結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年06月02日(火曜日)

「成長の主因は破綻の主因となる」GMの教訓

1908年9月16日に創業され、
2009年6月1日に連邦破産法申請。
ゼネラルモーターズ。  
国有化されてしまう。

もともとは、ウイリアム・C・デュラントというやり手がつくった持株会社。
デュポン社のピエール・S・デュポン社長が、背後にいた。
ミシガン州フリントを本拠地とする。

シボレーやキャデラックが代表車。

ビュイック、オールズモビル、キャディラック、エルモア、
さらにオークランド(ポンティアック)、シボレーなどを、
次々に買収して成長。

その後、有名なアルフレッド・スローンによって、
経営基盤が確立され、世界最大の自動車会社となった。

ポリシーは「どんな予算でも、どんな目的でも」。

シボレーを大衆車、キャデラックを最高級車に位置づけ、
その間に、複数のブランドを有する戦略が、
世界の自動車製造企業のモデルとなった。

そのゼネラルモーターズ。
破綻の最大の理由は、「大企業病」。  
すなわち「変化への対応」を、組織全体で拒否したこと。

成長の主因は、
必ず、破綻の主因となる。  

買収による成長は、
その買収による弱点によって、
破綻を招く。

重い教訓だ。

これでとうとう20世紀の終わりか、という感慨もある。

さて、日本では昨日から、ジャスコ、イトーヨーカ堂などで、
薬品の値下げ販売が、相次いだ。
1割から2割程度のディスカウントに、
「薬の価格破壊」の表現も飛び出した。  

十分に予想されたこと。
いや、当たり前の現象。

薬品の販売構造が変わる。
酒に起こった現象と同様のことが起こる。

ただし、大衆薬、OTCにおいて。
処方箋薬は、ノンコモディティ。

ここが、酒類とは全く違う。
そのことを忘れてはならない。

昨日は、午後から、東京・汐留の電通へ。
1

電通の受付。
2

社員向けの講義。
3

テーマは「米国チェーンストアの最新事情」
4
95分間、写真を見てもらいながら、
米国小売業の四半世紀の動向と、
今日の構造を語った。

ウォルマートの本質と、
ニッチ企業のホールフーズ、ウェグマンズ、トレーダージョーズ。

背景として、シアーズ・ローバックやKマートの破綻も語った。

奢れる者は久しからず。

1時間半で、アメリカの商業を語りつくすことは難しい。
広告代理業としての電通の社員に必要な要素を、ピックアップして講義した。
5
100人ほど集まって、熱心に聴いてくれた。

望月裕さんと近藤聡也さんに感謝。
お二人ともストラテジック・プランニング局ブランド・コンサルティング室市場開発部。
望月さんが、市場開発部の部長。

気分よく電通を後にした。
6

しかし、ゼネラルモーターズの破綻。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」  
今月の商人舎標語は、重い。

<結城義晴>  

2009年06月01日(月曜日)

商人舎6月の標語「最悪を覚悟して、最善を尽くす」

Everybody! Good Monday!  

2009年6月1日です。
もう、5カ月が過ぎてしまいました。
そして、2月末決算の企業では、
第1四半期の3月、4月、5月が終了して、
第2四半期に入る日。

さらに改正薬事法が施行される日。  

新たに設けられた資格「登録販売者」が店舗に駐在すれば、
大衆薬の9割を販売することができる。

これは、相当の規制緩和です。

薬剤師がいなければ売ることができなかった薬が、
スーパーマーケットやコンビニでも販売できる。

消費者から見れば、
24時間営業のコンビニや、
家庭の主婦が頻繁に買い物に行くスーパーマーケットで、
薬を確保することができる。

「セルフ・メディケーション」をスローガンにした薬事法改正は、
間違いなく、一段と、薬品販売の規制緩和を進めたといえます。

大衆薬は、3つに分類される。
第一類医薬品は、特に注意が必要な一般医薬品。
副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれのあるもの。
リアップなどの毛髪用剤やガスター10といった胃腸薬など。

