結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月03日(日曜日)

桃の節句の「ひな人形が怖い」と「自分の頭で考えろ!」

桃の節句。
上巳(じょうし)の節句という。

「上巳」は上旬の巳(み)の日の意味。
巳は十二支のヘビ。

だからもともとは、
3月上旬の巳の日の節句だった。

それがぞろ目の3月3日となった。

1月7日が人日(じんじつ)の七草の節句。
5月5日が端午(たんご)の菖蒲の節句、
7月7日が七夕(しちせき)の笹の節句。
そして9月9日が重陽(ちょうよう)の菊の節句。

草花の節句が1年に5回ある。

日本らしくて、とてもいい。

日経新聞巻頭コラム「春秋」が、
人形工房「ふらここ」のひな人形を紹介。
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まるっこい輪郭につぶらな瞳。
みな「赤ちゃん顔」。

㈱ふらここの代表取締役は原英洋さん。
創業は2008年。

「ひな人形が怖い」
顧客が漏らした一言。

原さんの両親はともに人形師。
家業を継いで働くうちに、
気がついた。

ひな人形を選択する主体が、
祖父母から若い両親に変わった。

豪華絢爛よりかわいい系が好まれる。

そこでたどり着いたのが赤ちゃん顔のひな人形。
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職人たちは「迎合するのか」と大反対。
やむを得ず新しい会社をつくった。
以来、売上げは伸び続けた。

「子どもの健やかな成長を
願う気持ちは普遍。
時代に合わせて変化しつつ、
文化を次世代につなぐのが
役目だと思っています」

ふらここの社員は、
原さんをのぞく33人すべてが女性。
子の有無にかかわらず、
働きやすい職場づくりにも心を砕く。

いいコラムだ。

桃の節句も変わる。
時代は変わる。

ふらここの兜と5月人形。
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それでいい。

仕事や商売は、
時代とともに変わる。

もちろん人間国宝の人形もいい。

両方あるのが豊かさであるし、
ビジネスチャンスは、
どちらにもある。

私はやはり爺の世代なのだろう、
オーソドックスなひな人形が好きだが。

さて、朝日新聞「天声人語」

朝日が大嫌いな人もいるし、
なんとなく好きな人もいる。

私は文章ひとつずつ、
是々非々で見ている。

「クレタ人は常に嘘をつく」とクレタ人が言った――。
有名なパラドックスだ。

発言を本当だと仮定すれば、
そう言ったクレタ人自身が必ず嘘をつく。
したがって「クレタ人は常に嘘をつく」との発言も、
本当ではなくなって、
はじめの仮定と矛盾する。

パラドックス。

この後は朝日らしく、
「センセイたちの発言は、
本当だと仮定しようか」

政治倫理審査会に出た安倍派の幹部たちの発言。

「パーティー収入の還付金が
政治資金収支報告書に記されていないとは
知らなかったと口をそろえた」

「とすると2022年、
安倍晋三会長の言葉は、
うわの空で聞き流したのだろう」

このとき安倍元首相は、
「不透明で疑念が生じかねない」と、
還流をやめる方針を決めた。

「のどから手が出るほど欲しい
政治資金が削られる」

「不透明とは? とたださぬはずがない」

その後、還流継続に方針は一転した。

「それでも不記載を知らなかったとすると、
派閥の会計を担った事務職員もずいぶんだ」

「違法行為であるとただ一人知りながら、
幹部には黙っていたことになる」

コラム。
「いやいや、全体に無理がある。
きっと最初の仮定が違うのだろう」

「センセイたちの発言をたどると
矛盾につきあたる。
政治不信が払拭されるどころか
深まった感さえある」

クレタ人は嘘つきか。
センセイたちは嘘つきか。

あのパラドックスは、
論理のあそびの世界だから面白い。

商人舎2018年10月号特集。
「嘘つき!?」マーケティング9bd2fad8293a7760d46763f58363c11d-448x645

会心の特集だった。

[Message of October]
自分の頭で考えろ!

