世界同時株安・世界同時物価高騰と「最高の二番手」

月刊商人舎4月号、
責了しました。
すべての原稿を入稿して、
すべての原稿を校正して、
あとはデザイナーさんと印刷所にお任せする。
それを「責任校了」、略して「責了」と呼ぶ。
みんな、疲れ切った。
それでも安堵の色が見える。
お疲れ様。
いい雑誌になりました。
ありがとう。
表紙もとても良かった。
原稿はもちろん良かった。
写真がすごく良かった。
しかもたくさんの写真を使った。
1827年のフランス。
ニセフォール・ニエプスが、
写真を発明した。
ニエプスに感謝。
もちろん、
ヨハネス・グーテンベルクにも感謝したい。
こちらは1445年に活版印刷を発明した。
歴史的にいろいろな人の、
いろいろな発明によって、
私たちの生活や仕事ができ上っている。
それに感謝しなければならない。
いや、感謝したいと思う。
さて、トランプ関税。
ニューヨーク証券取引所のダウ株価は、
急落の流れが止まらない。
日経平均株価も下落一方。
世界同時株安。
他国に関税をかければ、
自国の製造業が再生される。
そんなはずはない。
ポール・クルーグマン。
「完全に狂っている」
トランプは経済市場によって裁かれる。
私はそう言っているが、
裁かれるまで待っていては遅い。
トランプを支持していたアメリカの友人も、
「アホか‽」と言い始めた。
ウォルマートは世界で最も大量に、
中国製品を輸入し、店頭で販売している。
ウォルマートも関税分を、
そのまま価格に転嫁はしない。
相当我慢するだろうけれど、
売価は確実に高騰する。
ほとんどが必需品だから、
購入量が極端に減るわけではない。
だから売上げは上がるだろう。
年商は軽々と100兆円を超えるに違いない。
しかしアメリカ国民の生活は苦しくなる。
とくに低所得者はそれに耐えられなくなるだろう。
ホームレスも増えるのだろう。
アメリカに進出しているドイツの小売業。
アルディはさらに躍進する。
米国内店舗数はすでに2400店。
ウォルマート、クローガーに次ぐ店舗数。
アルディの世界年商は、
昨年で1448億ドル(22兆円)。
リドルの成長は想像を超えるだろう。
2017年にアメリカに進出して、
今年1月末の店舗数は183店。
ウォルマートを凌ぐ、ドイツ勢の低価格力。
両者は凄い勢いをもつに違いない。
アルディとリドルの揃い踏みで、
両者が激しく競争し合うと、
周辺のアメリカのスーパーマーケットが、
次々に業績を落とし始める。
アルバートソン以下のチェーンは、
危なくなるだろう。
イギリスのテスコが停滞しているのは、
アルディとリドルの躍進のためだ。
世界同時株安と、
世界同時物価高騰。
苦しむのは持たざる者ばかりだ。
それを救うのはRetailだけれど。
朝日新聞「折々のことば」
第3374回。
鷲田清一さんの編著。
よくまあ、これだけの本や情報に、
目を通している。
同じ場所で太く長く
生きていこうと思ったら、
「最高の二番手」になるべきだ。
〈堺正章『最高の二番手』から〉
「仕事が、
『ゆるやかに下り坂』になる時期が
誰にもある」
「不安でも、己を知る良い機会だ」
そこで堺は、
「二番手」のポジションをとろうとする。
「トップを競わなければ、
『ガツガツ』した焦燥感から解放されるし、
自分がまだ通過点にいると思い、
努力し続けられる」
鷲田さん。
「誰もが一位をめざす社会より、
一級品の二番手が多い社会のほうが堅牢だ」
マーケット・リーダーよりも、
マーケット・チャレンジャーがいい。
いやマーケット・ニッチャーでもいいと思う。
役者や歌手はとくに。
しかしこの世界でフォロワーは、
絶対に生き残れない。
アメリカチェーンストアで、
アルディやリドルが二番手になったら怖い。
「最高の二番手」はいいポジションなのだから。
〈結城義晴〉
4 件のコメント
ゆるやかに下り坂になった時、リーダーよりもチャレンジャーであることを狙うというのは、とても奥深い示唆だと思います。リーダー役は若手に委譲し、自らは新たな挑戦に身を投じる。それで組織も社会も活性化します。
それにしてもトランプ。彼は頑迷なので簡単には方針変更しないでしょう。次の選挙が近づくまで今の方針を続けそうな気がします。私たちは、少なくともそれを覚悟して戦略を組み立てる必要があります。トランプにも、早くリーダー役を若手に委譲して欲しいものです。
吉本さん、リーダーの件は、同感です。
トランプがバンスに譲っても、
それはそれで困りものですが、
それでも老害であることは間違いないことです。
ジョン・F・ケネディは43歳で大統領に就任しました。
それもカトリック教徒で初めてのことでした。
そんなリーダーがアメリカに欲しいですね。
トランプ関税でアメリカが自分の首を絞める事がわかるのはまだまだ先ですが、
それは皆がわかっている事ですね。
まさに老害…
世界恐慌が来ないことを祈ります。
最高の2番手は私も感じる事があります。
2番手は仕事をする上では非常に楽しいポジションだと思います。
ある程度自分の考えも出せて、トップの右腕!
やりがいあるので私は好きです!
田邊さん、ありがとうございます。
私も実は最高の二番手、好きです。
それでも一番手のときもあります。
最高の二番手になったら、
脂ののったときに最高の一番手を目指す。
年をとったら再び最高の二番手になる。
そんなこともいいでしょう。
ドナルド・トランプにはそれは無理でしょうが。