結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年11月08日(木曜日)

17日間あめりか漂流記⑤バーンズ&ノーブルとボーダーズの「複占」

バーンズ&ノーブル1
バーンズ&ノーブル
bo-za-zu
ボーダーズ

「複占」などと、小難しいしいことばかりで恐縮。
フォーマット別に2強が出現している。

百貨店はほとんどの有名企業が、
メイシーズ(フェデレーテッド)に統合。
ジュニアデパートのコールズ、
ローカルデパートのディラード、
超ホスピタリティデパートのノードストローム、
サックスなどが異次元の経営で対抗。

GMSは、シアーズ・ローバックとJCペニーに。
しかしフォーマットの機能低下。

ディスカウントストアはウォルマートとターゲットに。
Kマートは、何度も言うが苦しい。
どれもスーパーセンターへ移行中。

そのスーパーセンターは、ウォルマートの独走。
ターゲットの追走ままならず。
私は、ターゲットは生鮮食品・デリを扱わないほうが断然よいと思う。
KマートのスーパーKは言わずもがな。

メンバーシップホールセールクラブは、
コストコとウォルマートグループのサムズクラブ。

ホームセンターは、ホームデポとロウズ。

これらはよく知る話。

しかし、書店チェーンも複占化が進む。

バーンズ&ノーブル。
793店。
年商52億6125万ドル。3.1%の成長率。
純利益は、1億5077万ドル。これも伸び率は2.8%。
バーンズ&ノーブル2

ボーダーズ。
1230店。
年商40億6390万ドル。
0.8%の成長率。
ボーだーズ3
サバブのショッピングセンターには、
どちらかが出店している。

どちらも「スーパーストア」。
「スーパーストア」とは業界平均の2倍の売り場面積の大型化のこと。
そして、本を陳列するだけでなく、
ソファーや椅子を置いて、
ゆったりと読んでもらう空間を用意する。
バーンズ&ノーブル3
バーンズ&ノーブル
このサービス提供は、実にいい。

スーパーストアづくりできない者は、
置いていかれる。
スーパーストアモデルを開発し、
それを顧客に認めてもらった店が、
「複占」の権利を得る。

しかし、
アマゾン・ドット・コムは、
年商107億1100万ドル。

26.2%の伸び。
0店。
純利益1億9000万ドル。

バーンズ&ノーブルとボーダーズを、
足しても93億2515万ドル。

他の追随を許さないインターネット書店は、
107億ドル。

これ、「複占」の次を、予感させる実例。

こんなに早々と、
私の結論らしきヒントを、
世に公表してしまってよいものか。

あな、恐ろしや、恐ろしや。

<つづく、結城義晴>

2007年11月07日(水曜日)

17日間あめりか漂流記④ 「寡占」⇒「複占」⇒?

K
米国小売業の、フォーマット別大手寡占をお知らせした。

「寡占」とは数社によって、
市場のほとんどが占拠されてしまうこと。

それが進むと、2社によって、
あるカテゴリーのほとんどが占有されてくる。
これを私は「複占」と言い続けている。

しかし、ここで誤解してはならないことが二つ。
例えば、日本で、
イオン(イオンというのはグループ名をいう)と、
セブン&アイ・ホールディングスが、
小売市場を複占にもって行くことは絶対にない。
全体を二者が複占してしまうことはないのだ。

フォーマット別に、複占現象は起こるのである。

もう一つ、
寡占、複占といっても、
完全に数社、あるいは2社ということも絶対にない。
「ほとんど」である。
「ほとんど」というのは、
そのマーケットの65%から90%くらいであろうか。

これ、実証できているわけではない。
まったくの感覚。

しかし、例えば65%とすると、
残りの35%は、その他大勢の企業や店によってカバーされる。
この35%のマーケットは、個性ある中小企業にとって、
潜在的で巨大な成長市場である。
だから中小も生き残り、成長することが可能になる。