デジタル時代に、
情報があふれる。
膨大なデータが手に入る。

定量調査情報はビッグデータ化する。
定性データもSNSなどから氾濫する。
両者はデジタル化し融合するかに見える。

その結果として、
人間の感情や顧客の心理も、
データ化することができると過信する。

そこに虚が生まれる。
短絡が起こる。
誤謬が生じる。

しかし私たちは記号化された情報を、
素早く、賢く、的確に読み取って、
有益なマーケティングをせねばならない。

そのためには自分の目で見て、
自分の耳で聞く。
そして自分の頭で考える。

それなくしては、
データという間接情報は活かせない。
伝聞情報は使えない。

とりわけ顧客商売のデータ活用は、
最後の最後の最後に、
人間のコミュニケーションが必須となる。

そのうえで自分の頭で考える。
複雑なデータをシンプルな脳で読み解く。
自分の頭で考え続ける。
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今、日本の国会で行われている政倫審。

これも私たちが、
自分の頭で考えて、
結論を出さねばいけない。

そのパラドックスを見極めねばならない。

〈結城義晴〉

2024年03月02日(土曜日)

「金をつくるよりも 幸せをつくる」ことの夢想

今年の桃の節句は日曜日だ。

2歳と0歳の孫娘がいる。
2歳のほうは雛祭りを楽しみにしている。
毎日、おやつは雛あられで、
それをボリボリ、音をさせて食べている。

彼女たちの将来の可能性は無限だ。

しかし彼女たちの未来社会に、
それほど明るい展望はもてない。

自分自身で切り拓いていくしかない。
そうあってほしいと思う。

小さい春が見える。

小唄。
「梅は咲いたか
桜はまだかいな♪」
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沈丁(じんちょう)の香の石段に佇(たたず)みぬ
〈高濱虚子〉
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久しぶりに日経新聞「大機小機」
コラムニストは四つ葉さん。

タイトルは、
「株最高値でも縮む日本経済」

日本がGDPでドイツに抜かれた。

2023年の名目GDPはドイツが4.5兆ドル、
日本は4.2兆ドル。

ドイツは就業者数が日本の6割、
労働時間は8割にすぎない。

日本の生産性が低すぎるのだ。

第1位の米国は25兆ドル、
第2位の中国は18兆ドル。

大差がついている。

しかも日独の3位4位集団は、
近い将来に5位のインドに抜かれる。

「経済大国」の看板は、
降ろした方がいい。

「世界第2位の経済大国」だった頃の意識が
抜けきれていない。

コラムニスト。
「日経平均株価は史上最高値でも、
世界の時価総額に占める日本株比率は
6%程度である」

そして海外から見た日本像。

「安くて安全で遊びに行くには適し、
美食とサブカルチャーは人気。
警戒感もさほど持たれていない」

「ただし学びに行くには
大学のレベルが高くなく、
稼ぎに行くには
賃金が魅力的でない」

「まずはそんな等身大の自画像を
直視することから始める必要がある」

同感だ。

コラムニストは過去を懐かしむ。
そしてコラムニスト自身が、
等身大の自画像を直視できていないようだ。

「1990年代前半、日本経済は
世界の6分の1程度のシェアを有していた」

「当時の日本は良くも悪くも影響力があり、
若くして大きな舞台を踏めた」

私にもささやかながら、
そんな体験がある。

「円高を生かして海外体験を積むことも
容易だった」

1ドル70円台のころの海外旅行は、
天国のようだった。

「今では国家の存在感が低下し、
円安定着で海外留学へのハードルも高い」

「次世代の政官財のリーダーを
どう育成するのか。
これをおろそかにすると、
日本はますます埋没するだろう」

コラムニストは。
やはり従来型のエリートだ。

政官財に限らず、
スーパーマーケットのチーフたちが、
弾丸で海外を体験するのもいい。

「スポーツ界では、
世界で活躍する“若くて強い日本人“が
数多く登場している」

「それが何かヒントにならないか、
と夢想している」

大谷翔平、井上尚弥、羽生結弦。

音楽家やミュージシャンだって、
画家や彫刻家や建築家だって、
明治、大正、昭和と、
日本が貧しい発展途上国のころ、
自分で世界を切り開いた。

むしろ政官財の人間のほうが、
税金で「お国がかり」で海外体験をした。

その時代は終わった。
懐かしむことはない。

重厚長大から、
軽薄短小へ。

レース型競争から、
コンテスト型競争へ。

経済大国から、
おいしくて、たのしくて、
心豊かな国へ。

金をつくるよりも、
幸せをつくる。

そんな夢想のほうが、
未来的である。

そしてそのほうが、
長い目で見れば金を稼げる。
模倣困難な経済性を構築できる。

いわゆる経済大国は、
模倣されやすい。

中国がそれをしたし、
インドもそれをする。

ブラジルだって、
アフリカだって。

日本らしさ、
そのユニークさ。
幸せをつくる仕事。

それは新しくてのびやかな、
小売業やサービス業の時代でもある。

大谷翔平の結婚の発表も、
みんなが新しい夢に期待しているからこそ、
これだけ盛り上がるのだ。

孫娘たちも、
幸せをつくることに、
一生をかけるのだろう。

それを願いたい。
明日は雛祭りだ。

〈結城義晴〉

2024年03月01日(金曜日)

