だった」と感じたこと。  
「非常によい経験と感じた」が64.6%。
「よい経験と感じた」が32.9%で、
あわせて97.5%。

半数以上が選ばれるまでは参加に消極的だった。
「積極的にやってみたい」「やってみたい」と考えていた人が計24.1%で、
「あまりやりたくなかった」「やりたくなかった」は計56.9%だった。

審理の理解や評議での十分な議論に関しても、
肯定的な評価が多かった。

アンケート回答率は、84人中79人と、極めて高い。
8月・9月に判決が言い渡された14件の裁判で判決に関与した裁判員たち。

「国民参加」と「体験」。
これは国民の代表による学習である。

専門化されていたことが、
体験によって大衆化されて行く。  

これも進化のひとつ。

本当にうれしいことだ。
朝日新聞が関東版一面の片隅に掲載してくれた。

二番目のうれしい話。
北九州市の百貨店「井筒屋」の「朝市」  
15日朝7時から、本店前で生鮮食品を売る朝市。

百貨店が早朝から営業するのは全国でも異例。
毎月第1、第3日曜日の開店前の7時から9時。

「旬朝市」の名称。  

11月1日(日曜日)に試験的に始めたところ、大雨。
それでも4万円弱の売上げとなった。

生鮮食品の販売担当者数人が店頭に立って、
青果、鮮魚、精肉、乾物、日配品などを並べて、売る。

仲卸から、規格外品や過剰仕入品を仕入れて、
売り切り御免で販売する。
だから品質は、良くて、安い。

目標は1日10万円の売上げ。
百貨店から見たら、微々たるもの。 
しかし発案した生鮮担当の従業員たちは、
手作りのチラシを近隣に2000枚以上手配りし、
名物イベントに育てようと懸命。

担当者は通常より1時間半ほど早く出勤するが、
「お客様と顔見知りになれて、楽しい。
早起きも苦にならない」  

この言葉がうれしい。

朝日新聞の地方版からのニュース。

三番目のニュースは、日経MJ。
「サミット、自社PB大幅減」の見出し。  
サミットは、プライベートブランドにあまり積極的ではない。

その上に、今回、2007年8月のピーク時に45品目あった自社開発PBを、
カテゴリーによっては半減させる。

理由は売上げが低下したから。
日配品では、ピークに全体の売上高の12%をPBが占めた。
しかしそれも9~10%に低下してきた。

味噌、煎茶、佃煮などの加工食品PBを販売中止する。
既に、蒲鉾、ハムなど畜産・水産加工品のPBはストップしている。
その結果、牛乳、納豆、豆腐など日配のベーシック・アイテムに、
PBを集約していく。

とはいっても、「生活良好」というブランドは、
現在、320品目を販売し、こちらは強化していく。
「生活良好」は、オール日本スーパーマーケット協会のPB。

田尻一社長の発言。
「低価格を求める消費者の動きは、
必ずしも強いわけではない」 

私流に言い換えると、
「低価格を求める消費者の動きは、
全面的ではない」

すべてにわたって、低価格を求めているのではない。
すべての消費者が、低価格を求めているのではない。  

そこには、生活者としての、理屈がある。
「生活の理論」とでもいうべきものだ。

それを田尻さんが、語ってくれた。

田尻さんは、リアリスト。
「十分な販売量が確保できないと、
物流コストが高くつき、
かえって足を引っ張る」

商売というのは、
このリアリズムに支えられている。  

素早く意思決定し、迅速に動く。

サミット田尻一にそれが見えて、
私は嬉しかった。

ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの10のルールのひとつ。
“Swim upstream!”
川上に向かって泳げ。
すなわち、世間に逆行せよ。

世間に逆行して、多くの支持を得る原動力は、
商売人としてのリアリティであると思う。  

さて最後に、日経本誌のインタビュー記事。
「トップに聞く企業戦略」。
吉野家ホールディングス安部修仁社長。  
今期は、4期ぶりの赤字で、最終損失13億円の見通し。
「『うまい、安い、早い』の原点に戻る」  
牛丼をはじめとする主力商品の提供スピードが、
遅くなっているという。
だから「品目を減らす」。
「昼食時間は、牛丼に絞ってもいいくらいだ」