第二類医薬品は、いわゆる一般医薬品。
副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれのあるもの。
風邪薬、解熱・鎮痛剤など。

第三類医薬品は、
第一類医薬品、第二類医薬品以外の一般医薬品で、
ビタミンC含有保健薬、目薬、うがい薬など。

第一類は、薬剤師が販売し、厳重に管理する。
第二類は、薬剤師と登録販売者が販売し、
一部の効能の強い薬はカウンターから7メートル以内に陳列。
第三類は、薬剤師・登録販売者が駐在し、
従来通りに陳列してよい。  

要は、登録販売者という比較的緩い資格を設定して規制を緩和し、
多くのチャネルで販売できるようになったわけ。

イオンやセブン&アイ・ホールディングスなどは、
さっそく今日6月1日から、特売にかけてアピールする。
これも当然の動き。

ただし、通信販売には、時間切れで規制緩和は適用されず、
そこで楽天最大のケンコーコムと横浜のウェルネットは、
憲法違反であるとして訴訟を起こした。

今後の積み残し課題。

ただし、全体最適で考えると、
これは大きな規制緩和の一歩で、
ほとんどの消費者には、便利な環境が生まれた。

法律の改正に伴って、業界構造は変わる。

そこで、6月の商人舎標語。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」  
故中部銀次郎さんの言葉を、お借りした。
ご存知、アマチュアゴルファーの球聖。

いつ、何どきも、最悪の状況を覚悟しておく。
その覚悟のうえで、最善を尽くす。

仕事には、この心構えで臨む。
事業は、この覚悟で営む。
人生は、これに尽きる。

何しろ、誰にも、やがて死はやってくる。
死から逃れることができる者はいない。

だからいつも、死が訪れることを覚悟しつつ、
この一瞬に、最善を尽くして、生きる。

それが「最悪を覚悟して、最善を尽くす」

さて、6月は、衣替えの月。  
半そで姿が当たり前になり、
サラリーマンは逆にクールビズが適用されたりする月。

イトーヨーカ堂は、5月末から明日2日まで、
第7回目の「下取りセール」で、衣替え需要に対応する。

そして6月は全国的に梅雨入りの月。  
中旬にはほとんど梅雨に入り、
第3週の日曜日、6月21日は夏至。
日照時間が一番長い日。
さらにこの日は「父の日」。

6月商戦の山は、第3週日曜日となる。  
「父の日」と「夏至」が重なる日。

夏至を過ぎると、7月が見えてくる。

インフルエンザ騒ぎも、その「弱毒性」が見直され、一段落。
本当に怖いのは、今年の冬にかけてかもしれない。

6月の家計消費支出は、年間第9位。  
中で食品支出は、第8位。

消費面では盛り上がりの少ない月だけに、
逆に薬事法の改正が注目される。
6月1日からのもう一つの改正、
道路交通法の酒帯び運転罰則強化も、
酒の販売に影響する。
外食で減り、内食で増える。

酔い止めや二日酔いの薬は、求めやすくなっているが。

「最悪を覚悟して、最善を尽くす」  
この心持で仕事に臨めば、
あなたにも私にも、
心穏やかな幸せは、向こうからやってくる。

「この一瞬の積み重ねこそ、
あなたという商人の全人生」  

(倉本長治)  

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年05月31日(日曜日)

ジジとライスカレー[日曜版]

