結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年05月27日(土曜日)

「99%、無理だよ」から「夢は今もめぐりて」

紫陽花が咲いた。
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空気が少し湿っていて、
季節が移り替わっていくことを教えてくれる。
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昼すぎに横浜商人舎オフィスに出て、
月刊商人舎6月号の原稿執筆。

新聞の巻頭コラムが、
唱歌の「故郷(ふるさと)」を取り上げた。

朝日、毎日、中日。

「兎追いしかの山
小鮒釣りしかの川」

長野県中野市生まれの国文学者・高野辰之の作詞。

その山と川の中野市に、
似つかわしくない殺人事件。

高齢の女性二人、駆けつけた警察官二人。
凶器はサバイバルナイフと猟銃。

中野市議会議長の長男が逮捕された。

凶器を手にして、一晩、
自宅に立てこもった。

中日新聞。
「緊迫の夜、耳をつんざいたのは
水田にいるらしいカエルたちの鳴き声だった。
平和なのかと錯覚させる、その合唱」

「故郷」は歌う。
「如何にいます父母、
つつがなしや友がき」

父母(ちちはは)、友がき。
かの山、かの川。

夢は今もめぐりて、
忘れがたき故郷。

この事件。
やるせない怒りとともに、
言いようのない哀しさがある。

亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。

朝日新聞のコラム、
「サッカー人として
三浦知良が書いている。
今、ポルトガルの2部オリベイレンセ所属。
56歳の現役。
kazu

「静岡学園を中退して
ブラジルでプロになると宣言した15歳の僕に、
サッカー部の監督は言った」

「99%、無理だよ」

いま振り返れば、至極まっとうな大人の意見。

「当時の僕はうまくいかないなんて考えもしないし、
リスクという発想もない」

「1%あるんだろ、という
無鉄砲な熱意しかなかったのだから」

「ブラジルに来てみて、
監督の言葉は正しかったかも、と
いう現実に気づく」

「自分が属したのは
16歳までで構成されるチーム。
その上に17歳のジュベニール、
そしてプロの1つ手前の18歳から20歳までの
ジュニオールのカテゴリーがあった」

「寮の6人部屋では5人がジュベニールの先輩。
体つき、技術、スピード、何もかも
自分とはレベルが違う」

「その人たちでさえ
プロになれるかは分からない」

「その一段上、またその上にあるプロは、
とてつもなく先にかすむ世界だった」

「あの時の途方のなさを、
挫折感というのかな」

挫折感を癒すのは、
「あの山、あの川」、
そして「父母、友がき」だったのだろう。

ここまで来た。
「”1%”から始まったことを思い返せば、
信じられない」

しかしカズは思う。
「ある意味で、大人になるということは
つまらないね」

「”しっかりした人間”という
足かせを自分にはめ、
なくてもいい常識やつまらないものに
とらわれがちになって」

なくてもいい常識。
つまらないもの。

「20代のころは眠る時間さえ惜しかった。
何も恐れずに”俺はできる”と
突っ走れた自分が懐かしくもある」

「許される範囲内で、
あの常軌を逸したエネルギーを
取り戻してみたいとも思う」

「”99%無理”だとみなされようが、
望むものに挑み、手にしてみたい」

「とらわれずに生きていきたい。
あの15歳のころのようにね」

夢は今もめぐりて。
〈1+99〉

今日が1ならば、
明日は99を目指す。

それがある限り、
銃や刃物に興味は向かない。

それが見つけられないこと。
言いようもなく哀しい。

〈結城義晴〉

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