厳しい環境のときには、
「自分の強みを知り、強みを活かす」  
これ、ピーター・ドラッカー先生の持論。

「よし、よし」とドラッカー先生も言うに違いない。
吉野家が、原点に戻る。

朝の新幹線の中で、このブログを書いていたら、
もう京都に着いた。

「今日も一日、元気と勇気」 

そして今月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  

<結城義晴>  

【追伸・結城義晴からのお願い】
↓ 青いボタン「1週間分をまとめて読む・見る」で、見落とし防止を!  

2009年11月17日(火曜日)

『dancyu』編集長・町田成一の「0.3歩先を提案しよう」

「埋蔵金」は1兆0123億円から1兆1008億円と出た。  
読売新聞の集計。

鳩山内閣の行政刷新会議が、連日行われている。
昨16日には、6事業が、
「廃止」あるいは「予算計上見送り」と判定された。
今回の対象は447事業だが、
事業仕分けの削減額は、合計で2441億円~3324億円になる。
さらに18の基金と特別会計から6352億円の国庫返納が求められていて、
これらがすべて実現されると、
総額1兆1000億円に達するという読み。

行政とは本来、国家による国民に対するサービス機能である。
「公的サービス」という。  
もちろんその公的サービスの中に、
官僚の天下りをはじめとするまったくの国民無視がはびこっていて、
それが税金でまかなわれていた。

だから、この国民無視の部分は容赦なく、どんどん削減される。

しかし「公的サービス」であることは忘れてはいけない。

小売業やサービス業が、
コスト削減の名目のもと、
必要なサービスまでカットしてしまったら、
なんのための小売業・サービス業なのか、となる。
同じことだ。

企業の場合には、「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

これは至極、当たり前だけれど、重要なことだ。

「中小企業大企業病」  
私の唱える危険な兆候。
経済不況が長らく続き、
消費不振が長期化すると、
平気で、顧客無視の風潮が台頭してくる。
それに無神経になってくる。

これこそ「中小企業大企業病」である。

この病状が会社に蔓延する根本原因を、
一つだけあげるとしたら、
経営者・幹部の「保身」である。  
「利他と無私」の正反対の行為。

経営者は、組織全体のために仕事をする。
それが本来の姿勢だ。
ところが、自分のために仕事をする経営者がいる。
彼らは自分の保身のために、意思決定する。

当然ながら、組織の目的とは違った意思決定となる。

トップがそれを始めると、
幹部やミドルマネジメントにその風潮が伝染してゆく。

悪い病気が社内・組織内に蔓延していく。

かくて会社全体が「中小企業大企業病」となる。

「ご愁傷様」  
この病気を治す薬は、ない。
直すには、手術しかない。

いま、民主党政権がやっていることは、
手術であって、薬事治療ではない。

それでも、「国民無視」と「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

さて、昨日は、横浜の商人舎オフィス。
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「狭いながらも、楽しい我が家♪」  

プレジデント社の月刊雑誌『dancyu』編集長の町田成一さんを招いて、
CDオーディオセミナー「知識商人登場!」の収録。
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『dancyu』のネーミングは、
「男子厨房に入るべからず」のパラドックス。
現在、食と料理に関する雑誌として、
ダントツ・ナンバーワンの地位を築いている。

町田さんは、19年前の創刊のときからこの雑誌にかかわり、
現在、第7代目の編集長。
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その町田さんに、
フード・マーケティングの肝心なところを話してもらう企画。

しかも、彼は、学校を卒業してから、
㈱商業界に入社し、『食品商業』編集部に属した。
dancyu編集長・町田成一の、
編集者・記者としての駆け出しの修業の場は商業界だった。