まーるくなって。
neru 1

ボクは、ねていました。
ner2

いい気分。
ジャマはさせない。
neru3

でも、
におう。
neru4
なにか。

カレー。
cari1
じっくり、にこんだカレー。

ゲンマイのごはんも、
たけた。
cari3

うつわも、
でてきた。
cari2

ゲンマイごはんが、
もりつけられた。
cari4

そこへ、
たっぷりと、
カレー。
cari5
たっぷりと、
かけるのがいい。

ゲンマイ・ライスカレー。

におう。
ねているボクにも、
におう。

ユウキヨシハルのおとうさんは、
そのうえにタマゴをわって、
のせるのがすき。
cari6
それにラッキョとフクジンヅケ。

んー、におう。

ねていたボクも、
おきてしまいました。

そして、銀のゴミバコへ。
jiji1

ここにのると、
ごはんをくれるヤクソクに、
なっているのです。
jiji2

だから、
銀のゴミバコのうえに、
のった。
jiji3

ねえ、ねえ、おとうさん。
jiji4

ボクも、ライスカレー。
jiji5
ほしい。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年05月30日(土曜日)

USP研究所當仲寛哲の主張「コンピュータとシステムは違う!」

雨の一日だった。
2009年5月29日。

東京・尾山台。
故佐藤美恵子さんの告別式。

心より、ご冥福を祈りたい。

その後、日暮里の㈱ダイナム本社へ。
ダイナム・グループの決算説明会。
非上場企業にも関わらず150人ほどの株主、金融機関が集まって、
盛況。

利潤分配率が20%を超えるという絶好調決算。  
今期の配当金は1株あたり40円で、来期は80円の予定。

好調は、継続される。

さて、すぐに夕方になってしまったが、
青山の㈱RKシステムズ。  

㈱商人舎と㈱商人ねっとの共同企画CDオーディオセミナー。
タイトルは「知識商人登場」。  
私が聞き手となって、さまざまな知識商人と対談する。
それを録音して、CDに焼き込み、お届けする。

今回は、ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所所長。
當仲寛哲(とうなか・のぶあき)さん。  
情報システムのプロフェッショナル。
アールケイ・システムズの取締役であり、
コーネル大学RMPジャパンの講師でもある。

今回は特別に、声と音だけでなく、
映像を入れた。

當仲さんが使いこなす「Linux(リナックス)」という基本ソフトの、
効用を知ってもらいたいから。
それには見てもらうしかない。

今回のCDは特にお買い得です。

その撮影風景。
まず、當仲さんのご挨拶。
1

そして、パソコンに向かって、寄ってたかってテスト。
2

最後に「Linux」のデモンストレーション。
3
これは、目から鱗の映像。
ほとんどの人が「Windows(ウィンドウズ)」という基本ソフトを使って、
コンピュータを動かしている。

「Linux」という基本ソフトならば、
どうなるのか。

さて、場所を青山タワーに移して、対談の始まり。
4

まずは精神統一の結城義晴。
5

同じように考えにふける當仲寛哲。
6

スタッフにも、緊張感が走る。
7

さあ、始めましょう。
8

「5,4,3,2,1,キュー」
「みなさんこんにちは、商人舎の結城義晴です」
9
対談の中身は、
①ダイエー中内功さんとの出会い
②「Linux」との出会い
③良品計画との出会い
④そして、モンゴルとの出会い  

つまり「當仲寛哲の出会いシリーズ」
當仲さんは、さまざまな出会いの中から、
日本の流通業の情報システムイノベーションの可能性を見出した。
9
それが當仲寛哲の背負う十字架となった。

「コンピュータとシステムとは違う」  

「コンピュータは道具です。
例えば包丁のような道具です。
良い包丁は、よく切れる包丁。
値段が高い包丁がいいのではないし、
ブランドが付いた包丁がいいのではない」

當仲さんは、コンピュータに対して三つの条件を持っている。
①安い
②早い
③柔らかい

低価格で、
計算や記録が迅速で、
柔軟に使いこなせる。

こんな仕事の道具がコンピュータであるはず。

ではシステムとは何か。
人がする仕事の仕組み。

その仕組みこそが大切であり、
その仕組みこそが企業や組織の個性であり、
その仕組みで競争する。

道具はあくまで、安くて、早くて、柔らかいもの。
10
こうして當仲さんは、
良品計画の260のシステムを、
たった6人で、
半年で仕上げてしまった。
いま、その仕組みは、1か月に1つずつつくられ、壊され、
イノベーションを続けるに至った。
11
中内さんの思い出から、
「Linux」との出会いと、勉強、
ダイエーを卒業し、独立し、
良品計画の仕事の成功、
そして将来の日本の小売業と情報システムへのビジョンまで、
あっという間に時間は過ぎた。
12
當仲さんの気持ちの起伏も激しかった。