複占が90%ならば、残りの10%を他の多数の、
個性ある企業群が分け合うことになる。

滅びるのは、複占を目指して、
それがかなわなかった「大志向」の企業だ。

アメリカにはそんな事例が、たくさんある。

かつてのゼネラルマーチャンダイズストア
モンゴメリーワード。
最近のディスカウントストアおよびスーパーセンター
Kマート。

3社から2社になるとき、
残った両者は、驚くほどの高い収益性を示す。
だが、その次に来るのは、
そのフォーマット自体を奪い尽くす新しい革新者である。

デパートメントストアの多くが、
ゼネラルマーチャンダイズストアに奪われたように。
そしてゼネラルマーチャンダイズストアが、
ディスカウントストアに取って代わられつつあるように。

ケーマート
ああ恐ろしや、恐ろしや。

17日間漂流者の世迷言と受け取ってもらってもよい。

<つづく、結城義晴>

2007年11月06日(火曜日)

17日間あめりか漂流記③ [続]一挙12店スライドショー評価○×△

米国小売業は、つくづく大手寡占の状況だと思う。
「寡占」とは数社によって市場のほとんどが占拠されてしまうこと。
それが進むと、2社によって、
あるカテゴリーのほとんどが占有されてくる。
これを私は「複占」と呼ぶ。

さて、その複占企業の店舗のスライドショー続編。
25店を視察評価したものの後編12店。
ただしお断りしておくが、何千店もの中の1店。
しかもある短い期間に駆け足での視察と評価。
当たるも八卦、当たらぬも八卦のつもりで、
ご覧いただきたい。

①ベストバイ ○
アメリカの家電店チェーン第1位。
CESSと呼ぶ。
コンシューマー・エレクトリクス・スペシャルティ・ストア。
全米小売業第11位。
年商359億ドル、店舗数1170店。
ベストバイ

アメリカでは、「ウォルマートがやれないことをやれる企業が生き残る」
ベストバイは例えば、この「ギーク・スクワッド」によって、
ウォルマートにできないことをやる。
「オタクチーム」とでも訳したらいいのだろうか。
パソコンに関する専門家が常駐して、
24時間体制で顧客対応する。
スモールオフィス、ホームオフィスのカスタマーには、
不可欠のサービス。
それを1170店で展開するのだ。
ベストバイ2

②ベッド&バス・ビヨンド○
66億ドル、816店のホームファッションチェーン。
TPOSを売場展開する代表的な企業。
ベッドバスビヨンド
この天井までの陳列、ディスプレーはこの企業の特徴。
一つのコンセプトに基づいたコーナーが、TPOSを表現する。
Time(時)
Place(所)
Occasion(理由)
Style(生活様式)
顧客は、どんなときに、どんな場所で、
どんな理由・どんなきっかけで(どんな場合に)、
どんなライフスタイルで(どんな暮らし方・どんな楽しみ方・どんな生き方を求めて)、
商品やサービスを購入するのか。
この観点から店や売場や商品を考え直すこと。
それがTPOS。
ベッドバスビヨンド2

③コストコ◎
全米第4位。602億ドル、488店。
1店平均1億2336万ドル、約150億円。
チェーンストアの「単純化」の極み。
私がいま、一番押すとしたら、ウォルマートよりもコストコだ。
商売に関係なく、コストコは日本でもアメリカでも、
定点観測して欲しい。
どこでも、うまくいっている。
コストコ

標準化とはこの企業のことを指す言葉。
そのスタンダーディゼーションは、
シンプリフィケーションから生まれる。
売場にそれが出ている。
コストコ2

④ホームデポ△
ホームセンター第1位。
全米第2位。908億ドルで、10兆円超え。2147店。
しかし、次のフォーマット、どうするのだろう。
HD

売場が少し、荒れている感じを持つのは私だけ?
HD2

⑤ウォルマートスーパーセンター○
ご存知、3487億ドルの第一人者。
この店も、よく入っていました。
お客様。
ありがとう。
WM

この秋からウォルマートは、
エンド展開に特に力を入れ始めた。
この圧巻のエンドを見よ。
ウォルマートの「マーチャンダイジング」とは、
現場で売り切る力を発揮することを言う。
WM2