そしてそこには、先輩として、上司として、
結城義晴がいた。

そうです、町田さんは、
私の編集長としての最初の部下だったのです。

対談は、これまでで一番リラックスして行われた。

最新のフード・マーケティングを語ってもらう企画の最初の部分は、
『dancyu』でヒットした特集ランキング・ベスト10。

すべてを明かすことはできないが、
第1位は「カレー」。
第2位は「スパゲッティ」。
第3位は「餃子」。  

なんと、「顧客」が喜ぶ料理は、
「どべーシック」メニューで、
それでいて、ちょっと上質の味の提供だったのだ。

カレーは、スパイスを配合して、
本格的な味をつくる。
これは、受けない。

市販のカレールーを使って、
ちょいと自分流を味付けする。
これが、受ける。

コモディティ・アイテムを使って、
自分だけのノンコモディティを演出する。

「0.3歩先を提案します。
半歩先でも、早すぎます」  

町田さんは、言う。

これはまさしく、食品小売業・フードサービスの極意。

私の「コモディティ&ノンコモディティ論」に、
「ベーシック」の第3次元の概念が加わった。
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「生活者は、いいものを知ると、後戻りしにくい」  
これも町田さんの言葉。
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私は、対談しながら、うれしくなった。

現在、49歳の町田成一。
彼の20代と私の30代。

対談の2時間は、
時の流れと人間の成長を、私に教えてくれた。
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商業界を「卒業」した者は、
みな、幸せになっている。
それが私には、ことのほかうれしかった。

心より、感謝。

<結城義晴>  

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2009年11月16日(月曜日)

再び、三度「生活防衛型消費の傾向と対策」

Everybody! Good Monday!  

2009年、11月第3週。
今週末からサラリーマンは3連休。
そして来週月曜日は勤労感謝の日。

昨日15日は七五三のお祝い。
いわば子供のための日。
今日からは、働く人に感謝する日に向けた1週間。

しかし、今冬のボーナスは、激減。  

日本経済新聞社調査では、
全産業の1人当たりの支給額は前年比較14.04%マイナス。
これは昨年のマイナス0.66%に続いて2年連続で、
しかも1978年の調査開始以来、初の2桁減。

平均税込みの支給額は73万6453円。  
前年よりも約8万5000円すくない。
それでも全業種平均74万円は、大きい。
加重平均、平均年齢38.3歳というから、
皆さんも自分のボーナスと比較してもらいたい。

日本標準産業分類大分類の主要20業種のなかで、
18業種が前年比マイナス、2業種も横ばい。
すべての業種で、日本中で、
ボーナスはマイナスということ。

そのなかで、輸出関連業種が特に落ち込んだ。
自動車・部品や機械が2割減、
鉄鋼や化学なども激減した。
しかし支給額の上位3社は鉄鋼大手企業が占めたという。

いまだ重厚長大産業のボーナスは、比較的に高い。

このことはとても大事な事実。

小売業、商業、サービス業が、
勤労感謝の日まで勤労しながら、
給料やボーナス、年収が低いのでは、
これはいまだ士農工商が残っていると言ってよい。

一方、内閣府が今朝、
発表した7月・8月・9月期の国内総生産速報値。
GDP実質成長率が前期比プラス1.2%となった。  
年率換算すると、これはプラス4.8%。

4月・5月・6月期に続いて、連続のプラス成長。

内閣府は、分析している。
「経済対策の効果で個人消費が引き続き伸びた」
さらに「アジア向けを中心とした輸出の回復がGDP成長率をけん引した」

内需の寄与度はプラス0.8ポイントと貢献。
内需は18カ月ぶりにプラスとなった。

しかしこれも、政策効果によるもの。
エコカー減税やエコポイント制度など。
そのため個人消費が前期比0.7%プラス。

GDPを構成する諸要素に関しては、
設備投資1.6%プラス、
公共投資1.2%マイナス、
住宅投資は7.7%マイナス。
結局、民間在庫の寄与度はプラス0.4ポイントだった。

これに対して、輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度は、
プラス0.4ポイント。
輸出は前期比6.4%プラス、輸入も3.4%プラスで、
外需の寄与度はプラスとなった。