13
いつの間にか、外は、暗くなっていた。

今回もいい対談だった。
14
最後に、當仲さんとスチール撮影。

もう一枚、気取って、
中年モデル、ふたり。
15

最後の最後に、
コンピュータ・システム開発会社㈱アールケイ・システムズの宣伝ガール。
鹿野恵子さん。
16
今日も充実した一日だった。
夜には、いつの間にか、
雨が上がっていた。

そして私は、佐藤美恵子さんの冥福を祈った。

合掌。

<結城義晴>  

2009年05月29日(金曜日)

イトーヨーカ堂「下取りセール」はライフスタイル提案だ!

昨日は雨の一日だったが、
その雨の中を忙しく駆け巡りながら、
考えることが多かった。

朝一番で、東京霞が関の農林水産省へ。  
農水省
委員会でディスカッション。
私には、食品流通に関するグランドデザインがある。
まだおぼろげながらといったものだが。
その「おぼろげながら」が、
議論が進む過程で、私自身の中に築きあげられていく。
心地よい。

昼過ぎまで討論が続き、
急ぎ、田町の笹川記念会館へ。
PCSA1
パチンコ・チェーンストア協会第8期定時総会。  
13時からは、その中の「第4回学生懸賞アイデア・エッセイ表彰式」
私は、審査委員長。
フジサンケイ・ビジネスアイ常務の小澤昇さんが副委員長。
もうすでに審査は終わっていて、表彰式。
その壇上の審査員席からシャッター。
人事問題研究部会リーダーの末次秀行さんが挨拶しているところ。
PCSA2
後ろに座っているのが、3人の受賞者。
最優秀賞の都留大学文学部の富沢岳人君の論文は、
ずば抜けていた。

今回もいい論文やアイデア、エッセーが集まった。

表彰式が終了し、総会がお開きになったところで、
四谷のセブン&アイ・ホールディングス本部へ。
IY
何度も通ったところだが、最近は久しぶり。

今回は、毎日新聞の週刊『エコノミスト』の取材。
ターゲットは「下取りセール」の仕掛け人。
㈱イトーヨーカ堂取締役執行役の青木繁忠さん。  
現在、販売促進部長兼IT事業部長。
そして㈱セブンカルチャーネットワーク代表取締役社長。
aoki1
昨年、12月19日の会議の席上、
鈴木敏文会長が言った言葉。
「シタドリシカナイ」  
この8文字の発言がすべての始まりだった。

そしていまやイオンまで、
小売業界こぞっての感もある「下取りマーケティング」が始まった。
12月27日から31日までの年末「際」の商戦。
「消費税分還元セール」以来の見事な成功をおさめたが、
その内容と今後の展開は『エコノミスト』誌上にて。
私はこれは「セール」の成功というよりも、
斬新で明快な「ライフスタイル提案」だと考えている。
だからこのライフスタイル提案は、
繰返し繰返し行われるに違いない。
これまでの販促との違いは、ここにある。

記事を楽しみにしてください。

青木さんは、現在、販促部長兼IT部長、
それにセブンカルチャーネットワークの社長。

セブン&アイのグループは、
このようにして次代のリーダーを育成している。
現場第一のトップの仕事を担いながら、
ベンチャービジネスのトップマネジメントを任せる。

リーダーとなる条件の一つは、
「苦境を乗り越えること」である。
抱えきれないくらいの仕事を与え、それを克服していくところから、
トップマネジメントの人材は育っていくのだと思う。
aoki2