⑦ロウズ○
ホームセンター第2位。
全米第8位まで上がってきた。
438億ドル、1375店。
ホームデポが男らしさのDIYを強調するのに対して、
女性客も取り込むマーケティングで、ナンバー2を堅持。
ロウズ
家電も上手に品揃えに加えて、コンサルティングセールスに励む。
追うものの強みを生かす。
ロウズ2

⑧アルバートソン×
昨年まで、スーパーマーケット第2位。
しかし、3分割されて、売却された。
私はいつも、必ず視察店舗のリストに入れる。
アルバートソンの教訓を忘れないために。
アルバートソン

⑨CVSファーマシー△
ドラッグストア第2位のCVSは、
アルバートソンからドラッグ部門を買い取った。
そして全米9位。438億ドル、6202店。
店数ではウォルグリーンを上回る。
しかしこの店、ちょっと広すぎて、
もてあまし気味。
アメリカでは、今、店舗規模の適正化が焦点。
CVS

⑩ファミリーダラー△
バラエティストア第2位。
6300店。64億ドル。
この店が、なぜ、利益を出せるのかと、
いつも不思議に思う。
しかし、利益は、経費管理によって生まれる。
1店あたりの利益が出る仕組みならば、6300店は強い。
ファミリーダラー

⑪スミス△
クローガー傘下のスーパーマーケット。
ユタ州、ネバダ州、アリゾナ州、テキサス州など、
南西部のリージョナルチェーン。
スミス

かつての「オーソドックス」。
しかし、そのプロモーションはもう、古い。
言い切ってしまっていいのか、迷うが、
言い切ろう。
しかしさすがに生鮮はきちんとしている。
スミス2

⑫ウォルグリーン○
最後は、ドラッグストア第1位企業。
全米7位。474億ドル、5461店。
この店舗は、ジスにカスタマーを捉えていた。
温かい気分にさせられる店だった。
有難うと言っておこう。
ウォルグリーン

以上、ブログでは2回にわたって展開し、
視察評価は1日で、駆け回った結論。

全米どこに行っても、これらの店を見ることができる。
これらの店で買うことができる。
まさしく社会のインフラを、複占の企業群は形成している。
上野光平言うところの「生活マネジメント」の軸を構築した店店。

それが彼らの存在価値である。

<続く、結城義晴>

2007年11月05日(月曜日)

17日間あめりか漂流記② 一挙13店スライドショー評価○×△

11月4日、日曜日。
今年、2007年、
アメリカ合衆国では、
今日4日の午前2時をもって、冬時間へ変更。
だから4日日曜日は、25時間記録されたことになる。
なぜか、得した気持ち。

その得した2007年11月4日。
私は、25店の店に入った。

「17日間あめりか漂流記」第2日は、
その25店の半分の一挙スライドショー[前編]と簡単評価。

朝一番に訪れたのがスーパーKマートとトレーダージョー。
1
①Kマート×
k2
Kマート苦しい。
なんとシアーズと統合させられて、
ケンモアなどシアーズブランドが並ぶ。
それでも、苦戦。

②トレーダージョー◎
その苦しい核店舗の横に、
わざわざ今年8月オープンのトレーダージョー。
自信の表れ。恐ろしや。
トレーダージョー
私の全米ランキングで46位まで上がってきた。
いま255店、年商50億ドル(推定)のオーガニック・グロサリーストア。
最近は生鮮食品、乳製品なども本当に充実してきた。
私はワイン2.99ドルとビール6本入りを購入。
ホテルの部屋ではいつも、トレーダージョー。

③ウォルマート・ネイバーフッドマーケット○
2
意外! 10月にダラスで視察したときには、
もうこれ、止めるのではと思った。
それもニューデザインストアだったから。
今、112店。
しかし、この店、2年前に訪れたときから見ると、
周辺に住宅が増え、活気あり。
ネイバーフッドマーケット
スーパーマーケットはつくづく立地であることが分かる。
マーチャンダイジングは変わりなし。
売れるから利益出る。だから人手をかける。また売れる。