国内総生産は、政府発表ではあるものの、
少しずつ、前向きになっている。
これは大事なこと。

ただし、ボーナスは激減。
だから消費者・生活者には、
貯蓄性向が高まる。
まず第一に、将来への不安対策。
次に第二に、現在の必需の品の購入。
そして第三に、ちょっと贅沢して楽しむ。

だから「今年末は厳しいし、本格化は遅い」
ただし、来年への期待は広がる。

ここで、セオリーの確認。
生活防衛型消費の傾向  
①余計なもの、必要ないものは買わない
②余分な量、必要ない量は買わない
③どうせ買うなら価値の高いものを買う
④しかも安くなくてはいけない  

スーパーマーケットの生活防衛型消費の対策  
①生きるための食品、命に直接関係のある食品
②主食とメインディッシュ
③米、パン、野菜、魚、肉、味噌、醤油
④精肉部門は、細切れ、切り落とし、ひき肉
⑤近海魚は、その日の売り切り
⑥野菜(葉菜)も売り切り
⑦おかずになる日配(おかずになる豆腐、おかずになる漬物、おかずになる佃煮)
⑧惣菜は「もう一品」から「この一品」に
⑨信用のある店の「わが店だけの商品」
⑩品質の確かなプライベートブランド
⑪良い品をどんどん安く
⑫おいしくて安い品  

まずは、勤労感謝の日まで、
お客様を喜ばせることに邁進しよう。

内需のために働く人々に、
勤労感謝の報いが、やってくる日まで。

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年11月15日(日曜日)

ボクの名前はジジである[日曜版]

ボクは、猫である。
名前は、ある。
j1
ジジという。

このブログの日曜日に、
かならず登場する。

日本はヨコハマの、
ユウキヨシハルというヒトの家に、
ヤッカイになっている。
j2
チェンバロのうえは、すきだ。

父の名は、ジンジャー。
その父の名をもらって、
ジジとなづけられた。
fj
ちょっと、爺くさいが。

「魔女の宅急便」のジジとは、
縁もゆかりも、ない。

ポカポカとあたたかい秋の日。
ボクは、この光に包まれると、
ねむくなる。
nj1

そしていつも、夢をみる。

姉妹たちと、一緒の夢。
cj1
じつは、ボクたちは、
三つ子である。

ねている夢。
cj2

ハッと、目がさめると、
ヨコハマの家の部屋のなか。
nj2

ボクは、いま、
親もとをはなれ、
ユウキヨシハルというヒトの家に、
ヤッカイになっている。
j3

それでも、ボクは、
いきている。
j4
ボクは、猫である。
名前は、ある。

ジジという。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年11月14日(土曜日)

朝日・読売・日経「日米首脳会談」への三者三様と商業の差異性

「バラクとユキオ」  
ファーストネームで呼び合う仲になった日米トップ。

しかし、新聞各紙の今回の来日の評価に、
かなりの温度差がある。

朝日新聞は、社説見出しで、
「新しい同盟像描く起点に」と、
非常に前向きに捉える。
「日米関係をきしませている普天間問題は先送りした。
しかし、そのことはこの会談の意義を損なうものではない」
「同盟の根幹にかかわる問題だという認識に立って、
首相にはその言葉通りの取り組みを求めたい」  

読売新聞の社説見出しは、提案型。
「同盟深化へ『普天間』の決着急げ」  
「同盟を深化させるという以上、
米海兵隊普天間飛行場の移設問題は避けて通れない。
政府は、いたずらに問題を先送りせず、
今年中に現行計画の推進を決断し、決着させるべきだ」  

一方日経新聞は手厳しいし、ちょっとエキセントリック。
社説見出しは「首脳会談が覆い隠した日米同盟の現実」  
「遅くとも年内に解決できなければ、
既に始まっている日米同盟の空洞化は止まらない」  