「政倫審」の「弁明の機会」と「嘘をつく店」

一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。

いよいよ弥生。

商人舎Basicコース。
イン・ラスベガス。
5月8日~14日。
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募集を始めたらすぐに、
ありがたいことに、
満員御礼。

すみません。
JTBにお願いして、
目いっぱい、枠を増やしましたが、
ホテルもバスも満杯、満席。

かつてはバス2台、3台の研修もやりました。
しかしそれはどうしても、
研修の中身が薄くなるので、
やめました。
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秋の商人舎US研修を、
急いで企画しています。

ご期待ください。

1月と2月にニューヨークに行って、
結構、忙しかった。
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3月は執筆の季節です。
単行本がひどく遅れてしまった。

昨年から正月にかけて、
猛ダッシュで書いて、
それからニューヨークへ、
と考えていたのですが、
その猛ダッシュができず、
3月に入ってしまった。

一月、往ぬる、
二月、逃げる。

実感しています。

三月、去る。

そうならないよう、
気持ちを引き締めて、
この1カ月をやり抜きます。

私の会社のデスクに掲げている、
ジャン・ジャンセン。
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これを眺めながら頑張ります。

さて、政倫審。
政治倫理審査会。

政治家の倫理を審査するために、
日本の国会の両院に置かれる委員会組織。
地方議会にも政倫審はある。

「政治家の倫理」が、
審査されなければならない。

それ自体、ひどい状態だ。

今、日本の、自由民主党の、
国会議員たちの倫理が、
地に落ちているということだ。

何かが明らかにされることは、
はじめから期待できない。

政倫審には「嘘」が許される、
という印象すらある。

だから罰則の伴う証人喚問にしようと、
野党は意気込む。

しかし政治家も経営者も、
学者もジャーナリストも、
弁護士も裁判官も、
部長も店長も、
一人の社会人も、
一人の顧客も、
嘘をついてはいけない。

ところが堂々と政倫審が開かれ、
弁明の機会と称して、
嘘をつく機会が与えられる。

まことに滑稽な話だ。

追求が足りなかった。
その通りだ。

しかし表情は怖い。
しっかり見ていると、
嘘をついている顔はわかる。

そしてこの顔を、
私たちが選んでしまったことに、
自己嫌悪すらいだくことになる。

嘘のない社会にしましょう。
嘘のない会社にしましょう。
嘘のない店、嘘のない売場、
嘘のない仕事にしましょう。

すべてに嘘がない。
そんな聖人君子であることはできない。
その必要もないかもしれない。

しかし一番大事なことに対してだけは、
嘘はいけない。

政治家ならば政治であり、
経営者ならば経営であり、
商人ならば商売であり、
社会人ならば仕事である。

自分ならば、
自分に嘘をつくことであり、
人生そのものである。

結城義晴著『Message』より。
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嘘をつく店

「この店は滅びる」
倉本長治は言い放った。
よほど腹が立ったのか、
それともひどく悲しかったのか。

私も近頃、
そんな気持ちになることがある。

客を平気で待たせる店。
買いたい品が見つかりにくい店。
欲しいものが品切れしている店。
買った商品が傷んでいる店。
きたない店。

一番いけないのは、
嘘をつく店。

「安い」と「良い」とは、
突き詰めると同じことだ。
品質が同等で価格が低い状態を
「安い」といい、
価格が一定で品質が高い状態を
「良い」という。

ただし、「安い」も「良い」も、
嘘をつかない店でのことだ。

客を待たせない店、
分類と陳列の整った店、
欠品のない店、
品質のしっかりした店、
きたなくない店、でのことだ。

「安いよ、安いよ」と
大声を張り上げている者にかぎって、
嘘つきの店がある。
きたない店が多い。

そしてこんな店には、
「買物の得」はあっても、
「生活の得」はない。

「暮らしの得」を提供する店を、
「デスティネーションストア」と表現する。

競争はやがて、
賢い消費者を
多種多数、誕生させる。
逆に、競争者自身は
多産多死の状態に陥る。

しかし、それは
良いことなのだと思う。
進化を意味するのである。
だから私もこう言い切ろう。

嘘をつく店など、滅びてしまえ。
永遠に、この地上から無くなれ。

〈結城義晴〉

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