④ロングス・ドラッグ△
ロングス
ロングスは、年商50億9705万ドル、509店。第45位。
標準化に問題あり。

⑤ワイルドオーツ△
wildoats
ワイルドオーツは、ホールフーズへの統合が決まった。
ちょっと元気なし。

⑥ボーダーズ○
バーンズ&ノーブルと書店チェーンとして2強。
3
この余裕。この空間。お客さんがゆっくり読書。
ジュンク堂などが模倣。
良いものはどんどん真似ろ。
ボーダーズ

⑦ターゲット◎
ウォルマートに次ぐディスカウントストアで、
ウォルマートを凌ぐマーチャンダイジング、安定感あり。
年商595億ドル、1487店。全米第5位のチェーンストア。
4
特にソフトラインは充実。
買いたいものが的確にある。
ターゲット

⑧ボンズ×
セーフウェイ傘下。カリフォルニアでもこのネバダでも強かった。
しかし、このメインストリームと呼ばれるかつての主流派。
なぜかみな弱ぶくみ。。
「正札販売」していないから。
9

⑨ロス△
ブランド品の安売り店。
でも年商55億7021万ドル、797店のオフプライスストア。
年商も前年比12.7%増で、このフォーマットが存在すること自体、
アメリカのチェーンストアの進化を物語る。
5

⑩マービンズ△
かつてのソフトラインに強いディスカウントストアは、
リージョナルショッピングセンターに入って、まあまあの存在感あり。
6

⑪JCペニー△
全米15位、199億ドル、1033店。
日本でゼネラルマーチャンダイズストアと呼ばれたフォーマット自体の、
過渡期。
7
百貨店とターゲットの間で、どう自己のポジションをつくるのか。
シアーズともども、決定的なイノベーションが求められている。
ペニー

⑫メイシーズ○
全米13位の世界最大百貨店、年商270億ドル。
どこに行ってもメイシー。
日本の三越伊勢丹、大丸松坂屋、西武そごうのスケールではない。
1社に集中。一般的な百貨店をメイシーに、
高感度百貨店をブルーミングデールに統一。
8
キッチンウエアなど、やはり抜群。
メイシー

⑬ディックス・スポーティング・グッズ○
リージョナルショッピングセンターの核店を担える。
スポーツのTPOSを見せてくれる。
8
2フロア。2階から1階が見渡せる。
ディック

日曜日の午前から夕方までの駆け足評価。
アメリカでは、日曜午前は、
教会に行く人、家庭でゆっくりする人など、
多い。
だから落差の多い一日。
独断と偏見による簡易評価。
「漂流記」のタイトルに免じて、お許しあれ。

<明日に続く、結城義晴>

2007年11月04日(日曜日)

17日間あめりか漂流記①勝ち組と負け組を目の当たりにする。

ラスベガス
予告どおり11月3日に成田を発って、
ラスベガスに到着。

ラスベガスは、砂漠の街。
ラスベガス2
ネバダ州の中心都市。
ネバダ州全体で人口224万人、
ラスベガス市内は54万人、
周辺を含めると164万人。

そのラスベガス、全米でもっとも成長している都市。
1931年に、ギャンブルが合法化され、
ギャンブリングの街としてスタートし、
やがて1970年代から、ゲーミングの街となり、
さらに1990年代からエンターテインメントの街へと変身を遂げ、
いままた、コンベンションの街の要素も加わり始めた。

成長都市には、最先端の産業が集まる。
最先端の流通業も誕生する。

だから、小売業視察に適している。

来年から、FMIも、ここ、ラスベガスで開催される。

さて、私は、空港から、直接、ブルーバードモールへ。
典型的なリージョナルショッピングセンター。
4つの核店が鎮座ましまして、
その間を、約150の専門店がつなぐ。
日本でも、やっとつくられ始めた「モール」。
シアーズ ブルーバードモール
ブルーバードモールは、
シアーズとJ・C・ペニーのいわゆるGMS2強。
ペニー ブルーバードモール
それに百貨店のメイシーズとディラードが核となっている。