脅迫的な言質で、
他の記事の見出しでは「新協議 同床異夢も」と批判的。

三紙三様。

朝日の「取り組みを求めたい」
読売の「決着させるべきだ」
日経は「解決できなければ…」  

この三種類の言い回しによって、
新聞の現政権へのスタンスがよくわかる。

私は、新聞が異なる主張をもつことは、良いと思う。

ただし、各新聞の読者が、
私の読んでいる新聞はこんな根本主張を持っていると、
知っていなければならない。  

それを鮮明に読者にお知らせするのは、
各新聞の使命でもある。

このことは、
小売業やサービス業の店にも同様に突きつけられている。

同じ業態、同じ業種の店舗は、
異なる主張を持つべきだ。  

私の店にきてくださるお客様には、
こんな生活をご提案します。
こんな暮らしを保証します。

節約の暮らし、
豊かで楽しい生活、
ゆったりとした気分、
スピーディなライフスタイル。

それぞれが違っていて、いい。
違っていることに価値がある。

みんな同じことのほうが、危険ではある。

戦前の新聞が、
こぞって戦争を賛美したことを、
思い浮かべねばならない。

小売業が、サービス業が、
卸売業、製造業が、
生活財の提供業が、
すべて、同質の生活を提案する状態が生まれたとしたら、
それは、戦前の大マスコミの「大政翼賛」と同じである。

生活者の生活を破壊し、
産業を破滅させる。  

三大新聞の「日米首脳会談」への異なる評価。

あなたはどれを選ぶか。

そして商業、サービス業に従事するあなたは、
あなたの顧客たちから選ばれていることを、
知るべきであるし、喜ぶべきである。

ただし、あなたと他との違いがなければ、
十把一絡げに見られていて、
それは生活者の暮らしを破壊し、
産業を破滅させる方向に進んでいると、
受け止めるべきである。

<結城義晴>  

2009年11月13日(金曜日)

「高齢化社会」ではなく「長寿社会」と言おう。

今日は、13日の金曜日。  

今日このホームページで「林廣美の今週のお惣菜」
アップされました。

「杉山昭次郎の仙人エッセイ」も、
新作がNEW! になっています。

それから新ニュース。
「有機農法ぼちぼち日記」がリンクされました。
鈴木由紀夫の田舎へゴーゴー!

鈴木さんは、元『月刊コンビニ』編集長にして、
㈱商業界経営管理本部ゼネラルマネジャー。
新潟県佐渡で、農業を始めた元出版社幹部の面白おかしい奮闘記。
お楽しみください。

さて、13日の金曜日に、
バラク・フセイン・オバマ大統領、来日。
そのアメリカ合衆国の10月の失業率は10.2%。
二桁になった。
アメリカも「大変な時代」は続く。

日本では、昨日、平成天皇即位20周年を祝う式典。
皇后陛下の言葉のなかに印象的なところがあった。
「高齢社会という言葉は、何か、
問題としてばかり取り上げられることが多いようですが、
高齢者の多い国や社会は、望ましい社会のはずです」
こんな内容だったと思うが、
とても大切な指摘。

だから「高齢化社会」ではなく、
「長寿社会」と言うことにしよう。  

全員が全員、賛同するに違いない。

森繁久弥さんは、
「生きている者は皆、辛い」と言ったが、
それでも96歳まで生きて、大往生。
「長寿社会」の典型的な生き方を演じてみせた。

政治と行政も、忙しい。
行政刷新会議の「事業仕分け」。
テレビ放映されたパフォーマンスは、小気味いい。

映画やドラマを見ているようだ。

しかし、現実は、映画やドラマとは違う。
「事業の仕分け」は、れっきとした実務だ。
実務にしては、ドラマティック過ぎる。

それでも国民は、この変化を、
国政のイノベーションとは、
とらえているのだろうと思う。

商業の世界は、もう年末をとらえて、
「早仕掛け」のオンパレード。
百貨店は、すでに冬物衣料の「セール」に入り、
イトーヨーカ堂は、
歳暮商品の早め注文15%引きアイテムを8割増やした。

