結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年03月09日(土曜日)

結城ゼミキックオフミーティングと「たこ足」のモノマネと「新規出店」

東京ではもう、
コートのいらない季節に入った。

今日の土曜日、
私は朝から立教大学。
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こんなにすがすがしいキャンパスになった。
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朝10時から7号館7202教室で、
結城ゼミ・キックオフミーティング。

私が大学院教授となった2009年度から、
結城ゼミはスタートした。
第1期生は2010年3月に修了した5人。
第2期6人、第3期7人ときて、
この3月修了の第4期5人。
それに今年4月から結城ゼミに加わる7人が参集。
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午前中は指導教授の挨拶から始まって、
第2期生の二人からレクチャー。
猪股信吾さんと渋木克久さん。

研究調査の方法論、
論文や情報の集め方。
これはもう、結城ゼミ全体のノウハウとして定着。
二人のプレゼンテーションも、
素晴らしい内容となってきた。

昼食は立教大学名物の第一食堂。
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みんなで学食。
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午後は、新第5期生の研究テーマ発表。
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そして修了したばかりの第4期生の研究発表。
それぞれに研究論文を書いて、
論文審査を受けたばかりの研究を、
さらに充実したプレゼンテーションで公開。

とてもよかった。

第1期生の名古屋文彦さんと田村正純さん。
名古屋さんは日本マクドナルドを今月卒業、
田村さんはイオンリテール㈱で広報をしている。
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それからやはり1期生の高橋修一郎さん。
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神田外語学院教務センター・コーディネーターだが、
現在は大学講師もしている。

1日ゼミをやっているうちに、
キャンパスにも夕ぐれがやってきた。
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ゼミが終ると、懇親会。
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会場は、ホテルストリックス東京。

結城ゼミOB会会長・名古屋さんの音頭で乾杯して、
飲んで、食べて、語り合った。

最後に、第5期生のゼミ長が決まった。
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足立幸一さん。
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1年間、よろしく。

そして最後の最後に全員で写真。
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素晴らしいゼミ、私の誇りです。

さて、糸井重里の『ほぼ日刊イトイ新聞』。
新聞スタイルのインターネットサイトだが、
巻頭言は「今日のダーリン」。
毎日、必ず糸井重里自身が執筆。

今日は「タコがじぶんの足を食べる」という俗説、
いわゆる「たこ足」から連想した話。

「点けっぱなしにしているテレビを見てて、
『ものまね』の番組や『カラオケ』の番組が、
ずいぶん増えているなぁと思っていたのですが、
これは『タコがじぶんの足を食べる』と、
同じことなんじゃないかなと思ったわけです」

「ものまね」や「カラオケ」は、
価値を増やしていない。

「いままであったものを、まねたり、なぞったりするだけで
『まねされる元のもの』をつくってないんです」

「クイズ」番組も同様。

歌番組やドラマは、
「元のもの」を出す。

「元のもの」とは、
価値を問いかけるもの。

これは当たるものもあるし、
外れるものもある。

だから価値を問いかけるものは、
だんだんテレビから消えていった。
テレビは「ハズレ」を嫌うから。

「『タコがじぶんの足を食べる』現象は、
テレビばかりじゃなくて、
世の中全体なんじゃないか?」
これが糸井重里の指摘。
「新しく価値を増やそうとすると失敗の可能性があるから、
『ありあわせのもの』のパロディや化粧直しで、
なんとかしようという『時代』なんだっていう気がする」

「新しい価値」をつくることは、
しんどい仕事だ。

それから逃れようという風潮がある。
「じぶんにも、それに感染してるところ、
ありそうだなー」

糸井さんはいつものように、
自嘲気味にコラムを終わらせるが、
そこから逃げ出さないぞ、
という決意が潜んでいる。

この精神は見習いたい。

さて日経新聞に「食品スーパー出店攻勢」の記事。

スーパーマーケット企業トップのライフコーポレーション、
首都圏のヤオコーや中部のバロー、北海道のアークス。

ライフは14年2月期に14店の新店計画。
そこにさらに1~2店の上積み。
年間200億円超の投資計画。

2012年度は120億円で11店。
新店の7割は首都圏。

そのために千葉県習志野市の惣菜センターを新設、
大阪市内の惣菜センターも12億円投資で生産能力増強。

ヤオコーは13~14年度、年10店ペースで出店。
12年度の2倍。

バロー16店程度の出店計画。
これは以前の1.5倍のペース。

アークスは、約10店を新規出店。

記事は「食品スーパーの優勝劣敗が鮮明」と指摘し、
それが「業界再編」につながると分析。

その理由は第1に低価格消耗戦、
第2は異業態間競争。

相手は、コンビニ、ドラッグストアなど。

アークスの横山清社長のコメント。
「2~3年後には業界の風景が
違ったものになっているはず」

チェーンストアの多数の新規出店は、
「プロトタイプ」というモデル店を創造し、
そのモデルを次々につくっていくことによって可能となる。

テレビでいえば、
「新曲」や「新ドラマ」「新ニュース」番組をつくって、
それを磨きつつ、新しい価値を求めていく。

「たこ足」の「ものまね」や「カラオケ」は、
いかに技術が上がっても、
「新しい価値創造」を模索しはしない。

同じように「たこ足的新規出店」は、
新しい価値を創造しないという点で、
同質化競争を蔓延させ、
「劣敗」の要因となる。

大学院生の修士論文は、
先行研究レビューが前提となる。

だから「ものまねやカラオケ」を、
全面否定するものではない。

しかし最後にめざすものは、
「新しい価値」の追求であることを忘れてはならない。

いつものようにピーター・ドラッカー。
「企業の目的は顧客の創造である」

チェーンストアも大学院も、
「新しい価値」を創り出すところに、
存在意義がある。

〈結城義晴〉


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