その後、ボカパークセンターでボンズ、ターゲット。
ターゲット ラス

レインボースプリングスショッピングセンターで、
99セントオンリーワンショップ、サムズ、ウォルマートスーパーセンター。
ウォルマート ラス

最後の、レインボースプリングスの道路を隔てた一角に、
ケーマート
つい最近まで営業していたKマートの閉鎖された店舗が、
残骸を残していた。

へとへとになってホテルに戻って、
バスタブに湯を張り、
いつものように本を読みながら、体を休める。

本が面白くて、ベッドに雪崩れ込んで読みふけると、
いつの間にか、うたた寝、熟睡。

そしてふと気がついて、目を覚ます。
時計を確かめると、不思議なことに、
ほんの一瞬だった。

その一瞬に見た夢のような強い印象。

かつて全米第1位の小売業で、
ディスカウントストアの寵児であったKマート。

ウォルマートやターゲットは、元気に客を集めている。

同じようにシアーズやペニーは、店内が薄暗く、
ひと目、在庫が過多と映る。
昔日の面影なし。

なぜなのか。

ウォルマートは、年商3487億ドル、その伸び率11.7、純利益113億ドル。
店舗数は6779店で、全米第1位。
ターゲットは595億ドル、13.1、28億ドル。1487店で5位。
Sears Holdingsが、6位で、530億ドル、7.9、9億ドル。3835店。
ペニーは15位で、199億ドル、6.0増、12億ドル。1033店。

1位のウォルマートには、サムズもスーパーセンターも含まれる。
6位には、いまやシアーズとKマートが含まれる。

シアーズ、Kマート、ペニーは、
ウォルマート、ターゲットに抜かれた。
ただそれだけなのか。

駄目になっていく店は、
なぜか薄暗く、
なぜか店員の姿が少なく、
なぜか在庫が多くなってくる。

それが客に伝わる。

ますます、暗くなり、
動きがなくなり、
不良な在庫商品とセールの札ばかりが目立つ。

それに加速度がつく。

恐ろしや、恐ろしや。

ここから結城義晴の「17日間あめりか漂流記」が、
始まった。

<続く、結城義晴>

2007年11月03日(土曜日)

渥美俊一「チェーンストア産業づくり」と結城義晴「商業の現代化」

今日から、アメリカ出張です。
ラスベガス、
ロスアンゼルス、
フェニックス、
オースティン、
ダラス、
そしてニューヨーク。
17日間になります。

アメリカ最新レポート。
ご期待ください。

臨場感のある映像と視点。
結城義晴なりの観点。
お届けします。

今夜は、この出張のために、
たまった原稿書きで徹夜に近い状態でしょうか。

しかし、向こうでの時差を飛び越えるのに、
この方法、悪くはありません。

いつものことです。

このブログは、その名称のごとく[毎日更新]する所存です。

しかし、時間は少しぶれるかもしれません。
携帯電話からのブログアップになるかもしれません。

お許しください。あらかじめのお断り。

さて、2日、金曜日。
東京青山のペガサスビル訪問。
ご存知、渥美俊一先生と面談。

渥美俊一

日本リテイリングセンターチーフコンサルタント。
「日本におけるチェーンストア産業づくり」を
ライフワークに掲げた現在の商業指導家第一人者。

私は、30年前の㈱商業界入社時点から、
渥美先生にはずっと、薫陶を受け続けた。
入社後、『販売革新』編集部に配属され、
それ以来、2002年に編集長を退き、
「編集人」として専務取締役の業務に専念するようになるときまで、
ほぼ毎月のインタビューを欠かさなかった。

編集長になるときにも、
取締役や専務に昇格するときも、
そして社長に就任したときも、
その社長を退任したときも、
必ず相談に応じてもらった。

商業界40周年記念の単行本『商業経営の精神と技術』は、
渥美俊一が語り、結城義晴が綴り、編んだ本であった。
60年間の商業界の歴史の中で、
3本の指に入るベストセラー・ロングセラーとなった。