早め早めの仕掛け。
しかし、どうだろう。
ウォルマート副社長のジョン・フレミングの見立て。
「今年の年末商戦は、
厳しくて、本格化が遅い」  

早仕掛けが、いつもいつも、
功を奏するとばかりは言えない。
その年その時期、ジャスト・ミートの、
タイミングは異なる。

だから商売は面白い。
だから知識商人の出番がある。

さて昨日は、商人舎オフィスで仕事、仕事。
午後、東京・両国へ。
第一ホテル両国で、デンカポリマー主催の講演会。
このホテル、東京都墨田区横網1丁目にある。
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タイトルは「食品流通業の大変化とイノベーション」。  

現在の私の関心事は、
「寡占から複占へ」と「ニッチの多様化」。
(1)「寡占」とは少数の供給者が、
  ある一定の市場のほとんどを支配し、
  互いに競争している状態。
(2)「複占」とは、
  二者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。
ここでいう「ほとんど」が大切。
その中で進むのが、
(3)多様なニッチ(Niche)化
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私が今現在やっているジャーナリスティックな仕事は、
完全なるニッチ。
一方で、巨大メディアがある。
朝日新聞、日経新聞、読売新聞は、
「あらたにす」という三者共闘サイトの展開で、
四番手以下を振り落とす作戦に出ている。
寡占から複占を窺う。

その間の中途半端なメディアが、
みな、淘汰される。

ニッチは、いかに専門性を高めるか、
その専門領域で、社会的信頼性を獲得するか。

そんな意味がこもった講演だった。
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熱心に聴講していただいた。

心から、感謝したい。

講演会の後は、懇親会。
この懇親会は、変わっている。
余分な挨拶や乾杯の発声など、
形式的なことが一切ない。
まさしく、ひたすら「懇親」する。
それがとても新鮮で、良かった。

他と違うことをする。
それでいて顧客に喜ばれる。
それがイノベーション。
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である」  

<ピーター・ドラッカー>  

早め早めとエスカレートする年末プロモーションのトレンドに対して、
じっと我慢し続けて、タイミングを計る。
そして一挙に大展開する。
これも、ニッチのイノベーティブな試み。

その私の懇親の一部。
全国プラスチック食品容器工業組合事務局長の金澤信夫さん。
この専門分野の権威。
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左は、ご存知、商人舎エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦。
8月末に㈱商業界取締役営業統括を退任したら、
もう、ある会社の社長ポストの口が来た。
受けるかどうかは、ご本人次第。

右が、中島水産㈱小売営業本部小売企画部長の田中修さん、
左は、㈱石本常務取締役の遠藤浩充さん。
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そして、この世界の重鎮・㈱川和代表取締役の川和弘行さん(右)。
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私の左は、デンカポリマー㈱常務取締役営業本部長の伊藤次郎さんと、
関東第一営業部部長の富岡和秀さん。

墨田区横網の第一ホテル両国にも、
冬の気配が迫っていた。
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自分の生き方を貫く。
自分独自の考え方を求める。

そして「長寿社会」が出来上がる。

この方向に進んでいるとしたら、
現在の不況の中の日本も、
決して悪くはない。

「長寿社会」の中で、
今月の商人舎標語は活きる。
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。  

<結城義晴>  

2009年11月12日(木曜日)

菱食・廣田正とプラネット玉生弘昌に一致を見た「遅れた者が進んでいる不思議」

日経新聞がまたやりました。
一面トップ記事に、
企業買収ネタのスクープ。

「am/pm、ファミリーマートが買収へ」  
ファミリーマートの筆頭株主は総合商社・伊藤忠。
その伊藤忠とファミマが共同で、
エーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を買収。

am/pmの親会社は、レックス・ホールディングス。
レックスは、牛角や成城石井を傘下に持つが、
そのレックスも投資会社アドバンテッジパートナーズの傘下にある。

このアドバンテッジパートナーズの意思で、
エーエム・ピーエムの売却先が検討されていたが、
それが伊藤忠&ファミマになったわけ。

上位コンビニが、セブン-イレブン・ジャパンを除いて、
総合商社系列に入ったということになる。

わかりやすいが、さらに再編は進むと、私はみる。

第一位セブン-イレブン、1万2500店、シェア28%。
セブン&アイ・ホールディングス傘下。
このグループは三井物産と関係が深い。
しかしここは対等な関係という意味合いが強い。

