憲法記念日の振り替え休日。
変な考え方だが、
1973年の祝日法改正の際に、
「振替休日」制度が導入された。
それ以前は祝日が日曜日と重なると、
祝日としての休みは消滅していた。
私は大学生だったから、
それほど関心を持った記憶はない。
大学生は春休みが長いし、
夏休みも冬休みも長い。
しかも土日祭日感覚は、
1週間単位の講義のカリキュラムだけ。
2007年の祝日法改正で、
「翌月曜固定」から「最も近い平日」へ変更された。
それ以前は日曜と重なった祝日は、
「翌月曜が振替休日」と決まっていた。
ハッピーマンデー制度などと言われた。
それが今のように一番近い平日となった。
小売業やサービス業にとっては、
自分の顧客が職場や学校よりも、
家庭にいる時間が増えて、
それが来店につながるから、
とてもいいことだろう。
さて拙著『メッセージ』から。
「良く噛んで食べる」
人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、
いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。
要は、
体重を減らせ、
痩せろ、
節制せよ。
そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。
まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。
食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。
うん、
すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。
「良く噛んで食べる」とは、
いったいどうすることなのか。
そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」
最低40回、あるいは48回。
この習慣をつける。
「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………
このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。
食物の堅さにも、
関心を払うようになる。
すべてよくなる。ときどき、
舌や唇を噛んでしまうこともあるが。
しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。
実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。
「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………

49歳の販売革新編集長のときの巻頭言、
「Editor’s Voice」より。
あれから確実に、
良く噛んで食べるようになったと思う。
商業界の取締役編集担当の時代に、
全国同友会のある人から言われた。
「結城さんはよく嚙んで食べるって書いてるけど、
48回も噛んでないですね」
その人、私が食べるところを見ながら、
数えていたのだ。
これには参った。
でも有難かった。
そんなに丁寧に、
私の書いたものを読んでいてくれるんだ。
ずっと言っているが、
大切なものは、
歯と足。
人間はこの二つを大事にしなければ、
元気に生きてはいけない。
すごくいい絵本。
「絵本ひろば」から。

最近やっていることは、
私なりの歯磨き。
ずっと私は歯ブラシを2本使っている。
硬い歯ブラシと柔らかい歯ブラシ。
まず硬い歯ブラシで、
歯の間を丁寧に磨く。
歳をとってくると歯茎の間が空いてくる。
だからそこに食べ物が溜まりやすい。
それを丁寧にとる。
次に柔らかいブラシで、
主に歯茎をマッサージする。
歯の上、下、裏側も上、下。
ゆっくりとまんべんなく、
ブラッシングする。
最後に歯磨き粉を、
少しだけ硬いブラシに塗って、
歯の表面を磨く。
自然な白さをつくる。
口を大きく開けて、
笑ったり喋ったりするから、
奥歯まで自然な白さにする。
この歯磨きでもいつの間にか、
頭の中で数を数えている。
「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………
私の「食べるマニュアル」は、
食べるときだけでなく、
歯磨きのときにも使える。
歯磨きは他人から見られることはないから、
安心してやっている。
〈結城義晴〉
