その渥美先生に、退任以来、初めての報告。

まったくの偶然にも、
先生からのアドバイスの第一は、
「時間の使い方」と「自己育成」の方法。
私が昨日のブログで書いた
上野光平先生の「戦略的時間管理」に通ずるもの。

要点は、以下の2点。
時間の3分の1はフィールドワークに使え。
情報収集と情報処理が決め手である。

詳しくは、明かせない。
私の財産だから。

アメリカチェーンストアに関しても、
アドバイスを受けた。
私は、気分爽快、青山を後にした。

渥美俊一は「日本のチェーンストア産業づくり」
結城義晴は「日本商業の現代化」

と私
テーマ実現への貢献度では、足元にも及ばないかもしれないけれど、
テーマ自体の大きさでは、負けません。

当然ながら、共有できるところはたくさんある。
しかし、やはり私は商業界育ちなのだと、つくづく思う。

「現代化」というテーマ資源の中には、
チェーンストアもある。
インディペンデントもある。

国際級で超巨大なコングロマリットの誕生も必要。
「小さな店であることを恥じることはないよ」の店の存続も不可欠。

コモディティリテーラーもノンコモディティストアも。

中央集権的企業も、地域商業も。

両者の真の競争が、商業の現代化を実現させる。
私は、どちらも、正しい経営とイノベーションがあれば、
必ず生き残り、成長することができると思う。

正しさから外れて修正が効かず、
自己変革力を失った企業や店が、
大きくても、小さくても、
中くらいでも、
潰れる、滅びる。

あのアメリカでも、巨大にして倒産する企業が後を絶たない。
小規模にして、強い店が隆々と息づいている。

それを、私は、確かめに行く。

行ってきます。あとはよろしく。

<結城義晴>

2007年11月02日(金曜日)

上野光平の「戦略的時間管理」の原則

11月2日。
明日は、[文化の日]。
私が㈱商業界を辞してから、
2カ月が過ぎた。

目下の私の課題は、「時間管理」である。

私のブログによく出てくる上野光平さんの言葉に、
私にとって衝撃的な次の文章がある。
「五五歳を過ぎてから、時間管理のベースとして
『生き方の目標』を具体的に決めることとした」

上野本
上野さんは、63歳でこの世を去った。
55歳からの8年間。
生き方の目標が設定され、
それは上野光平の年賀状や暑中見舞い、
さまざまな公的な文章で明らかにされた。

そしてこの8年間、
すべてが、自然と、
これらの目標に集中し集積されていった。

上野光平は、「戦略的時間管理」と名づけた。

「戦略的時間管理の効率は、意外なまでに高い」
上野さんは、書き残している。

上野さんも言っているが、
人間にとって「時間」とは、「生きること」そのものである。
だから「時間管理」は「生き方管理」ということになる。

生き方を管理するなど嫌いだ、という人がいるかもしれない。
ならば、「生き方のマネジメント」と言葉を変えてもよい。

自分の生き方、自分の時間は、
自分でしか管理できない。
自分にしかマネジメントできない。

上野光平の「戦略的時間管理」は、
『戦略的な生き方のマネジメント』ということになる。

「時間管理は、時間をうまく使いこなす
あの手この手のテクニックではない」

その上野光平の「戦略的時間管理法」とは。

「したいことは山ほどあり、
できる時間は足らないのだから、
したいことの一部は我慢してやらない、
その代わりに、
したいことの一部は集中してやる」

これが「上野流戦略的時間管理」の原則である。

「好きなのにやらないのだから、
思いきりが必要だ。
時間管理とは生活の思いきりだと思う」

ストイックな人だ。

大の読書家であった。
しかし読書はするが、小説類はカットした。

私の場合にも、これは実によく当てはまる。
別に、小説を読まないわけではないが。

やりたいこと、
やるべきこと、
やれることの一部は、
徹底して、
集中的に、
実行する。

そのために、
やりたいことの一部は、
思いきって、
やらない。

それが「生き方のマネジメント」である。

<結城義晴>

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