第二位ローソン9700店シェア22%は、三菱商事傘下。
ただし三菱商事はイオンの5%の筆頭株主で、
そのイオン傘下にミニストップがあって、これが2000店。
だからこのグループのコンビニは1万1700店となる。

そして第三位のファミリーマート7600店+エーエム・ピーエム1100店で、
新ファミリーマートは、8700店となる。

第四位は、ユニー傘下のサークルKサンクスで6200店だが、
こちらも伊藤忠がユニーに3%の出資をしているから、
伊藤忠グループのコンビニは1万4900店。

規模を狙うコンビニは、三極に収れんされつつある。

さらにイオンの電子マネー「ワオン」において、
ファミリーマートが共闘体制を築くから、
三菱商事・伊藤忠連携で、
業界最大のセブン-イレブン包囲網も構想される。

私は、「寡占」から「複占」を唱えているが、
アメリカのゼネラルマーチャンダイザーも、長らく、
第一位シアーズ、第二位ペニー、第三位ワードの時代が続いた。

日本のコンビニ業界も、
この三極体制が続きつつ、
やがて複占になっていくに違いない。

業界第七位のエーエム・ピーエム買収劇は、
その引き金となる出来事とみておいた方がいいだろう。

ただし、鹿児島県出水市の宮本商店のような、
「ニッチ」の個性豊かなコンビニも全国に多数あって、
三極だけで画一的に見えるコンビニ業界とはならない。

多様なコンビニが、
1億2700万人の日本人の生活を守りつづけるに違いない。

さて、昨日は、コーネル・ジャパン11月の第二日目。
朝9時から、講座ナンバー13。
廣田正さんの講義。  
廣田さんは㈱菱食特別顧問。
テーマは「スーパーマーケットへの卸売業からの提言」  
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「廣田の前に廣田なく、
廣田の後に廣田なし」  

私が、勝手に言い続けている廣田さんのキャッチフレーズ。
廣田さんの食品卸売業界への貢献は、
そのくらい大きくて、高くて、深い。

1955年(昭和30年)に廣田さんは社会人となった。
北洋商会という食品卸売企業に新卒で入社。
当時の北洋の年商は11億円だった。
それから54年、現在の菱食は1兆4000億円。
なんと1300倍。

この間、廣田さんは、働き続け、考え続けた。

そこから導き出された自称「一介の商人」の話。  

やはり大きくて、高くて、深かった。
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1960年代は、スーパーマーケットの誕生と成長の時代。
「不満足領域の継続は新産業をつくる」
スーパーマーケットもフード・ホールセラーも、
時代と産業と消費者の不満足を継続的に解消するところから始まった。

1970年代は、チェーン化によって急成長する小売業と広域化する卸売業。
そして1980年代はオイルショックを転機に低成長時代に。
1990年代のITの普及とロジスティックス時代、
2000年代の人口減少と高齢化社会の時代。

廣田さんの講義は、時代の変遷を正しく解析しつつ、
我々に、経営の考え方、あり方と、
時流のとらえ方を教えてくれた。

とりわけて面白かったのは、
「後進の先進性」という概念。  
廣田さんが歴史から学んだ法則。
「遅れた者こそが、
時代の最先端の考え方や技術を学びとって、
最も先進的になる」  

現在の中国やインドがそれだ。

産業界にも、「後進の先進性」の事例は山積している。

最後に類比。
ゴルフに例えると、
製造業は、ドライバーショット。
卸売業は、アプローチショット。
小売業は、パット。  

サプライチェーン全体で、力を合わせて、
消費者に満足を提供しないと、
いいスコアは出ない。

これが廣田さんのまとめ。

素晴らしかった。

まだまだ、大きくて、高くて、深い話は、
たくさんあった。

それは、いずれCDオーディオセミナーなどで、
順次、紹介していきたい。
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廣田さんには、最低10年は、
コーネル・ジャパン講師をつづけていただきたいとお願いした。
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荒井伸也先生と私が廣田さんを囲んで、写真。
ありがとうございました。