青木さんに別れを告げて、再び、笹川記念会館へ。
PCSA総会は第二部に入っていた。
こちらは第29回公開経営勉強会。
500人近くの聴衆が集まって、
第3部までの講演、パネルディスカッションを聞く。

第1部は、『新型インフルエンザから顧客・社員・家族を守る』
第2部は、『パチンコ産業の現状・課題・将来』
自民党参議院議員秋元司さん、
民主党衆議院議員古賀一誠さん、
そしてパチンコ・トラスティ・ボードの有識者懇談会委員から、
和田裕さん、牛島憲明さん、三堀清さんが加わって、
積極的な議論を展開した。
古賀一誠代議士は、
「パチンコホールに関する単独法案の骨子はもう出来上がっている」と発言。

この業界の産業化への歩みが一段と進んだという印象を与えてくれた。

第3部は、『今後の遊技機開発の方向性』。
メーカーから開発担当者が7人登壇して、率直な議論を繰り広げた。
夕方7時近くに公開勉強会は終了し、情報交換会へ。

佐藤洋治ダイナム・ホールディングス社長は、
この協会の牽引者だが、昨日書いた「啐硺」の提唱者。
satou
この夜のスピーチにも熱が入っていた。
「信頼の森」という全くのニューフォーマット開発が進んでいる。
その希望と自信にあふれたスピーチだった。

牽引者の牽引力が、一段と強力になっていることを、
私は感じた。

情報交換会を、少し早めに辞して、
佐藤美恵子さんのお通夜へ。

まさに夜通しになるかのような通夜。
故人の生き方を偲んだ。

合掌。

<結城義晴>  

2009年05月28日(木曜日)

「啐硺」(そったく)と「押す力・引く力」

商人舎ファミリーの佐藤美恵子さんが、
5月27日午後5時0分、逝去されました。
享年51歳でした。

心よりご冥福をお祈りいたします。

昨日は、夕方から、銀座で会合。
早稲田大学壽里茂ゼミ稲門会の幹事会。

壽里先生には、500人超の弟子がいる。
そのOB・OG会が2年前に正式に「稲門会」となった。
「稲門会」とは早稲田大学から公認された団体ということ。
壽里先生は現在、早稲田大学名誉教授。
大正15年生まれの83歳で、いまだすこぶるお元気。
この年齢は、私の父母と同じ、
さらにペガサスクラブ主宰の渥美俊一先生も、
今年8月、83歳になられる。

私は、妙に大正15年生まれに縁がある。

さて、壽里ゼミ稲門会の幹事会。
昭和47年卒業の大先輩から、
さらに平成の卒業の新進気鋭まで、
8人が集まった。
susatozemi
10月25日に、総会を開催することになった。

私は、代表幹事を仰せつかっているが、
ほとんどの仕事は事務局の内藤邦夫さんが、
それこそ身を粉にして、遂行してくれている。

昨日はダイナム・ホールディングス社長の佐藤洋治さんから、
とてもいい話を聞いた。

「啐硺」(そったく)
「啐」(そつ)は鶏の雛がかえるとき、殻の中で雛がつつく音のこと。
「硺」(たく)は、その音を聞いて母鶏が殻を噛み破ること。
『広辞苑』にはこう書いてある。

啐がないのに、母鶏が殻を破ってしまうと、
雛は死んでしまう。

啐があって、初めて硺がある。

佐藤洋治さんは、
パチンコホールの産業化の中でそんなことを考えている。

どんなことにも、「啐硺」はある。

しかし、啐にたいして、
母鶏が硺の準備をして、
待ち構えていなければならない。

私はこの「啐硺」の話を聞いて、
2年ほど前のことを思いだした。

私が、㈱商業界の社長を退くことを決めたとき、
先輩の奥田則明さんが言った言葉。
「押す力と引く力がある」  
この押す力と引く力は、
「啐」と「硺」であることは間違いない。

