結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月09日(土曜日)

日経社説「ドラッグストア統合が問う流通変革」を論評する

寒くなったり温かくなったり。
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三寒四温(さんかんしおん)。
寒い日が3日ほど続くと、
そのあと4日ほど温暖な日が続く。
そしてまた寒さが3日続く。

もともとの意味は、
冬季に7日周期で寒暖が繰り返される現象。
寒い日は晴れ、暖かい日は曇天や雨。

そしてこれは、
朝鮮半島や中国東北部で見られる。

原因はシベリア高気圧。
この高気圧が7日の周期で、
強まったり弱まったりする。

シベリア高気圧は正確なのだ。

日本でいわれる三寒四温は、
明確な3日と4日にはならない。

太平洋の高気圧の影響を受けるからだ。

そして本来、冬の現象なのに、
最近は春先に現れる。

さて、日経新聞の社説。
いつも書くけれど、
日経の社説に、
商業や小売業を取り上げていただいて、
とても感謝している。

「ドラッグストア統合が問う流通変革」

夕方の5時に電子版で公開された。

ウエルシアホールディングスと、
ツルハホールディングスの経営統合。
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売上高2兆円を超える巨大チェーンの誕生。
ドラッグストア市場の4分の1を占める。

「イオンはこれまでドラッグストア以外にも
スーパーの再編を進めてきた」

総合スーパーでは、
ダイエー、マイカル、さらにフジ。
食品スーパーマーケットでは、
全国のマックスバリュ。
さらに、
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス。
そこにいなげやも加わる。

「価格の支配権をメーカーから奪い、
消費者に値下げで還元することを訴えてきた」

ん~。

この認識、ちょっと古くはないか。

今は製造業と卸売業、そして小売業は、
ウィンウィンの関係を目指している。
そうあらねばいけないと三者は了解している。

「イオンが傘下に置いたダイエー型経営の踏襲だ」

これにもちょっと賛成しかねる。
ダイエーの歴史的貢献を評価しつつ、
イオンはその発展形を追求している。
「踏襲」ではない。

平和産業、地域産業、人間産業。
これがイオンの目指すものだ。

平和産業、人間産業に関しては、
ダイエーも同じだったと思う。
しかしイオンの地域産業主義は、
ダイエーの中央集権主義とは異なる。

「デフレ経済が本格化する2000年代ごろまでは
有効な考えだったが、
価格競争力に頼るだけでは
今後の日本経済の方向にそぐわない面がある」

イオンは価格競争力にだけ頼っているか。

中核業態のイオンリテールは、
そのバナーを「イオンスタイル」としている。

「イオンが提供するライフスタイル」の意味である。
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これはイオンが価格一辺倒ではないことを、
自ら表明しようという意思の表れである。

「いまやドラッグストアは
売上げで食品の構成比率を高め、
スーパーなどとの価格競争を展開している。
節約志向の強い消費者にはプラスになる一方、
価格の下押し圧力になっているのも事実だ」

「価格の下押し」「デフレの元凶」は、
ずっとユニクロやしまむらが、
攻撃された言い回しだ。
いわば常套句。

「人口減が進む中、過度な価格競争は
取引先を含めた消耗戦を招くだけだ」

「過度な価格競争」は、
今やばかばかしいこととして、
産業全体では否定されている。

かつては「1円戦争」などと呼ばれて、
恥ずかしい競争もあった。

しかし今、そんなことをするのは、
マーケットゲリラだけで、
ゲリラはすぐに消えてなくなる。

今、日経が「格安」などと報じる企業企業は、
「コストパフォーマンス」の競争を展開している。

〈価格競争=悪〉
マスコミ全般に、
そんな思い込みがある。

しかしすべての企業は、
正当な価格競争を日々、
繰り返している。

日経の流通担当の記者や論者たちには、
そんな思い込みがないと信じたい。

さらに「人口減」が進めば、
消費者は高い商品を、
買わされなければならないのか。

「多くの雇用を抱える小売業でも
賃上げは欠かせない」

イオンは今年もすでに、
7%の賃上げを発表している。
グループ企業もそれに倣っている。

「統合後は規模の利益を生かした
デジタル化などで経営効率を高め、
高付加価値の品ぞろえやサービスの提供を
より重視すべきだ」

これは経営戦略への介入だ。
余計なお節介だ。

たとえばアメリカのチェーンストア。
ウォルマートやターゲット、
コストコやクローガー、
CVSヘルスやウォルグリーンブーツアライアンス。
彼らは価格戦略を採用しているが、
それが「価格の下押し」などと、
揶揄されることはない。

それぞれの企業が自分のカスタマーに対して、
必死の思いで商品やサービスを提供している。

それぞれでいいし、
それぞれがいい。

トップ企業となる新生ツルハホールディングスは、
マーケットリーダーである。

そしてマーケットリーダーは、
すべからく全方位作戦をとる。
だから価格志向とサービス志向を、
両利きの経営で実現しようとする。

心配することはない。
この経営統合によって、
マーケットリーダーらしい戦略が生まれる。

コモディティ商品は価格志向、
ノンコモディティ商品はライフスタイル志向。

トレードオフを排除して、
トレードオンを追究する。

最後の一言は、
「流通業の変革につながることを期待したい」

日経で小売業を取り上げてくれることは、
本当にありがたい。

しかし社説だからこそ、
専門性を担保しつつ、
正当なロジックを伝えてほしいと思う。

ありがとう。
お願いします。

〈結城義晴〉

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