結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年03月13日(月曜日)

訃報/伊藤雅俊さん、98歳の「基本の徹底と変化への対応」

Everybody! Good Monday!
[2023vol⑪]
2023年第11週。
3月第2週。
3月10日、伊藤雅俊さん、ご逝去。

哀悼の意を表しつつ、合掌。

イトーヨーカ堂創業者にして、
セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。
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今や日本最大のコングロマーチャントを、
一からつくった起業家。

その本質は「才覚と算盤」。
これは直接、お聞きした哲学だ。

「基本の徹底と変化への対応」も、
伊藤イズムである。

インタビューをお願いして訪れると、
まず伊藤さんから質問攻め。

一言一言を丁寧にメモにする。
すぐさま、目の前で、
メモをホッチキスでとめて、
次々に整理していく。

その上でこちらの質問に答えてくださる。

その意味で伊藤さんは、
事実を大切にする経営者だ。
データを重視しつつ、
物事を判断する商人である。

ピーター・ドラッカー先生とも、
昵懇の間柄だった。
「真摯」という言葉を好む。

ドラッカー教授の父上が、
オーストリア皇帝から授けられた表彰状。
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現物をドラッカー教授からプレゼントされた。

「お客さんに支持されることだけを考えて
商売する」

「お客さんに売ることを、
楽しみにしていればいいんじゃないかな」

「大きくなると、
大きな顔をするようになる。
小さい人に対して大きな顔をする。
僕は、小さい人にも大きい人にも、
変わらないでしょ」

そう、小さな店にも、
学べるところがある。

伊藤さんはそういった店を、
こまめに訪問する。

しかし、
「小さい人ほど、
ちょっと大きくなると、
大きな顔をする」

伊藤さんは、
「オーナーシップ経営こそ最強である」と考える。

その伊藤さんが、
「潮目が変わった」と言った。
2008年のこと。

「自分の力では、
どうにもならないことが起こる」

次々に事件が起こった。

チェーンストア協会50周年のとき。
2018年1月19日。

伊藤さん、岡田卓也さん、右が清水信次さん。
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ツーショットの写真を撮った。IMG_4650-13
これが直接お会いした最後となった。

今、セブン&アイは、
コンビニ一本足打法となる。
イトーヨーカ堂は衣料から撤退し、
首都圏に集中する。

次男の伊藤順朗さんが、
代表取締役となって、
その任を負う。

巡り合わせだろうか。
はたまた意図されたことだろうか。
順朗さんには頑張ってもらいたい。

応援もしよう。

1979年、伊藤雅俊さんが、
チェーンストア協会会長のとき、
私はチェーンストアフェアを取材し、
一冊丸ごと「別冊号」をつくった。

そのときからお世話になってきた。

長いながい時間が経過して、
伊藤さんとイトーヨーカ堂、
セブン-イレブンと、
セブン&アイ・ホールディングスを、
私は見てきた。

それらの基礎はすべて、
伊藤雅俊イズムで出来上がっている。

誇らしいことだ。

それを失ったら、
セブン&アイは駄目になる。

「あげまん」は伊丹十三の映画だ。
愛した男にツキをもたらす芸者上がりナヨコ。
ナヨコから離れるとツキが去っていき、
ナヨコとくっつくとツキがやってくる。
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伊藤イズムとセブン&アイは、
この「あげまん」の関係にある。

心からご冥福を祈りたい。

今日は大江健三郎さんの訃報ももたらされた。
こちらは88歳。

伊丹さんの義理の弟。

短編「飼育」は衝撃だった。
この作品で23歳で芥川賞。

その後の精力的な執筆活動は、
語りつくせない。

1994年、ノーベル文学賞受賞。

ご冥福を祈りたい。

さて今日は月刊商人舎3月号発刊。
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遅れました。
申し訳ありません。

特集は、
’23US Retail大写真集
ポストコロナの店舗アルバム In San Francisco
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[Cover Message]
きっちり3年ぶりのアメリカ。サンフランシスコとシリコンバレー、そしてベイエリア。米国人の消費生活はCOVID-19パンデミックによって大変化を遂げていた。それに寄り添うように小売業も大きく変わった。リテールDXは進捗していた。超巨大チェーンは、さらに巨大さを増し、コロナはM&Aを早めた。ウォルマートは「人々が主導しつつ、テクノロジーを活用するオムニチャネル・リテーラー」へと変貌を遂げていた。[とんがり★こだわり]のコンテスト競争型チェーンはその個性を磨き続けていた。インフレはダラーストアを1.25ドルストアに変えた。変わるものは変わった。変わらぬものは変わらなかった。そのなかで「ポジショニング」なき者は活躍の場を喪失していた。その変化と不変の様さまを大写真集でお届けしよう。「百聞は一見に如かず」。ビジュアルによる追体験には「五十聞」の価値がある。

この雑誌は必ず、
Webサイトでも見てください。
写真の画像が全然違います。
鮮明です。

詳細は明日、解説しましょう。

では、みなさん、今週も、
基本の徹底と変化への対応を。
Good Monday!

〈結城義晴〉


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