私も、押す力と引く力の調和によって、
現在があるのだと思っている。

佐藤美恵子さんが逝ってしまった。
一方、壽里先生、渥美先生、私の両親は、
みな、元気。

それを壽里ゼミ稲門会で、実感した。

人の運命にも、「啐硺」と「押す力・引く力」が、
働いているに違いない。

ご冥福を祈りつつ、
そんなことを考えた。

合掌。

<結城義晴>  

2009年05月27日(水曜日)

FMI発信のコモディティ低価格とカスタマーマーケティング

フード・マーケティング・インスティチュート。 
Food Marketing Institute。
「食品マーケティング協会」と訳す。
通称は、頭文字をとって、FMI。

米国内で、約1500社、2万6000店が参集する米国最大の協会。
大手チェーン企業から個人経営のスーパーマーケットまで。

FMI総年商は約3400億ドル、34兆円。  
日本の食品スーパーマーケットの年間商品販売額が17兆円だから、
その2倍の年商の協会ということになる。
これは全米の食品小売売上高の約75%を占める。

メーカーや関連産業から参加する「アソシエートメンバー」、
世界50カ国、200社を超える企業が加盟する「インターナショナル・メンバー」。
こういった協力者達の支援の下、世界中にメッセージを発信している。
日本には、 FMIジャパン事務局が、
社団法人日本セルフ・サービス協会の支援のもと、開設されている。

「ホーム・ミール・リプレースメント」の概念は、
1996年にFMIが発信し、
世界中に影響を与え、
現在のメイン・トレンドとなっている。

さて、そのFMIから発表されたこの1年間の情勢報告。
2009食品小売産業スピークス。  
「2009 Food Retailing Industry Speaks
Annual State of the Industry Review」

米国スーパーマーケットの3つの政策傾向。
①ナショナルブランドの低価格政策
②プライベートレーベルの強化政策
③ロイヤルカスタマー獲得政策  

FMI加盟企業の「低価格政策」は2007年の約70%だった。
それが2008年には78%に増えた。

ウェグマンズやホールフーズでも、
低価格を前面に出さなければならないと実行し始めた。

考えてみると、アメリカのスーパーマーケットでも、
日本のスーパーマーケットでも、
食品小売業で高いことを売り物にする店は、
ごくごくわずかだ。

宝石や骨とう品、ブランド品の店は、
価格が高いことを売り物にする場合がある。

しかし食品の店には、それがない。

超高級品でも、「あの商品がこんなに安い」が売り物になる。

今日の日経MJのコラムで、
ローソン社長の新浪剛史さんが語っている。
「コンビニは、価格対応も大切だが、
驚きを与えることが必要」

「700円、800円の商品を500円で提供できれば、
手を伸ばしてもらえる」

米国食品小売産業の第一のトレンドが、
低価格であることは、日本と変わりない。

第二のプライベートレーベルに関しては、
加盟企業の売上高に占める割合が、
2006年11.5%、2007年14.0%、2008年15.0%。

プライベートレーベルは、
消費と産業の一定の成熟化の結果、生まれてくる。
その意味では、アメリカやカナダという北米、
イギリスを中心にして先進ヨーロッパ、
そして日本も、同じ環境下にある。

第三のロイヤルカスタマー獲得政策は、
フリークエントショッパーズプログラムの本質的活用。
50.7%の加盟企業で顧客カードシステムを活用している。

ウォルマートをはじめとしたエブリデーロープライス政策に、
顧客情報を蓄積し、ロイヤルカスタマーとする政策で対抗しようという考え方。

私は、「コモディティ」と「ロイヤルカスタマー」とが、
大きな二つのキーワードと考えている。

だからその「マトリックス」をつくって、
事象を解説している。

名づけて、
「コモディティ×カスタマー」マトリックス。  

今回のFMIの報告は、図らずも、そのことを示した。

  <結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年10月
日月火水木金土
« 9月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.