ここで、余談。
講義の中で廣田さんは、
荒井先生のホールインワンの話題をもち出された。
ゴルフのたとえ話のところで。

しかしその廣田さんご自身が、
実は今年、7月31日に湘南カントリークラブで、
ホールインワンされていた。

この写真は、ホールインワンのお二人と、
次にホールインワンするはずの男の写真となった。

さて第二番目の講座は河津司さん。
「経済産業省の流通政策」  
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河津さんは昨年のコーネル・ジャパンで、
第1期生とともに学んだ仲間。

だから日本の流通業に対する認識と、流通政策の系譜、
「まちづくり三法の意味と街を取り巻く状況」といった講義になった。
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その中の河津さんの「食品スーパー」への提言。
生活に最も身近な業態でありながら、
行政からも消費者からも「業」としての姿が見えない。
それが食品スーパーマーケット。
なぜか。
①身近なので分かった気になっている
②企業数が多い
③全国規模の業者が少ない
④「業」から外への発信が少ない
だから総合スーパーと十把一絡げに見られてしまう。

鋭くて、いい指摘。

ありがとうございました。

河津さんの次は、農林水産省から吉井巧さん。
総合食料局流通課長。
いわば農水省で最も食品流通業に精通した人。
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ふんだんな資料をもとに、全体像を綺麗に整理してくれた。
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①食品流通をめぐる情勢
②国の施策における食品流通の位置づけ
③食品流通に関する具体的施策

最後は農商工連携の促進が提起された。

最後の講座は、第二期生によるレポートの発表。
今回は、7人。
名前だけ列挙しよう。

関西スーパーマーケットの柄谷康夫さん。
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JR東日本ウォータービジネスの鈴木得彦さん。
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サンベルクスの鈴木優喜朗さん。
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万代の谷康一さん。
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伊藤軒の中井としおさん。
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マーメイドベーカリーパートナーズの三木亘さん。
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そしてキョーエイの安友健雄さん。
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皆、良い視点と良いプレゼンだった。

それを荒井伸也首席講師が評価してくださった。
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荒井先生の存在が、コーネル・ジャパンの価値を高める。

最後に副学長から、
二日間の簡単な総括とレポートの課題。
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今月のコーネル・ジャパンも、
「お陰様で」、良い講座ばかりだった。
とりわけ、川野幸夫、横山清、廣田正の三先生には、
心から感謝したい。

さて私は、渋谷のセルリアンタワーホテルへ。
プラネット・ユーザー会。
まず、同社社長の玉生弘昌さんからご挨拶。
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400人の参加者の前で、基調講演。
テーマは「製配販協業化の鍵を握るもの」  
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パラダイムの転換から話を始めて、
日本の産業構造の変化、
製配販の競争と近未来の姿、
そして商品問題の潮流を語った。

最後は、この日コーネルジャパンで、
廣田正さんが総括した内容と一致した。
「サプライチェーン全体で消費者満足をつくる」
はからずも、この講演は、それがテーマとなった。
不思議なことだ。

一日のうちにデジャブが何度も起こる。

講演が終了して、さまざまな報告が行われ、
最後は、懇親会。

玉生さんとツーショット。
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この場で、実は、廣田さんのホールインワンを知った。

さらに玉生さんの話は、
コンピュータや情報産業における、
「後発の優位性」に及んだ。  

遅れた者は、レガシーをもたない。
だから優位性を有する。

これこそ、廣田さんの「後進の先進性」と一致する。

一日の中で、何度も起こるデジャブ。
「サプライチェーンと製配販と農商工連携」
「後進の先進性と後発の優位性」  

ならば私にもきっと、
ホールインワンが向こうからやってくるに違いない。

<結城義晴>  

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